20 / 304
「20話」
しおりを挟む「改造の項目を開いているし、改造の項目を説明しよう。 装備の名称に触れてくれるかい? 敵を倒すとレベルアップして肉体が強化されることは知っての通りだけど、装備も同じでね。 さらに装備の場合追加で改造して強化する事も出来るんだ」
「おお」
レベル上がると装備も強化されるのか。
言われてみれば鉈とかまったく研いだりしてないのに問題なく使えてるしなあ。 切れ味とか落ちてる感じしなかったのはレベルアップによる恩恵なのかな。
「今改造できるのは武器であれば強度、切れ味、重量、形状かな。防具であればまた違う項目が出て来る、それは後で色々確かめると良いよ。 改造できる回数も決まっていて、装備レベル1毎に1回となっているね。 あと改造にはポイントを消費するから頑張って溜めてね」
「おー……」
予想通りと言えば予想通りだけど、そこまでぶっ飛んだ強化は出来ないのかな。
残念っちゃ残念だけどバランス考えると仕方が無い……よね。
「それとね条件を満たすと素材を使って強化出来たりもする、その場合は特殊な効果が付くから楽しみにして欲しい」
「おぉぉおお」
あったわ!ぶっ飛んだ強化。
とは言え付く効果次第だけれどねー……そして条件と素材ね? 条件はレベルと特定の階層まで攻略するとかかな……素材は何だろうね、宝箱から出るようになるのか、それとも敵から剥ぐのか……剥ぐのかー、ちょっとやだなあ。
「次は修復かな。 これは名称から想像できる通り、痛んだ装備を修復出来るよ。 折れた剣なんかもばっちり直せるから安心してね。 あ、修復にはポイント掛かるよ」
ふむふむ。
便利だねこれ。
俺の装備はまだ壊れてはいないのだけど、結構傷だらけではあるんだよね。 犬に噛まれまくったから手袋とか腕まわりが特に酷い。
壊れたら買えば良いと思っていたけれど、装備にもレベルがあるのなら修理して使い続けた方が良いからね。
あ、でも良い装備をポイントで買えたりするのならまた話は変わってくるか。あと宝箱の中身がどうなるかも。
聞いてみるか。
「はい! 質問いいですか?」
「勿論だとも!」
嬉しそうだなあ。
「ありがとうございます。 えっと、装備って今のを使い続けた方が良いんでしょうか? それともポイントで買った方が良かったりするんでしょうか? あと、宝箱の中身って変わります?」
「んん、難しい質問だね。 ……まず、ポイントで買える装備は君達が日常で買える物と比べて性能は良い傾向にある。 中には特殊な効果が付いている物だってあるしね」
難しい質問だったのか。
ふむふむ、基本性能は買った奴の方が良いと。
何かデメリットあるんだろうなあ。
「でもポイントで買った物は素の性能が良い物ほどレベルが上がりにくい。 つまりカードスロットが少ないんだ。 なので私としてはカードを豊富に揃える手段があるのなら今の装備のまま。 そうじゃないならポイントで買った物をお勧めするかな」
「あー」
なるほどねえ……これはカードを入手できる確率次第かなあ。
0.1%とかそれぐらいなら何とか……? 1階層に4桁は敵倒しているし。
「例外もあるのだけどね」
「おおう?」
例外とな?
「宝箱の中身だけど、チュートリアルを突破したことで一新されているんだ。 中には装備が入っている事も有る。 そして……宝箱からはポイントで買えない特殊な装備が出ることもある」
「なっるほどー」
レア装備ってことか!
なるほどなるほど、攻略する側の心理をよく分かってますな。
そんな目の前に人参ぶら下げられたら張り切るっきゃないよね。
「こんなところかな?」
「ありがとうございますー!」
すっごい理解できましたとも。
「最後は施設だね。 これはポイントを消費して1階の休憩所をアップグレード出来る機能だね。 個室も作れちゃうよ」
「あ、良いですねこれ」
もしかすると調理設備とかあるかも知れない。
あと電源とか。
ちょっと飲み物欲しいなーとかスマホの充電とかいちいち上に戻るの面倒だったしね。
ざっとしか見てないけれど施設ってぐらいだから色々あるっぽいね。
でも……。
「……ちなみに猫用の施設もあったり?」
「あははは! ……いいよ、追加しておこう」
「ありがとうございます!」
やったぜ。
言ってみるもんだねー。
「機能については今はこれぐらいだね、今後色々追加されていくから楽しみにしておいてよ」
色々追加か、そう言えばテスト中だったもんね。
つまり俺はテストプレイヤーってところか。
うむ、欲しいのあったらガンガン要求しちゃおうかな。通るかは別として。
「あとはそうだね……注意事項として、このダンジョンについて誰かに……チュートリアルを突破していない人に情報を伝えようとすると、制限が掛かるようになっているよ。 どんな情報を制限するかは状況を見ながらこっちで判断するね。 ああ、制限といっても君が何かする必要があるって訳じゃないから安心して。 そんなに気にしなくても大丈夫だよ」
情報の制限かー……チュートリアルまでは自力で前情報なくクリアして欲しいのかな? どうやって制限するのかは分からないけど、俺から誰かに話すつもりは今のところ無いし、たぶん問題ないでしょ。
「以上、簡単だけど説明終わり。 何か聞きたいことはあるかい?」
聞きたいこと聞きたいこと……色々あって思い出せないぞ。
えっと……なんだっけかな。気になってたこと。
「えっと……ダンジョンって小とか極小とか種類があるんですよね? これの違いって何なのかなーって」
ダンジョンの種類についてちょっと気になってたんだった。
「まずダンジョンの大きさが違うね、部屋の広さとか色々。 次に出て来る敵の種類も数も違うよ。 大きくなるほど数が多くなって敵も強くなる」
大きさ以外も違うのね。
ここは極小ダンジョンだから、敵の数が少なくて弱いと。
「なるほど。 じゃあここのダンジョンって比較的難易度低いのかなー?」
実際1階の敵とかただのネズミだったからなあ。
ちょっと弱すぎてモンスターと言うか普通の動物だよね、あれ。
と、アマツの話しを聞いてここのダンジョンは難易度低いのかと思ったのだけど、どうも違うらしい。
アマツは大袈裟に首を振ると話を続ける。
「いいや、そんな事はないよ。 ダンジョンによって持ち込める装備に制限があるのさ。 ここだと強力な装備は持ち込めないからね、装備が違うと同じ敵を倒すのにも苦労するよ」
「あー……確かに、よく分かります」
装備まじ大事。
装備で制限掛かるのか。
強力な装備ねえ……大剣とかボウガンとか? いや、違うか。 銃とかかな、たぶん。
銃か、アメリカとかだと一般人も持てるんだっけ?
日本だと自衛隊と警察ぐらい……あ、猟師もか。
でもまあ使える人限られてるよね。でっかいダンジョンは攻略するの大変そうだ。
「他に何かあるかい」
「いえ、特には」
色々あった気がするけど、説明聞いている内にどっか行っちゃったぜ。はははん。
「そうかい、まあ何かあったらまた聞きに来ると良いよ。 基本暇だからね。 あはははっ!」
そう言うとアマツは笑いながら消えていく。
猫用の施設を準備しに行ったのかなー。
しかし、思っていたよりずっと変わったキャラだよなあの人。
人って言って良いのか分からんけど。
「……戻るか」
まあ、説明は聞けたし一度戻るとしよう。
クロが目を覚ましてお腹空かせてるかもだし。
4
あなたにおすすめの小説
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる