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森の賢人
「61話」
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覚悟を決め立ち上がり、タマさんに一言声をかける。
「……ちょっと森行ってくるね。たぶん足らないと思うから」
逃げるわけじゃないヨ?
気合い入れて作らないとだから、絶対補給しないとダメになると思うんだよね。
「ニャ。 ついてくニャ」
「おー……」
タマさんもついてくるのね……プレッシャーがやばい。
……本当、逃げるわけじゃないデスヨ??
宿を出て走ること数分、俺たちは森へと到着していた。
これぐらいの距離であれば息切れする事無くなってきた……大分強くなったよね、本当。
んま、作りますかね。
「枯らしちゃまずいんだけど、移動するのもダルいんだよねえ」
何回か補給して成長させてーを繰り返せばいずれ出来るだろうけど、いちいち移動して根っこさして、吸って、抜いてってやるのめんどいのよね。
枯れるまで吸っちゃえば回数は減るだろうけど、枯らしちゃうのはちょっとね……犯人俺だってバレバレだし、いつか怒られるだろう。
と言うわけで何か良い方法はないかなっと。
働くのだ俺の緑色脳細胞よ。
「ああ、根っこ伸ばせばいいのか」
根っこだもん、伸ばせば良いじゃないーなのだ。
ぶっとい根っこはともかく、あのひょろい根っこならいっぱい伸ばせるんじゃないかな、たぶん。
と言うわけで、根っこぶっさして広範囲に伸ばしていきますよっと。
「んんっ!? あ、これ……ちょっ」
予想通り良い感じで根っこ伸びていったんだけど、ちょっとまずいことになった。
ちょっとじゃないか。かなりまずい。
「ニャ?」
「根っこに虫か何かが動く振動が伝わってきて……やばい。感度落とせるかな……」
例えじゃなく、全身を虫が這いずり回る感触が襲った。
やばい、まじやばい。
全身鳥肌もんですわこれ。
自分でも叫ばなかったのすごいと思う。
何だろう……ぶっとい根っこだと気にならなかったのに……広範囲に広げたのがまずかったのだろうか。
このままじゃ吸う前に精神的に死にかねない。
何とか感度落とせないかと唸っていると、次第に這いずり回る感触が消えていった。
「あ、いけるっぽい」
おそらく大きな振動でもなければ分からないんじゃないかな、これ。
「ニャ」
まあ、なんにせよ無事根っこを広げることには成功した。
あとは果物をつくるだけなんだけど……。
今回作ろうと思っているのは夏に美味しいスイカである。
個人的にも好きな方だし、毎年食ってはいた……と思う。
ただね……。
スイカの種類がよく分からないのよね。
どれが高級で美味しいかもいまいち分からない……一応いくつか知っている名前はあるので、その内のどれかにしようとは思っている。
詳しくない奴でも名前を知っているということは、きっと美味しいのだろう。
……よし、何か名前も格好良いし、これに決めた!
「頼んだぞ!ら〇でん!!」
タマさんが気に入らなければ俺は爪研ぎにされてしまう!
桃の時みたいに特殊効果を……なんて考えず、ただひたすらに味が良くなるようにとだけ思い、スイカを作っていく。
「ニャ…ニャッ!? でっかいニャー!」
「でっか!」
根っこがどれだけの範囲まで伸びたのか分からないが、周囲から集めに集めた生命力やらなんやらを全て注ぎ込まれたスイカは見たことのないサイズまででかくなった。
腕で抱えるように持つとずっしりと重さを感じる……たぶんこれ30kg越えてると思う。
「おっも……これタマさんより重いぞ」
タマさんも猫としてはかなりジャンボサイズだけど、重さは20kgもないと思うんだよね。
10kgは余裕で越えてると思うけど……あれだ、お腹に飛び乗られると悶絶しそうな重さだ。
寝てる最中にお腹の上にでんっと乗られるぐらいなら良いんだけどね、飛び乗られると死ねる。
んでそんなジャンボサイズなタマさんだけど。
「早速たべるニャ! 宿戻るニャー!」
スイカをみて大はしゃぎである。
速攻俺の腕からスイカをもぐと頭上に掲げて宿の方へと走って行ってしまう。
あいかわらずぶちっと鼻毛抜いたぐらいの痛みがくるけど……いい加減慣れたもんです。
んま、タマさんの機嫌も戻ったみたいだし、宿に戻ってスイカでも食べますかねえ……。
あ、あれ?
根っこがなかなか戻らないよっ!?
やっべ、広範囲に広げすぎて回収するまで時間かかる系かこれ。
「おー、おー? ……ま、待ってタマさんっ……根っこが、根っこがまだ抜けないの! タマさーん!?」
ちぎるのはこの数だと絶対痛いし……って悩んでるうちにタマさんもう見えなくなってるし! タマさんかむばあーっく!
