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リンド法国編
0112 バレット国王の憂鬱
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ナツがミツヤ3号店の店長になって3週間、ナツはドンドンと仕事を覚え、今やすっかりと任せられるようになった。
ただ、ナツも夜這いにやって来る。ローズが食い止めようにも、相手は魔族。精神操作で眠らされるわ自発的にどこかに行くように仕向けるわで、どうにもならなかった。
今では、嫁の中で最強の一人となっている。
俺はと言うと、魔法耐性はあるものの、精神支配には耐性がないので、抵抗しようにも打つ手なし。毎回のように天国に連れて行かれるといった始末。
自重してくださいと言ってから、精神支配の回数は減ったけどね。
ある日、バレットから王宮に来るようにと通達があった。式典以外で王宮に呼ばれるのは初めてだ。
アムさんに案内をされたのは、応接室。バレットは、何かを真剣に考えているのだろうか、俺が入って来たことに気が付いていない。
「よう、どうしたんだ?呼び出したりなんかして。」
その声に、やっと気づいたバレットは、慌てて姿勢を正す。
「折り入って、オウカさんにお願いがあるんです。」
「何だ?」俺は、バレットの向かいの席に座った。
「オウカさんはリンド法国って知ってますか?」
「名前ぐらい知ってるって感じかな?」
「実はオウカさんにリンド法国に行って貰いたいんです。」
「何で?お前が行けばいいだろう?」
「行きましたよ。でも私が若いからって相手にしてくれないんですよ~。法王に会うまでもなく門前払いでした。」
バレット・・・現在、20歳。国王としては、貫禄不足・・・。それは仕方ないか。顔も童顔だし。
「それで、何で俺が行かないと行けないの?」
「王国と二ホン国の国交を良く思ってないのです。」
「魔王国って、バレたんだな?」桜花は冷静に読み解きながら言った。
「魔王国って言ってないんですけどね。王国の西隣の国と言ったら魔王国しかないですから、すぐに噂が広がりましたよ。王国は魔王国に魂を売ったって。」
バレットは、はぁ~っとため息を漏らしながら
「私は、二ホン国はそんな邪悪な国ではないと誤解を解きに行ったんですがね。」
「それで、俺に行ってくれという事か。」
「そうなんです。女神様の使者であり、リョウタ・サカグチ殿と兄弟分のオウカさんにしか、頼めない案件なんです。」
「そうか、一度、考えさせてくれ。」
「よろしくお願いします。」
俺は、出されていたお茶を飲み干すと応接室から出て行った。
レストランミツヤ2号店にて。
サリーナに電話をする。
「サリーナお前、リンド法国って知ってるか?」
「ああ、わらわに信仰の厚かった国だな。」
「信仰が厚かったとは、どういうことだよ?」
「ふふふ、聞いて驚けよ。リンド法国ではわらわは男になっているのだよ。」
「はあ?」俺はスマホを右手から左手に持ち替えた。
「300年前までは、わらわは女神として崇められていたのだが・・・。」
「また300年前かよ?何があったんだ?」
「魔王国の精神操作でわらわは男と認識されたんだ。」
「魔王国?リョウタにか?」
「いや、そっちの魔王国とは違う。別の魔王国だ。」
「魔王国って2つあるのか?」
「魔王国と言うよりかは悪魔族だな。」
「悪魔族?悪魔って魔王の配下じゃないのか?」
「ああ、桜花のいる地球じゃそういう認識だったな。しかしこの世界では違う。」
「魔族は魔法を主とするから、魔族。悪魔は精神支配を主としている。」
「だから、桜花よリンド法国に行くのなら気を付けろよ。最近、お前の嫁になったナツという者も連れて行け。」
「ナツ?何でだ?」
「あ奴は魔族に珍しく精神支配を得意としている。その逆に精神支配をブロックや治癒も出来るからな。」
「ああ、解ったよ。」
