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1.襲来

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「ど、どうするの?」
「  逃げる。」

「どこに?」
「分からない。」

そもそも安全なところがあるのかすら分からない。

もう一度窓の外を見ると、もうあのモンスターが目視できる所まで来ている。

「っ! もうそこまで来てる!」
「どうにかしないと、」





(ガンガンガン!)
ドアを乱暴に叩く音がした。

「もう来たの?」
「と、とりあえず。何か身を守れるものを。」

二人で台所に行きあるだけの包丁やカッターなどの刃物を取り出す。

「本当に大丈夫かな。」
「でも!もうすぐドアが!」

バキッ、ドスン

「入ってきた!」

入ってきたモンスターは背が低く二足歩行の生物。
いわゆるゴブリンと言われるような生き物だった。
手には棍棒。お腹は丸く膨れていて肌が緑がかったような茶色。
正直見ていて気持ちのいいものじゃない。

「来た!」

ゴブリンたちが一斉に棍棒を振り上げて襲いかかってくる。

覚悟を決めた美優がゴブリン達の喉元に包丁を刺していく。
そして血を噴いて倒れるゴブリンを見て顔をしかめる。

「気持ち悪い…」
私もその茶色の肌に包丁を刺す。

「意外と硬い!」

カッターの刃が簡単に折れてしまった。
確かに柔らかそうに見える肌はそれに反して刃が通りにくい。
刃を突き立ててからは切れやすいのが少し不思議だ。

一体一体は私たちでも倒せるのだが数が多く安全に戦っているせいで段々奥の方に下がってしまう。
だが奥は台所だ。

「美優、勝手口から出るよ!」
刃が折れてしまったカッターを投げつけると一瞬攻撃に手が止まる。
そしてその間に鍵を開けとうとするが

(開けづらい、この鍵!)

勝手口には防犯のためにチェーンも付いている。それが焦っているともの凄く開けづらい。

美優が守ってくれている間に、
開いた!

「開いたよ!美優」
「外に出る!」

追ってくるゴブリンをドアで遮断!
更に近くにあったゴミ箱やレンガでドアを塞いだ。

「怖かった…」

「街が完全にやられてる。」
「あ…」

高台にある自分の家から見た街はあちらこちらで煙が上がり、無数の崩れている建物があった。

「そうだ!美優の家は?」
「ここからじゃ何も分からない」

美優も家に親を残してきた。心配するのは当然のことだと思う。

「じゃあこの家が落ち着いたら行こうか。」
「うん…」


###

「玄関前に何匹かいる。」
「既に中も占領されてるよ」

(いくよ、3 2 1 )

「今だっ」
「てい!」

玄関の前にいるゴブリンは奇襲で倒すことができた。
それにしてもドアがすごいこじ開けられ方をしていた。

「絶対取り戻すよ。」「うん、」
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