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28. 10年後
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私が侯爵夫人になったのは、結婚式を挙げてから更に半年後だった。
それまで侯爵と侯爵夫人だったクスファーの両親は、クスファーが仕事を覚えたからと早々に湖が見える領地内の別荘に引っ越した。
この屋敷からは、そんなに離れてもいないから会おうと思えば会えるけれどやはり居なくなると淋しかった。
だけれど、当の二人はとても嬉しそうに「クスファーがこんなに早く一人前になれてよかったわ!ねぇドルク?これからはゆっくりしましょうね。湖で、小舟に乗って釣りでもしましょうね。」「そうだな。私の教え方が上手かったんだろうよ。なんにせよ、クスファー早く孫の顔を見せてくれ。湖で孫と一緒に釣りをするのが夢なんだ。クスファーは女の気配が全く無かったから叶わない夢だと思っていたが、人生何があるか分からんな!よかったよかった!」と言っていた。
クスファーも、あと一、二年はお義父様の傍で学ぼうと思っていたらしいが、目論見が外れたと言っていた。
けれどさすがはクスファー。「執務室で書類を見ているだけだと体が凝り固まって辛い、騎士団で体を動かしていた方がよっぽど楽しい!」とか言っている割に、見事な領地経営をされているみたいで、収益も下がらずやりくりが出来ているみたい。
私も、お茶会などが無い手の空いた時に、少しずつ書類のお手伝いをさせてもらう事にした。
そうする事でクスファーの時間が空き、私との時間が増えるからだ。
そして、十年の月日が流れた。
私はお屋敷の庭で、日に当たりながらお茶を飲んでいた。
「母様-!見て!黄色い蝶がいます!」
「黒い蝶もさっき見たわ!」
私は、クラウスとキャスラを微笑ましく思いながら視線を向けた。
クラウスは、今年9歳の息子。キャスラは7歳の娘だ。
それに、今はお昼寝でここには居ないが、3歳の娘のリズリーがいる。
「ふふ。母様は白い蝶も見た事ありますよ。」
「えーそうなの?」
「さっきいたかも。あっち見てくる-!」
「あまり遠くへはダメですよ。」
クラウスは、黒い髪にグリーンの瞳。とても活発で、私が異世界人だと知ると日本での話をとても聞きたがって何度も聞かせた。
キャスラとリズリーは、金髪にグリーンの瞳。クラウスにいつもついて回っているから女の子の割に活発ではあるが、クラウスが危険な事をしそうになるといつも止めてくれる。
以前も、少し高めの木に登ったクラウスを「降りて来なさい!じゃないと、おやつ抜きです!!」と、二人してサヴァの真似をして言っていた。
「母様、いなかったです。ねぇ、ニッポンの話また聞かせて下さい。」
「えーまたぁ?クラウス本当に好きよね。母様が疲れちゃうわ。ニッポンの話面白いけど長いもの。それにもうすぐリズリーがお昼寝から起きる頃だからダメよ。」
「僕は、ニッポンの世界にあった物を一つでもこの国で作って、母様や人々を喜ばすのが夢なんだ。この前聞いた、ジドウシャって物、実現させたいな!」
「クラウスってば…でも確かに、ジドウシャがあれば、馬車よりも速く移動出来るし何よりお尻も痛くならず快適に移動出来るんでしょ?クラウス頑張って!」
「まぁ!クラウスは素晴らしい夢を持っているのね。王宮の図書館には、さまざまな国の書物もあると聞くわ。参考になるものもあるかも知れないわね。今度父様に連れて行ってとお願いしてみなさいな。」
「なんだい?願い事があるのかクラウス。」
「「父様!!」」
「王宮の図書館には、さまざまな書物があるのですか?僕、行きたいです。ジドウシャを作りたいから。」
「ジドウシャ?んー、ニッポンの話かい?出来たら凄いよなぁ。よし、今度申請を出しておく。クラウスは偉いな。けど、まだ内容は難しいかもしれないなぁ。」
そう言って、クラウスの頭をグリグリと撫でると、隣にいたキャスラの頭も優しく撫でた。
