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「253話」
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「ご無沙汰してます」
「ああ……さっそくで悪いんだが」
頭を下げ挨拶する俺に、宇佐見さんも軽く会釈をして返す。
……なんか顔色悪いな? なんかげっそりしているし、目の下に隈できてるし。あの生首め何をしおった。
「夢にな、変なのが出てきてな……俺に何かを伝えようとしているようなんだが、分からないんだ」
「わからない?」
宇佐美さんはテーブルの上で手を組み、ため息を吐くと小さく震える声でそう話した。
あいつ夢の中で何を言ったんだ? あれか、日本語じゃなくて自分たちの言語でも使ったとか?
しかしだとしてもこのやつれ方はおかしい。
「そいつの姿も分からない、酷く美しかった気もするが、思い出そうとしても思い出せん。無理に思い出そうとすれば体の震えがとまらんくなって……気が付いたら倒れていた」
「えぇ……」
あかん。
「ほかにも同じ見た夢をみたのは居る。いずれもお偉方ばかりだ……お前さんも会った連中だよ」
おう……各大臣も犠牲になったのか。
結構被害でかいんじゃいですかね、これ。
あとで好きにして良いですよって生首渡そうか。
「全員に聞いても俺と同じで夢の内容は思い出せないそうだ。ただ同じ夢だというのはわかる……おそらくダンジョンに関係するであろうということも」
はい、ダンジョン関係であってます……。
「はじめはアマツさんに相談しようと思ったんだがな、タイミングが悪いのか会えなくてなあ……それでお前さんならアマツさんに会うなり、何かしら出来るんじゃないかと思ってこうして相談に来たわけだ」
「なるほど」
それで俺のこと待っていたってことか。
てか生首が枕元にどうのって言ったのっていつだっけ?
もしかすると結構な機関、夢でうなされていたのかも知れない……。
とりあえず宇佐見さんの不安を少しでも取り除く為にも、生首と新しく造ろうとしているダンジョンについて話してしまおう。
かくかくしかじかと、俺の説明を聞いた宇佐見さんはうーんと唸っている。
「アマツさんの知り合いで、新しくダンジョンを造るために俺たちにコンタクトをとっていたと……あれがか?」
「あいつが何を考えているのかは俺にも……」
どんだけ酷いコンタクトだったのだろう。
宇佐見さんの眉間の皺がすごいことになっとるやん。
ここはあれだな。
「ええと、本人呼んできましょうか? 家に居ますんで……ああ、見た目は普通だと思いますよ。たしかに酷く顔が整ってますんで、慣れないと気持ち悪くなるかもですが」
「夢で見たのとは違う見た目ということか……よし、ならば合わせて貰おう」
「了解です。それじゃ連れてきますね」
本人? 持ってきてごめんなさいさせよう。
ついでに夢の中で話したであろうダンジョンの事も生首自身から語ってもらおう。
とりあえず家まで生首を回収しに行きますか……っとその前に。
俺は喫茶ルームから出ると、そのまま家には向かわずにまず個室へと入る。
確かあの生首はアマツのダンジョン出禁になっていたはず。
連れ込むにはアマツの許可がいるだろう。
「アマツおる?」
「どうしたんだい?」
もしかしたら連絡取れないかも……と不安に思ったが、アマツはすぐに姿を現した。
てか、片手になんかもって……煎餅かよ。思いっきり休みを満喫してそうだなっ。
そんなお休み中のアマツには悪いが、ちょっとした緊急事態だ。
生首のダンジョン入りの許可をもらおう。
「ふむ……まあ、そういうことなら構わないよ。ようは悪さをしなければ良いんだから……悪さをしなければ」
「そうっすねえ……まあとりあえず連れてきますね」
アマツからは許可をもらえた。
結構しっぶい顔をしていたので、やっぱダンジョンに生首をあまり入れたくはないようだ。
……許可とっておいてあれだけど、別に自宅で対面させてもよかったよな。
でもまあ今更だ。とりあえず生首を連行しよう。
「くのっ、このこのっ」
「ちょっとダンジョンいくぞ」
自宅に戻ると生首は相変わらずゲームに夢中だった。
今やってるのは……やたらと難易度の高いダンジョンハクスラものだったと思ったんだけど、よく髪の毛で操作できるよな。
とりあえず、こっちに気づいてないようなので背後から鷲掴みにして持ち上げる。
「えっ!? ちょ、ちょっと待ちたまえ! いま良いところだからっ」
「クロ、お留守番よろしくねー」
いろいろと文句が出ているが、緊急事態だし、おそらくお前のせいだってことでスルーである。
ソファーに寝そべるクロに声をかけ、尻尾が少し揺れているのをみて再び喫茶ルームへと向かう。
対して時間は経ってないけれど、待たせているし早めにいかないとね。
「お待たせしました」
喫茶ルームに入り、声を掛けると宇佐見さんがすぐに振り返る。
「おお、きた……っ!?」
「この生首がイースです……あれ?」
振り返った宇佐見さんが、目を見開いて固まって……あっ。
片手に生首もって参上とか、もう色々アウトだよ。
「なあなあ、生首をほいって見せるのはどうかと思うんだがねえ?」
「まったくだ……」
「いや、すんません」
生首に正論言われるとは思わなったよ。ちくしょうめい。
「しかし……こうして見ると夢の中のように恐ろしくは感じないな」
「ん? そうかいそうかい、頑張って威厳を出した甲斐があったよ」
おいこら。
やっぱお前のせいやないかいっ。
「ああ……さっそくで悪いんだが」
頭を下げ挨拶する俺に、宇佐見さんも軽く会釈をして返す。
……なんか顔色悪いな? なんかげっそりしているし、目の下に隈できてるし。あの生首め何をしおった。
「夢にな、変なのが出てきてな……俺に何かを伝えようとしているようなんだが、分からないんだ」
「わからない?」
宇佐美さんはテーブルの上で手を組み、ため息を吐くと小さく震える声でそう話した。
あいつ夢の中で何を言ったんだ? あれか、日本語じゃなくて自分たちの言語でも使ったとか?
