二人の転生伯爵令嬢の比較

紅禰

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翌日、ガタゴトと馬車がタウンハウスから朝から出発した。

入学時と同じような道程なので、またほぼ1日かけてに近いが今回は荷物をほとんど持ってこなかったので身軽なまま馬車に飛び乗ったようなものだ。

なので、馬車も来るときとは違って人数に合わせた台数で良いので、お付きの侍女と一緒に連れて来ていた護衛も含めて3台ほど。

そのうち1台はタウンハウスで不足していたものを補充するという名目で荷物を積んで送り返す予定になっていた。

ただ、タウンハウスへ向かう時と違うのはカトリーヌがだんまりをして、乗った瞬間に窓の外に視線を向けたまま絶対にフリーンとグウェンドリンの方を見ない所だ。

来るときのように話されるのもちょっと勘弁してもらいたかったが、こうも静かだと逆に怖いし気まずい。

ペラペラしゃべる人がだんまりを決め込んでいると、どう対応していいのか分からなくなるようなもので、グウェンドリンがちょっと居心地悪そうにしているのを見かねて、フリーンがあれこれ話題を振っていた。

そしてその話題をある程度カトリーヌにも意見を求めるような形にしていたのだが、ガン無視されたのでそれ以降は話を振らなかった。

下手に振り続けるとカトリーヌがキレて手が付けられない状態になるのは流石にいただけないので。


そんなカトリーヌと言えば、ひたすらに悶々とこれからの事に関して考え込んでいた。

「(このまま帰ってブラギ伯爵家に行って、私本当に婚約解消してもらえるの?
こっちからも何か動いた方がいいんじゃないかしら。
でも、下手に動いて解消じゃなくて破棄になったらどうしよう…)」

フリーンからもたらされ、父ヴァルファズルからも可能性はあると示された婚約解消に関して、ひたすらに悩んでいた。

ただ、カトリーヌは自身がそうした企みをしたことがないものだから、何をどうすればいいのかというのが全く分からない。

ただ、馬鹿な令嬢の振りをしても即座にバレるというのはよくわかっている。

馬鹿な令嬢の真似なんてしたら即座に婚約破棄。

父と母に勘当の上、修道院に送られたらいい方だ。

ギリギリと歯ぎしりしそうになる口を何とかグッとかみしめ、思わず口に持って行きたくなる親指をぎゅっと握りしめることで耐える。

こんな自分の心境すら知らず、姉も母もいい気なものだと唾を吐きかけたくなるような気分で窓の外を見ていた。

その後どれほど姉や母が話題を振ってこようとも、彼女の頭の中は婚約解消されたい一心でのアイデアばかりを思いつこうとするだけだった。
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