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26. 侯爵領地
広い玄関ホールを右に曲がり、すぐの部屋へ案内してくれた。
そこは十二畳ほどの大きさの部屋だった。
正面に、二人は余裕をもって座れる布製ソファが二脚、テーブルを挟んで対面に置かれていた。
一人掛けの布製のソファが壁際に二脚、並べて置いてもあった。
そして、正面のソファに座っている人が二人いた。
「まぁ!あなたがリン?とっても可愛らしいわ!!私は、キャルリン=コーフィスよ。お義母様って呼んでね!」
「私はドルク=コーフィスだ。お義父様って呼んで欲しい。」
と、二人共立ち上がり、対面のソファへ立った私の両手を取って挨拶して下さった。
「母上、父上!リンが驚いてますよ。リン。二人が俺の母上と父上だよ。これから一緒に住むにあたっていろいろと迷惑を掛けるかもしれないがよろしく頼む。」
「まぁ!迷惑を掛けるのは私の方です。リン・カスガと申します。どのようにクスファーさ…様から聞かれているか分かりませんが、私を受け入れて下さった事、感謝申し上げます。」
「リン、顔を上げて。そんな他人行儀に言わないでくれ。俺の事は、どうかクスファーと呼んで欲しい。そして、リンの事は婚約者で、ゆくゆくは結婚したいときちんと説明しているよ。もちろん、異世界人という事もね。」
クスファーさんは私の横に立ち、肩に手を置いて言って下さった。
「とりあえず座ろうか。長旅で疲れただろうから挨拶は短くするけれど、リン。クスファーと結婚してくれると言うのは本当かね?」
「父上!」
「いやなに。なにも反対しようと言うのではないよ。むしろ逆だ。騎士団に入団して団長にまで登りつめた男だ。さぞかしチヤホヤされると思いきや、全く誰にも靡かず、好きな人の話すらしてこない変わり者だったからな。結婚相手も私が宛がおうと思案するも、なんだかんだと断りおって。リンよ、こんな男でいいのか?」
「ええと…はい。許されるのであれば…。」
「モジモジしているのも可愛いわね!リン、こんな変人の息子をもらってくれてありがとう!!なかなか領地へ帰って来ないから、ドルクが引退できないじゃない?早く結婚してくれないと孫と一緒に遊ぶ体力も無くなっちゃうでしょう?どう?そろそろ、妊娠の兆候とかある?あーん!楽しみねぇ!」
「は、母上!変な事言わないで下さい!まだ婚約者なのだから手を出すわけないでしょう!」
「あら?そうなの?あなた男でしょう?こんなにリンは可愛いんだもの。ムラムラしなかったら本当に変人よ!?」
「我慢しているに決まっているでしょう!母上!そんな事言うのでしたら、結婚式を早めてもらいたいのですが!!」
「お!いいじゃないか!」
「いいわねぇ!いつにする?」
お義父様もお義母様も、思っていたよりもかなり気さくで優しそうで…びっくりするほどだわ。でもこんなに受け入れて下さるなんて、ありがたいわ。
「…いいのですね?」
「そうだな。ドレスの仕立てや、招待状の準備もあるからな。最短で挙げるとしよう!その間、リンは大変だと思うが侯爵夫人になるための勉強には励んでもらわないといかん。クスファーよ、お前も領地経営を早く覚えるんだぞ。それで私とキャルリンを引退させてくれ。早くゆっくりキャルリンと過ごしたいのだ。」
「ねー!」
お義父様とお義母様はそう言いあって顔をお互い見合わせ、両手を取り合ってウキウキとしている。
とても仲が良いのね。
「分かりました!ではそのようにさせていただきます!疲れたので、早速リンを部屋に案内してきます。夕食でまたお会いしましょう!」
と、クスファーさんは言って立ち上がり、二人の返事も聞かずに私の手を取ってその部屋を出た。
「全く…両親が済まない。迷惑を掛けると言ったのは普段からああいう感じだからだ。嫌な事いわれたら、すぐ俺に言えよ。」
「お二人共仲がよろしいのですね。迷惑とは思いませんよ。むしろ、お優しくてありがたいです。侯爵夫人になる為、頑張ります!」
