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テレジア編
テレジア編作中作(4)
「違う、それはただそいつらが君に嫉妬していただけだ!」
話を聞き終えるなりリュークが叫ぶ。それを聞いて私は困惑した。
「え、嫉妬? あんなにきれいな方々だったのに、私みたいなガキに?」
「そうだ。そいつらが本当にきれいだったのかはよく分からないが、大方化粧と服装で誤魔化していただけだったのだろう。そこに現れた君が本当に美しかった。そんな君が彼女らの意中の人に話しかけたから彼女らは嫉妬したんだ」
「でも、私なんて……」
リュークの言葉が私の中でうまく消化できない。私が他人から嫉妬されるような存在だなんて。
「いいか? もしその時の君が本当に魅力がない女だったら、彼女たちもわざわざ君を貶めるようなことは言わず、適当にあしらえばいいはずだ。君がきれいで、その男が君にみとれていたからそんな嫌がらせをしたのではないか?」
言われてみれば確かにその通りだ。リュークの言葉に、私は目から鱗が落ちるようだった。
「でも、私って本当にそんなにきれいなのでしょうか?」
「君はもし自分がきれいならもう一度おしゃれしてみたいという気持ちはあるか?」
「は、はい」
あの時の記憶がフラッシュバックしますが、それよりも私は再び着飾ってみたいという気持ちが強くなった。きっとそれは婚約者であるリュークに「きれいだ」と言ってもらえたということが大きいからだろう。
もちろん着飾ろうとすればまたやっかみや嫉妬で何かを言われるかもしれない。しかし今でもどうせ友達には陰口を言われている。それなら、私はリュークにだけでもきれいな姿を見せることが出来ればそれでいい。そんな気持ちになった。
「分かった。それなら今から僕の屋敷に来て欲しい」
「え?」
唐突な誘いに少し驚いてしまう。
「僕には姉妹が何人かいるから女性向けの仕立て屋やスタイリストたちも揃っている。皆腕は確かだから君を見違えるほど美しくしてくれるはずだ」
「わ、分かりました。ではお願いします」
こうして私は急遽リュークの屋敷に向かうことになったのだった。
「少し待っていてくれ」
リュークの屋敷に着くと、私は一室に通されて、椅子に座る。その部屋には大きな鏡があり、そこには地味でぱっとしない私が映っている。
そしてその周囲には化粧に使う様々な道具が置いてあった。
少ししてリュークが二人のメイドを連れてくる。
「この方を出来るだけ美しくしてくれ」
「分かりました。まあ、おきれいな方ですね」
メイドは私を見て少し驚く。私を見てそんな反応をする人なんて初めてかもしれない。その反応が素の反応のようで私は嬉しくなる。
それから二人は私の髪を切って整えたり、お化粧をしたりしてくれた。最近そういうことから遠ざかりすぎていて自分が何をされているのかすらよく分からなくなりかけていたけど、気が付くと鏡に映る私はまるで別人のようになっていた。
それが終わったところで今度は私は隣の部屋に連れていかれた。そちらの部屋にはクローゼットがあり、中にはたくさんの服やドレスが掛かっている。また、その隣にあるタンスにはたくさんのアクセサリーや髪飾りが入っていた。
「わあ、すごい」
「はい、うちはお嬢様が多いのでたくさんのものがあるんです」
「でもいいんですか? そんなものを私に使っていただいて」
それは本来この家の令嬢たちのものだ。
が、メイドは私の質問ににっこりと頷く。
「もちろんです。リューク様のたっての頼みですから」
「はい、それに私たちも色々な方のコーディネートをするのは楽しいので全然かまわないですよ」
「ありがとうございます、ではお言葉に甘えさせていただきますね」
そして二人とも私の着付けをしてくれた。
まず私に似合うドレスを選び、そしてそれに合うアクセサリーをああでもないこうでもない、と選んでくれる。
そして。
「出来ました」
「わああ……」
鏡に映った私を見て私は呆然とする。つい先ほどまで鏡に映っていた私と同一人物とはまるで思えない、美しい女性がそこには映っていた。
これまであまり手入れしていなかった髪はきれいな艶を放っていて、セミロングの先端はこれまでぼさぼさだったのに、今は少しウェーブさせられている。また、これまで髪で隠していた顔はまるで絵の中から出てきた女性のように美しくなっていた。
これまで地味な服しか着なかった私だったが、服装も赤を基調にした鮮やかなドレスに変わっている。これまでずっと隠していた胸元や肩口も少し大胆に露出していたが、背伸びしている感もいやらしさもなく、綺麗に見えた。
「すごい……これが私?」
「はい、本当にテレジア様です」
「まさかここまで綺麗になるとは思わなかったわ」
その姿を見てメイド二人も歓声を上げる。私はしばらく声も出せず自分に見とれてしまう。
やがて、この姿をリュークに見てもらったらどういう反応をするだろうか、ということが気になって来た。
