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生を受けた理由
「104話」
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ほわいっ!?
「や、山が動いてっ!? ってぇ爆発した!? え、何ッ!? 何が起きてるのっ」
なんで山が動くの!?
しかもね、さっきからバッコンバッコン山が爆発してるの、どういうことなの!??
「あれ山じゃないニャ。 よくみるニャ」
「山じゃない……? 鼻と牙がある、それに尻尾も……あれ生き物なのか。 嘘でしょ、でかすぎる……」
よく見ろと言われて、動く山をじーっと観察してみる。
すると像のように長い鼻に、猪の牙を凶悪にしたようなのが生えているのが確認できた。 あ、尻尾は……なんだろうね、そんなに長くはないけど、爬虫類とかそんな感じの見た目だね。
ちょっとでかすぎて信じられない気持ちが大きいけど、確かにあれは生き物らしい……俺の目測が間違っていなければ体長は100m越え、体高は50mぐらいかな……尻尾と鼻を入れれば体長は150mとか行っちゃうんじゃないのかな、あれ。
「あいつはこの近辺にいるので一番でかいやつニャ。 尻尾を切ってもまた生えてくるから尻尾だけ頂くのニャ」
「わーお。 ワイルドですねタマさんの故郷の方々」
ワイルド過ぎない?
普通さ、俺よりちっさい体であんなでかぶつ狩ろうとか思わないよね……踏まれたら一発だろうし……いや、本当危ないよねこれ。
「……いや、まって。 あんなでかい生き物の尻尾を切るってそれ危なくない?」
「慣れてるし平気ニャ。 なんであいつが逃げ回ってると思ってるニャ。 ここじゃあっちが狩られる側だニャ」
「やだ、ここのにゃんこ達怖い……」
おかしいな、俺のイメージするにゃんこ像とどこか違う気がするんです。
タマさんもおっそろしく強いけど、ここのにゃんこ達もおかしいレベルで強いよね……モフモフするのも命懸けとかやばい。
甘噛みのつもりで指とかとれそう。
「っと、そうだ見学するんだった。 近づいても大丈夫かな?」
いかんいかん、当初の目的を忘れてた。
手伝えるなら手伝いたいし、とりあえず近付いても……大丈夫かなこれ。
にゃんこより的がデカい分攻撃しやすいって狙われたりしない? さすがにあれに踏まれたら痛いじゃすまないと思うのです。
「踏まれなければ大丈夫だニャ」
「うん、まあそりゃね……」
……木の上にでも居ようかね?
とりあえず一番高そうな木に登ってと。
見学見学ぅ~っと……わあ。
上から見ると状況がなんとなく分かるね。
あのでっかい生き物の足元でにゃんこ達が高速で動き回りながら攻撃仕掛けているみたい。
「おう……容赦ないね皆」
脚を攻撃して動き止めるつもりなのかな?
ドゴォッて感じでさっきからすねの辺りを攻撃しまくってる。それによくよく見ると攻撃が一箇所に集中してたりして……めっちゃ痛そう。
そうそう、あのでっかいのもただ黙ってやられている訳じゃ無いよ。
さっきから脚で踏みつぶそうとしてはいるけど、的が小さいのと早すぎるのでまったく当たってなかったりするけどね。
ただ……。
「ん?…………とぉーっ!?」
威力は半端じゃないので時々にゃんこが爆風ですっ飛ばされている。
今もこっちに向かってにゃんこがすっ飛んできたので、蔦を伸ばして回収したところだ。
たぶん、自分で着地出来るだろうけどね。
ほら、俺もお手伝いしないとだからね?
何より合法的ににゃんこを触れるのがでかい。
役得ですよ役得ぅ!
まあ、そんな感じで狩りの見学をしていた訳だけど、ついにでっかいのが脚にダメージ蓄積して動けなくなったぽい。
そしてにゃんこ達はうごけなくなったそいつの尻尾目がけて攻撃を集中させ……尻尾の切断に成功した。
そして用は済んだとばかりに尻尾を皆で抱えてぴゅーっと居なくなってしまう……。
いやー……あのでっかいの災難だったねえ。
「ちょっとあのでかいの可哀想に思えてきた……」
そいつはしばらく動かないで居たのだけど、やがてゆっくりと身を起こし、その辺に生えている木を……いや、葉っぱかな? もしゃもしゃと食べ始めた。
その後ろ姿がどことなく哀愁漂っていて、なんか可哀想に思えてきてしまったよ……。
「尻尾切れたみたいだニャー」
俺がふくざつーな気持ちでそいつを眺めていると、背後からタマさんがトコトコ近寄ってきた。
タマさんてば途中で飽きてお昼寝してたんですよ?
