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第四章
38. 予想外のことを言われました
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「……セラフィーナですが」
「うん。知ってる。僕が知りたいのは以前名乗っていたフルネームだよ」
「…………。セラフィーナ・アールベックです」
この家名を名乗るのは、カレンデュラと別れるとき以来だ。強気な彼女を思い出し、つい懐かしさを感じていると、アルトが顎に手を当てて考えこんでいた。
「アルト? どうかしました?」
「ん? んー……セラフィーナは唯一の魔法って知ってる?」
初めて聞く単語に、考えるより早く、口から答えが飛び出していた。
「いえ。知りません」
「……そうかあ。ユールスール帝国は魔法を使う人がいない国だったね」
遠い目になったアルトがつぶやくように言い、セラフィーナは戸惑った。
(マルシカ王国の伝記には載っていなかったけれど、魔法を使っている人には常識なのかしら?)
説明を待っていると、アルトと目が合う。
こちらの困惑が伝わったのだろう。魔法を使えないセラフィーナにもわかりやすいよう、かみ砕いて解説してくれる。
「魔法は好き放題に使えるものじゃない。誓約によって使えるものと使えないものがある。だけど、唯一の魔法は特別。誓約に縛られず、自分にしか扱えない魔法なんだ。それは些細な魔法だったり、国家存亡に関わる魔法だったり、一生に一度しか使えないものだったりと多岐にわたる」
「そんな魔法が……」
ラウラもアルトも自在に魔法を操っていたから万能のように思えたが、普通の魔法使いが扱えるものはもっと限られているのかもしれない。
「唯一の魔法は『始まりの魔法』とも呼ばれている。魔力を持つ者が少なくなった現代では、唯一の魔法を知らずに生を終える者も珍しくない」
「アルトの唯一の魔法は……名前が関係しているんですか?」
「ご明察」
「…………」
「あ、今、答えるんじゃなかったとか思っているね。大丈夫だよ、そんなに危ない魔法じゃないから」
焦ったような声に、つい懐疑的な瞳を向けてしまう。
「じゃあ、何なんですか。もったいぶらずに教えてください」
「僕の唯一の魔法は、現世の名前から前世の名を知ることができるんだ」
「……前世の……名前?」
「そう。たとえば、君の前世はフォーリーン・イティア」
前世の名前と言われても、まったくピンとこない。
記憶がないのだから当然といえば当然だが、アルトの目は真剣だった。
「……それだけですか?」
「そうだとも。名前以外に僕が読み取れる情報はないよ」
「なんだ……」
もっと大きな秘密が明らかになるのかと思えば、そうでもない。
期待が大きかっただけに落胆も大きい。少しわくわくした気持ちを返してほしい。
そう思っていると、アルトが人差し指を突き出した。驚いているうちに、すぐにひっこめたが。
「ここでひとつ気づいたことがある。君は疑問に思わなかった? いくら困っているとはいえ、初対面の貴族令嬢を第二妃に望み、それが叶わなければ自国の女官に抜擢する行動に」
「……何か理由があるということですか?」
確かにレクアルの行動には驚かされた。だが初対面だった以上、好奇心以外の理由があるとは思えない。
アルトはふっと視線を横にそらした。
「まぁ、これは本人も無自覚かもしれないけどね。……いいかい? レクアル殿下の前世の名は、ヴィリアム・イティアという」
「……イティア?」
「夫婦か、兄妹か、詳しくはわからないけど。少なくとも、前世は家族であった可能性が高い」
「…………」
予想の斜め上の考察に、返す言葉が見つからない。
(レクアル様が……前世での家族……?)
