デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~

あかつきp dash

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◎二年目、九月の章

■学生寮はあるのか

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「他にも学生寮はありますよ」

 久遠はすでに着替えており、乃々子と学生食堂のテラスにいた。

「あるんだ……」

 ダメ元だったので乃々子は嬉しいというより、何より実感が湧かなかった。

「インフラの部類ですからね。東京にいる子供たちを収用できる分は確保してあるそうです。要は駆け込み寺ですよ」

「かけこみでら?」

 古の言葉なのだろうが、とにかく耳にしたことがない。

「そこは気にしないでください」

 ものの例えだと久遠はそう言って説明してくれなかった。まあ、知りたいわけでもないが。

「入る条件は?」

「国が定める学習要項をこなすことだけだったと思いますよ。問題があっても誰かが監視にきたり摘発しないですから」

「……それでよく治安もってるよね」

「代わりにログが事細かに残りますから」

 しかも死んだあとでもだ。どういうことをして、何を考えていたのか、行動はすべて検索すればでてくるようになっている。

「私たちって、どうなのかな?」

 何せやってることがやってることだ。乃々子は少し不安になった。

「結婚とかするときに異性が躊躇してくる可能性があるくらいだと思いますよ」

「十分、問題じゃない」

 乃々子は口を尖らせる。

「だからって、クイーンナイツに所属しているメンバーにそれを指摘しても手遅れですよ」

 たしかにそうだ。そうなのだが、何というか呑みこみがたい事実なのだ。

「しっかり性病対策していれば大丈夫だと思いますよ」

「具体的には?」

「相手のログを開示させれば、ある程度は感染源を突き止められます」

「ま、そのへんよね」

 問題はできるかだ。みんな、生活がかかっているのもまた然りだからである。

「話が逸れました。学生寮を探すんでしたよね」

「お願いできる?」

「そんなに難しい話じゃないですよ。場所はどのあたりがいいですか?」

「君がいる寮の近くがいいわ」

「どうしてですか?」

「いざって時に君が駆けつけてくれるかなって思ったから」

「そりゃそうかもですが……」

 久遠はキョトンとしている。

「君は君が思ってるよりずーっと頼りにされてるよ。私もそうだから」

「そ、そうですか……」

 久遠は照れくさかっったのか、乃々子から目をそらす。

 それから乃々子と久遠は物件を見にいくことにするのだった。 

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