家の猫がポーションとってきた。

熊ごろう

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「6話」

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ネズミは俺へ3匹、クロに2匹と二手に分かれて突っ込んできた。
よっし、うまい具合に分かれてくれた……っ。

「よっ……っと!」

右足で手前の1匹を蹴り上げ、2匹目は蹴り上げた足を思いっきり踏み込むように踏みつぶす。
……く、靴の裏に嫌な感触がっ。

「もういっちょ!」

今度は右足を踏み込んだ勢いで左足を蹴り上げる。
踏み込んだのが良かったのだろうか。今までに無いぐらい威力が出た。

具体的に言うと首がもげかけ……グ、グロい。


でもやっつけたぞ、あとはクロだけど……。



「……うわあ」

1匹は喉元から血を噴いてるし、もう1匹は首が180度逆向いてるし。
……どうやったんだろうね? いや、血を噴いてるのは分かるんだけどさ、血管ばしゅってやったんだろうなって。

でも首が折れるのは……猫ってこんな強かったっけ……?

そ、それはさて置き。
部屋を突破したのでその先にある通路へと進むことが出来た。


「うーん……」

ただいくらか進む内に先ほどと同じ様に行き止まりとなってしまう。
その度に数の少ない部屋を狙って進んでいたのだけども、5匹が6匹、6匹が7匹とどんどん増えて行き、ついには二桁以上のネズミが居る部屋しかなくなってしまったのだ。


「10匹……い、いけるかな?」

さすがにちょっと多い気がする……けど。
先に進むにはこの部屋を通らないといけないわけで……今までの戦いで俺は4匹、クロは5匹まで対応出来るのは分かっている。

クロは走り回りながらヒットアンドアウェイで戦う感じで、俺は両足使って蹴って踏み潰す感じ。
なので俺が5匹目を何とか出来ればこの部屋も攻略出来る……と。



「……行ってみるか」

少し悩んだけど行くことに決めた。
噛まれたらポーション使おう。

実はあれから更にポーション3つ手に入れてるんだよね。
今のところ怪我してないので午前中に手に入れた分のと、あと前にクロが取ってきたのを含めて手元に5つポーションがあるのだ。


「……よし、行くよ。 1、2のー……3っ」

手に持った鉈を確かめる様に握り直し、合図と共に一気に部屋へと駆け込む俺とクロ。

部屋に入った瞬間ネズミたちが反応しこちらへと向かってくる、ちょうどいい具合に5匹ずつ分かれてくれた。

ネズミが射程に入った瞬間右足を蹴り上げる。
躊躇はしない、すると5匹に一斉に噛み付かれる事になってしまうからだ。

2匹目を踏み潰し、3匹目を蹴り上げ、4匹目を踏み潰す。

そして4匹目を踏み潰し、少し体勢が崩れたところへ5匹目のネズミが突っ込んでくる。
狙われたのは左足。 右足での迎撃は……間に合いそうも無い。

俺は咄嗟に飛びずさり、俺はネズミの噛み付きを回避する選択を取った。


「危なっ」

ネズミの歯が合わさりガチッと決して小さくない音が響く。
かなりギリギリのタイミングだったが咄嗟に飛びずさったことで攻撃を回避出来た。

音からしてかなり威力がありそうだ、噛まれていたら肉を抉られていたかも知れない。
もし噛まれていたらと想像してしまい、背筋がゾッとするが……ネズミはそんな俺の気持ちなど知らないとばかりに追撃をするべく再び俺へと飛び掛かってきた。

俺はしゃがみ込む様に着地すると、手に持っていた鉈をネズミの頭へと叩きつけた。



「……鉈つよっ」

振り下ろされた鉈はネズミを頭を半ば潰すように断ち切ってしまう。
勢い余って床へと叩きつけてしまったが幸いなことに刃こぼれはして無い様だ。

……今までネズミの体高が低いからと足ばかり使っていたけれど、やっぱ刃物って強いよね。
もっとでかいのが出たら鉈をメインで使うことになるのか……ちょっとそんなでかいのと殺り合うのは遠慮したいなあ……。

ま、とにかく10匹でも行けることが分かった。
もう1匹ぐらいなら増えてもたぶん大丈夫だろう。

クロはどうしたって? あっちも問題なく終わってたよ、てか鉈を振り下ろしてクロはどうなったかなーと振り返ったら、もう倒し終わってこっちの様子見てたよ。 やばいよ、飼い主の威厳が無いよ。


「うん、行けるね。 20以上とかは絶対無理だろうけど……よし、進もうか。 ネズミ以外も居るかもだから警戒はしてこうね」

小部屋にたまったネズミも俺とクロで力を合わせれば行けることが分かった。
これでもっと奥へと進めるね、今のところネズミしか出ていないけどもしかすると他にも居るかも知れないし、油断だけはしないでいこう。

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