しかしだとしてもこのやつれ方はおかしい。
「そいつの姿も分からない、酷く美しかった気もするが、思い出そうとしても思い出せん。無理に思い出そうとすれば体の震えがとまらんくなって……気が付いたら倒れていた」
「えぇ……」
あかん。
「ほかにも同じ見た夢をみたのは居る。いずれもお偉方ばかりだ……お前さんも会った連中だよ」
おう……各大臣も犠牲になったのか。
結構被害でかいんじゃいですかね、これ。
あとで好きにして良いですよって生首渡そうか。
「全員に聞いても俺と同じで夢の内容は思い出せないそうだ。ただ同じ夢だというのはわかる……おそらくダンジョンに関係するであろうということも」
はい、ダンジョン関係であってます……。
「はじめはアマツさんに相談しようと思ったんだがな、タイミングが悪いのか会えなくてなあ……それでお前さんならアマツさんに会うなり、何かしら出来るんじゃないかと思ってこうして相談に来たわけだ」
「なるほど」
それで俺のこと待っていたってことか。
てか生首が枕元にどうのって言ったのっていつだっけ?
もしかすると結構な機関、夢でうなされていたのかも知れない……。
とりあえず宇佐見さんの不安を少しでも取り除く為にも、生首と新しく造ろうとしているダンジョンについて話してしまおう。
かくかくしかじかと、俺の説明を聞いた宇佐見さんはうーんと唸っている。
「アマツさんの知り合いで、新しくダンジョンを造るために俺たちにコンタクトをとっていたと……あれがか?」
「あいつが何を考えているのかは俺にも……」
どんだけ酷いコンタクトだったのだろう。
宇佐見さんの眉間の皺がすごいことになっとるやん。
ここはあれだな。
「ええと、本人呼んできましょうか? 家に居ますんで……ああ、見た目は普通だと思いますよ。たしかに酷く顔が整ってますんで、慣れないと気持ち悪くなるかもですが」
「夢で見たのとは違う見た目ということか……よし、ならば合わせて貰おう」
「了解です。それじゃ連れてきますね」
本人? 持ってきてごめんなさいさせよう。
ついでに夢の中で話したであろうダンジョンの事も生首自身から語ってもらおう。
とりあえず家まで生首を回収しに行きますか……っとその前に。
俺は喫茶ルームから出ると、そのまま家には向かわずにまず個室へと入る。
確かあの生首はアマツのダンジョン出禁になっていたはず。
連れ込むにはアマツの許可がいるだろう。
「アマツおる?」
「どうしたんだい?」
もしかしたら連絡取れないかも……と不安に思ったが、アマツはすぐに姿を現した。
てか、片手になんかもって……煎餅かよ。思いっきり休みを満喫してそうだなっ。
そんなお休み中のアマツには悪いが、ちょっとした緊急事態だ。
生首のダンジョン入りの許可をもらおう。
「ふむ……まあ、そういうことなら構わないよ。ようは悪さをしなければ良いんだから……悪さをしなければ」
「そうっすねえ……まあとりあえず連れてきますね」
アマツからは許可をもらえた。
結構しっぶい顔をしていたので、やっぱダンジョンに生首をあまり入れたくはないようだ。
……許可とっておいてあれだけど、別に自宅で対面させてもよかったよな。
でもまあ今更だ。とりあえず生首を連行しよう。
「くのっ、このこのっ」
「ちょっとダンジョンいくぞ」
自宅に戻ると生首は相変わらずゲームに夢中だった。
今やってるのは……やたらと難易度の高いダンジョンハクスラものだったと思ったんだけど、よく髪の毛で操作できるよな。
とりあえず、こっちに気づいてないようなので背後から鷲掴みにして持ち上げる。
「えっ!? ちょ、ちょっと待ちたまえ! いま良いところだからっ」
「クロ、お留守番よろしくねー」
いろいろと文句が出ているが、緊急事態だし、おそらくお前のせいだってことでスルーである。
ソファーに寝そべるクロに声をかけ、尻尾が少し揺れているのをみて再び喫茶ルームへと向かう。
対して時間は経ってないけれど、待たせているし早めにいかないとね。
「お待たせしました」
喫茶ルームに入り、声を掛けると宇佐見さんがすぐに振り返る。
「おお、きた……っ!?」
「この生首がイースです……あれ?」
振り返った宇佐見さんが、目を見開いて固まって……あっ。
片手に生首もって参上とか、もう色々アウトだよ。
「なあなあ、生首をほいって見せるのはどうかと思うんだがねえ?」
「まったくだ……」
「いや、すんません」
生首に正論言われるとは思わなったよ。ちくしょうめい。
「しかし……こうして見ると夢の中のように恐ろしくは感じないな」
「ん? そうかいそうかい、頑張って威厳を出した甲斐があったよ」
おいこら。
やっぱお前のせいやないかいっ。
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