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番外編 アレイダとモーゼス、ディーデのその後
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「もう!あと少しだったのに!!」
王宮の地下にある牢屋に入れられたアレイダは、冷たい地面を蹴りながら悪態をついた。
せっかく奪ったあの珍しいネックレス。国を出るのでこれからは堂々とエレンがしていたネックレスが付けられると思ったのに、先ほど没収されてしまったとアレイダは嘆く。
この場所にはアレイダは来た事もなく、こんな所があるなんて知りもしなかった。
鉄格子に囲われた正面には、やや左側に手で押すと鉄格子がそこだけ動く鍵が付いた門があり、看守が来ないと開けられない扉であった。両側と奥の壁は石で出来ており、薄くてはっきりとは分からないが何かを彫ったような文字や絵が描かれてあった。収容された人が暇つぶしにでも落書きしたのだろう。
「しかも何で私がこんな場所に!!」
奥の備え付けの木製の簡素な背もたれもない椅子に座り、爪を噛む。
幸いというべきか、この牢は一人部屋となっていて周りには誰も居ない。その為返事があるわけでもないが、アレイダは気持ちを吐露しなければ潰れそうだった為そのように叫ぶ。
すると、姿は見えないが恐らく近くの部屋だろう所から声が聞こえた。
「おい、アレイダ!お前のせいだぞ!何で国王のオレサマがこんなとこに!」
「モーゼス様!煩いですよ、静かにされて下さい!」
モーゼスの声よりもさらに遠くにディーデの声が聞こえた為、ディーデのが離れた箇所なのだろうとアレイダは思うが、自分のせいでと言われた為に大きな声で反論する。
「そうよ、煩いわよモーゼス!あんたがしっかりやらないからこんな事になるんじゃないの!」
「はぁ!?
てかお前、父親に言って出してもらえよ!で、オレサマとディーデもついでに出してくれって言えよな!!」
「おと…無理に決まってんじゃない……」
威勢が良かったアレイダだったが、父親の話をされると途端に勢いが無くなり、声が小さくて聞こえなくなった為にモーゼスは更に張り上げる。
「あぁ?聞こえねーよ、アレイダ!お前、自分だけ助かろうって思うんじゃねぇぞ!おい!!」
その声には反応せず、アレイダは父親の事を考え目に涙を浮かべた。
(お父様…私の事を大事に思ってたって……あんな顔、初めて見たわ。いつも威厳たっぷりで、ムスッとしていたのに…私がさせてしまったのね。
そんな私の事なんて、お父様が助けてくれる訳ないじゃない。)
ニコラースの事を思い出すと、少し胸が痛くなり涙がポタポタと膝にこぼれ落ちた。
(だって、欲しかったのよ。珍しい宝石って事もだし、なんだかエレン様って、ダーフィット国王にとっても愛されてるって感じだったから、私がもらってもいいでしょって。羨ましい…ううん、妬みともいうのかしら。)
宝石をくすねた事も、あの日宝石を暫く付けたりしていたエレンに、ダーフィットに呼ばれて慌てて出て行った事でお開きとなり、誰にもバレなかった。
その後、エレンに、自分が使った事のある化粧品を勧めると、数日で体調を崩し亡くなってしまう。それも、どうしてそうしたのか今となっては動機なんてハッキリしない。ただ、愛し愛されているのが羨ましく思い、それを自分の近くで見せられるのが腹立たしく、壊したいという衝動に駆られたというのかもしれない。
化粧品は、アレイダも試した頃に目がかすんだり、手足の若干の痺れはあったのでそれからはあまり付けなくなった。エレンが亡くなった事は驚きはしたが後悔もしていなかった。