とりあえずタマさんの頭を撫で、手を噛まれておく。
あとは皆と一緒に街に戻るだけなんだけどー……んー。
「おー……タマさんちょっと先行ってて貰ってもいいかな? 俺もすぐ行くから」
「ニャ。 好きにするといいニャ」
ばれてーら。
いや、ちょっと回復効果のある果物でも置いてこようかなー?ってね。
俺の歓迎会で狩りが始まった訳だし、なんかモンスターじゃなくて動物ぽい感じだし……動物だよね?
木の上にいた俺の存在には気が付いていただろうし、それでいて襲ってこなかったんだからモンスターではない、はず。
……ちょ、ちょっと離れたところに置いて様子見ようかな。
襲われそうになったらダッシュで逃げよう。
「えーっと……これ、回復効果あるから良かったら食べて……なんて、ははは」
間近で見るとでかすぎてやべえ。
今のところは襲ってくる気配は無いけど……?
「…………あ」
鼻を伸ばしてスイカを……あ、図体でかいから少しでも食い応えあるようにって事でスイカにしたんです。 んで鼻でスイカを数個抱えて口に運んで……食った。
鼻だけ見ると像みたいだね、こいつ。
そして食うと同時に切られた尻尾が……完全に生えはしないけど傷は塞がってるね、あとちょっとだけ伸びてきてはいるみたい。
「ん?」
なんかこっちをじーっと見てくるんですが……。
そしておもむろに鼻で自分の背中当たりをまさぐって……何か取り出したぞ。
「え、なに。くれるの……?」
こいつスイカを食って傷が塞がったことを分かっているぽい?
たぶんお礼ってことなんだろうけど、やたらと巨大な物体を俺の目の前に置いて、スイカを回収してどこかに行ってしまった……。
「このでっかいのどうすれば……」
いや、まじでこのでかいのどうすれば……?
「や、山が動いてっ!? ってぇ爆発した!? え、何ッ!? 何が起きてるのっ」
なんで山が動くの!?
しかもね、さっきからバッコンバッコン山が爆発してるの、どういうことなの!??
「あれ山じゃないニャ。 よくみるニャ」
「山じゃない……? 鼻と牙がある、それに尻尾も……あれ生き物なのか。 嘘でしょ、でかすぎる……」
よく見ろと言われて、動く山をじーっと観察してみる。
すると像のように長い鼻に、猪の牙を凶悪にしたようなのが生えているのが確認できた。 あ、尻尾は……なんだろうね、そんなに長くはないけど、爬虫類とかそんな感じの見た目だね。
ちょっとでかすぎて信じられない気持ちが大きいけど、確かにあれは生き物らしい……俺の目測が間違っていなければ体長は100m越え、体高は50mぐらいかな……尻尾と鼻を入れれば体長は150mとか行っちゃうんじゃないのかな、あれ。
「あいつはこの近辺にいるので一番でかいやつニャ。 尻尾を切ってもまた生えてくるから尻尾だけ頂くのニャ」
「わーお。 ワイルドですねタマさんの故郷の方々」
ワイルド過ぎない?
普通さ、俺よりちっさい体であんなでかぶつ狩ろうとか思わないよね……踏まれたら一発だろうし……いや、本当危ないよねこれ。
「……いや、まって。 あんなでかい生き物の尻尾を切るってそれ危なくない?」
「慣れてるし平気ニャ。 なんであいつが逃げ回ってると思ってるニャ。 ここじゃあっちが狩られる側だニャ」
「やだ、ここのにゃんこ達怖い……」
おかしいな、俺のイメージするにゃんこ像とどこか違う気がするんです。
タマさんもおっそろしく強いけど、ここのにゃんこ達もおかしいレベルで強いよね……モフモフするのも命懸けとかやばい。
甘噛みのつもりで指とかとれそう。
「っと、そうだ見学するんだった。 近づいても大丈夫かな?」
いかんいかん、当初の目的を忘れてた。
手伝えるなら手伝いたいし、とりあえず近付いても……大丈夫かなこれ。
にゃんこより的がデカい分攻撃しやすいって狙われたりしない? さすがにあれに踏まれたら痛いじゃすまないと思うのです。
「踏まれなければ大丈夫だニャ」
「うん、まあそりゃね……」
……木の上にでも居ようかね?
