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スパーク家からの誘い
「大事な話がある」
「え?」
私たちに戻ると、おもむろに父上に声をかけられる。
私たちの父、エインズ公爵は公爵家の当主に恥じない優秀な人物らしいが、普段は公爵の仕事が忙しくあまり私たちには声をかけてこない。
「もしや縁談の話でしょうか?」
ぴんときたのか、シェリルが尋ねる。
確かに私は今年で十五、シェリルも十三になる。そろそろ婚約者ぐらいは決まっていてもおかしくない年頃だ。
普段あまり話さない父上がわざわざ大事なことだと前置きして言ってくるのであればそうかもしれない。ただ、縁談であればどちらか一方だけのはずだが。
「まあそんなようなものだ。部屋に来てくれ」
そう言って父上はずんずんと自室へ歩いていく。
縁談の話であるか、そうでないかは二つに一つのはずではあるのになぜあいまいな答えなのだろうか。
私たちは顔を見合わせてその後に続くのだった。
父上の部屋に入り、私たちは向かい合うようにソファに座る。
すると父上は重々しく切り出した。
「実は今週末、スパーク公爵家のパーティーに招待された」
スパーク公爵家というのはうちと同じぐらいの家格の家だ。
名家なのだが、特に跡継ぎのアーノルドという人物が有名で、確か年齢は私と同じ十五なのだが、綺麗な外見に、聡明で政務でも力を発揮しているという評判もあり注目を集めていた。
「先方もあまりはっきりとしたことを言うと失礼になると思ったのか言葉を濁していたが、どうも我が家と縁談したいが、二人のうちどちらと縁談するかは実際に見てから決めたいということらしい」
「ええ!?」
それを聞いて私は少し驚いてしまう。というのも、基本的に縁談は長女からというのが通例だからだ。
それに、姉妹のどちらかを選ぶという話は聞いたことがない。
「侮られていると思って不満か?」
「いえ……」
内心同意しかけたが、さすがに頷くのもどうかと思って否定する。
すると父上は少しだけ苦々しい表情をした。
「アーノルド殿は周囲の評判もよく、縁談は引く手数多ということらしい。だから先方が相手を選ぶ立場にいるということだ」
「……分かりました」
いつの世も人気な人と不人気な人はいる。
それをはっきり言われてしまえばどうにもならない。父上が微妙に歯切れ悪い様子だった理由が分かった気がした。
「シェリルもいいか?」
「構いませんわ」
一方のシェリルは堂々とした表情で頷く。
むしろ彼女はパーティーを楽しみにしているという雰囲気すらある。
「と言う訳で今週末はスパーク家のパーティーに参加する。他家のご令嬢も来るだろうが、くれぐれも粗相のないように。我が家の娘として恥ずかしくないよう準備しておきなさい」
「分かりました」
父上の言葉に私たちは頷いて部屋を出るのだった。
「え?」
私たちに戻ると、おもむろに父上に声をかけられる。
私たちの父、エインズ公爵は公爵家の当主に恥じない優秀な人物らしいが、普段は公爵の仕事が忙しくあまり私たちには声をかけてこない。
「もしや縁談の話でしょうか?」
ぴんときたのか、シェリルが尋ねる。
確かに私は今年で十五、シェリルも十三になる。そろそろ婚約者ぐらいは決まっていてもおかしくない年頃だ。
普段あまり話さない父上がわざわざ大事なことだと前置きして言ってくるのであればそうかもしれない。ただ、縁談であればどちらか一方だけのはずだが。
「まあそんなようなものだ。部屋に来てくれ」
そう言って父上はずんずんと自室へ歩いていく。
縁談の話であるか、そうでないかは二つに一つのはずではあるのになぜあいまいな答えなのだろうか。
私たちは顔を見合わせてその後に続くのだった。
父上の部屋に入り、私たちは向かい合うようにソファに座る。
すると父上は重々しく切り出した。
「実は今週末、スパーク公爵家のパーティーに招待された」
スパーク公爵家というのはうちと同じぐらいの家格の家だ。
名家なのだが、特に跡継ぎのアーノルドという人物が有名で、確か年齢は私と同じ十五なのだが、綺麗な外見に、聡明で政務でも力を発揮しているという評判もあり注目を集めていた。
「先方もあまりはっきりとしたことを言うと失礼になると思ったのか言葉を濁していたが、どうも我が家と縁談したいが、二人のうちどちらと縁談するかは実際に見てから決めたいということらしい」
「ええ!?」
それを聞いて私は少し驚いてしまう。というのも、基本的に縁談は長女からというのが通例だからだ。
それに、姉妹のどちらかを選ぶという話は聞いたことがない。
「侮られていると思って不満か?」
「いえ……」
内心同意しかけたが、さすがに頷くのもどうかと思って否定する。
すると父上は少しだけ苦々しい表情をした。
「アーノルド殿は周囲の評判もよく、縁談は引く手数多ということらしい。だから先方が相手を選ぶ立場にいるということだ」
「……分かりました」
いつの世も人気な人と不人気な人はいる。
それをはっきり言われてしまえばどうにもならない。父上が微妙に歯切れ悪い様子だった理由が分かった気がした。
「シェリルもいいか?」
「構いませんわ」
一方のシェリルは堂々とした表情で頷く。
むしろ彼女はパーティーを楽しみにしているという雰囲気すらある。
「と言う訳で今週末はスパーク家のパーティーに参加する。他家のご令嬢も来るだろうが、くれぐれも粗相のないように。我が家の娘として恥ずかしくないよう準備しておきなさい」
「分かりました」
父上の言葉に私たちは頷いて部屋を出るのだった。
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