『私だって愛されたい。』という願望が、アレイダにはあった。自分を大事だと言ったニコラースではあったが、自分が歳を重ねても婚約者を宛がわず、フェリクスの婚約者を決めるかもしれないという誕生日パーティーに参加しろと言ったのはフェリクスに見初められろ、という意味だと思っていた。だが、それが違うとはっきり言われ、だったら自分があの日フェリクスに嘘を付いてまで見初められるような口ぶりで近づいた事に意味はあったのかと今さらながら可笑しくなり、渇いた声で笑う。
(ハハ…私何やってるのかしら、こんな事になるなんて。
宝石だって、身につければ男の人皆チヤホヤしてくれるんだもの。欲しかったのよ、仕方ないじゃない。私がちょっと色目使えば男ってば皆優しくしてくれるんだもの。
あーあ。モーゼスについていけば刺激的で楽しいと思ったのにな。欲張り過ぎたのね、私…ハハハ。)
未だ、叫んでいるモーゼスの声が聞こえてくるアレイダは、目を瞑り、耳を塞いだ。そこにはもう、威勢良く声を上げる姿は無かった。
☆★☆★
やがて、数日の後に、処罰が下った。アレイダはニコラースの同僚達の配慮もあり、毒杯を飲まさせる事となりひっそりとそれは執り行われた。
国民へは、フェリクスを亡くしたアレイダは悲しみのあまりショックを受け塞ぎ込んでいたが体調を崩し、体力が落ちていた事もありそのまま亡くなった、と伝えられた。
モーゼスとディーデは、極刑となった。モーゼスに至ってはネイヘーメン国王ではあったが、何の理由もなく侵略のような形で隣国の王族を殺めたとあっては、近隣諸国に示しがつかないからだ。ディーデも、側近という立場で逆らえなかったという声も一部ではあったが、それでもダーフィット国王とフェリクス王太子を支えていた者達は極刑が妥当だという結論に至り、その手下達も合わせて極刑となった。
そしてそれは、フローチェの知らない所で執り行われた。ラウレンスや、王宮に遣える者達の総意であった。きっと知ってしまえば立ち会うと言うと思い、事後報告する事としたのだ。今まで政に関わって来なかったフローチェにとって、これ以上心に深い傷を負わせなくていいだろうという配慮であった。
それをラウレンスから伝えられたフローチェは、そうですか、とだけ言い、暫く目を瞑っていた。
ラウレンスはその姿を見てなんて健気なんだと思い、優しく抱き寄せ背中をトントンと触れるくらいの強さで叩いたのだった。
王宮の地下にある牢屋に入れられたアレイダは、冷たい地面を蹴りながら悪態をついた。
せっかく奪ったあの珍しいネックレス。国を出るのでこれからは堂々とエレンがしていたネックレスが付けられると思ったのに、先ほど没収されてしまったとアレイダは嘆く。
この場所にはアレイダは来た事もなく、こんな所があるなんて知りもしなかった。
鉄格子に囲われた正面には、やや左側に手で押すと鉄格子がそこだけ動く鍵が付いた門があり、看守が来ないと開けられない扉であった。両側と奥の壁は石で出来ており、薄くてはっきりとは分からないが何かを彫ったような文字や絵が描かれてあった。収容された人が暇つぶしにでも落書きしたのだろう。
「しかも何で私がこんな場所に!!」
奥の備え付けの木製の簡素な背もたれもない椅子に座り、爪を噛む。
幸いというべきか、この牢は一人部屋となっていて周りには誰も居ない。その為返事があるわけでもないが、アレイダは気持ちを吐露しなければ潰れそうだった為そのように叫ぶ。
すると、姿は見えないが恐らく近くの部屋だろう所から声が聞こえた。
「おい、アレイダ!お前のせいだぞ!何で国王のオレサマがこんなとこに!」
「モーゼス様!煩いですよ、静かにされて下さい!」
モーゼスの声よりもさらに遠くにディーデの声が聞こえた為、ディーデのが離れた箇所なのだろうとアレイダは思うが、自分のせいでと言われた為に大きな声で反論する。
「そうよ、煩いわよモーゼス!あんたがしっかりやらないからこんな事になるんじゃないの!」
「はぁ!?
