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「68話」
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翌日の早朝、6時ぐらい。
俺は今日から始まる隊員達とのチュートリアル突破に備えて、色々と準備を進めていた。
「とりあえずポーションを50個ぐらいに、湿布をたくさん。 焼き肉用のお肉と野菜はクーラーの中。コンロと炭、ご飯のスイッチは入れといた。 よし、ばっちり!」
……半分ぐらい焼き肉の準備ような気がしなくもないが、30分かそこらで準備は終わった。
用意した荷物をいったん休憩所に放り込み、俺は家へと戻りクロへと声を掛ける。
「クロ、そろそろ休憩所向かうよ」
その声にクロは眠たそうに顔を上げ、時計へとちらっと視線を向ける。
まだ早くないか?と言いたげなその顔に、俺はああと一言呟き、言葉を続けた。
「どうせばれるし、何時もの装備で行くつもりなんだ。 個室のこともいずればれるだろうけど、皆が来る前に装備回収しておきたいからね」
だから、だいぶ集合時間には早いけれど休憩所に向かうよ。 そう言うとクロはしょうがないなーと言った感じで身を起こし、俺と共に休憩所へと向かった。
ちなみにダンジョンの入り口のある納屋だが、すでに完全に壁で覆われていて外から中の様子を伺う事は出来ない。
また家の周囲の道路は封鎖されているため、野次馬やマスコミなども見える範囲には存在しない。
先日俺があっさり祖父母宅へと向かい、帰ってこれたのもこの為である。
周りに住んでいる人達は一時的にホテルへと非難しているとの事だ。
ちょっと申し訳ない気持ちになるが……ダンジョンが出来たのは俺のせいではないし、深く考えるのは止めておいた。
入り口の警備に声をかけ、ダンジョン内へと入り休憩所に向かう。
休憩所内にはいくつかの器材が置きっぱなしであるが、人影はないようだ。
早速個室に向かい装備を身に着けた俺とクロは、ぼーっとしながら隊員さん達が来るのを待つ。
そして集合時間の20分前ぐらいになると、こつこつと歩く音が複数聞こえてきた。
おそらく隊員さん達だろう。 数は……8人ぐらいかな? 前に会った時よりも人数が増えている?
「……」
「あ、どうも」
ほどなくして休憩所に隊員さん達が入ってくるが、俺のほうへと視線を向け……びくっとして動かなくなる。
……せめてフェイスガードは外しておくべきだったか。
部屋に入ると見知らぬ怪しい恰好をしたやつがいる。しかもそいつは刃渡り50cmぐらいのごっつい鉈を持っている……あかん。
とりあえずフェイスガードを外して挨拶しておこう。
「島津さんか? その装備は米軍の……?」
顔が見えた事で俺だと確信が持てたのだろう。
都丸さんが俺へと話しかけてくる。
「ミリタリーショップで買いました。 一応本物らしいですけど」
本当かどうかは知らんけどね!
でも実際に防御力はあるし、防刃性能はばっちりだし……偽物だったら悲しいけど、十分使えてるし、個人的には問題なしだ。 ってことにしておこう。
「古いタイプみたいですし、払い下げじゃないですか?」
「盾はSWATのやつか……?」
「島津さんの装備も驚いたけど、私としては猫が装備を身に着けているのが驚きですね」
「確かに……」
隊員さん達の反応を見るに、一応本物っぽい?
俺の身に着けている装備が米軍のだと分かると、彼らの興味はクロがつけている装備のほうへと向かう。
確かにまあ、猫がこんな装備つけるとか普通はありえないからねー。わかるわかる。
それはそうとですね。俺の腰から生えてる尻尾に触れないのは彼らの優しさだろうか。 胸から下に視線を向けないようにしているのがすごく気になるんです。
なんで生やしたって? うっかり何時もの装備つける流れで生やしちゃったんだよ。 挨拶してから気が付いたけど今更手遅れだ。
「まあ、皆色々と疑問はあるだろうがまずは条件を満たすのが先だ。 各員、簡単でいいから自己紹介を」
あ、そうそうそれ。
隊員さんの人数は全部で8人で前回会った時より増えてるんだよね。
知らない顔が増えているので、自己紹介してもらわんと名前を呼ぶことすら出来ない。
てか前回会った人も名前知ってるのは隊長含めて3人だけだし。
自己紹介ぷりーずっ。
「もう知っているだろうが、都丸だ。 この分隊の隊長を務めている」
一番最初は隊長の都丸さんからだ。
もちろん知っていますとも。
結構厳つい顔をしているけど、最初に出会った時より優しい雰囲気がある。
目が優しくなったのかな? 笑ってるけど笑ってない的な目じゃなくなっている。
「田尻です。 この間は焼き肉ごちそう様でした」
次は眼鏡かけた目つきの悪いにーちゃん。田尻さんだ。
隊長のパワハラ回避してた人だね、ちゃんと覚えてますとも。
「大野っす。 牛旨かったっす」
パワハラ被害者さんだ。
可哀そう。
普通の若者って感じの人だね、顎にあるのは傷跡かな?