ならば、この親しい気持ちは家族愛からか。そこまで考えて、ふるふると首を横に振って、彼の仮説を否定する。
(二人とも記憶がないのに、懐かしく思うなんて……あり得ない)
生まれ変わった時点で、姿形も性格も異なる。別の人生だ。偶然出会うことがあったとしても、そこに惹かれ合う理由なんてない。
だけど、レクアルに対する言葉にできない気持ちが家族愛に似ているのも事実だ。
考えれば考えるほど、何が違っていて、何が正しいのか、わからなくなる。
混乱するセラフィーナに、アルトが優しく語りかける。
「もちろん、前世と同じ人生を歩むとは限らない。真逆の人生を突き進む人も珍しくない。だけど、なぜか放っておけない。そういう直感が魂の因果によるものだとしたら? 少しは腑に落ちるんじゃない?」
「……わたくしにはわかりません。前世のことなんて、覚えていないですし。ですが……ときどき、レクアル様が懐かしく感じる瞬間はあります」
「僕は前世の記憶があるから、君の気持ちは想像でしか察してあげられないけど、殿下が君を大切にしたいと思っている気持ちに嘘はないと思うよ」
言われた言葉に納得しかけて、はたと我に返る。
(今。彼はなんて言ったの……?)
聞き違いでなければ、とんでもない発言をしなかっただろうか。
セラフィーナはバッと顔を上げ、きょとんとしているアルトを信じられないものを見るような目つきで眺めた。
「……ちょっと待ってください。アルトには記憶が残っているのですか?」
「うん。あ、ラウラもだよ」
「…………はい?」
言われたことを反芻するが、思考回路がショートしてしまったように固まる。
身動きを止めたセラフィーナのことには気づかず、アルトは恥ずかしそうに頬を指でぽりぽりとかく。
「実はラウラとは浅からぬ縁があってね。簡単に言うと、前世では敵同士だったんだ。だけど転生した今は同じ国に住む者同士、もういがみ合う必要もないしで、僕はアプローチを続けているわけ」
何度聞いても、到底信じられない。そんなわけあるわけないと思う。
(前世の記憶を持っている……? ラウラ先輩も……?)
必死に理解しようと脳をフル回転させるが、信じたくない気持ちが強くて、うまく脳内で処理ができない。
セラフィーナは額に手を当てて眉間に皺を寄せ、もう片方の手をよろよろと挙げた。
「ちょっと待ってください……今の話を整理しますと、アルトは前世からラウラ先輩のことが好きだったということですか?」
「そうだよ。まぁ、前世は尊敬の気持ちも大きかったけど。なんていうか、存在が神々しくて。だって、彼女は世紀末の大魔女だったからね」
「…………」
「見せたかったなあ。あのときの絶対的なオーラ! 今は普通がいいのって言っているけど、ちょっともったいないよね。ラウラならもっと上に行けるのに。そうしたら僕も全力でサポートするのにさ」
セラフィーナはとうとう頭を抱えた。
前世で家族だったとか、前世の記憶を持っているとか、荒唐無稽だ。とてもすぐに信じられるような話ではない。そのはずなのに――。
(なぜかしら……アルトの話を嘘だと断じることもできないなんて)
それはきっと、腑に落ちている自分がいるから。彼は嘘をついていない。だから、どんなにあり得ない話だとしても、それこそが真実なのだと冷静な自分が囁く。
セラフィーナは両手をそっとおろし、薄く息を吐き出した。
「ラウラ先輩は、前世と同じ人生にはなりたくないのですね」
「そうみたい。僕はどっちでもいいけどね。ラウラのそばにいられたら」
「…………」
「思ったよりも驚いていないね?」
「驚いていますよ、今も」
セラフィーナが動揺している間に、アルトは残っていた料理をすべてきれいに平らげ、今はエールを美味しそうに飲んでいる。
とんでもない情報を暴露した人とは思えない落ち着きぶりに、セラフィーナは毒気を抜かれた。
「……そういえば、今も防音結界を張っているんですか?」
「あれ、よくわかったね。君を狙う者がどこで聞いてるかわからないし、あまり他人に知られたくない話だから魔法を使っているよ」
「……今日ここに連れ出したのは、レクアル様の害になる存在になるか、確かめるために?」
これまでの一連の行動から導き出した結論に、アルトは笑ってみせた。
「半分正解かな? 僕は自分の勘が合っているか、知りたかったんだよね」
「それで、結果はどうでしたか?」
「うん。君は素直でいい子だ。僕の話を受け入れてくれたし、この事実を誰かに吹聴することもしないだろう」
信じているように言いながら釘を刺すような台詞に、開きかけた口を閉じる。
一度目を閉じてから、紺碧の瞳を見据える。
「レクアル様も知らないんですよね? 前世の名前については」
「そうだね。僕の始まりの魔法を知っているのはラウラだけだから」
「……改めて言われなくても、誰にも言いません。そもそも、信じてくれる人もいないでしょうから」
「懸命な判断だね」
今夜はおごりだよ、という言葉が付け足され、セラフィーナは食後のデザートを頼むことにした。衝撃は大きかったが、今まで謎だったことが明らかにされて、心はいくぶん軽くなっていた。
◇◆◇
ディックとマリアンヌを乗せた馬車が静かに去っていく。その光景を窓越しに見下ろし、セラフィーナは窓拭きをしていた手を止めた。
(今度こそ、さよならですね。殿下……)
部屋の引き出しにしまってある懐中時計を思い出すと、心がむずむずしてくる。
今まで自分はお邪魔虫なんだと思っていた。だから婚約を破棄されるのだと思っていた。しかし、それは少し違うのだと今回わかった。
(心変わりをされたのはショックだったけど、これでいいのだわ)
二人とも、表舞台から去った悪役令嬢でさえ、気にかけてくれるほどのお人好しだ。似た者同士だと思う。本音を押し殺していたせいですれ違っていたようだが、これからはちゃんと向き合えるだろう。
不器用な優しさを持つ二人を思い浮かべながら、窓拭きを再開する。
彼らの未来に幸がありますように。そう願いながら。
「うん。知ってる。僕が知りたいのは以前名乗っていたフルネームだよ」
「…………。セラフィーナ・アールベックです」
この家名を名乗るのは、カレンデュラと別れるとき以来だ。強気な彼女を思い出し、つい懐かしさを感じていると、アルトが顎に手を当てて考えこんでいた。
「アルト? どうかしました?」
「ん? んー……セラフィーナは唯一の魔法って知ってる?」
初めて聞く単語に、考えるより早く、口から答えが飛び出していた。
「いえ。知りません」
「……そうかあ。ユールスール帝国は魔法を使う人がいない国だったね」
遠い目になったアルトがつぶやくように言い、セラフィーナは戸惑った。
(マルシカ王国の伝記には載っていなかったけれど、魔法を使っている人には常識なのかしら?)
