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◎二年目、四月の章

■二人は封印スキルの効果を検証する

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 二人は鵺を退けたあとすぐにログアウトしてタクシーに乗った。

「慌ててたようだけど、何か理由でもあるの?」

「鵺は正直戦いたくないんだ。ずる賢くて集団で攻めてくるし、肉弾戦も強力な連中だから」

「その割にはあっさり二匹とも倒してたじゃない」

 久遠が言うほど鵺が強い魔物には思えなかった。

「あれは君の封印スキルのおかげだよ」

「私の投げた式神が当たっただけで発動するのね」

「当たり前かもしれないけど、君が使った式神でないと発動しないよ」

 久遠が補足のようにつけ足す。

「で、効果ってあんなてきめんにでるものなの?」

「パッシブからアクティブまで軒並み封印してたからね。ただし解除されるまでの時間が三〇秒みたいだから注意が必要かな」

 久遠から里奈にスクショが送られてくる。鵺のステータスだ。所持しているスキルに軒並み封印の文字が羅列している。

「このスキル強い?」

「恐ろしく強いけど、片岡さんと組む人次第じゃないかな」

 たしかに封印スキルは強力だが、里奈には攻撃の手段がほとんどない。

 式神はバインドという相手の動きを縛るという効果のアイテムである。その代わり投擲アイテムの中でダメージを与えられない位置づけになっている。

 しかし里奈が精密以外のパラメーターをあげられない以上は式神を使っていくしかない。

ねぇ」

 里奈は横に座る久遠へ横目だけ視線をちらりと向ける。

 それこそ久遠が組んでくれるのならありがたいと思ってしまう。

 先ほどの戦いでの安心感というのは間違いなく翔と組んでいたときのそれを上まわっていた。

 何なら自分から誘ってみるのも手ではないだろうか。

 問題はどうやって誘うかだなと里奈は考えはじめるのだった。
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