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「254話」
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「どういうことですかね、この生首め」
鷲掴みにしていた生首をテーブルにドンと置き、ぐりんと俺の方へと向け、問い詰める。
宇佐見さんはかなり引いていたが、生首は気にした様子もなくヤレヤレ……と言った感じで口を開く。
「ほら、私は美人だろう? 実はこれでも抑えていてね。せっかくだから彼らには素顔を見せてあげたのさっ」
ほう。
「私ってば優しいだろう? 見直したかね。好きなだけ平伏すると良い」
そう言うと生首は偉そうにふんぞり返る。あんま出来てないけど。
ハハハ。
「おう、生首の分際で何をいっとんのだ。スイカネットに入れてアマツにぶつけんぞっ」
そのままスイカ割りしてくれようか?
「なんだいなんだいその言い草はっ、君は私の素顔をみてないからそんなことを言えるんだよ。なんなら今ここで見せてあげようか?」
「おう、やってみろやっ。その後でアマツにぶつけてやんよっ」
「やめてくれよ……」
頬をぷくっと膨らませて、そう抗議する生首だが……これが生首じゃなければ可愛いとか思ったのかも知れないけど、所詮は生首である。
ハッと鼻で笑って返してくれる。
「あとネットに入れてアマツにぶつける分についは歓迎だよっ」
そこは歓迎なのかよ……やっぱアマツさんも災難だな。
ぶつけるけど。
その後、正体を現した生首だけど……確かに美人だね。美人すぎてなんか脳がエラー起こす。あと正体現しても生首なのは変わらなかった。
とりあえずこのままだと話しにくいので、生首には半透明のビニール袋をかぶせておいたよ。
ネット代わりにもなるだろうしさ。
「脱落者の受け入れ先としてのダンジョンね」
「悪い話ではないだろう?」
袋越しに自らが造ろうとしているダンジョンについて説明した生首。
宇佐見さんはその内容を方眉を上げて聞いている。
ダンジョンの内容自体は不味くはないだろうけど、他に何か問題があるのだろうか。
「日本でテストプレイをしようって話だよな……まあ、ありがたいっちゃありがたいが、周りからなんて言われるやら。ただでさえやっかみが酷いってのに」
なるほど?
確かに現状だと日本が先行しているし、さらにはここにテストとはいえ新ダンジョンが追加になると……ふむ、あちこちから何か言われそうな気はするね。
下手なことはしないだろうけど、文句は間違いなくでるだろう。
「そうかい? それならこの話は別の国に」
「まあまあ、まってくれ。受けないとは言ってない……ただ少し時間をくれないだろうか? 周りと調整しなきゃならん」
「いいともいいとも。良い返事を期待しているよ」
まあ、多少のやっかみなんぞ新たなダンジョンが出来る事のメリットに比べたら……って感じなんだろう。
宇佐見さんとしては受ける方向で決まってるようだ。
何せ生首ダンジョンが出来れば、早々に脱落した者たちが再びダンジョンに潜れるようになるかも知れないからね。ポーションの安定した入手を考えれば受けない手はないってことかな。
「それまで私はダンジョンの構想でも練っておくとしようじゃないか」
そう生首が〆たところで解散となったよ。
宇佐見さんはこの後、そっこうで会議を開くんだそうな。
お仕事お疲れ様です。倒れないようにポーション飲んでおくといいですよ。
んで俺たちはどうしたかというと。
「……とりあえず無事終わってよかったな。たぶん許可も貰えるだろ」
「ところでどこに向かってるんだい? そっちは出口じゃ……」
まっすぐは帰らない。
ちょっと野暮用を済ませないといけないからね。
俺は喫茶ルームから休憩所へと戻り、そこから個室へと向かった俺は、何もない空間へと向け声を掛ける。
「アマツさんおるー?」
「いるとも。何かあった……」
するとすぐさま反応したアマツが姿を現し……そして俺の手にもつビニール袋、その中に納まった生首をみてピシッと固まる。
うむ、良いリアクションだ。
俺は生首をビニール袋から取り出すと、ぽんっと両手で上空へと打ち上げる。
「はい、トスッ」
向かう先はアマツだ。
「ッアタアァァッック!!」
「へぶしっ!?」
アマツの掛け声と共に放たれたアタックは見事に空中の生首を捉えた。
結構な勢いでかっとんだ生首は壁にべちっとあたり、ずりずりと落ちていく。
あ、ちゃんと生きてるから大丈夫よ。
てかアマツ意外とノリがいいなっ。こんな激しく動くの初めて見た気がするぞ。
「いきなり何を……思わず叩き落してしまったよ」
「いや、こやつがちょっと悪さしてたんで懲らしめて貰おうかなと。なのでありがとうございます」
いきなりといっても、普通に掛け声もあったし、ジャンプもしてたしちゃんと確認してからやってるよね。
まあ、それはおいといて。
さっきの宇佐見さんとのやりとりを報告しておこう。
見ていた可能性もあるけど休暇中だし、一応ね。
「なるほど。それじゃダンジョンを造るのは問題なくいけそうではあるね」
「問題あっても向こうで解決してくれるでしょうしねー」
権力もった人が居るとほんと助かるねっ。
何か問題が起きても彼らが解決してくれるだろう。アマツとか間違っても俺にまで問題がくるなんてことはないはずだ。
さて、野暮用も済ませたしアマツにも方向済ませたし、そろそろ家に戻るとするか。
「そんじゃ、用事も終わりましたんでここらでお暇しますね。ゆっくり休んでください」
「うん……これ、ちゃんと持って帰ってね」
「えー……」
うっかり生首置いてく作戦は失敗した模様。
俺はしぶしぶ生首が入ったビニール袋を持ち帰るのであった。
鷲掴みにしていた生首をテーブルにドンと置き、ぐりんと俺の方へと向け、問い詰める。
宇佐見さんはかなり引いていたが、生首は気にした様子もなくヤレヤレ……と言った感じで口を開く。
「ほら、私は美人だろう? 実はこれでも抑えていてね。せっかくだから彼らには素顔を見せてあげたのさっ」
ほう。
「私ってば優しいだろう? 見直したかね。好きなだけ平伏すると良い」
そう言うと生首は偉そうにふんぞり返る。あんま出来てないけど。
ハハハ。
「おう、生首の分際で何をいっとんのだ。スイカネットに入れてアマツにぶつけんぞっ」
そのままスイカ割りしてくれようか?