とりあえず一番高そうな木に登ってと。
見学見学ぅ~っと……わあ。
上から見ると状況がなんとなく分かるね。
あのでっかい生き物の足元でにゃんこ達が高速で動き回りながら攻撃仕掛けているみたい。
「おう……容赦ないね皆」
脚を攻撃して動き止めるつもりなのかな?
ドゴォッて感じでさっきからすねの辺りを攻撃しまくってる。それによくよく見ると攻撃が一箇所に集中してたりして……めっちゃ痛そう。
そうそう、あのでっかいのもただ黙ってやられている訳じゃ無いよ。
さっきから脚で踏みつぶそうとしてはいるけど、的が小さいのと早すぎるのでまったく当たってなかったりするけどね。
ただ……。
「ん?…………とぉーっ!?」
威力は半端じゃないので時々にゃんこが爆風ですっ飛ばされている。
今もこっちに向かってにゃんこがすっ飛んできたので、蔦を伸ばして回収したところだ。
たぶん、自分で着地出来るだろうけどね。
ほら、俺もお手伝いしないとだからね?
何より合法的ににゃんこを触れるのがでかい。
役得ですよ役得ぅ!
まあ、そんな感じで狩りの見学をしていた訳だけど、ついにでっかいのが脚にダメージ蓄積して動けなくなったぽい。
そしてにゃんこ達はうごけなくなったそいつの尻尾目がけて攻撃を集中させ……尻尾の切断に成功した。
そして用は済んだとばかりに尻尾を皆で抱えてぴゅーっと居なくなってしまう……。
いやー……あのでっかいの災難だったねえ。
「ちょっとあのでかいの可哀想に思えてきた……」
そいつはしばらく動かないで居たのだけど、やがてゆっくりと身を起こし、その辺に生えている木を……いや、葉っぱかな? もしゃもしゃと食べ始めた。
その後ろ姿がどことなく哀愁漂っていて、なんか可哀想に思えてきてしまったよ……。
「尻尾切れたみたいだニャー」
俺がふくざつーな気持ちでそいつを眺めていると、背後からタマさんがトコトコ近寄ってきた。
タマさんてば途中で飽きてお昼寝してたんですよ?
とりあえずタマさんの頭を撫で、手を噛まれておく。
あとは皆と一緒に街に戻るだけなんだけどー……んー。
「おー……タマさんちょっと先行ってて貰ってもいいかな? 俺もすぐ行くから」
「ニャ。 好きにするといいニャ」
ばれてーら。
いや、ちょっと回復効果のある果物でも置いてこようかなー?ってね。
俺の歓迎会で狩りが始まった訳だし、なんかモンスターじゃなくて動物ぽい感じだし……動物だよね?
木の上にいた俺の存在には気が付いていただろうし、それでいて襲ってこなかったんだからモンスターではない、はず。
……ちょ、ちょっと離れたところに置いて様子見ようかな。
襲われそうになったらダッシュで逃げよう。
「えーっと……これ、回復効果あるから良かったら食べて……なんて、ははは」
間近で見るとでかすぎてやべえ。
今のところは襲ってくる気配は無いけど……?
「…………あ」
鼻を伸ばしてスイカを……あ、図体でかいから少しでも食い応えあるようにって事でスイカにしたんです。 んで鼻でスイカを数個抱えて口に運んで……食った。
鼻だけ見ると像みたいだね、こいつ。
そして食うと同時に切られた尻尾が……完全に生えはしないけど傷は塞がってるね、あとちょっとだけ伸びてきてはいるみたい。
「ん?」
なんかこっちをじーっと見てくるんですが……。
そしておもむろに鼻で自分の背中当たりをまさぐって……何か取り出したぞ。
「え、なに。くれるの……?」
こいつスイカを食って傷が塞がったことを分かっているぽい?
たぶんお礼ってことなんだろうけど、やたらと巨大な物体を俺の目の前に置いて、スイカを回収してどこかに行ってしまった……。
「このでっかいのどうすれば……」
いや、まじでこのでかいのどうすれば……?
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