デジタル・リボルト~ディストピアからへの英雄譚~

あかつきp dash

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◎二年目、一〇月の章

■胡桃葉は話を聞いていた

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 胡桃葉はシャワーを浴びた後、新しいジャージに着替えて、談話室で博文と話をしていた。

 外出していた久遠くおんが帰ってきたのはちょうどそんなときだ。

 博文から胡桃葉を紹介されて、それから三人は情報交換をはじめていた。

 それを里奈は少し離れたところから聞いていた。

「千条さんは学校に通うんだよね?」

 博文の質問に彼女は首を縦に振って答える。

「そのつもりです。そしたら寮の申請もできるようですから」

 これが胡桃葉にざっくりと説明した内容である。詳細については久遠に任せればいいだろう。

 シャワーのあとで髪を下ろして、メガネを外しているせいもあってか、野暮ったい感じがない胡桃葉の印象は初対面のときに持った印象とかなり変わる。

 要するにベースというかは悪くないのだろう。どっちかというと美人の部類に入るほうだ。

「久遠くん、寮の部屋はまだ空いてるんだよね?」

「ええ、部屋は結構余ってるはずですよ」

 何だかんだで部屋数は五〇ほどあると里奈のほうでも把握している。それでいてここが東方旅団の拠点だということもそれなりに広まりつつあるようだ。

「千条先輩、自己紹介が遅れましたが、僕は古輪久遠ふるわくおん。十一期生です」

「話は聞いてる。私は千条胡桃葉。一〇期生だよ」

 とりあえずの握手である。

「およそ普通に東京迷宮をプレイしていてもわからない情報を色々知ってるんだよね」

「といっても、に近いものがほとんどですよ。普通にプレイしていても難しいのは三色烏さんしきからすくらいだと思いますよ」

 それはどうしてかというと三色烏の所有そのものがフラグになっているという点だ。

 さらに始末が悪いのはどうもこの装備はそれぞれ一振りずつしか存在しないという点である。

 行商人の話まで総合すると三振りを持つプレイヤーを揃えるというなかなか難易度の高い内容である。

 こうして一〇年という月日が経過しないとたどり着けないというのもある意味納得であった。

「久遠くんは夜によく狩りに出るけど、どうしてそこに考えが至ったんだい?」

 基本的に夜にプレイヤーは出歩かない。実際に危険であることを理解しているからだ。

「一つは継承されて一気に上がったレベルです。僕のいまのレベルは六年しかプレイできない皆さんと比べられないほど上がっています」

 その状態では日中にプレイは目立ってしまうという判断からだという。

「もう一つはこの高レベルをどうやって活かすかです」

 その答えが夜狩りだった。夜なら出歩く人は少ない。何より夜の魔物は強化されている分、経験値やお金を通常より多く落とす。

 どうせこのレベルでは通常のパーティープレイは厳しい。ならばソロでプレイすることを視野に入れることにした。

 夜に徘徊していたおかげで何度か強制ログインゾーンに何度か出くわすことがあったそうだ。

 だから、あれほど落ち着いた対応がとれたということだった。

「ちなみに三色烏が瘴気の影響を受けないと知ったのは最近なんです」

 大鬼退治の時に久遠と里奈以外のパーティーメンバーにステータス減退を確認したときに発覚したということだ。

 話はそれからも続いた。それを博文と胡桃葉は興味深く聞き入っていた。


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