87 / 304
「87話」
しおりを挟む
クロが背後に回ったことで、ネズミのターゲットは宇佐見さんに移り、ネズミは地面に落ちると同時に宇佐見さんに向かい襲い掛かった。
……だが、その動きは明らかに遅い。隊員さんが倒したネズミの半分ぐらいしか速度が出ていないように見える。
あれ?と思い、ネズミをよく観察すると、後ろ足が1本だけ変な方向に折れ曲がっていた。
クロはただ捕まえてきただけでは無く、相手に合わせて獲物を弱らせていたのである。
クロってばまじで気が利くよね……。
だが、俺や隊員さんにとっては遅いネズミの動きも、宇佐見さんにとってはそうでもなかったらしい。
寄ってきたネズミに向かい、手に持つ得物を振るうが、ネズミの背中を掠めるに終わる。
「く、お!」
あ、やべ助けなきゃ……と思った直後、半ば反射的にだろう、宇佐見さんは足を蹴り上げていた。
そしてつま先が見事にネズミの喉元へと突き刺さる。
「おー、お見事」
数m吹っ飛んだネズミはじたばたと暴れているが、首が折れているように見えるので、反射で動いているだけだろう。
宇佐見さんの初戦闘は無事、終わったのである……あれ?
蹴り上げた体勢から、ガクリと崩れ宇佐見さんが地面に横たわってしまった。
「……副総理!?」
「ああ、腰やりましたね」
額に汗を滲ませ、動かない……いや、動けない宇佐見さん。
どうやら腰をやらかしたらしい。
めっちゃ焦ったがなっ。
その後、ポーションを患部にかけて念の為と湿布もはり、宇佐見さんの腰は復活した。
「痛みがもう無いぞ?すごいなこのポーションってえのは」
そう嬉しそうに腰をぐいぐいと回す宇佐見さん。
また腰やっても知らないぞー……。
んで俺たちがドタバタしている間にも、クロは次のネズミを捕ってきていた。
そして今度は堀井さんをじっと見つめている。
「次は堀井大臣ですね」
俺の言葉にああ、と頷いて得物を構える堀井さん。
さっきの宇佐見さんの失敗を見ているし、同じ事とはしないと思うけど……果たしてどうなるか。
堀井さんが得物を構えたのを見て、クロはネズミを放し、堀井さんの背後へと回った。
駆け寄るネズミに対し、堀井さんは得物を叩きつけるように振るう。
そして刃先が上手い具合にネズミの背中に突き刺さった。
ネズミはビククッと痙攣し、動かなくなる。
「ぐぁぁあ!?」
堀井さんは崩れ落ちた。
あかん。
得物を振るった時に腰に来たらしい……宇佐見さん同様に患部にポーションをかけて、ついでに湿布を貼ったのですぐ復活したよ。
「……次は河田大臣です」
最後は河田さん……もう嫌な予感しかしねえど。
宇佐見さん、堀井さんと同様にクロが捕ってきたネズミを放し……それを河田さんが迎え撃つのだが。
「ぐぅぅぅっ!!?」
コントかな?
随分と体はった天丼ネタですねぇっ!?
とりあえず河田さんにもポーションと湿布を使ったぞう。
「全員腰やるとはなあ」
いや、本当、笑えるけど笑えないぞ。
このまま続けていけばその内に体も強化されて……いや、どんだけ時間とポーション掛かるんだろうね?
どうすっかなー……やっぱ体鍛えるのを先行でやるべきか?
レベルアップするのが一番だけど、これじゃそのレベルアップするの自体が大変過ぎる。
「すまねえな、俺は猫の言葉は分かんねえんだわ」
ん?
