55 / 266
◎二年目、四月の章
■里奈は声高らかに言った。もう許さないと
しおりを挟む
「やめて……」
里奈は詰まりそうになる声を必死で絞りだそうとする。
「もうやめて!」
やっと出たひと声に周囲の注目が集まる。
「倉部十蔵、だったわね。その笑いをやめなさい。ついでにその姿を金輪際、見せないと約束なさい」
倉部はピクリと眉を動かして一歩前に出てくる。
里奈は一方でいまにも逃げだしたい衝動をぐっと堪える。
「涙目になって言うことかぁ? だがなぁ、雑魚が俺に指図するのはいただけねぇ」
倉部は里奈と由芽を舐めるようにして交互に視線を向けてくる。
「決めたぜ。この男は徹底的にボコす。それから男の前で小娘二人は俺が直々にたっぷりと可愛がってやるよ」
想像もしたくない話だ。聞いただけで悪寒が走る。
「賭けろよ、てめえのすべてをな」
決闘を受けるかどうかのシステムメニューが開く。
倉部は余裕の笑みを浮かべながら里奈と由芽が目を見開くような金額を賭けてきた。
「じゃあ僕はこれくらいで」
桁の見間違いではなかろうかという金額が久遠から提示される。
これには倉部も絶句していた。
「ワンパターンなんですよ、あなた方は」
つまり倉部の全財産は久遠によって把握されてしまったということのようだ。
しかもポーカーフェイスを保てないのだから、勝負にすらなっていないということだ。
「いまからルールを変えますか?」
「そっちこそハッタリかましてるんじゃねえぞ!」
会話にもならないなと久遠は目を細めることで語っている。
久遠が決闘を了承すると同時に倉部が襲いかかってくる。ログイン前に相手を殴り倒して、強引に勝利をもぎ取るつもりだろうか。
それを久遠は体捌きで右に避けると同時に倉部に足払いをして転倒させる。
「あなたは何がしたいんですか?」
久遠は心底呆れてる様子だった。
対して倉部は唇をワナワナと震わせて顔を真っ赤にしている。メンツにも賭けて退けない状況に自身で陥れたのではないだろうか。
倉部は決闘を了承すると同時に獣のような咆哮をあげる。
これがゴングとなった。
里奈は詰まりそうになる声を必死で絞りだそうとする。
「もうやめて!」
やっと出たひと声に周囲の注目が集まる。
「倉部十蔵、だったわね。その笑いをやめなさい。ついでにその姿を金輪際、見せないと約束なさい」
倉部はピクリと眉を動かして一歩前に出てくる。
里奈は一方でいまにも逃げだしたい衝動をぐっと堪える。
「涙目になって言うことかぁ? だがなぁ、雑魚が俺に指図するのはいただけねぇ」
倉部は里奈と由芽を舐めるようにして交互に視線を向けてくる。
「決めたぜ。この男は徹底的にボコす。それから男の前で小娘二人は俺が直々にたっぷりと可愛がってやるよ」
想像もしたくない話だ。聞いただけで悪寒が走る。
「賭けろよ、てめえのすべてをな」
決闘を受けるかどうかのシステムメニューが開く。
倉部は余裕の笑みを浮かべながら里奈と由芽が目を見開くような金額を賭けてきた。
「じゃあ僕はこれくらいで」
桁の見間違いではなかろうかという金額が久遠から提示される。
これには倉部も絶句していた。
「ワンパターンなんですよ、あなた方は」
つまり倉部の全財産は久遠によって把握されてしまったということのようだ。
しかもポーカーフェイスを保てないのだから、勝負にすらなっていないということだ。
「いまからルールを変えますか?」
「そっちこそハッタリかましてるんじゃねえぞ!」
会話にもならないなと久遠は目を細めることで語っている。
久遠が決闘を了承すると同時に倉部が襲いかかってくる。ログイン前に相手を殴り倒して、強引に勝利をもぎ取るつもりだろうか。
それを久遠は体捌きで右に避けると同時に倉部に足払いをして転倒させる。
「あなたは何がしたいんですか?」
久遠は心底呆れてる様子だった。
対して倉部は唇をワナワナと震わせて顔を真っ赤にしている。メンツにも賭けて退けない状況に自身で陥れたのではないだろうか。
倉部は決闘を了承すると同時に獣のような咆哮をあげる。
これがゴングとなった。
0
あなたにおすすめの小説
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる