背番号なしの戦いー元プロ野球選手が書いたリアルストーリー

Astolz

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第十五話 「野球しかやってこなかった」——その強さを知れ

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二年目のジンクスを乗り越え、悠真は二年連続でトップセールスの成績を収めた。

そんな頃、引退したばかりの選手たちからセカンドキャリアの相談が増えてきた。

「悠真さん、正直不安しかないです。俺、野球しかやってこなかったんで…。」

口を揃えてそう言う選手たちに、悠真は静かに微笑み、こう伝えた。

「お前ら、本当にそう思ってるのか?」

野球しかやってこなかった? いや、違う。

「確かに、ビジネスの経験はないかもしれない。パソコンも使えないし、営業トークも知らないだろう。」

「でも、お前らが野球で培ってきたものは、そんな浅いものじゃない。」

選手たちは、驚いたような顔で悠真を見つめる。

「試合に向けて、どれだけの準備をしてきた?」

「結果が出なくても、どれだけ努力を続けてきた?」

「チームのために、どれだけ自分を犠牲にして戦ってきた?」

「それを“何もやってこなかった”なんて、絶対に言わせない。」

ビジネスの世界で生きる“野球の力”

「野球しかやってこなかったやつが、ビジネスで成功するわけがない? そんなことはない。」

悠真は自らの経験を語る。

「俺も最初は苦労した。でも気づいたんだ。俺たちは、努力する才能がある。逆境を乗り越える力がある。」

「商談で失敗しても、データを見直し、次に生かせる。相手の心理を読むのは、試合でピッチャーの配球を読むのと同じ。チームワークが求められるのは、野球もビジネスも変わらない。」

「野球で培った力は、どこに行っても通用する。」

悠真の言葉に、引退した選手たちは真剣な表情になっていく。

「お前らが歩んできた道を誇れ」

「野球しかやってこなかった? それは違う。」

「お前らは、誰よりも努力してきた。誰よりも苦しみながら、それでも前に進んできた。」

「それを誇れ。そして、その力を次のステージで生かせ。」

「俺はそのための手伝いをする。」

悠真の言葉に、選手たちはうなずいた。

野球しかやってこなかったのではない。

野球で、誰よりも多くのことを学んできたのだ。

そして今、その力を新たなフィールドで発揮する時が来た。

語る悠真の目はキラキラしていた。
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