「気をつけるんだぞ。」
・・・リンド法国か。精神支配されているという事は、悪魔の国にも近いという事か。
今度はリョウタに電話する。
「リョウタ。お前、リンド法国について、何か知ってるか?」
「リンド法国ですか?名前ぐらいしか存じておりません。」
「そうか。リョウタ、聞いて驚けよ!リンド法国では、サリーナは男になっているそうだぞ!」
「はあ?」
電話を切った。まあ、そういう反応になるわな。
ベルサイユ宮殿にて。
「みんな、聞いてくれ!今度、バレットの申し出により、リンド法国に向かう!」
場内にどよめきが走る。中には行かないでくれと言う者もいる。
「随分と急な話なのね。」玲子が言った。
「ああ、今回リンド法国に行くのは、王国と二ホン国を守る為だ!どうやら、リンド法国は二ホン国を誤解しているらしい!」
二ホン国と聞いて、一番反応があったのはナツである。母国の事を言われているのだ。それも当然だろう。
「オウカ様、私を連れて行って下さい!」
「ああ、ナツは連れて行く。サリーナの助言があった。」
「何で、ナツさんなんですか?」と聞く嫁がいる。
「実はリンド法国は精神支配を受けているらしい。俺達が精神攻撃を受けた時にブロックや治癒が出来るのはナツしかいないんだ。」
「オウカ様、何でそこまで知っているのですか?」ナツは不思議そうだ。
「これも、サリーナに教えてもらった。」
「その他に同行してもらう者を告げる!ジギル、ローズ、リリア、スピア、シールズ、ダダン、その他傭兵団15名程。傭兵団に関してはヒガシムラヤマ領に行ってない者で構成してくれ!以上!」
「オウカ様、我々もお供させて下さい。」と言って来たのはセバス達である。
「我々は、隠密に長けております。何かとお役に立てるかと存じます。」
「そうか。それでは5名程選抜してくれ。」
「それから、我々隠密部隊は先行して今からリンド法国に参り、情報収集してまいります。」
翌日、俺は王宮に赴いた。
「バレット、リンド法国に行くよ。」
バレットは深々と頭を下げ「よろしくお願いします。」と言った。
一週間後。
俺達はリンド法国に出発した。
ただ、ナツも夜這いにやって来る。ローズが食い止めようにも、相手は魔族。精神操作で眠らされるわ自発的にどこかに行くように仕向けるわで、どうにもならなかった。
今では、嫁の中で最強の一人となっている。
俺はと言うと、魔法耐性はあるものの、精神支配には耐性がないので、抵抗しようにも打つ手なし。毎回のように天国に連れて行かれるといった始末。
自重してくださいと言ってから、精神支配の回数は減ったけどね。
ある日、バレットから王宮に来るようにと通達があった。式典以外で王宮に呼ばれるのは初めてだ。
アムさんに案内をされたのは、応接室。バレットは、何かを真剣に考えているのだろうか、俺が入って来たことに気が付いていない。
「よう、どうしたんだ?呼び出したりなんかして。」
その声に、やっと気づいたバレットは、慌てて姿勢を正す。
「折り入って、オウカさんにお願いがあるんです。」
「何だ?」俺は、バレットの向かいの席に座った。
「オウカさんはリンド法国って知ってますか?」
「名前ぐらい知ってるって感じかな?」
「実はオウカさんにリンド法国に行って貰いたいんです。」
「何で?お前が行けばいいだろう?」
「行きましたよ。でも私が若いからって相手にしてくれないんですよ~。法王に会うまでもなく門前払いでした。」
バレット・・・現在、20歳。国王としては、貫禄不足・・・。それは仕方ないか。顔も童顔だし。
「それで、何で俺が行かないと行けないの?」
「王国と二ホン国の国交を良く思ってないのです。」
「魔王国って、バレたんだな?」桜花は冷静に読み解きながら言った。
「魔王国って言ってないんですけどね。王国の西隣の国と言ったら魔王国しかないですから、すぐに噂が広がりましたよ。王国は魔王国に魂を売ったって。」
バレットは、はぁ~っとため息を漏らしながら