てかお前、父親に言って出してもらえよ!で、オレサマとディーデもついでに出してくれって言えよな!!」
「おと…無理に決まってんじゃない……」
威勢が良かったアレイダだったが、父親の話をされると途端に勢いが無くなり、声が小さくて聞こえなくなった為にモーゼスは更に張り上げる。
「あぁ?聞こえねーよ、アレイダ!お前、自分だけ助かろうって思うんじゃねぇぞ!おい!!」
その声には反応せず、アレイダは父親の事を考え目に涙を浮かべた。
(お父様…私の事を大事に思ってたって……あんな顔、初めて見たわ。いつも威厳たっぷりで、ムスッとしていたのに…私がさせてしまったのね。
そんな私の事なんて、お父様が助けてくれる訳ないじゃない。)
ニコラースの事を思い出すと、少し胸が痛くなり涙がポタポタと膝にこぼれ落ちた。
(だって、欲しかったのよ。珍しい宝石って事もだし、なんだかエレン様って、ダーフィット国王にとっても愛されてるって感じだったから、私がもらってもいいでしょって。羨ましい…ううん、妬みともいうのかしら。)
宝石をくすねた事も、あの日宝石を暫く付けたりしていたエレンに、ダーフィットに呼ばれて慌てて出て行った事でお開きとなり、誰にもバレなかった。
その後、エレンに、自分が使った事のある化粧品を勧めると、数日で体調を崩し亡くなってしまう。それも、どうしてそうしたのか今となっては動機なんてハッキリしない。ただ、愛し愛されているのが羨ましく思い、それを自分の近くで見せられるのが腹立たしく、壊したいという衝動に駆られたというのかもしれない。
化粧品は、アレイダも試した頃に目がかすんだり、手足の若干の痺れはあったのでそれからはあまり付けなくなった。エレンが亡くなった事は驚きはしたが後悔もしていなかった。
『私だって愛されたい。』という願望が、アレイダにはあった。自分を大事だと言ったニコラースではあったが、自分が歳を重ねても婚約者を宛がわず、フェリクスの婚約者を決めるかもしれないという誕生日パーティーに参加しろと言ったのはフェリクスに見初められろ、という意味だと思っていた。だが、それが違うとはっきり言われ、だったら自分があの日フェリクスに嘘を付いてまで見初められるような口ぶりで近づいた事に意味はあったのかと今さらながら可笑しくなり、渇いた声で笑う。
(ハハ…私何やってるのかしら、こんな事になるなんて。
宝石だって、身につければ男の人皆チヤホヤしてくれるんだもの。欲しかったのよ、仕方ないじゃない。私がちょっと色目使えば男ってば皆優しくしてくれるんだもの。
あーあ。モーゼスについていけば刺激的で楽しいと思ったのにな。欲張り過ぎたのね、私…ハハハ。)
未だ、叫んでいるモーゼスの声が聞こえてくるアレイダは、目を瞑り、耳を塞いだ。そこにはもう、威勢良く声を上げる姿は無かった。
☆★☆★
やがて、数日の後に、処罰が下った。アレイダはニコラースの同僚達の配慮もあり、毒杯を飲まさせる事となりひっそりとそれは執り行われた。
国民へは、フェリクスを亡くしたアレイダは悲しみのあまりショックを受け塞ぎ込んでいたが体調を崩し、体力が落ちていた事もありそのまま亡くなった、と伝えられた。
モーゼスとディーデは、極刑となった。モーゼスに至ってはネイヘーメン国王ではあったが、何の理由もなく侵略のような形で隣国の王族を殺めたとあっては、近隣諸国に示しがつかないからだ。ディーデも、側近という立場で逆らえなかったという声も一部ではあったが、それでもダーフィット国王とフェリクス王太子を支えていた者達は極刑が妥当だという結論に至り、その手下達も合わせて極刑となった。
そしてそれは、フローチェの知らない所で執り行われた。ラウレンスや、王宮に遣える者達の総意であった。きっと知ってしまえば立ち会うと言うと思い、事後報告する事としたのだ。今まで政に関わって来なかったフローチェにとって、これ以上心に深い傷を負わせなくていいだろうという配慮であった。
それをラウレンスから伝えられたフローチェは、そうですか、とだけ言い、暫く目を瞑っていた。
ラウレンスはその姿を見てなんて健気なんだと思い、優しく抱き寄せ背中をトントンと触れるくらいの強さで叩いたのだった。
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