森に一人置いてかないでーっ!
「……ちょっと森行ってくるね。たぶん足らないと思うから」
逃げるわけじゃないヨ?
気合い入れて作らないとだから、絶対補給しないとダメになると思うんだよね。
「ニャ。 ついてくニャ」
「おー……」
タマさんもついてくるのね……プレッシャーがやばい。
……本当、逃げるわけじゃないデスヨ??
宿を出て走ること数分、俺たちは森へと到着していた。
これぐらいの距離であれば息切れする事無くなってきた……大分強くなったよね、本当。
んま、作りますかね。
「枯らしちゃまずいんだけど、移動するのもダルいんだよねえ」
何回か補給して成長させてーを繰り返せばいずれ出来るだろうけど、いちいち移動して根っこさして、吸って、抜いてってやるのめんどいのよね。
枯れるまで吸っちゃえば回数は減るだろうけど、枯らしちゃうのはちょっとね……犯人俺だってバレバレだし、いつか怒られるだろう。
と言うわけで何か良い方法はないかなっと。
働くのだ俺の緑色脳細胞よ。
「ああ、根っこ伸ばせばいいのか」
根っこだもん、伸ばせば良いじゃないーなのだ。
ぶっとい根っこはともかく、あのひょろい根っこならいっぱい伸ばせるんじゃないかな、たぶん。
と言うわけで、根っこぶっさして広範囲に伸ばしていきますよっと。
「んんっ!? あ、これ……ちょっ」
予想通り良い感じで根っこ伸びていったんだけど、ちょっとまずいことになった。
ちょっとじゃないか。かなりまずい。
「ニャ?」
「根っこに虫か何かが動く振動が伝わってきて……やばい。感度落とせるかな……」
例えじゃなく、全身を虫が這いずり回る感触が襲った。
やばい、まじやばい。
全身鳥肌もんですわこれ。
自分でも叫ばなかったのすごいと思う。
何だろう……ぶっとい根っこだと気にならなかったのに……広範囲に広げたのがまずかったのだろうか。
このままじゃ吸う前に精神的に死にかねない。
何とか感度落とせないかと唸っていると、次第に這いずり回る感触が消えていった。
「あ、いけるっぽい」
おそらく大きな振動でもなければ分からないんじゃないかな、これ。
「ニャ」
まあ、なんにせよ無事根っこを広げることには成功した。
あとは果物をつくるだけなんだけど……。
今回作ろうと思っているのは夏に美味しいスイカである。
個人的にも好きな方だし、毎年食ってはいた……と思う。
ただね……。
スイカの種類がよく分からないのよね。
どれが高級で美味しいかもいまいち分からない……一応いくつか知っている名前はあるので、その内のどれかにしようとは思っている。
詳しくない奴でも名前を知っているということは、きっと美味しいのだろう。
……よし、何か名前も格好良いし、これに決めた!
「頼んだぞ!ら〇でん!!」
タマさんが気に入らなければ俺は爪研ぎにされてしまう!
桃の時みたいに特殊効果を……なんて考えず、ただひたすらに味が良くなるようにとだけ思い、スイカを作っていく。
「ニャ…ニャッ!? でっかいニャー!」
「でっか!」
根っこがどれだけの範囲まで伸びたのか分からないが、周囲から集めに集めた生命力やらなんやらを全て注ぎ込まれたスイカは見たことのないサイズまででかくなった。
腕で抱えるように持つとずっしりと重さを感じる……たぶんこれ30kg越えてると思う。
「おっも……これタマさんより重いぞ」
タマさんも猫としてはかなりジャンボサイズだけど、重さは20kgもないと思うんだよね。
10kgは余裕で越えてると思うけど……あれだ、お腹に飛び乗られると悶絶しそうな重さだ。
寝てる最中にお腹の上にでんっと乗られるぐらいなら良いんだけどね、飛び乗られると死ねる。
んでそんなジャンボサイズなタマさんだけど。
「早速たべるニャ! 宿戻るニャー!」
スイカをみて大はしゃぎである。
速攻俺の腕からスイカをもぐと頭上に掲げて宿の方へと走って行ってしまう。
あいかわらずぶちっと鼻毛抜いたぐらいの痛みがくるけど……いい加減慣れたもんです。
んま、タマさんの機嫌も戻ったみたいだし、宿に戻ってスイカでも食べますかねえ……。
あ、あれ?
根っこがなかなか戻らないよっ!?
やっべ、広範囲に広げすぎて回収するまで時間かかる系かこれ。
「おー、おー? ……ま、待ってタマさんっ……根っこが、根っこがまだ抜けないの! タマさーん!?」
ちぎるのはこの数だと絶対痛いし……って悩んでるうちにタマさんもう見えなくなってるし! タマさんかむばあーっく!
森に一人置いてかないでーっ!
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