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14. お礼が
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待っている間、強面の受付の人は暇だったみたいで話掛けてきた。
私は近くのパン屋に居候していると言うと、以前クスファーさんが売れ残りを買ってくれたパンを食べたみたいでとても美味しかったと褒めてくれた。
結局、ギリギリまで待ったけれど上から降りて来なかったので、帰る事にした。
「クッキー、渡せたら渡しといてもらってもいい?渡せなかったら、あなたにあげるわ。夕方の販売に間に合わないといけないから帰ります。あ、こっちは別で、あなたの分ね。」
そう言うと、受付の人はすごく喜んでいた。
「ありがとう!おれこんな強面だろ?だから誰からも女子からお礼なんてもらった事なくてよ…。あんた本当イイヤツだな!またいつでも遊びに来いよ!」
クッキー恐るべし…。なんとなく熊を手懐けてしまった感じだわ。
クスファーさんとダグラスさんに会えなかったけれど、これはこれで持ってきて良かったわね。
その日、夕方販売も終わって片付けをしていた頃に扉が開いた。
「あ、ごめんなさい!もう終わりなんで…あ!」
「やぁ。来てくれたと聞いてね。」
「待っていたのだろう。済まなかったな。異世界人登録証も、出来たから持ってきたぞ。」
なんと、クスファーさんとダグラスさんが店に来てくれた。
クッキーを二人共見せてくれたから、渡してくれたのね。
登録証もわざわざ持ってきてくれたのね!でも…その、青色の保険証みたいなカードを手渡されたけれど文字が読めない私は、良く分からなかったのでお礼だけ言った。
「わざわざありがとうございます!いいえ。お二人の言葉で、夕方販売を実施する事が出来たのでそのお礼にと思って。…でもまさか、騎士団の団長さんと、副団長さんだったのですね!すみません知らなくて。」
「まぁ、わざわざ肩書きを言わなかったからね。それでクッキーを届けてくれたの?」
「はい。ディヴィスさんもマルアさんも、夕方販売で完売出来てとても喜んでくれてたのでお礼というか。それと、相談もあったのです。」
「相談?」
相談と言って、今までそっぽを向いていたクスファーさんが私の目を見て言った。
「はい。まぁ…あの…。」
でも、ここで話すとディヴィスさんとマルアさんに聞こえてしまうかもしれない。内緒にする話でもないだろうが、とても良くしてくれているお二人に引っ越す事を考えていると悟られたくなかった。
「そう…。じゃあ、明日二の鐘が鳴ってからは時間がある?」
と、ダグラスさんはすぐに言ってくれた。
「はい。朝の販売が終わりましたら、夕方販売まではあいているので。騎士団の建物に伺ってもいいですか?」
受付の人…結局名前聞かなかったけれど、約束があるかと言っていた。
その約束を、ダグラスさんはしてくれると言うのだろうか。
「じゃあ決まり!明日二の鐘が鳴る頃に迎えに行くからね。クスファーが。」
「はぁ!?」
「それで、夕方販売までにリンを送り届ける、オッケー?そこで相談とやらを受けてきなよ。きっと、ここじゃ話しにくいでしょ?」
なぜ、クスファーさんだけなのか。クスファーさんも眉間に皺を寄せて大きな声を出していた。嫌だよねきっと。
団長だろうに、忙しいかもしれない。
「い、いいえ!団長さんは忙しいですよね!?どなたか時間がある人に聞きに行きます!」
「いや。明日は休みなのだ。だから…リン。君がいいなら迎えに来る。食事でも食べながら相談とやらを俺にしてくれ。」
休み!?休みの貴重なお時間を…でもいいって言っているし…。
しかも、名前まで呼んでくれて、その台詞……ときめいちゃったわ。見目麗しい人に言われたからよね?
私、そんな素敵な人と二人でなんて…なんだかデートみたいだわ。心臓持つかしら?
私は近くのパン屋に居候していると言うと、以前クスファーさんが売れ残りを買ってくれたパンを食べたみたいでとても美味しかったと褒めてくれた。
結局、ギリギリまで待ったけれど上から降りて来なかったので、帰る事にした。
「クッキー、渡せたら渡しといてもらってもいい?渡せなかったら、あなたにあげるわ。夕方の販売に間に合わないといけないから帰ります。あ、こっちは別で、あなたの分ね。」
そう言うと、受付の人はすごく喜んでいた。
「ありがとう!おれこんな強面だろ?だから誰からも女子からお礼なんてもらった事なくてよ…。あんた本当イイヤツだな!またいつでも遊びに来いよ!」
クッキー恐るべし…。なんとなく熊を手懐けてしまった感じだわ。
クスファーさんとダグラスさんに会えなかったけれど、これはこれで持ってきて良かったわね。
その日、夕方販売も終わって片付けをしていた頃に扉が開いた。
「あ、ごめんなさい!もう終わりなんで…あ!」
「やぁ。来てくれたと聞いてね。」
「待っていたのだろう。済まなかったな。異世界人登録証も、出来たから持ってきたぞ。」
なんと、クスファーさんとダグラスさんが店に来てくれた。
クッキーを二人共見せてくれたから、渡してくれたのね。
登録証もわざわざ持ってきてくれたのね!でも…その、青色の保険証みたいなカードを手渡されたけれど文字が読めない私は、良く分からなかったのでお礼だけ言った。
「わざわざありがとうございます!いいえ。お二人の言葉で、夕方販売を実施する事が出来たのでそのお礼にと思って。…でもまさか、騎士団の団長さんと、副団長さんだったのですね!すみません知らなくて。」
「まぁ、わざわざ肩書きを言わなかったからね。それでクッキーを届けてくれたの?」
「はい。ディヴィスさんもマルアさんも、夕方販売で完売出来てとても喜んでくれてたのでお礼というか。それと、相談もあったのです。」
「相談?」
相談と言って、今までそっぽを向いていたクスファーさんが私の目を見て言った。
「はい。まぁ…あの…。」
でも、ここで話すとディヴィスさんとマルアさんに聞こえてしまうかもしれない。内緒にする話でもないだろうが、とても良くしてくれているお二人に引っ越す事を考えていると悟られたくなかった。
「そう…。じゃあ、明日二の鐘が鳴ってからは時間がある?」
と、ダグラスさんはすぐに言ってくれた。
「はい。朝の販売が終わりましたら、夕方販売まではあいているので。騎士団の建物に伺ってもいいですか?」
受付の人…結局名前聞かなかったけれど、約束があるかと言っていた。
その約束を、ダグラスさんはしてくれると言うのだろうか。
「じゃあ決まり!明日二の鐘が鳴る頃に迎えに行くからね。クスファーが。」
「はぁ!?」
「それで、夕方販売までにリンを送り届ける、オッケー?そこで相談とやらを受けてきなよ。きっと、ここじゃ話しにくいでしょ?」
なぜ、クスファーさんだけなのか。クスファーさんも眉間に皺を寄せて大きな声を出していた。嫌だよねきっと。
団長だろうに、忙しいかもしれない。
「い、いいえ!団長さんは忙しいですよね!?どなたか時間がある人に聞きに行きます!」
「いや。明日は休みなのだ。だから…リン。君がいいなら迎えに来る。食事でも食べながら相談とやらを俺にしてくれ。」
休み!?休みの貴重なお時間を…でもいいって言っているし…。
しかも、名前まで呼んでくれて、その台詞……ときめいちゃったわ。見目麗しい人に言われたからよね?
私、そんな素敵な人と二人でなんて…なんだかデートみたいだわ。心臓持つかしら?
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