俺が今後のことについて色々と考えを巡らせていると……なんだろ。
振り返ったら、クロがうなーうなーんと宇佐見さん達に向かい鳴いて……と言うか何か話している。
「ええと、これは……?」
「島津さんなら分かるんじゃないかね?」
勿論ですとも。
「あ、はい。……とりあえず、倒し切った事を褒めてます。よくやったと……ただ、今のままじゃ厳しいので、まずは体を鍛えろ、と言ってますね」
クロの言葉を訳するとこんな感じだった。
やっぱクロも俺と同じ考えに至ったようだ。
1体倒す毎に体痛めてちゃねえ……。
「猫に褒められるとか初めてですよ……」
「はは、そりゃそうだ。……確かに体を鍛えるのは有効だろうが、さすがにそんな時間は掛けられんぞ?」
俺……というかクロの言葉を聞いて、そう返す宇佐見さん。
まあ普通に筋トレやってたらそうよな。
それに年齢考えると無理は出来ないし尚更だ。
「良い方法があります」
でも、反則技っぽいのがあるんだな、これが。
ポーションは飲んでも効果があること。
ただ直接かける場合と違い、傷の治りゆっくりになり、スタミナ回復効果が出て来ること。
その効果を利用して、ひたすら筋トレする事で通常よりずっと効率的に筋肉を鍛える事が出来る事を皆に伝えた。
「ポーションを使って筋トレとは……何と言ったらいいのか」
まあ、すんごい贅沢な使い方ではあるよね。
でもその分効果はすごいからねえ……たぶん1週間もあればそこそこ筋肉つくと思うよ。
「もしかして島津さん、あんたのその体はポーションを使って筋トレしたのかい?」
「はい、そうです。俺、これでも筋トレ初めて半年程度なんですよ」
「半年!? 半年でそれですかっ?」
今の俺の体って、服の上からでも筋肉が発達してるの分かるぐらいになってるからね。
普通であれば数年は筋トレしないとこうならないはずだ。
それが半年程度しかやってないとなれば、そりゃ驚くよね。
隊員さん達も口には出さないけど、結構驚いてそうだ。
たぶん、あとで試しにやってみるんじゃないかなー?
「そういう事であれば、短期間でもある程度効果は見込めるね」
「半年でそこまで行けるのなら、我々でも……」
「最近体が衰えてきたなと思っていたところでな、ありがてえ話だ」
最初はちょっと時間が……と難色示していた彼らであったが、ポーションを使い筋トレをすると言う、裏技の存在を知ると俄然やる気になったようだ。
「俺、ポーション用意しますんで、誰か筋トレ器具を用意して貰ってもいいですか?全部休憩所に運び込んじゃってください」
そう言って、俺はその辺にあるダンボールからポーションを取り出して並べていく。
昨日の内に多めに出しておいて良かったよ。
こんだけあれば1日は持つでしょ。
筋トレ道具はトレーニングルームに行けばいっぱい有るからね。
隊員さんに取ってきて貰おう。
まあ、部屋に入った隊員さんが宇佐見さん達には消えたように見えたらしく、ちょっとした混乱はあったけど条件満たせば分かりますよ、と言うとすぐに静かになった。
変に突っ込まれても大変なので、冷静に対応してくれるのはありがたい。
さて、筋トレ道具もポーションも用意できたし、始めますかね。
……だが、その動きは明らかに遅い。隊員さんが倒したネズミの半分ぐらいしか速度が出ていないように見える。
あれ?と思い、ネズミをよく観察すると、後ろ足が1本だけ変な方向に折れ曲がっていた。
クロはただ捕まえてきただけでは無く、相手に合わせて獲物を弱らせていたのである。
クロってばまじで気が利くよね……。
だが、俺や隊員さんにとっては遅いネズミの動きも、宇佐見さんにとってはそうでもなかったらしい。
寄ってきたネズミに向かい、手に持つ得物を振るうが、ネズミの背中を掠めるに終わる。
「く、お!」
あ、やべ助けなきゃ……と思った直後、半ば反射的にだろう、宇佐見さんは足を蹴り上げていた。
そしてつま先が見事にネズミの喉元へと突き刺さる。
「おー、お見事」
数m吹っ飛んだネズミはじたばたと暴れているが、首が折れているように見えるので、反射で動いているだけだろう。
宇佐見さんの初戦闘は無事、終わったのである……あれ?
蹴り上げた体勢から、ガクリと崩れ宇佐見さんが地面に横たわってしまった。
「……副総理!?」
「ああ、腰やりましたね」
額に汗を滲ませ、動かない……いや、動けない宇佐見さん。
どうやら腰をやらかしたらしい。
めっちゃ焦ったがなっ。
その後、ポーションを患部にかけて念の為と湿布もはり、宇佐見さんの腰は復活した。
「痛みがもう無いぞ?すごいなこのポーションってえのは」
そう嬉しそうに腰をぐいぐいと回す宇佐見さん。
また腰やっても知らないぞー……。
んで俺たちがドタバタしている間にも、クロは次のネズミを捕ってきていた。
そして今度は堀井さんをじっと見つめている。
「次は堀井大臣ですね」
俺の言葉にああ、と頷いて得物を構える堀井さん。
さっきの宇佐見さんの失敗を見ているし、同じ事とはしないと思うけど……果たしてどうなるか。
堀井さんが得物を構えたのを見て、クロはネズミを放し、堀井さんの背後へと回った。
駆け寄るネズミに対し、堀井さんは得物を叩きつけるように振るう。
そして刃先が上手い具合にネズミの背中に突き刺さった。
ネズミはビククッと痙攣し、動かなくなる。
「ぐぁぁあ!?」
堀井さんは崩れ落ちた。
あかん。
得物を振るった時に腰に来たらしい……宇佐見さん同様に患部にポーションをかけて、ついでに湿布を貼ったのですぐ復活したよ。
「……次は河田大臣です」
最後は河田さん……もう嫌な予感しかしねえど。
宇佐見さん、堀井さんと同様にクロが捕ってきたネズミを放し……それを河田さんが迎え撃つのだが。
「ぐぅぅぅっ!!?」
コントかな?