「田浦です。 今日からよろしくお願いします」
顔がすごく怖い人。
ヤの付く人じゃなくて、もっとやべー感じの人。
でも物腰は優しそうだし、クロをちらちらと見ては頬がたまに緩んでいるので動物好きぽい。
1~3階大丈夫かな? ネズミとウサギだけど……ああ、4階の犬は大丈夫だと思う。あいつら殺意に溢れてるし。
「太田だ。 よろしく頼む!」
現場の人って感じで元気よさそう。
ガタイも良いし、声でかい。 パーティーに居ると前衛として頼りになりそうな感じ。
でもちょっと脳筋な気配がしなくもない。
「よろしくお願いします。 吉田です」
眼鏡越しの眼光が怪しい人。
前回ちょろっと話した感じは悪い人じゃない、はず。
怪しい武器とか開発してそう。
「山崎です。 よ、よろしくお願いします」
でかい。
この中で一番体格が良いね。 頭一つ分高い感じ……190ぐらい有るんじゃないだろうか?
ひょろっと高いんじゃなくて、骨格とかもすごいがっちりしている。
この人も前衛としてすごい頼りになりそうだね。
ちなみにこの人は前回の時には居なかったね。
たぶん車両に残ってたんだろう……焼き肉食い損ねた人その1だ。
「北上です。 よろしくねえー」
そう言って俺に向かい手を振るのは……まさかの女性だった。
てかこんな苗字の人、本当に居たのね。
筋力的な意味でダンジョン潜るのは不利じゃないかな、と思ったが。
その差もレベルアップでいずれは誤差程度になるか、と思い直す。
この人も車両に残っていたはず。
焼き肉食い損ねた人その2だ。
「島津です! こっちは飼い猫のクロです。 今日からよろしくお願いします!」
そんな感じでびしっと挨拶したけれど、どうしよう。
人数多くてなかなか名前覚えられる気がしないぞ……。
前に名前を聞いた人は大丈夫。あとは特徴的な人も大丈夫、だと思う。
……なるべく名前で呼ぶのを避け……無理だよなあ。
クロは端から覚える気がないのか、床で丸くなっている。
……がんばって覚えよう。
俺は今日から始まる隊員達とのチュートリアル突破に備えて、色々と準備を進めていた。
「とりあえずポーションを50個ぐらいに、湿布をたくさん。 焼き肉用のお肉と野菜はクーラーの中。コンロと炭、ご飯のスイッチは入れといた。 よし、ばっちり!」
……半分ぐらい焼き肉の準備ような気がしなくもないが、30分かそこらで準備は終わった。
用意した荷物をいったん休憩所に放り込み、俺は家へと戻りクロへと声を掛ける。
「クロ、そろそろ休憩所向かうよ」
その声にクロは眠たそうに顔を上げ、時計へとちらっと視線を向ける。
まだ早くないか?と言いたげなその顔に、俺はああと一言呟き、言葉を続けた。
「どうせばれるし、何時もの装備で行くつもりなんだ。 個室のこともいずればれるだろうけど、皆が来る前に装備回収しておきたいからね」
だから、だいぶ集合時間には早いけれど休憩所に向かうよ。 そう言うとクロはしょうがないなーと言った感じで身を起こし、俺と共に休憩所へと向かった。
ちなみにダンジョンの入り口のある納屋だが、すでに完全に壁で覆われていて外から中の様子を伺う事は出来ない。
また家の周囲の道路は封鎖されているため、野次馬やマスコミなども見える範囲には存在しない。
先日俺があっさり祖父母宅へと向かい、帰ってこれたのもこの為である。
周りに住んでいる人達は一時的にホテルへと非難しているとの事だ。
ちょっと申し訳ない気持ちになるが……ダンジョンが出来たのは俺のせいではないし、深く考えるのは止めておいた。
入り口の警備に声をかけ、ダンジョン内へと入り休憩所に向かう。
休憩所内にはいくつかの器材が置きっぱなしであるが、人影はないようだ。
早速個室に向かい装備を身に着けた俺とクロは、ぼーっとしながら隊員さん達が来るのを待つ。
そして集合時間の20分前ぐらいになると、こつこつと歩く音が複数聞こえてきた。
おそらく隊員さん達だろう。 数は……8人ぐらいかな? 前に会った時よりも人数が増えている?