「あーリンはなんて可愛いんだ!どうする明日にでも結婚式挙げようか。」
…さすがにそれは無理じゃないですかね?貴族っていろいろ大変だと習いましたよ、クスファーさん。
そこは十二畳ほどの大きさの部屋だった。
正面に、二人は余裕をもって座れる布製ソファが二脚、テーブルを挟んで対面に置かれていた。
一人掛けの布製のソファが壁際に二脚、並べて置いてもあった。
そして、正面のソファに座っている人が二人いた。
「まぁ!あなたがリン?とっても可愛らしいわ!!私は、キャルリン=コーフィスよ。お義母様って呼んでね!」
「私はドルク=コーフィスだ。お義父様って呼んで欲しい。」
と、二人共立ち上がり、対面のソファへ立った私の両手を取って挨拶して下さった。
「母上、父上!リンが驚いてますよ。リン。二人が俺の母上と父上だよ。これから一緒に住むにあたっていろいろと迷惑を掛けるかもしれないがよろしく頼む。」
「まぁ!迷惑を掛けるのは私の方です。リン・カスガと申します。どのようにクスファーさ…様から聞かれているか分かりませんが、私を受け入れて下さった事、感謝申し上げます。」
「リン、顔を上げて。そんな他人行儀に言わないでくれ。俺の事は、どうかクスファーと呼んで欲しい。そして、リンの事は婚約者で、ゆくゆくは結婚したいときちんと説明しているよ。もちろん、異世界人という事もね。」
クスファーさんは私の横に立ち、肩に手を置いて言って下さった。
「とりあえず座ろうか。長旅で疲れただろうから挨拶は短くするけれど、リン。クスファーと結婚してくれると言うのは本当かね?」
「父上!」
「いやなに。なにも反対しようと言うのではないよ。むしろ逆だ。騎士団に入団して団長にまで登りつめた男だ。さぞかしチヤホヤされると思いきや、全く誰にも靡かず、好きな人の話すらしてこない変わり者だったからな。結婚相手も私が宛がおうと思案するも、なんだかんだと断りおって。リンよ、こんな男でいいのか?」
「ええと…はい。許されるのであれば…。」
「モジモジしているのも可愛いわね!リン、こんな変人の息子をもらってくれてありがとう!!なかなか領地へ帰って来ないから、ドルクが引退できないじゃない?早く結婚してくれないと孫と一緒に遊ぶ体力も無くなっちゃうでしょう?どう?そろそろ、妊娠の兆候とかある?あーん!楽しみねぇ!」
「は、母上!変な事言わないで下さい!まだ婚約者なのだから手を出すわけないでしょう!」
「あら?そうなの?あなた男でしょう?こんなにリンは可愛いんだもの。ムラムラしなかったら本当に変人よ!?」
「我慢しているに決まっているでしょう!母上!そんな事言うのでしたら、結婚式を早めてもらいたいのですが!!」
「お!いいじゃないか!」
「いいわねぇ!いつにする?」
お義父様もお義母様も、思っていたよりもかなり気さくで優しそうで…びっくりするほどだわ。でもこんなに受け入れて下さるなんて、ありがたいわ。
「…いいのですね?」
「そうだな。ドレスの仕立てや、招待状の準備もあるからな。最短で挙げるとしよう!その間、リンは大変だと思うが侯爵夫人になるための勉強には励んでもらわないといかん。クスファーよ、お前も領地経営を早く覚えるんだぞ。それで私とキャルリンを引退させてくれ。早くゆっくりキャルリンと過ごしたいのだ。」
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と、クスファーさんは言って立ち上がり、二人の返事も聞かずに私の手を取ってその部屋を出た。
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「お二人共仲がよろしいのですね。迷惑とは思いませんよ。むしろ、お優しくてありがたいです。侯爵夫人になる為、頑張ります!」
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