家の猫がポーションとってきた。

熊ごろう

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「302話」

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その後、隊員さんたちも休憩に入るということで、飯を食いながら戦闘の動画をみんなに見せた。
体を張りまくったその映像に、みんなの顔が少し渋くなる。
いずれ自分たちも同じ相手と戦うことになるのだ、その場面を想像してしまったのだろう。

「なるほど。こいつは面倒な相手だな」

「てか、20階以降は面倒じゃない相手居ないんじゃないっすかね」

ほんとそれな。
ドラゴンに至ってはもうね……まあ今は装備きっちり整えていけばそこまで大変ではないのかな?
隊員さん達もそろそろドラゴンと戦うことになると思うけど、たぶん問題なくいけると思う。

もしかすると若干火力が不足するかも知れないけどね。
ドラゴンは俺みたいに理不尽な再生能力なんてないから何とかなるはず。

問題は俺たちのほうだよなー。火力足らなすぎってのは思っていたよりキツイ。


「確かに……ところで、見たところ火力が不足してそうだが、何か当てはあるのか?」

偶然だろうか、俺が火力不足について悩んでいると都丸さんがそう訊ねてきた。

「オークションでよさげなカードを競り落とそうかなーと。……次いつあるんすかね?」

他のダンジョンに一から潜ってカード集めるのはしんどいよねえ。
今月中とかにあると俺としては凄く嬉しい。

「確か5月だぞ」

「結構先だった!」

現実は無常なり。
それまで地道にあいつを倒すのかあ……カードでるかなあ。でない気がするなあ。
いやあ、きついっす。


と、一瞬で目のハイライトが消えた俺をみて、都丸さんが何やら考える素振りを見せる。

「……海外ならたしか今月あったと思うぞ」

「おお! 詳しく!」

さすが!
海外の情報もってるとか、すごい。

……まあ、調べたら普通に出てくる情報なのかもだけど。
俺、あんまり調べないからなあ。


「いや、俺もそんな詳しくは……まあ知っている範囲でな」

そこまで俺が食いついてくると思っていなかったのか、ちょっと困り顔の都丸さん。
困り顔とか珍しいな! まあ、それは置いといて、とりあえず教えてプリーズ。
お礼にクロの肉球見せてあげるから、ね。



「パッドで出来るんすね」

「ああ、アマツさんが対応したらしい」

クロの肉球を見せられてなぜか困惑する都丸さんであったが、おおよそ必要と思われる情報は頂くことができた。
どうやらアマツは俺たちの知らないところでちゃっかり仕事していたらしい。
えらい。

「現地いかなくて良いのは助かる……時間も取られなさそうだし」

無人島いかないとだしね。
キャンプ用品とか色々買い込みたいし、パッドでささっと出来るならありがたいことだ。
なんなら無人島でオークション参加してもいいし。


「何かあるのか?」

「あー……っと」

っと、ぼそっと呟いたのが聞こえていたらしい。
都丸さんとしては、単純に疑問に思ったから聞いているだけだろうし、俺としても別に悪いことをしようとかそういう訳じゃないし、言っても構わないのだけどちょっと恥ずかしいような……まあ、言うか。
変に誤魔化して誤解されても困るし。

かくかくしかじかという訳なんすよーっと。





……かくかくしかじかと、遥さんと無人島行く予定を皆に伝えたんだけど、なんか皆して下向いて黙り込んでしまったんだですけど。
え、なに。俺まじで何かやっちゃった?

「……あの?」

おそるおそる隊員さん達に声をかけると、彼らは下を向いたままぽつりぽつりと話始める。



「無人島で……」

「二人きり……」

「何も起きないはずが」

「やめえいっ」

深刻な顔して何いいだしやがりますかねえっ!?

「都丸さんのキャラが分からなくなってきた……」

ほかの人ならまだ分かるけどさあ。
滅茶苦茶まじめな人なイメージだったのに……まさかこんなエロ親父ブームをかましやがりますとは。
ストレスでもたまってるのカナ?



「何を言ってるんだか……まあ、楽しんでくると良いさ。忙しいとはいえ、あいつも数日休むぐらいは出来るからな。むしろ何かないと休まないからな……」

「良い休暇になる」

軽い冗談だったんだろう。冗談だよね。
都丸さんは軽く笑いながらそう言った。
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