「……」
「あ、どうも」
ほどなくして休憩所に隊員さん達が入ってくるが、俺のほうへと視線を向け……びくっとして動かなくなる。
……せめてフェイスガードは外しておくべきだったか。
部屋に入ると見知らぬ怪しい恰好をしたやつがいる。しかもそいつは刃渡り50cmぐらいのごっつい鉈を持っている……あかん。
とりあえずフェイスガードを外して挨拶しておこう。
「島津さんか? その装備は米軍の……?」
顔が見えた事で俺だと確信が持てたのだろう。
都丸さんが俺へと話しかけてくる。
「ミリタリーショップで買いました。 一応本物らしいですけど」
本当かどうかは知らんけどね!
でも実際に防御力はあるし、防刃性能はばっちりだし……偽物だったら悲しいけど、十分使えてるし、個人的には問題なしだ。 ってことにしておこう。
「古いタイプみたいですし、払い下げじゃないですか?」
「盾はSWATのやつか……?」
「島津さんの装備も驚いたけど、私としては猫が装備を身に着けているのが驚きですね」
「確かに……」
隊員さん達の反応を見るに、一応本物っぽい?
俺の身に着けている装備が米軍のだと分かると、彼らの興味はクロがつけている装備のほうへと向かう。
確かにまあ、猫がこんな装備つけるとか普通はありえないからねー。わかるわかる。
それはそうとですね。俺の腰から生えてる尻尾に触れないのは彼らの優しさだろうか。 胸から下に視線を向けないようにしているのがすごく気になるんです。
なんで生やしたって? うっかり何時もの装備つける流れで生やしちゃったんだよ。 挨拶してから気が付いたけど今更手遅れだ。
「まあ、皆色々と疑問はあるだろうがまずは条件を満たすのが先だ。 各員、簡単でいいから自己紹介を」
あ、そうそうそれ。
隊員さんの人数は全部で8人で前回会った時より増えてるんだよね。
知らない顔が増えているので、自己紹介してもらわんと名前を呼ぶことすら出来ない。
てか前回会った人も名前知ってるのは隊長含めて3人だけだし。
自己紹介ぷりーずっ。
「もう知っているだろうが、都丸だ。 この分隊の隊長を務めている」
一番最初は隊長の都丸さんからだ。
もちろん知っていますとも。
結構厳つい顔をしているけど、最初に出会った時より優しい雰囲気がある。
目が優しくなったのかな? 笑ってるけど笑ってない的な目じゃなくなっている。
「田尻です。 この間は焼き肉ごちそう様でした」
次は眼鏡かけた目つきの悪いにーちゃん。田尻さんだ。
隊長のパワハラ回避してた人だね、ちゃんと覚えてますとも。
「大野っす。 牛旨かったっす」
パワハラ被害者さんだ。
可哀そう。
普通の若者って感じの人だね、顎にあるのは傷跡かな?
「田浦です。 今日からよろしくお願いします」
顔がすごく怖い人。
ヤの付く人じゃなくて、もっとやべー感じの人。
でも物腰は優しそうだし、クロをちらちらと見ては頬がたまに緩んでいるので動物好きぽい。
1~3階大丈夫かな? ネズミとウサギだけど……ああ、4階の犬は大丈夫だと思う。あいつら殺意に溢れてるし。
「太田だ。 よろしく頼む!」
現場の人って感じで元気よさそう。
ガタイも良いし、声でかい。 パーティーに居ると前衛として頼りになりそうな感じ。
でもちょっと脳筋な気配がしなくもない。
「よろしくお願いします。 吉田です」
眼鏡越しの眼光が怪しい人。
前回ちょろっと話した感じは悪い人じゃない、はず。
怪しい武器とか開発してそう。
「山崎です。 よ、よろしくお願いします」
でかい。
この中で一番体格が良いね。 頭一つ分高い感じ……190ぐらい有るんじゃないだろうか?
ひょろっと高いんじゃなくて、骨格とかもすごいがっちりしている。
この人も前衛としてすごい頼りになりそうだね。
ちなみにこの人は前回の時には居なかったね。
たぶん車両に残ってたんだろう……焼き肉食い損ねた人その1だ。
「北上です。 よろしくねえー」
そう言って俺に向かい手を振るのは……まさかの女性だった。
てかこんな苗字の人、本当に居たのね。
筋力的な意味でダンジョン潜るのは不利じゃないかな、と思ったが。
その差もレベルアップでいずれは誤差程度になるか、と思い直す。
この人も車両に残っていたはず。
焼き肉食い損ねた人その2だ。
「島津です! こっちは飼い猫のクロです。 今日からよろしくお願いします!」
そんな感じでびしっと挨拶したけれど、どうしよう。
人数多くてなかなか名前覚えられる気がしないぞ……。
前に名前を聞いた人は大丈夫。あとは特徴的な人も大丈夫、だと思う。
……なるべく名前で呼ぶのを避け……無理だよなあ。
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