「なんだいなんだいその言い草はっ、君は私の素顔をみてないからそんなことを言えるんだよ。なんなら今ここで見せてあげようか?」
「おう、やってみろやっ。その後でアマツにぶつけてやんよっ」
「やめてくれよ……」
頬をぷくっと膨らませて、そう抗議する生首だが……これが生首じゃなければ可愛いとか思ったのかも知れないけど、所詮は生首である。
ハッと鼻で笑って返してくれる。
「あとネットに入れてアマツにぶつける分についは歓迎だよっ」
そこは歓迎なのかよ……やっぱアマツさんも災難だな。
ぶつけるけど。
その後、正体を現した生首だけど……確かに美人だね。美人すぎてなんか脳がエラー起こす。あと正体現しても生首なのは変わらなかった。
とりあえずこのままだと話しにくいので、生首には半透明のビニール袋をかぶせておいたよ。
ネット代わりにもなるだろうしさ。
「脱落者の受け入れ先としてのダンジョンね」
「悪い話ではないだろう?」
袋越しに自らが造ろうとしているダンジョンについて説明した生首。
宇佐見さんはその内容を方眉を上げて聞いている。
ダンジョンの内容自体は不味くはないだろうけど、他に何か問題があるのだろうか。
「日本でテストプレイをしようって話だよな……まあ、ありがたいっちゃありがたいが、周りからなんて言われるやら。ただでさえやっかみが酷いってのに」
なるほど?
確かに現状だと日本が先行しているし、さらにはここにテストとはいえ新ダンジョンが追加になると……ふむ、あちこちから何か言われそうな気はするね。
下手なことはしないだろうけど、文句は間違いなくでるだろう。
「そうかい? それならこの話は別の国に」
「まあまあ、まってくれ。受けないとは言ってない……ただ少し時間をくれないだろうか? 周りと調整しなきゃならん」
「いいともいいとも。良い返事を期待しているよ」
まあ、多少のやっかみなんぞ新たなダンジョンが出来る事のメリットに比べたら……って感じなんだろう。
宇佐見さんとしては受ける方向で決まってるようだ。
何せ生首ダンジョンが出来れば、早々に脱落した者たちが再びダンジョンに潜れるようになるかも知れないからね。ポーションの安定した入手を考えれば受けない手はないってことかな。
「それまで私はダンジョンの構想でも練っておくとしようじゃないか」
そう生首が〆たところで解散となったよ。
宇佐見さんはこの後、そっこうで会議を開くんだそうな。
お仕事お疲れ様です。倒れないようにポーション飲んでおくといいですよ。
んで俺たちはどうしたかというと。
「……とりあえず無事終わってよかったな。たぶん許可も貰えるだろ」
「ところでどこに向かってるんだい? そっちは出口じゃ……」
まっすぐは帰らない。
ちょっと野暮用を済ませないといけないからね。
俺は喫茶ルームから休憩所へと戻り、そこから個室へと向かった俺は、何もない空間へと向け声を掛ける。
「アマツさんおるー?」
「いるとも。何かあった……」
するとすぐさま反応したアマツが姿を現し……そして俺の手にもつビニール袋、その中に納まった生首をみてピシッと固まる。
うむ、良いリアクションだ。
俺は生首をビニール袋から取り出すと、ぽんっと両手で上空へと打ち上げる。
「はい、トスッ」
向かう先はアマツだ。
「ッアタアァァッック!!」
「へぶしっ!?」
アマツの掛け声と共に放たれたアタックは見事に空中の生首を捉えた。
結構な勢いでかっとんだ生首は壁にべちっとあたり、ずりずりと落ちていく。
あ、ちゃんと生きてるから大丈夫よ。
てかアマツ意外とノリがいいなっ。こんな激しく動くの初めて見た気がするぞ。
「いきなり何を……思わず叩き落してしまったよ」
「いや、こやつがちょっと悪さしてたんで懲らしめて貰おうかなと。なのでありがとうございます」
いきなりといっても、普通に掛け声もあったし、ジャンプもしてたしちゃんと確認してからやってるよね。
まあ、それはおいといて。
さっきの宇佐見さんとのやりとりを報告しておこう。
見ていた可能性もあるけど休暇中だし、一応ね。
「なるほど。それじゃダンジョンを造るのは問題なくいけそうではあるね」
「問題あっても向こうで解決してくれるでしょうしねー」
権力もった人が居るとほんと助かるねっ。
何か問題が起きても彼らが解決してくれるだろう。アマツとか間違っても俺にまで問題がくるなんてことはないはずだ。
さて、野暮用も済ませたしアマツにも方向済ませたし、そろそろ家に戻るとするか。
「そんじゃ、用事も終わりましたんでここらでお暇しますね。ゆっくり休んでください」
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俺はしぶしぶ生首が入ったビニール袋を持ち帰るのであった。
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