随分と体はった天丼ネタですねぇっ!?
とりあえず河田さんにもポーションと湿布を使ったぞう。
「全員腰やるとはなあ」
いや、本当、笑えるけど笑えないぞ。
このまま続けていけばその内に体も強化されて……いや、どんだけ時間とポーション掛かるんだろうね?
どうすっかなー……やっぱ体鍛えるのを先行でやるべきか?
レベルアップするのが一番だけど、これじゃそのレベルアップするの自体が大変過ぎる。
「すまねえな、俺は猫の言葉は分かんねえんだわ」
ん?
俺が今後のことについて色々と考えを巡らせていると……なんだろ。
振り返ったら、クロがうなーうなーんと宇佐見さん達に向かい鳴いて……と言うか何か話している。
「ええと、これは……?」
「島津さんなら分かるんじゃないかね?」
勿論ですとも。
「あ、はい。……とりあえず、倒し切った事を褒めてます。よくやったと……ただ、今のままじゃ厳しいので、まずは体を鍛えろ、と言ってますね」
クロの言葉を訳するとこんな感じだった。
やっぱクロも俺と同じ考えに至ったようだ。
1体倒す毎に体痛めてちゃねえ……。
「猫に褒められるとか初めてですよ……」
「はは、そりゃそうだ。……確かに体を鍛えるのは有効だろうが、さすがにそんな時間は掛けられんぞ?」
俺……というかクロの言葉を聞いて、そう返す宇佐見さん。
まあ普通に筋トレやってたらそうよな。
それに年齢考えると無理は出来ないし尚更だ。
「良い方法があります」
でも、反則技っぽいのがあるんだな、これが。
ポーションは飲んでも効果があること。
ただ直接かける場合と違い、傷の治りゆっくりになり、スタミナ回復効果が出て来ること。
その効果を利用して、ひたすら筋トレする事で通常よりずっと効率的に筋肉を鍛える事が出来る事を皆に伝えた。
「ポーションを使って筋トレとは……何と言ったらいいのか」
まあ、すんごい贅沢な使い方ではあるよね。
でもその分効果はすごいからねえ……たぶん1週間もあればそこそこ筋肉つくと思うよ。
「もしかして島津さん、あんたのその体はポーションを使って筋トレしたのかい?」
「はい、そうです。俺、これでも筋トレ初めて半年程度なんですよ」
「半年!? 半年でそれですかっ?」
今の俺の体って、服の上からでも筋肉が発達してるの分かるぐらいになってるからね。
普通であれば数年は筋トレしないとこうならないはずだ。
それが半年程度しかやってないとなれば、そりゃ驚くよね。
隊員さん達も口には出さないけど、結構驚いてそうだ。
たぶん、あとで試しにやってみるんじゃないかなー?
「そういう事であれば、短期間でもある程度効果は見込めるね」
「半年でそこまで行けるのなら、我々でも……」
「最近体が衰えてきたなと思っていたところでな、ありがてえ話だ」
最初はちょっと時間が……と難色示していた彼らであったが、ポーションを使い筋トレをすると言う、裏技の存在を知ると俄然やる気になったようだ。
「俺、ポーション用意しますんで、誰か筋トレ器具を用意して貰ってもいいですか?全部休憩所に運び込んじゃってください」
そう言って、俺はその辺にあるダンボールからポーションを取り出して並べていく。
昨日の内に多めに出しておいて良かったよ。
こんだけあれば1日は持つでしょ。
筋トレ道具はトレーニングルームに行けばいっぱい有るからね。
隊員さんに取ってきて貰おう。
まあ、部屋に入った隊員さんが宇佐見さん達には消えたように見えたらしく、ちょっとした混乱はあったけど条件満たせば分かりますよ、と言うとすぐに静かになった。
変に突っ込まれても大変なので、冷静に対応してくれるのはありがたい。
さて、筋トレ道具もポーションも用意できたし、始めますかね。
3
あなたにおすすめの小説
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる