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瑠璃 一条に戻る
しおりを挟む「瑠璃ちゃんんんん!!」
と、タクシーを降りるや否やで猛ダッシュで堅三郎と麻耶が玄関から飛び出て来る。
「何かあったんやないやろなっっっなんかされてないやろなっっ」
堅三郎が捲し立てる様に聞いた。
「え?」
瑠璃が驚く。
「ええからっっっとにかく中へっ」
麻耶が手を引っ張って、ほぼ拉致さながらに自宅エリアへと二人に拐われる。
「なになになに?何なのぉぉ?」
瑠璃がビビる。
「拓馬になんかされたんかっっ?」
「藤堂になんかされたんやないやろなっっ?」
二人がサラウンドで一気にまくってくる。
「え……」
瑠璃が驚く。
拓馬とのことは誰も知らない秘密なのに。
「な、なんで………」
瑠璃が呟く。
二人がそれで顔を見合わせる。
「ごめん………僕ら、瑠璃ちゃんが様子おかしいて二人して後つけてん………それで廊下で立ち聞きしてもうてん」
堅三郎が困った様に答える。
「ええっ」
瑠璃が驚く。
「廊下で愛人契約て言うてたから、心配して昨夜もホテル行ってみたんだけど、どの部屋か解らなくて結局戻ってきて」
麻耶が言った。
「ほんで!何もなかったんよな?」
堅三郎が聞いた。
「た、多分」
瑠璃が答える。
「多分てなんなんっっ」
二人がまたサラウンドで言った。
「ご、ごめ………記憶なくて………」
瑠璃が答える。
「あ…あんたまさか。酒飲んだ?」
麻耶が鼻白んで聞いてくる。
「た、多分。あれシャンパンかスパークリングワインだと………」
瑠璃が答える。
「ああああ良かったぁ、なら安全やわー」
麻耶がほーッとした顔で言った。
「え?なんで安全なん?」
堅三郎が聞き返す。
「瑠璃の欠点の一つが酒。無茶苦茶弱くて酒乱でトドメは吐く。」
麻耶がドきっぱりぶった切る。
「なるほど」
堅三郎が頷く。
「記憶ないなら間違いないわ。やるだけやらかして本人爆睡だからね」
麻耶が言った。
「き、気の毒な……。藤堂はん、えらい目ぇにあわはったんちゃうか……」
堅三郎が言った。
「まあまずグラス二杯を超えてたら、管まく、暴れる、げろ吐く、脱ぐ、寝るのフルコース」
麻耶が言った。
「むご……」
堅三郎が苦笑する。
「酷いっ!まだそうなったか解れへんやんっっ」
瑠璃が膨らむ。
それから三人がどっと笑った。
「無事でよかったぁぁ」
二人が呟く。
「拓馬ってあれでいい奴だから、そういう状態の瑠璃にはまず付け込まないよ」
麻耶もホッとしたように言った。
「ほなら後は債権の目処付けたらええな」
堅三郎が言った。
「え……何でそれ知ってるん?…」
瑠璃が驚く。
「堅三郎さんが愛人のキーワードから瑠璃がそんな条件受けたり急に破談いうからには理由があるって言って推理して。二人で多分それやないかって」
麻耶が言った。
「堅三郎さんすごいわぁ…」
瑠璃が素直に感心する。
「まあ、今回のは割とからくりが単純やから外側に居る僕でも推察できたけど?本来はもっともっと巧妙で複雑やで?言うても企業で営利団体なんや。綺麗事だけやあれへんで」
堅三郎が言った。
「うち、今回の事で自信失くしたわ、お母はんにも、あんたは先見る目ぇがないて何時も言われててんけど。ホンマにそうなんやなあて」
瑠璃がへこたれる。
「まあまあ。今はまだ焦らんでええて。経営かて別に瑠璃ちゃんが釈迦力にならんでも旦那がやってもええんやし。人雇うてもええんやし」
堅三郎がにっこり笑った。
「あ、あのね………堅三郎はん………結婚は本気で取りやめにしたいんよ………」
瑠璃が言いにくそうに言った。
「ええで?」
堅三郎があっさり答える。
「え?」
瑠璃が驚く。
傷つけるのではと心配していたので、ちょっと肩透かしを食らった。
「瑠璃ちゃんも知ってるやろー?僕の女性の好み。」
堅三郎がにっこり笑う。
「気が強い子?というかシャキシャキした子に割と色だすかなあ?」
瑠璃が言った。
「せやろー?僕そういう気ぃの強い子を自分のいいようにするのが好っきや」
堅三郎が平然と微笑む。
「うん。大体、久我の兄弟て皆がせやんな。大体ドS」
瑠璃が頷く。
「ドSて。」
堅三郎が大阪仕込みのカックンを披露する。
瑠璃と麻耶がそれにきゃっきゃとはしゃぐ。
「ドSやわー。長男の堅一郎はんは自分にも平気でぶち当たってくる社外コンサルタントはんを強引に口説いて?次男の堅次郎はんは我儘ではねっかえりで通ってたメガバンクのお嬢はんを手なづけて?堅三郎はんこそは、ぼやっとしとるうちやったけど、四男の堅志郎はんは人妻略奪て噂聞いてるよぉ?」
瑠璃が言った。
「それがなー?僕の場合は婚約者の親友手籠めにして略奪なんやー?」
堅三郎が平然と言った。
「けっっっ堅三郎さんっっっっ」
麻耶が盛大に焦って真っ赤になる。
「何言うてんの?隠してもしゃあないやん?それに瑠璃ちゃんと僕が恋愛感情ほぼなしの打算結婚やて、皆知ってるで?」
堅三郎が言った。
「あ、麻耶ちゃんとなん!?そーなん!?よかったぁぁぁ!うち今回の事で堅三郎はんに迷惑かけるんやないかて、それだけは心配で」
瑠璃がホッとしたように言った。
「る、瑠璃……ごめん…アタシ…」
麻耶が申し訳なさそうに言った。
「何言うてんの麻耶ちゃん。堅三郎はんが本気になってて逃げられる女子居らんて。久我のドS肉食兄弟言うたら京都のお嬢は皆知ってる。狙われたらもう無理。どうせ堅三郎はんが襲ったんとちゃうぅぅ?」
瑠璃が言った。
「どんな鬼畜キャラやねん、僕ら」
と、堅三郎がちょっと拗ねる。
「あははははは。ごめんごめん、堪忍。せやけどよかったあ。うちと堅三郎はんはホンマに恋愛抜きやから。今回の事でも気にしててん。よかったぁ」
瑠璃が言った。
「まあ、久我の鬼畜男子の餌食になる麻耶ちゃんはババひいとるけどー」
堅三郎がいつものほんわり口調で言った。
「ええのよ。堅三郎はん。麻耶ちゃんしっかりはしてるけど弱い所もあるねんから。麻耶ちゃんと堅三郎はんならお似合いやて、うち思うわ」
瑠璃が言った。
「せやろ?僕、自分でも見る目あるなぁて自画自賛してるとこなんやー。なんせ麻耶ちゃん僕のドストライクやからなぁ」
堅三郎が言った。
「もうっっ二人とも!茶化さんといて!」
麻耶が言った。
丁度そこにピロピロと堅三郎のスマホが鳴った。
「はい」
堅三郎が電話に出る。
「ああ。兄貴か。どないしたん?………………………はい?」
堅三郎がフリーズする。
二人が邪魔をしてはいけないとじっと黙って待つ。
「マジ?マジで??」
堅三郎が聞いた。
「解った。いや別に僕は異存なんぞあれへんわ。ただイキナリなんは、びっくりはしたけど。………ああ。ええで。後は兄貴たちに任せるわ。僕、一条の事で忙しいから、そっちは関われへん。こっち終わったら、そっち戻るわ」
堅三郎が言ってから電話を切る。
「何かあったん?」
瑠璃が聞いた。
「うん。俺の親父と瑠璃ちゃんのオカンが結婚したらしいで」
堅三郎が言った。
瑠璃と麻耶がそれにフリーズする。
そして二人ともが
「えええええええええええっ」
と、絶叫した。
「別に全然驚くことやあれへんがな。うちの親父が瑠璃ちゃんのオカンに振られて、でもずっと瑠璃ちゃんのオカンだけ愛してるのは久我では公然の話やで」
堅三郎が言った。
「ええええっ!でもあの二人寄ると触ると喧嘩してっっ」
瑠璃が言った。
「アホやなぁ瑠璃ちゃん。あれはもう愛情の裏返し。好きで堪らん女から全否定されるのや。男ならグレてもしゃあないて」
堅三郎が微笑む。
「あ…でもうちのお母はん……」
瑠璃が言い澱む。
「病気やてな。それ知ったからやろ?うちの親父がプライドも何もかんも捨てれたんは。家族やない限り病院行っても、けんもほろろや。何も教えてもらえへん。親父の性格でそれを我慢出来る訳なか。言うても本気で愛した、たった一人の女やで」
堅三郎が言った。
「堅三郎はん…」
瑠璃が呟く。
「元々この縁談騒ぎもその所為やで。親父はどこからか一条の女将が狙われてるて聞きつけたんやろな?それで助けたかった。けど喧嘩になってもーて困ってたから?僕が助けたってん?親父に貸付しとくと、あとあと何かと有利やさかい」
堅三郎がニンマリ笑う。
「でも、うちのお母はんがて…ホンマ?…」
瑠璃が聞いた。
「あの当時の一大醜聞やで?久我の跡取り息子と一条の一人娘。前代未聞の大合併付きの円満結婚かと思いきやの喧嘩別れと。そこに一条の女将に惚れてた瑠璃ちゃんのオトンが横槍入れて。女将が酔っぱらってる時に既成事実作って。半分だまくらかした格好で結婚したまではいいものの。そんなまがいもんでは自分に自信も持てんで。女将が俺の親父に惚れてると散々女将に当り散らした挙句に、女作って家出して、女の上での腹上死。」
と、堅三郎が言った。
「俺の親父は親父で?惚れた女とられたのにやけくそ起こして、顔だけは女将に似てる兄貴の母親と当てつけのごと結婚したんはいいけど?見事に破綻。次男の母親とすぐ再婚はしたけど、それも夫婦仲上手くいってないのに旦那と頑として別れん女将に拗ねてのことやろ?それで家出した女将の旦那が女将に散々恥かかせるようなやり方して、親父はその醜聞から女将を救いたかったのに、けんもほろろに断られてやけくそ起こして、今度は自分の秘書と結婚。京都の一大醜聞やで」
堅三郎が更に畳んだ。
瑠璃がそれにうんうん頷く。
「ほんまに…自分のお父はんながら…めちゃくちゃやったもん…うちにもお前は久我の血を引いてるとかいうし。ありえひんて。久我の血引いてたらもっと経営上手いて。うち確実にお父はんの遊び人遺伝子継いでると思うもんなぁ」
麻耶が感心したように二人を見る。
「ええお家もいろいろ大変やねぇ。うちなんて普通のサラリーマンの父に、パートやってる母で。まーもう平凡の極み」
「それこそ僕と瑠璃ちゃんの理想の家庭やんなぁ」
と、堅三郎が言った。
「まあ親父も女将の本当の危機やて解ったから、形振り捨てれたんやろ?まあええよ。可哀そうなほど女将の事、好きやったからな?ずっと女将がくれた根付を肌身離さず持ってて、いっつも眺めとった。あれじゃあ俺等のお袋達も堪らんよ。京都のあの世代の女子の中の最強女王やで?べっぴん度合いも一番なら、教養も家柄も財産もなんもかんも完璧やで。ちょっと女磨いたぐらいで、どーのこーのできる相手やなか。そげな相手に連れ合いがべた惚れてるのを横で見るのや。やけくそ起こしてもしゃあないて」
クスクス笑いながら堅三郎が言った。
「そうだったんだ…久我のご当主はん…うちには優しかったけど…お母はんには激的にきつかったからてっきり………」
瑠璃が言った。
「まだまだ子供やなぁ?瑠璃ちゃんは。男はな?惚れた女が優しゅうしてくれへんと拗ねてとんでもないことしてまうのや」
堅三郎が言った。
「そうなん?」
瑠璃が素直に聞き返す。
「せやんな。俺の親父見てみ?あのイジケっぷりやで?別れた日からずっと一度も女将以外の女愛せてないんや。せやから僕ら兄弟は親父を反面教師にして惚れた女だけは、どんな鬼畜て呼ばれても手放さんて決めてるんや。」
堅三郎が頷く。
「そんなに…思てくれてるのに……なんでお母はんも意地張ったんやろ………」
瑠璃が不思議そうに聞いた。
「さあなぁ。それは女将に聞かな解らへん。けど女将にしたら一人者で踏ん張ってるとかならまだしも。恰好は親父は次々再婚やろ?何処信用しろいうのやっちゅうお話やないか?僕が女やったら一昨日来ぃていうで?」
堅三郎がケタケタ笑った。
「堅三郎さん酷い!自分のお父さんやのに!」
麻耶が言った。
「ええんや。下らん意地で30年も損してるのは自業自得や。僕そんなあほなことせぇへんもん。好きな女は絶対傍から離さんもん」
堅三郎が麻耶を抱き寄せてニンマリ笑う。
「あははは。堅三郎はんは、そういう所素直やもん。」
瑠璃が笑った。
「瑠璃ちゃんも素直にならんと痛い目見るで?一条の大女将もホンマは親父愛してたと僕は思てるで?子供心に、ときたま僕らの事、切なそうに見る人やなぁて思てたもん」
堅三郎が言った。
「そうなん?」
瑠璃が聞いた。
「せやな。本来なら僕ら産んでたんは一条の女将かも知れんやったやろ。おまけに俺等のお袋達は女将にだけは負けたくないのやから、張り合う張り合う。愛されてんのは自分や演出に血道挙げる。けどな………最後はそれも虚しなってお袋たちは力尽きたんやと思うで。どないしても、親父の心には翡翠いう女しか住めんのやと知って、諦めて出ていったんや」
と、堅三郎が言った。
「それで言うたらうちのお父はんもかもなぁ…ホンマに…子供心にも変な夫婦やったわ……」
瑠璃が頷く。
「互いに一番好きなもん諦めて楽しいわけなか。多分やけどな。仮に翡翠はんが何も持たん女でも。親父には関係なかったと思うで。そういうのやないのや。男がな、鎧脱いで全部投げ出せるんは、美人やとか、よーでけるとかでは説明がつかん。ただもう、こいつや無いならいらんちゅう気持ち、それだけやから」
堅三郎がちゃっかり麻耶を撫でながら言った。
「そういう…もんなんやねぇ…」
瑠璃がその二人の様子にふふっと微笑む。
「まあ、一条の事はよっぽどが無いと、これで安泰やな。とんでもない隠し玉とかが無い限り。一条には正式に久我という資本が後ろ盾に入ったいうことやからね。それより瑠璃ちゃん大女将はんの病状は、ほんまのとこどうなん?やっぱり聞いてる通りなん?」
堅三郎が聞いた。
「堅三郎はんがどない聞いてるのかは解らんのやけど…抗がん剤の効きがイマイチで…効いたら完治もあるて聞いてるけど……効かんかったら半年持っていい方やて………」
瑠璃が呟く。
「そうなんか。まあ見とき。親父すでに動いてるで。こっちにもええ病院あるし。とっとと転院さす気満々やな?親父の人脈広いし。名医もわんさかおるし。それこそ翡翠はんが結婚してくれたんやろ?あの親父が半年で我慢するわけなか。言うてもまだ親父50すぎや。あと三十年は一緒におらな元取れんて言うてるとこやろな」
堅三郎がにんまり笑う。
「その前に大女将さんの病気がこの結婚で漏れたら、大女将さんの元からのファンの大先生たちがこぞって名乗りあげてくるんちゃう?」
麻耶が聞いた。
「ありうるなー。それあるわ。大女将のファンて政治家からそれこそ大病院の院長から大物芸能人まで物凄いねんなぁ。名医もくっさるほどやろなー」
堅三郎がウンウン頷く。
「そもそも大女将さんが入院してる病院の総医院長さんも大女将のファンやけど。大女将が、それやと迷惑かかる言うて内緒で入院してるのよね。今頃あっち大変なんやないかなぁ」
麻耶が聞いた。
「うーわ。そら大変やな。今頃あちこちの大物がその病院に向かってるな。親父、生きた心地せえへんの継続やな?たぶん1週間やそこらで転院さすで?うちの親戚に脳外科関係では神様みたいのおるねんから」
堅三郎が言った。
「あ、わかる。堅三郎はんの従兄弟はん。天才外科医でガン系統も物凄いうまいて」
瑠璃が言った。
「まあ、あいつに見せたら多分色々治療法めっけてくるて。あいつ今うちの親父に自分の病院作るから出資せえて煩いねん。自分の好きにでけんから自分の病院もつんやて」
堅三郎が言った。
「でも、もしお母はんが久我のご当主はんのこと好きやったとしたら、お母はんもきっと気力とか湧いていい結果が出てくれたらええなあ」
瑠璃が言った。
「病気の事は半分神様任せやけど、一条の事は安心しとき。瑠璃ちゃんは僕らの妹に正式になったのやから。僕らもついてるで」
堅三郎がポンポンと瑠璃の頭を撫でた。
瑠璃がそれにホッとして微笑む。
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