今日も幸せな一日。私の人生は、この世界で続いていくーーー。
☆★☆★☆★☆★
これで終わりです。
読んで下さいましてありがとうございます。
お気に入り登録してくれた方、しおりをはさんでくれた方、ありがとうございます。
それまで侯爵と侯爵夫人だったクスファーの両親は、クスファーが仕事を覚えたからと早々に湖が見える領地内の別荘に引っ越した。
この屋敷からは、そんなに離れてもいないから会おうと思えば会えるけれどやはり居なくなると淋しかった。
だけれど、当の二人はとても嬉しそうに「クスファーがこんなに早く一人前になれてよかったわ!ねぇドルク?これからはゆっくりしましょうね。湖で、小舟に乗って釣りでもしましょうね。」「そうだな。私の教え方が上手かったんだろうよ。なんにせよ、クスファー早く孫の顔を見せてくれ。湖で孫と一緒に釣りをするのが夢なんだ。クスファーは女の気配が全く無かったから叶わない夢だと思っていたが、人生何があるか分からんな!よかったよかった!」と言っていた。
クスファーも、あと一、二年はお義父様の傍で学ぼうと思っていたらしいが、目論見が外れたと言っていた。
けれどさすがはクスファー。「執務室で書類を見ているだけだと体が凝り固まって辛い、騎士団で体を動かしていた方がよっぽど楽しい!」とか言っている割に、見事な領地経営をされているみたいで、収益も下がらずやりくりが出来ているみたい。
私も、お茶会などが無い手の空いた時に、少しずつ書類のお手伝いをさせてもらう事にした。
そうする事でクスファーの時間が空き、私との時間が増えるからだ。
そして、十年の月日が流れた。
私はお屋敷の庭で、日に当たりながらお茶を飲んでいた。
「母様-!見て!黄色い蝶がいます!」
「黒い蝶もさっき見たわ!」
私は、クラウスとキャスラを微笑ましく思いながら視線を向けた。
クラウスは、今年9歳の息子。キャスラは7歳の娘だ。
それに、今はお昼寝でここには居ないが、3歳の娘のリズリーがいる。
「ふふ。母様は白い蝶も見た事ありますよ。」
「えーそうなの?」
「さっきいたかも。あっち見てくる-!」
「あまり遠くへはダメですよ。」
クラウスは、黒い髪にグリーンの瞳。とても活発で、私が異世界人だと知ると日本での話をとても聞きたがって何度も聞かせた。
キャスラとリズリーは、金髪にグリーンの瞳。クラウスにいつもついて回っているから女の子の割に活発ではあるが、クラウスが危険な事をしそうになるといつも止めてくれる。
以前も、少し高めの木に登ったクラウスを「降りて来なさい!じゃないと、おやつ抜きです!!」と、二人してサヴァの真似をして言っていた。
「母様、いなかったです。ねぇ、ニッポンの話また聞かせて下さい。」
「えーまたぁ?クラウス本当に好きよね。母様が疲れちゃうわ。ニッポンの話面白いけど長いもの。それにもうすぐリズリーがお昼寝から起きる頃だからダメよ。」
「僕は、ニッポンの世界にあった物を一つでもこの国で作って、母様や人々を喜ばすのが夢なんだ。この前聞いた、ジドウシャって物、実現させたいな!」
「クラウスってば…でも確かに、ジドウシャがあれば、馬車よりも速く移動出来るし何よりお尻も痛くならず快適に移動出来るんでしょ?クラウス頑張って!」
「まぁ!クラウスは素晴らしい夢を持っているのね。王宮の図書館には、さまざまな国の書物もあると聞くわ。参考になるものもあるかも知れないわね。今度父様に連れて行ってとお願いしてみなさいな。」
「なんだい?願い事があるのかクラウス。」
「「父様!!」」
「王宮の図書館には、さまざまな書物があるのですか?僕、行きたいです。ジドウシャを作りたいから。」
「ジドウシャ?んー、ニッポンの話かい?出来たら凄いよなぁ。よし、今度申請を出しておく。クラウスは偉いな。けど、まだ内容は難しいかもしれないなぁ。」
そう言って、クラウスの頭をグリグリと撫でると、隣にいたキャスラの頭も優しく撫でた。
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