説明を待っていると、アルトと目が合う。
こちらの困惑が伝わったのだろう。魔法を使えないセラフィーナにもわかりやすいよう、かみ砕いて解説してくれる。
「魔法は好き放題に使えるものじゃない。誓約によって使えるものと使えないものがある。だけど、唯一の魔法は特別。誓約に縛られず、自分にしか扱えない魔法なんだ。それは些細な魔法だったり、国家存亡に関わる魔法だったり、一生に一度しか使えないものだったりと多岐にわたる」
「そんな魔法が……」
ラウラもアルトも自在に魔法を操っていたから万能のように思えたが、普通の魔法使いが扱えるものはもっと限られているのかもしれない。
「唯一の魔法は『始まりの魔法』とも呼ばれている。魔力を持つ者が少なくなった現代では、唯一の魔法を知らずに生を終える者も珍しくない」
「アルトの唯一の魔法は……名前が関係しているんですか?」
「ご明察」
「…………」
「あ、今、答えるんじゃなかったとか思っているね。大丈夫だよ、そんなに危ない魔法じゃないから」
焦ったような声に、つい懐疑的な瞳を向けてしまう。
「じゃあ、何なんですか。もったいぶらずに教えてください」
「僕の唯一の魔法は、現世の名前から前世の名を知ることができるんだ」
「……前世の……名前?」
「そう。たとえば、君の前世はフォーリーン・イティア」
前世の名前と言われても、まったくピンとこない。
記憶がないのだから当然といえば当然だが、アルトの目は真剣だった。
「……それだけですか?」
「そうだとも。名前以外に僕が読み取れる情報はないよ」
「なんだ……」
もっと大きな秘密が明らかになるのかと思えば、そうでもない。
期待が大きかっただけに落胆も大きい。少しわくわくした気持ちを返してほしい。
そう思っていると、アルトが人差し指を突き出した。驚いているうちに、すぐにひっこめたが。
「ここでひとつ気づいたことがある。君は疑問に思わなかった? いくら困っているとはいえ、初対面の貴族令嬢を第二妃に望み、それが叶わなければ自国の女官に抜擢する行動に」
「……何か理由があるということですか?」
確かにレクアルの行動には驚かされた。だが初対面だった以上、好奇心以外の理由があるとは思えない。
アルトはふっと視線を横にそらした。
「まぁ、これは本人も無自覚かもしれないけどね。……いいかい? レクアル殿下の前世の名は、ヴィリアム・イティアという」
「……イティア?」
「夫婦か、兄妹か、詳しくはわからないけど。少なくとも、前世は家族であった可能性が高い」
「…………」
予想の斜め上の考察に、返す言葉が見つからない。
(レクアル様が……前世での家族……?)
ならば、この親しい気持ちは家族愛からか。そこまで考えて、ふるふると首を横に振って、彼の仮説を否定する。
(二人とも記憶がないのに、懐かしく思うなんて……あり得ない)
生まれ変わった時点で、姿形も性格も異なる。別の人生だ。偶然出会うことがあったとしても、そこに惹かれ合う理由なんてない。
だけど、レクアルに対する言葉にできない気持ちが家族愛に似ているのも事実だ。
考えれば考えるほど、何が違っていて、何が正しいのか、わからなくなる。
混乱するセラフィーナに、アルトが優しく語りかける。
「もちろん、前世と同じ人生を歩むとは限らない。真逆の人生を突き進む人も珍しくない。だけど、なぜか放っておけない。そういう直感が魂の因果によるものだとしたら? 少しは腑に落ちるんじゃない?」
「……わたくしにはわかりません。前世のことなんて、覚えていないですし。ですが……ときどき、レクアル様が懐かしく感じる瞬間はあります」
「僕は前世の記憶があるから、君の気持ちは想像でしか察してあげられないけど、殿下が君を大切にしたいと思っている気持ちに嘘はないと思うよ」
言われた言葉に納得しかけて、はたと我に返る。
(今。彼はなんて言ったの……?)
聞き違いでなければ、とんでもない発言をしなかっただろうか。
セラフィーナはバッと顔を上げ、きょとんとしているアルトを信じられないものを見るような目つきで眺めた。
「……ちょっと待ってください。アルトには記憶が残っているのですか?」
「うん。あ、ラウラもだよ」
「…………はい?」
言われたことを反芻するが、思考回路がショートしてしまったように固まる。
身動きを止めたセラフィーナのことには気づかず、アルトは恥ずかしそうに頬を指でぽりぽりとかく。
「実はラウラとは浅からぬ縁があってね。簡単に言うと、前世では敵同士だったんだ。だけど転生した今は同じ国に住む者同士、もういがみ合う必要もないしで、僕はアプローチを続けているわけ」
何度聞いても、到底信じられない。そんなわけあるわけないと思う。
(前世の記憶を持っている……? ラウラ先輩も……?)
