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「277話」
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「相変わらず失礼なやつらだな、君たちは」
生首がなんか文句いってる。
てか否定はせんのな。
やっぱ籠に入れておいて正解じゃないか。
「しかしなんだってあんな遠いところに造ったんだ?」
生首の文句をスルーして、疑問に思っていたことをたずねてみる。
こいつがダンジョン造った場所だけどね、なんと家から100キロ以上離れてんだよ。
どうせなら家のそばに造ってくれたらアクセスするのも楽だったのに……アマツのダンジョンとは別扱いだから、今のところ直にいくしかないんだよなあ。
まあ、そのうちアクセスに関しては統一するって話だけどさ。
そうじゃないと道外からのアクセスが大変すぎる。てか道内でも大変だ。
「いや、本当はね。首相官邸におこうかと思ったんだけど、断られてしまってねえ」
「あたりまえだボケ」
遠すぎるわ。
てかそんな無茶な要求してたのか。
通る訳ないだろうに……首相とかこいつと交渉するの苦労しただろうなあ。
この前、宇佐見さんから電話あったけど声に力なかったし……まあ、俺にはどうすることもできない。
できてせいぜい喫茶ルームのケーキおすそ分けするぐらいだろう。
……疲れた時には甘いものが良いっていうし、いいかもな。
宇佐見さんとかもまだダンジョン潜っているようだし、買えなくはないだろうけどそこそこ高いからね。
てか、相当忙しいだろうにダンジョン潜り続けてるの凄いよなー。じわじわ若返ってる感もあるし、階層更新してそうな気がする。
「そこは空き地も多いし、今は住民もそんなに居ないそうだから丁度いいとなったんだよ」
「あー……高速できてからえらい過疎ってるからな、あそこ」
「たしかに」
なるほどねえ。
一応考えてはいたと……元々メインの道路だったし、道はしっかりしているし、ダンジョンの近くに駐車場なんかもあるにはある。
泊まる所は……もうないかな? 高速が通っただけであそこまで変わるもんだと驚いた記憶がある。
ダンジョンができたことで、少しは地域の活性化に繋がるかも知れないね。
アマツのダンジョンとアクセスが統一されると来る人は減っちゃうだろうけど、それでもダンジョンへのアクセス会場ってだけど、周辺には施設もできるし人もくる……はず。
「高速つかって片道2時間ってとこか」
「北上さんが車だしてくれるんだっけ?」
「そそ」
生首ダンジョンに向かうのは俺とクロ、それに中村と太郎、そして遥さんの5人だ。
1台の車でいけるならそれがいいだろうと、SUVタイプの車を持つ遥さんが車を出すことになったのだ。
いつも使っているバックパックもあるから俺とか中村の車だとちょっと狭すぎるんだよな。
ああ、そうう。
前にも言ったかもだけど、撮影もするからさすがにフルネーム出すのは不味いってんで、撮影の時は北上さん呼びに戻すことにしてあるからね。
ぶっちゃけ北上さん呼びのほうが慣れてたりする。
「お、きたきた」
そのまま中村とだべっていると、車の音が近付いてきて、やがて運転する遥さんの姿がみえた。
「おまたー」
車から降りて、笑顔で手をふる遥さん。
ちらっと地面に放置してある鳥かごに視線を向けたのは気のせいだろうか。
……いや、地面に鳥かご放置してあったら、なんだろう? って思ってみるとは思うんだけどね、ちょっと鋭い視線というかなんというか。
……なんか背筋がぞわっとした。
っと、いかんいかん。せっかく迎えに来てくれたんだし、お礼言わねば。
「遥さん、車出してもらってありがとうございます! すっごいの乗ってますね」
いや、ほんと凄いの。
俺はそこまで車に詳しい訳じゃないんだけど、これ軍用車とかにも使われるやつじゃなかったっけ?
遥さんのことだから、キャンプで山にいくとき用にでも買ったんじゃないかな。
普通の車じゃいけないところとかにもいってそう。
「いいなー。欲しかったけど高くてなあ」
「今なら買えるでしょー」
「……それもそうだ!」
中村もなんだかんだで結構稼いどるかんね。
ただ俺もだけど、金銭感覚がどうも更新されないというか……ダンジョンのポイントに関しては慣れてるんだけどなあ?