そう思ったとき、部屋のドアがガチャリと開いてリュークが入ってくる。
話を聞き終えるなりリュークが叫ぶ。それを聞いて私は困惑した。
「え、嫉妬? あんなにきれいな方々だったのに、私みたいなガキに?」
「そうだ。そいつらが本当にきれいだったのかはよく分からないが、大方化粧と服装で誤魔化していただけだったのだろう。そこに現れた君が本当に美しかった。そんな君が彼女らの意中の人に話しかけたから彼女らは嫉妬したんだ」
「でも、私なんて……」
リュークの言葉が私の中でうまく消化できない。私が他人から嫉妬されるような存在だなんて。
「いいか? もしその時の君が本当に魅力がない女だったら、彼女たちもわざわざ君を貶めるようなことは言わず、適当にあしらえばいいはずだ。君がきれいで、その男が君にみとれていたからそんな嫌がらせをしたのではないか?」
言われてみれば確かにその通りだ。リュークの言葉に、私は目から鱗が落ちるようだった。
「でも、私って本当にそんなにきれいなのでしょうか?」
「君はもし自分がきれいならもう一度おしゃれしてみたいという気持ちはあるか?」
「は、はい」
あの時の記憶がフラッシュバックしますが、それよりも私は再び着飾ってみたいという気持ちが強くなった。きっとそれは婚約者であるリュークに「きれいだ」と言ってもらえたということが大きいからだろう。
もちろん着飾ろうとすればまたやっかみや嫉妬で何かを言われるかもしれない。しかし今でもどうせ友達には陰口を言われている。それなら、私はリュークにだけでもきれいな姿を見せることが出来ればそれでいい。そんな気持ちになった。
「分かった。それなら今から僕の屋敷に来て欲しい」
「え?」
唐突な誘いに少し驚いてしまう。
「僕には姉妹が何人かいるから女性向けの仕立て屋やスタイリストたちも揃っている。皆腕は確かだから君を見違えるほど美しくしてくれるはずだ」
「わ、分かりました。ではお願いします」
こうして私は急遽リュークの屋敷に向かうことになったのだった。
「少し待っていてくれ」
リュークの屋敷に着くと、私は一室に通されて、椅子に座る。その部屋には大きな鏡があり、そこには地味でぱっとしない私が映っている。
そしてその周囲には化粧に使う様々な道具が置いてあった。
少ししてリュークが二人のメイドを連れてくる。
「この方を出来るだけ美しくしてくれ」
「分かりました。まあ、おきれいな方ですね」
メイドは私を見て少し驚く。私を見てそんな反応をする人なんて初めてかもしれない。その反応が素の反応のようで私は嬉しくなる。
それから二人は私の髪を切って整えたり、お化粧をしたりしてくれた。最近そういうことから遠ざかりすぎていて自分が何をされているのかすらよく分からなくなりかけていたけど、気が付くと鏡に映る私はまるで別人のようになっていた。
それが終わったところで今度は私は隣の部屋に連れていかれた。そちらの部屋にはクローゼットがあり、中にはたくさんの服やドレスが掛かっている。また、その隣にあるタンスにはたくさんのアクセサリーや髪飾りが入っていた。
「わあ、すごい」
「はい、うちはお嬢様が多いのでたくさんのものがあるんです」
「でもいいんですか? そんなものを私に使っていただいて」
それは本来この家の令嬢たちのものだ。
が、メイドは私の質問ににっこりと頷く。
「もちろんです。リューク様のたっての頼みですから」
「はい、それに私たちも色々な方のコーディネートをするのは楽しいので全然かまわないですよ」
「ありがとうございます、ではお言葉に甘えさせていただきますね」
そして二人とも私の着付けをしてくれた。
まず私に似合うドレスを選び、そしてそれに合うアクセサリーをああでもないこうでもない、と選んでくれる。
そして。
「出来ました」
「わああ……」
鏡に映った私を見て私は呆然とする。つい先ほどまで鏡に映っていた私と同一人物とはまるで思えない、美しい女性がそこには映っていた。
これまであまり手入れしていなかった髪はきれいな艶を放っていて、セミロングの先端はこれまでぼさぼさだったのに、今は少しウェーブさせられている。また、これまで髪で隠していた顔はまるで絵の中から出てきた女性のように美しくなっていた。
これまで地味な服しか着なかった私だったが、服装も赤を基調にした鮮やかなドレスに変わっている。これまでずっと隠していた胸元や肩口も少し大胆に露出していたが、背伸びしている感もいやらしさもなく、綺麗に見えた。
「すごい……これが私?」
「はい、本当にテレジア様です」
「まさかここまで綺麗になるとは思わなかったわ」
その姿を見てメイド二人も歓声を上げる。私はしばらく声も出せず自分に見とれてしまう。
やがて、この姿をリュークに見てもらったらどういう反応をするだろうか、ということが気になって来た。
そう思ったとき、部屋のドアがガチャリと開いてリュークが入ってくる。
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