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8. 門前払い

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「どうしてダメなの!?あなたじゃお話にならないわ!もっと上…そうね、騎士団長か、お父様に話を通しなさい!」


 せっかく馬車の中で四人で楽しく話して帰ってきたのに、門番ったら、彼らを通す事は出来ないって言うのよ。あり得ないわ!

「ですから…王族専用居住区域は王族以外は入れませんと何度もお伝えしている通りです。どうしてもというなら、警備を増やしますから後日、ご自身で陛下へお願いして下さい。」

「なぜ?私の友人よ!?なぜ部屋に通す事が出来ないの?だったら、食堂でいいわ。通しなさい!」

「申し訳ありません、ヴァレリア様。許可を得てない人はお通し出来ないのです。」

「だったら、今から許可をもらう為にお父様に伝えに行きなさい!」

「陛下はただ今重要なお仕事をされています。ですからお会いになれるのは、夕方かと。」

「それじゃ、昼ご飯終わってしまうわ!」

「はい、申し訳ありません。」

 門番はそうやって同じ言葉を繰り返すばかり。どうして友人を自分の部屋に案内するのがいけないのよ!こういうのが王族って本当に面倒だわ!!警備とか言って!彼らが何かしでかすわけないじゃないの!!

「ヴァレリア様、今日のところは諦めましょう。王都の店へ出向きましょうか。お金を持って参りますから、馬車へお戻り下さい。」

 モラリが、そう言ったので私はせっかく来てもらった三人に謝った。

「…ごめんなさい、門番ってば分からず屋で。今回は謝罪の意味も込めて私が支払うから遠慮しないでね。でも、どのお店がいいかは私あまり出歩いた事無いから教えて欲しいの。良いお店ある?」

「仕方ねぇなぁ!肉の店ならいい所知ってるぜ!でも、俺ら金、本当に持ってないけどいいのか?」

「ええ。嫌な気分にさせてごめんなさいね。」

 もう!あとで帰ったらお父様に抗議してやるんだから!!





 アントンに教えてもらったお店は、本当にお肉の美味しいお店で、また皆で来ましょうと言った。食事をした後はお茶をゆっくりと味わって、みんなを送り届けてから宮廷に帰ってくるとすっかり日は暮れて夜になっていた。

「はー疲れた。そう言えば、みんな明日も行くって言ってたわね。奉仕活動は草取りだろうって言ってたわ。誘ってくれたから私も行こうかしらね。だから早く寝ないとね、モラリ。あ、ヴェロニカ!ただいまー。」

 少し後ろを歩いているモラリに話していると、ヴェロニカが前から歩いてくるので思わず話しかけた。

「どうだった?宮廷学院は。」

「ええ、楽しかったわ。ねぇ、この後話さない?」

 そう言われたけど、さすがに疲れちゃったのよね。

「ごめん、ヴェロニカ。明日も学校行くから早く寝たいの。急ぎじゃなければまたね!」


 ヴェロニカ、私がいなくて淋しかったのかしら?ま、大丈夫よね!そう言うのも慣れていかないと大人になった時困るものね。また、ゆっくり話せる時が出来たら話しましょうね!
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