If:太陽の光が消滅した世界

コウ

文字の大きさ
4 / 4
プロローグ

第4話 姿の違和感はたいてい鏡か他者の発言で気づく

しおりを挟む
 「ほほほ、本当に?」
 「なんとなくしかワかりませんが...。」
  正直驚いた。なぜ分かるのか聞きたいが、とりあえずあの太陽の事を聞こう。
 「話してみて。」
 「えっとですね...、あのタイヨウはムカシもともとコウゴウしいヒカリをハナっていて....」
  ......あの映像で見た、光のある太陽は過去のものだったのか!
 「けれど、スコしずつヒカリをウシナっていったんです。」
 「それはなんで?」
 「ここからはキオクがアイマイで、スイソクですが、いいですか?」
  私はコクリと頷いた。
 「タイヨウがヒカリをハナっていたのは、おそらく、ハナつためのザイリョウがツキたのではないかとオモうんです。」
 「材料?」
 「はい、けどそのザイリョウがナニかはワかりませんが....、ハナシはイジョウです。」
  .....なんとなくだが、彼の推測があっている気がする。なんとなくだが。けど....
 「なんで分かっていたの?」
 「そ、それは............」
  彼は顔を下に向けて、うーんと考え込んだ。そして、顔を上げ、
 「ムカシのキオクがあるんです。それもゼンセのキオクが。アイマイですが。」
  前世........。この話が本当だとすると、もしかしたら私にも、前世があったかもしれない。
 私はとりあえず、彼の前世について聞こうと思った。
 「君の前世はどんな感じだった?」
 「うーん..... 。タシかニンゲンとしてイきていて、ヘイオンなセイカツをしていて.....、それでナニかのタメにベンキョウをしていたような~キが~するんですけど......。すみません。はっきりとはオボえていません.....。すみません!」
  彼は何度も何度も体を上下に振った。
 「い、いや、別に謝らなくていいよ、うん。それにあの太陽の事も推測だけど、分かったし。感謝してるよ。ありがとう。」
  彼は顔を横に向けた。少し照れていたように見えた。
  あったばかりなのに.....、私の質問に嫌がる事なく、答えるなんて、なんて優しいんだ!              
  私は心の底からの感謝を何回もした。
  「イマサラなんですけど......。」
  この一言に私はまた我に帰った。
 「どうしたの?」
 「あ、あなたはなんでそんなイヨウなカタチをしているんですか?」
  彼が何を言っているか分からなかった。異様な形?
 「い、異様な形?」
 「い、いえ、ですから、スガタがフキソクなカタチをしているんです。カラダがエキタイでできているような.......。」
  ますます彼の言っていることが分からない。液体のような体?想像がつかない。うーーん。
 「君と同じような感じか.....。」
 君と同じような感じか.....。と思う前に勝手に口が走った。
 「え?え?え?」
 「いやだから、君と同じような感じかーって......。」 
 「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
  体が痺れるような大声が辺りに響いた。

  
 
 
 
 
  
  
  
  
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...