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真相
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「俺とキャシーが付き合っているってどういうことだ?」
「え?」
ブライアンに困惑しながら訊き返され、再度私が困惑する。
私たちはすっかりお互い困惑しながら会話を繰り広げていた。私は確かにブライアンがキャシーに告白しているのを見た。それなのになぜそんなことを言っているのだろうか。
「あの、もしかして気を遣って二人が付き合っていること、私に隠してる? だとしたらもう知っているからあまり意味ないけど」
「だからさっきから何を言っているんだ? どこから俺とキャシーが付き合っているなんて話が出てくる?」
ブライアンは困惑を通り越して少し苛立ってすらいる。ブライアンは嘘をつくとかそんな器用なことが出来るタイプではないし、恐らく本当なのだろう。
そこでようやく私も、実はあれが告白の現場ではなかったのかと思えてくる。
「だって、先週キャシーを放課後呼び出して告白してたのに」
「いや、そんなことはしてな……もしやあれのことか」
だが、ブライアンは隠しているというよりは本気で困惑しているようだった。
「あれも何も普通は一つしかないと思うけど」
するとブライアンははあっ、と盛大な溜め息をついた。
「あれのことなら、あれはキャシーが俺を呼び出して告白したんだ」
「へ? いや、でもブライアンが好きって言っているのを偶然聞いちゃって」
「そんなことは言ってないが……待てよ? そう言えばキャシーに、カーラが好きなんだ、とは言ったな」
「え、ということはもしかして……」
私はみるみる自分の顔が赤くなっていくのを感じる。
だが、目の前のブライアンが嘘を言っているようには見えない。しかもここ数日、ブライアンとキャシーは一緒にいても、キャシーが一方的にブライアンにくっつくばかりでブライアンの方はいつも微妙な雰囲気だった。照れているのかと思っていたが、本当にブライアンはキャシーのことが恋人としては好きではなかったらしい。
ということは……
もしや私は告白を勝手に聞いた末に早とちりして自分のことを好きな男を別の女とくっつけようとしてしまったということか。
誤解に気づいた私は顔が真っ赤になっていくのを感じる。
「あの、もしかして俺はキャシーに告白したと思われていたのか?」
「ごめんなさい!」
いたたまれなくなった私は大声で頭を下げる。
「ずっと二人が付き合っていると思っていて、それでブライアンの話も聞かずに二人をくっつけようとしちゃっていた! 本当にごめん!」
「何だ、そうだったのか……」
最初は呆気にとられていたブライアンだったが、私の迫真の謝罪を見て徐々に表情が安堵に変わっていく。
「ここ数日、もしかしたらカーラに避けられているんじゃないかって心配してたんだ、本当に良かった」
そう言って彼は胸を撫で下ろした。
「本当にごめん……そう言えばブライアン、ずっと私に話がしたいって言ってたのにそれも聞かずに。あれ、きっと、その……告白だったよね?」
「そうだよ、全くもう」
ブライアンは少し恥ずかしそうに言う。告白しようとしていたのをいつも寸前で拒否していたのは本当に申し訳なかった。
そして彼は一つ大きな咳ばらいをする。
「こほん、じゃあ改めて言わせてもらう。俺はカーラが好きだ」
「うん、私も本当はブライアンのことが好きだったの。でも、ブライアンがキャシーのことが好きなら幸せになって欲しいって」
私の言葉を聞いたブライアンは笑い出した。
「何だ、そうだったのか。あーあ、俺たち一体何をやってたんだろうな」
「本当にごめん!」
「まあ両想いだったからいいか」
「うん」
こうして私は死ぬほどはずかったし申し訳ない気持ちもあったが、終わり良ければ全て良しということにしたのだった。
「え?」
ブライアンに困惑しながら訊き返され、再度私が困惑する。
私たちはすっかりお互い困惑しながら会話を繰り広げていた。私は確かにブライアンがキャシーに告白しているのを見た。それなのになぜそんなことを言っているのだろうか。
「あの、もしかして気を遣って二人が付き合っていること、私に隠してる? だとしたらもう知っているからあまり意味ないけど」
「だからさっきから何を言っているんだ? どこから俺とキャシーが付き合っているなんて話が出てくる?」
ブライアンは困惑を通り越して少し苛立ってすらいる。ブライアンは嘘をつくとかそんな器用なことが出来るタイプではないし、恐らく本当なのだろう。
そこでようやく私も、実はあれが告白の現場ではなかったのかと思えてくる。
「だって、先週キャシーを放課後呼び出して告白してたのに」
「いや、そんなことはしてな……もしやあれのことか」
だが、ブライアンは隠しているというよりは本気で困惑しているようだった。
「あれも何も普通は一つしかないと思うけど」
するとブライアンははあっ、と盛大な溜め息をついた。
「あれのことなら、あれはキャシーが俺を呼び出して告白したんだ」
「へ? いや、でもブライアンが好きって言っているのを偶然聞いちゃって」
「そんなことは言ってないが……待てよ? そう言えばキャシーに、カーラが好きなんだ、とは言ったな」
「え、ということはもしかして……」
私はみるみる自分の顔が赤くなっていくのを感じる。
だが、目の前のブライアンが嘘を言っているようには見えない。しかもここ数日、ブライアンとキャシーは一緒にいても、キャシーが一方的にブライアンにくっつくばかりでブライアンの方はいつも微妙な雰囲気だった。照れているのかと思っていたが、本当にブライアンはキャシーのことが恋人としては好きではなかったらしい。
ということは……
もしや私は告白を勝手に聞いた末に早とちりして自分のことを好きな男を別の女とくっつけようとしてしまったということか。
誤解に気づいた私は顔が真っ赤になっていくのを感じる。
「あの、もしかして俺はキャシーに告白したと思われていたのか?」
「ごめんなさい!」
いたたまれなくなった私は大声で頭を下げる。
「ずっと二人が付き合っていると思っていて、それでブライアンの話も聞かずに二人をくっつけようとしちゃっていた! 本当にごめん!」
「何だ、そうだったのか……」
最初は呆気にとられていたブライアンだったが、私の迫真の謝罪を見て徐々に表情が安堵に変わっていく。
「ここ数日、もしかしたらカーラに避けられているんじゃないかって心配してたんだ、本当に良かった」
そう言って彼は胸を撫で下ろした。
「本当にごめん……そう言えばブライアン、ずっと私に話がしたいって言ってたのにそれも聞かずに。あれ、きっと、その……告白だったよね?」
「そうだよ、全くもう」
ブライアンは少し恥ずかしそうに言う。告白しようとしていたのをいつも寸前で拒否していたのは本当に申し訳なかった。
そして彼は一つ大きな咳ばらいをする。
「こほん、じゃあ改めて言わせてもらう。俺はカーラが好きだ」
「うん、私も本当はブライアンのことが好きだったの。でも、ブライアンがキャシーのことが好きなら幸せになって欲しいって」
私の言葉を聞いたブライアンは笑い出した。
「何だ、そうだったのか。あーあ、俺たち一体何をやってたんだろうな」
「本当にごめん!」
「まあ両想いだったからいいか」
「うん」
こうして私は死ぬほどはずかったし申し訳ない気持ちもあったが、終わり良ければ全て良しということにしたのだった。
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