家の猫がポーションとってきた。

熊ごろう

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「95話」

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翌朝。
今朝から隊員さん達の攻略に付き合うと言うことで、俺はダンジョンの休憩所に向かい、個室で装備に着替えていた。
もちろんクロも一緒である。

最近分かってきたんだけど、クロと一緒に潜るかどうかで精神的な負担が段違いなんだよね。
ゴブリン(盾)のカードが欲しくて一人でタイムアタックやっているけど、結構精神的にくる。
でもクロと一緒だと半日潜ってようがへっちゃらだったりするんだなこれが。

なのでクロには出来るだけ一緒についてきてくれると嬉しい。
もちろん本人がやだって言えば無理強いはしないよ。

今のところクロもダンジョンに潜るの楽しいらしいので、断られたことはないけど。



「確かゴブリンが5体居るんだったよなー」

クロの着替えを手伝いながら、今日の狩る対象について……ん?

「……いや、違った装備の良いゴブリンが2体だったっけ。5体出るのはその次だな」

クロにじとって見られて気が付いたけど、そういや装備の良いゴブリンが先に出るんだった。
印象薄くて忘れかけてたぜい。

「装備が良くなってるから、こっちも強化しておかないと」

俺とクロはあの時点でかなりレベル上がっていたし、装備もきっちり改造したから大した敵ではなかったけど……まあ、自衛隊さんもたぶん大丈夫だろう。

レベルも低いし、装備の強化もまだ不十分だとしても人数多いし、あっちは戦闘訓練とかしてるんだしね。

さて、クロの着替えも終わったし、休憩所に戻っておきますかね。




休憩所に戻ると隊員さんが一人だけ待機してた。

「おはようございまーす」

「おう、早いな」

「太田さんも早いですね」

居たのは太田さんだった。
他の隊員さんはどしたのかなー?

「ほかの連中は上で着替えている。もう少しすれば来るだろう」

俺の視線に気が付いたのだろう、ほかの隊員さんについて教えてくれる大田さん。

そしてその言葉通り、本の数分で他の隊員さんも集合する。
さてさて、今日もがんばりますかー。




「今日の予定ですけど、まず10体部屋に行ってみて無傷で戦闘を終えることが出来たならば、7階に行こうと思います」

潜る前に今日の予定は?と、都丸さんに聞かれたので……昨日先の階層に進むって聞いていたし、とりあえず事前に隊員さんの実力を改めて確認し、問題なければ7階に行く感じにしたいと思う。といった事を皆に伝える。

隊員さんは黙って頷いているので、ここまでは問題なしと。

「7階のモンスターですが、ここもゴブリンが出てきますね、一度に出るのは最低2体です。6階と比べて身体能力は少し上がった程度ですが、装備がかなり良くなっています。こちらの装備の強化次第では……倒せないことは無いと思いますが、攻撃を受けると痛手を負うかもです」

あとはモンスターについての情報を渡しておかないとね。

「あと、これが重要なんですが」

「これ以降の敵は、部屋に入る前からこちらを察知してきます。なので不意打ちはまず出来ないと思ってください」

これ、大事よね。
7階の敵は遠距離攻撃手段もってないから大丈夫だけど、それ以降の階層はそう言うわけじゃないし。
まあ、戦えば分る事だけど……念のため言っておかないとね?


「その辺りは他のダンジョンと変わらんのだな……聞いたか?各員突入の際は必ず盾を構えるように。不意打ちには十分注意すること……それでは出発しましょうか」

「はい」

ほーん。
なるほど、他のダンジョンでもそうなのか。
……広いダンジョンで、向こうが先に気付くとかきつくない?

まあ、だから推奨人数とか違うんだろうけど。


ま、それよりも今はこっちの事考えよう。
まずは一番近いところの10体部屋にいって、隊員さんに戦って貰わないと。





「10体でも問題ないですね。じゃあ、先に進みますかー」

問題なかったですね、はい。
見た感じ土日でさらに強くなっている気がする。
結構な数のゴブリンを狩ったんじゃなかろうか。


「そういえば島津さん。10体を目安にしているらしいが、一応理由を聞いても?」

7階目指して歩いていると、そんな事を都丸さんが尋ねてきた。
大した理由は無いんですけど。

「あ、別に大した理由じゃないですよ。単に10体を無傷でいけるなら、次の階層の敵も問題なく……ちょいちょい怪我はしますが、倒せますんで……えーと、経験則?ですかね」

まあ、ただの経験則……だけど、これに従ってきて今のところは上手くいっている。
もちろん怪我はするけどね。なので俺はこれからも10体を無傷でいけるのを基準で行きたいと思う。

出来れば自衛隊さんにもそうして欲しいと思ってる。
治るし、死なないとは言え戦闘不能になるような怪我は負って欲しくないしね。


「経験則か、なるほど理解した。てっきり管理者に何か言われているのかと思ってな」

「あー、その手のアドバイスは貰ってないですねえ……もらっても実際にその敵を倒した後だったりとかしますし」

「嬉しくないアドバイスだなあ……」

いや、本当にね。

牛さんの時とかもさ、特殊な能力云々とか倒した後に言われたからねっ。

……まあ、アマツとしては事前にネタバレしたく無いってところだろうから。
あまり責められないんだけどねー。もうちょっとヒントっぽいのを事前に出してもいいと思うんだっ。



そんな感じで雑談しつつ進んでいると、7階……じゃなくて、手前のゲートキーパー的な奴のいる部屋についた。


「確かにこっちに気が付いているな」

部屋に入る前に、都丸さんや他の隊員さんも中を覗き込んで、モンスターがこちらに気付いている事を確認する。
あ、もちろん盾は構えてたよ。

「どうします?俺も参戦した方が良いですか?」

普通のゴブリンよりはなんだかんだで強いしね。
まあ、たぶん大隊員さんなら問題ないだろうけど、念のためね。

「いや、まずは俺たちだけで戦う。万が一やばそうな時は援護をお願いしたい」

「了解でっす」

最初は自分たちでやるつもり。
と言うことで、俺は後方で待機することになった。

果たして結果はどうなるか……。






「問題ないですねー」

「ああ、数が増えると分らんがな」

あっさり終わったわ。

いやね、4対2だしそりゃそうよ。
一方的にボコって終わりでした……ちょっとだけゴブリンが可哀そうに思えてしまった。

……まあ、俺もっと酷いことしているんですけどね。



とまあ、こんな感じで俺の役割はあまり無さそうな感じだ。
今の感じだと1対1で戦っても問題なさそうだし、俺が本当に必要になるのはオークあたりかなー……あそこは隊員さんだけだと、まじで死人が……死なないけど、出兼ねない。


そんな感じで7階の攻略は順調に進む。
残りの隊員さんも入れ替わりで7階へと進むが、こちらも同様に順調だ。

そして月、火曜と隊員さんとダンジョンに潜り、午後からは自分たちの攻略を進め……そして水曜日、ついに総理御一行の準備が整う。
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