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0.異変

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思えばこの世界が変わり始めたのはあの時からだった。
そう、私たちはそんなことも露知らず遊んでいた。




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「来たよー、ユキ」
「早かったね、」

私は宮野 由紀。夏休み真っ盛りの中学二年生。
そして玄関に立っているのが私の親友、中山 美優。

は夏休みの宿題を片付けるために私の家へやってきた。

「階段多いー、暑いー。」
「家山の上だからね。」

私の家は丘の上に建っている。この炎天下の中登山するのはさぞ大変だっただろう。

「そうだね。冷房つけるよ。」
「やたー」

そして何の迷いも無く家の中へ入っていく美優。

「そういえばお母さんは?」

「ケーキ買いに行ったよ。」
「それじゃ、」
 
ん。

「思いっきり遊べるね!」
こら、何のために来たんだ。

「ひあっ!」
「 地震?最近多いね。」

今のは結構揺れたな。私も少し怖かった。

「とりあえずお母さんが戻るまでは宿題やるよ。」
「はいー」

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「疲れたー、休憩ー」
「まだ三分。」
「無理。私の集中力は三分が限界なの!」

全く、本当に何のために来たのか。

「ここは眺めがいいよねー」
「丘の上だからね。」

そう言って部屋のカーテンを開ける美優。

「あれ、火事?」
「本当だ、煙が上がってる。」

窓際によらなくても分かるほどの濃い煙が見えた。

「あれ、私の見間違い?」
「どうしたの。」
「あれ、雨雲じゃなくて、煙?」

そんなはずない。
確かに空は灰色だけどそれが煙だったら街全部が燃えてるはずだ。

「ほんとだって、見てみなよ由紀」

手を引かれて窓側に寄ると。

「本当だ。」

黒雲はしっかり地面から出ていた。遠くで赤い色が見える。

それを見て、よくわからない恐怖に襲われたような気がした。

「…由紀?」
「あ、ごめん。」
「さっきの地震かな?」
「…多分。」

だとしても、あの地震はそれほど大きくなかった。
何か、他の何かが。

「!、テレビ。テレビ見れば何わかるかも。」

電源を点ける。

『各地で、未確認の生物が無差別に攻撃を繰り返しています。』
『攻撃に注意してください。』

「な、にこれ」

テレビに映る生物の姿は差し詰めモンスターや魔物と言うようなものだった。

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世界が一転したのはこの時だった。
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