「私は、二ホン国はそんな邪悪な国ではないと誤解を解きに行ったんですがね。」
「それで、俺に行ってくれという事か。」
「そうなんです。女神様の使者であり、リョウタ・サカグチ殿と兄弟分のオウカさんにしか、頼めない案件なんです。」
「そうか、一度、考えさせてくれ。」
「よろしくお願いします。」
俺は、出されていたお茶を飲み干すと応接室から出て行った。
レストランミツヤ2号店にて。
サリーナに電話をする。
「サリーナお前、リンド法国って知ってるか?」
「ああ、わらわに信仰の厚かった国だな。」
「信仰が厚かったとは、どういうことだよ?」
「ふふふ、聞いて驚けよ。リンド法国ではわらわは男になっているのだよ。」
「はあ?」俺はスマホを右手から左手に持ち替えた。
「300年前までは、わらわは女神として崇められていたのだが・・・。」
「また300年前かよ?何があったんだ?」
「魔王国の精神操作でわらわは男と認識されたんだ。」
「魔王国?リョウタにか?」
「いや、そっちの魔王国とは違う。別の魔王国だ。」
「魔王国って2つあるのか?」
「魔王国と言うよりかは悪魔族だな。」
「悪魔族?悪魔って魔王の配下じゃないのか?」
「ああ、桜花のいる地球じゃそういう認識だったな。しかしこの世界では違う。」
「魔族は魔法を主とするから、魔族。悪魔は精神支配を主としている。」
「だから、桜花よリンド法国に行くのなら気を付けろよ。最近、お前の嫁になったナツという者も連れて行け。」
「ナツ?何でだ?」
「あ奴は魔族に珍しく精神支配を得意としている。その逆に精神支配をブロックや治癒も出来るからな。」
「ああ、解ったよ。」
「気をつけるんだぞ。」
・・・リンド法国か。精神支配されているという事は、悪魔の国にも近いという事か。
今度はリョウタに電話する。
「リョウタ。お前、リンド法国について、何か知ってるか?」
「リンド法国ですか?名前ぐらいしか存じておりません。」
「そうか。リョウタ、聞いて驚けよ!リンド法国では、サリーナは男になっているそうだぞ!」
「はあ?」
電話を切った。まあ、そういう反応になるわな。
ベルサイユ宮殿にて。
「みんな、聞いてくれ!今度、バレットの申し出により、リンド法国に向かう!」
場内にどよめきが走る。中には行かないでくれと言う者もいる。
「随分と急な話なのね。」玲子が言った。
「ああ、今回リンド法国に行くのは、王国と二ホン国を守る為だ!どうやら、リンド法国は二ホン国を誤解しているらしい!」
二ホン国と聞いて、一番反応があったのはナツである。母国の事を言われているのだ。それも当然だろう。
「オウカ様、私を連れて行って下さい!」
「ああ、ナツは連れて行く。サリーナの助言があった。」
「何で、ナツさんなんですか?」と聞く嫁がいる。
「実はリンド法国は精神支配を受けているらしい。俺達が精神攻撃を受けた時にブロックや治癒が出来るのはナツしかいないんだ。」
「オウカ様、何でそこまで知っているのですか?」ナツは不思議そうだ。
「これも、サリーナに教えてもらった。」
「その他に同行してもらう者を告げる!ジギル、ローズ、リリア、スピア、シールズ、ダダン、その他傭兵団15名程。傭兵団に関してはヒガシムラヤマ領に行ってない者で構成してくれ!以上!」
「オウカ様、我々もお供させて下さい。」と言って来たのはセバス達である。
「我々は、隠密に長けております。何かとお役に立てるかと存じます。」
「そうか。それでは5名程選抜してくれ。」
「それから、我々隠密部隊は先行して今からリンド法国に参り、情報収集してまいります。」
翌日、俺は王宮に赴いた。
「バレット、リンド法国に行くよ。」
バレットは深々と頭を下げ「よろしくお願いします。」と言った。
一週間後。
俺達はリンド法国に出発した。
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