二人の転生伯爵令嬢の比較

紅禰

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そうした高額のドレスであるからこそ、婚約者が贈ることで相手側の本気度や相手側の家の財力を見せつけ、魅力的であるというのを印象付けるのだが、ブラギ伯爵家からそうした働きかけが無い。

「確かに、ブラギ伯爵家から何か贈り物が届いたようなことはありませんね…」

「そういえば、グウェンドリン様とシュヴァルド様のようにお互いに節目節目に贈り物をするようなこともありませんね」

グウェンドリンとシュヴァルドは婚約してからの期間がかなり長い。

打診の時から相応の贈り物をと考えて行動に移していたシュヴァルドに、お返しをとささやかながらもハンカチなどを贈り、成長してからは自腹でテーラーなどに正装の時に使用できるネクタイや、お抱えの宝飾店にタイピンやカフスボタンを作ってもらって贈ってもいる。

宝飾店に頼むような場合は、相手の誕生日や自分たちの婚約記念日などの大きなお祝い事だ。

社交界においては一人前として見られるような年齢ではあるが、グウェンドリンもカトリーヌもまだ好き勝手宝石を購入することは認められていない。

もちろん、中には一か月のうちに好きに使用できるお金の上限を教えたうえで好きに宝石なども購入させている家もあるが、ヴォーダン伯爵家はきっちりと現当主とその妻が管理したうえで購入の判断を行っている。

グウェンドリンは手持ちのもので十分だと感じていたし、シュヴァルドから同じように大きなお祝い事の際に贈られるものもあったので不足はない。

しかし、カトリーヌは結構な頻度で宝石やドレスに対しての購入要望を出していた。

ブラギ伯爵家の方からも宝石やドレスなど、婚約に対しての本気度が分かるような贈り物があればカトリーヌも頻繁にドレスや宝石を購入しようとすることもないだろう。

スカルドとカトリーヌは婚約に関してごたついていたのもあり、本気で婚約しますという対外的な態度も必要であるという意見も実は父や祖父などからはある。

祖父はすでに引退しているものの、家の矜持を保つことに関しては、父にも負けていない人だ。

カトリーヌが積極的に婚約を回避しようとしてはいたものの、それに関しての手はブラギ伯爵家への色んな所への口利きだったり、助力で手を打つことは父と母の中で決定事項。

勝手なのかもしれないが、貴族社会は結構こういうところがある。

特に家の都合での婚約の場合、相手が嫌がることもあり婚約に関して先延ばしにしようとする人間が実はいる。
カトリーヌもそうだ。

そうした相手に対して本気度を示す行動が、ドレスや宝飾品などの高いものを贈るというものでもあるのだ。

場合によっては不動産なんてこともある。

高額なドレスや宝飾品を贈ることで、大枚叩いても惜しくない程あなたに本気ですというのを示す。

これがそうした場合の基本的な行動だ。

けれどその行動もないので、グウェンドリンとしてもどう動いたらいいのかと悩んでいた。

余計なお世話なのだろうが、姉だからこそ変な行動は避けたほうが良い。

「どうなってるのかしらね、本決まりになったことは確実なのだから行動を起こしてくれてもいいのに」
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