「てか、二人ともその恰好で向かうつもりなの? せめて防具だけでも外しておきなよー」
「確かに現地でつければいっか……」
「目立つもんな。SAとか寄れないぞ」
完全装備の俺と中村に対して、遥さんは現地で着替えるつもりだったのだろう。ほぼ私服である。
とりあえず防具を外して、上に何か羽織れば……足が迷彩服だけど、ミリタリー好きとかで通せるか? まあなんとかなるべ。
「それじゃ荷物つんで乗った乗った」
「うっす」
「鳥かごどうすんべ」
脱いだ防具をバックパックにつめこんで、車両後部にどんどんつんでいく。
でかいだけあって全部いれても余裕あるねえ。
こういう大きい車もちょっち欲しいな。
「クロはそこでいいの?」
「温風でるから暖かいのかな」
荷物を積み込んだら出発だ。
座席は俺はが助手席でクロはインパネの上で丸くなってる。
遥さんは運転席ね。
太郎は後部座席ではしゃいでる。
「俺の隣かよ……」
「何か文句あるのかねえ?」
中村は2列目の席で、その隣には生首がはいった鳥かごがある。
遥さん曰く「屋根に乗せられるよー?」とのことだが、さすがにそれは……と、中村の隣で落ち着いたのである。
いやね、鳥かごの中身みられたら不味いなんてもんじゃないからさ。
パトカーに追いかけられちゃう。
生首がなんか文句いってる。
てか否定はせんのな。
やっぱ籠に入れておいて正解じゃないか。
「しかしなんだってあんな遠いところに造ったんだ?」
生首の文句をスルーして、疑問に思っていたことをたずねてみる。
こいつがダンジョン造った場所だけどね、なんと家から100キロ以上離れてんだよ。
どうせなら家のそばに造ってくれたらアクセスするのも楽だったのに……アマツのダンジョンとは別扱いだから、今のところ直にいくしかないんだよなあ。
まあ、そのうちアクセスに関しては統一するって話だけどさ。
そうじゃないと道外からのアクセスが大変すぎる。てか道内でも大変だ。
「いや、本当はね。首相官邸におこうかと思ったんだけど、断られてしまってねえ」
「あたりまえだボケ」
遠すぎるわ。
てかそんな無茶な要求してたのか。
通る訳ないだろうに……首相とかこいつと交渉するの苦労しただろうなあ。
この前、宇佐見さんから電話あったけど声に力なかったし……まあ、俺にはどうすることもできない。
できてせいぜい喫茶ルームのケーキおすそ分けするぐらいだろう。
……疲れた時には甘いものが良いっていうし、いいかもな。
宇佐見さんとかもまだダンジョン潜っているようだし、買えなくはないだろうけどそこそこ高いからね。
てか、相当忙しいだろうにダンジョン潜り続けてるの凄いよなー。じわじわ若返ってる感もあるし、階層更新してそうな気がする。
「そこは空き地も多いし、今は住民もそんなに居ないそうだから丁度いいとなったんだよ」
「あー……高速できてからえらい過疎ってるからな、あそこ」
「たしかに」
なるほどねえ。
一応考えてはいたと……元々メインの道路だったし、道はしっかりしているし、ダンジョンの近くに駐車場なんかもあるにはある。
泊まる所は……もうないかな? 高速が通っただけであそこまで変わるもんだと驚いた記憶がある。
ダンジョンができたことで、少しは地域の活性化に繋がるかも知れないね。
アマツのダンジョンとアクセスが統一されると来る人は減っちゃうだろうけど、それでもダンジョンへのアクセス会場ってだけど、周辺には施設もできるし人もくる……はず。
「高速つかって片道2時間ってとこか」
「北上さんが車だしてくれるんだっけ?」
「そそ」
生首ダンジョンに向かうのは俺とクロ、それに中村と太郎、そして遥さんの5人だ。
1台の車でいけるならそれがいいだろうと、SUVタイプの車を持つ遥さんが車を出すことになったのだ。
いつも使っているバックパックもあるから俺とか中村の車だとちょっと狭すぎるんだよな。
ああ、そうう。
前にも言ったかもだけど、撮影もするからさすがにフルネーム出すのは不味いってんで、撮影の時は北上さん呼びに戻すことにしてあるからね。
ぶっちゃけ北上さん呼びのほうが慣れてたりする。
「お、きたきた」
そのまま中村とだべっていると、車の音が近付いてきて、やがて運転する遥さんの姿がみえた。
「おまたー」
車から降りて、笑顔で手をふる遥さん。
ちらっと地面に放置してある鳥かごに視線を向けたのは気のせいだろうか。
……いや、地面に鳥かご放置してあったら、なんだろう? って思ってみるとは思うんだけどね、ちょっと鋭い視線というかなんというか。
……なんか背筋がぞわっとした。
っと、いかんいかん。せっかく迎えに来てくれたんだし、お礼言わねば。
「遥さん、車出してもらってありがとうございます! すっごいの乗ってますね」
いや、ほんと凄いの。
俺はそこまで車に詳しい訳じゃないんだけど、これ軍用車とかにも使われるやつじゃなかったっけ?
遥さんのことだから、キャンプで山にいくとき用にでも買ったんじゃないかな。
普通の車じゃいけないところとかにもいってそう。
「いいなー。欲しかったけど高くてなあ」
「今なら買えるでしょー」
「……それもそうだ!」
中村もなんだかんだで結構稼いどるかんね。
ただ俺もだけど、金銭感覚がどうも更新されないというか……ダンジョンのポイントに関しては慣れてるんだけどなあ?
「てか、二人ともその恰好で向かうつもりなの? せめて防具だけでも外しておきなよー」
「確かに現地でつければいっか……」
「目立つもんな。SAとか寄れないぞ」
完全装備の俺と中村に対して、遥さんは現地で着替えるつもりだったのだろう。ほぼ私服である。
とりあえず防具を外して、上に何か羽織れば……足が迷彩服だけど、ミリタリー好きとかで通せるか? まあなんとかなるべ。
「それじゃ荷物つんで乗った乗った」
「うっす」
「鳥かごどうすんべ」
脱いだ防具をバックパックにつめこんで、車両後部にどんどんつんでいく。
でかいだけあって全部いれても余裕あるねえ。
こういう大きい車もちょっち欲しいな。
「クロはそこでいいの?」
「温風でるから暖かいのかな」
荷物を積み込んだら出発だ。
座席は俺はが助手席でクロはインパネの上で丸くなってる。
遥さんは運転席ね。
太郎は後部座席ではしゃいでる。
「俺の隣かよ……」
「何か文句あるのかねえ?」
中村は2列目の席で、その隣には生首がはいった鳥かごがある。
遥さん曰く「屋根に乗せられるよー?」とのことだが、さすがにそれは……と、中村の隣で落ち着いたのである。
いやね、鳥かごの中身みられたら不味いなんてもんじゃないからさ。
パトカーに追いかけられちゃう。
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