必死に理解しようと脳をフル回転させるが、信じたくない気持ちが強くて、うまく脳内で処理ができない。
セラフィーナは額に手を当てて眉間に皺を寄せ、もう片方の手をよろよろと挙げた。
「ちょっと待ってください……今の話を整理しますと、アルトは前世からラウラ先輩のことが好きだったということですか?」
「そうだよ。まぁ、前世は尊敬の気持ちも大きかったけど。なんていうか、存在が神々しくて。だって、彼女は世紀末の大魔女だったからね」
「…………」
「見せたかったなあ。あのときの絶対的なオーラ! 今は普通がいいのって言っているけど、ちょっともったいないよね。ラウラならもっと上に行けるのに。そうしたら僕も全力でサポートするのにさ」
セラフィーナはとうとう頭を抱えた。
前世で家族だったとか、前世の記憶を持っているとか、荒唐無稽だ。とてもすぐに信じられるような話ではない。そのはずなのに――。
(なぜかしら……アルトの話を嘘だと断じることもできないなんて)
それはきっと、腑に落ちている自分がいるから。彼は嘘をついていない。だから、どんなにあり得ない話だとしても、それこそが真実なのだと冷静な自分が囁く。
セラフィーナは両手をそっとおろし、薄く息を吐き出した。
「ラウラ先輩は、前世と同じ人生にはなりたくないのですね」
「そうみたい。僕はどっちでもいいけどね。ラウラのそばにいられたら」
「…………」
「思ったよりも驚いていないね?」
「驚いていますよ、今も」
セラフィーナが動揺している間に、アルトは残っていた料理をすべてきれいに平らげ、今はエールを美味しそうに飲んでいる。
とんでもない情報を暴露した人とは思えない落ち着きぶりに、セラフィーナは毒気を抜かれた。
「……そういえば、今も防音結界を張っているんですか?」
「あれ、よくわかったね。君を狙う者がどこで聞いてるかわからないし、あまり他人に知られたくない話だから魔法を使っているよ」
「……今日ここに連れ出したのは、レクアル様の害になる存在になるか、確かめるために?」
これまでの一連の行動から導き出した結論に、アルトは笑ってみせた。
「半分正解かな? 僕は自分の勘が合っているか、知りたかったんだよね」
「それで、結果はどうでしたか?」
「うん。君は素直でいい子だ。僕の話を受け入れてくれたし、この事実を誰かに吹聴することもしないだろう」
信じているように言いながら釘を刺すような台詞に、開きかけた口を閉じる。
一度目を閉じてから、紺碧の瞳を見据える。
「レクアル様も知らないんですよね? 前世の名前については」
「そうだね。僕の始まりの魔法を知っているのはラウラだけだから」
「……改めて言われなくても、誰にも言いません。そもそも、信じてくれる人もいないでしょうから」
「懸命な判断だね」
今夜はおごりだよ、という言葉が付け足され、セラフィーナは食後のデザートを頼むことにした。衝撃は大きかったが、今まで謎だったことが明らかにされて、心はいくぶん軽くなっていた。
◇◆◇
ディックとマリアンヌを乗せた馬車が静かに去っていく。その光景を窓越しに見下ろし、セラフィーナは窓拭きをしていた手を止めた。
(今度こそ、さよならですね。殿下……)
部屋の引き出しにしまってある懐中時計を思い出すと、心がむずむずしてくる。
今まで自分はお邪魔虫なんだと思っていた。だから婚約を破棄されるのだと思っていた。しかし、それは少し違うのだと今回わかった。
(心変わりをされたのはショックだったけど、これでいいのだわ)
二人とも、表舞台から去った悪役令嬢でさえ、気にかけてくれるほどのお人好しだ。似た者同士だと思う。本音を押し殺していたせいですれ違っていたようだが、これからはちゃんと向き合えるだろう。
不器用な優しさを持つ二人を思い浮かべながら、窓拭きを再開する。
彼らの未来に幸がありますように。そう願いながら。
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