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星に願いを…
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七夕の夜 短冊に願いを込めて 笹に結ぶ
(いつまでもあの人の笑顔を見ていられますように♪)
夜空は街の灯に照らされ、星などはほとんど見えない。
ましてや天の川などプラネタリウムでしか見た事がない。
七夕の伝説も色褪せてしまっている…
キラリ…
(流れ星?)
輝きが夜空を過ぎっていった。
(願いが叶うと良いね♪)
しばらく星の少ない夜空を眺めたあと…
私は眠りに就いていた。
(朝?)
ベッドの上で目が覚めた。
(何処?)
そこが自分の部屋でないことは即に解った。
そう、ここは自部の部屋ではない。
(誰の?)
花柄のカーテンと白いレースが窓に掛かっている。
ベッドの布団も花柄でピンク色をしている。
傍らにはいくつかのぬいぐるみが置かれている。
(女の子の部屋みたい…)
鴨居に服が掛かっていた。
同じ学校の女子の制服のように見える。
(何で俺が女子の部屋に?)
起き上がる。
着ているのもまたピンク色のパジャマだ。
そして、その胸の辺りが膨らんでいるのが判った。
(俺の意識がこの部屋の娘の中にある…ということか?)
机の上に鏡が立て掛けてあった。
その鏡を覗き込む…
(新堂?)
その顔は同じクラスの新堂薫だった、
(何で?)
新堂とはあまり話しをした記憶がない。
もし、このまま俺が新堂のフリをしなければならないとなったら…
ピピピピッ!!
机の上電話が鳴っていた。
『おはよう カ・オ・リ♪ 気分はどう?』
聞こえてきたのは若い男の声だった。
『て言うか、まだ理解できてないのかもね? アタシと入れ替わってるって。』
「入れ替わってる?」
そう発した「俺」の声は完全に女の子の声だった。
『そう。今はあなたが新堂薫で、あたしが佐々木昇だってこと♪』
「どう…して?」
『今は説明している時間がないわ。あなたも早く支度しないと遅刻しちゃうわよ。詳しくは学校でね♪』
電話は切れた。
そして…
「薫ぃ、起きてる?」
彼女の母親の声がした。
俺はなんとか女子の制服を着て学校に向かった。
その席には「俺」がいた。
チラリと俺を見ただけで、親友の中井との雑談を続けていた。
その内には新堂薫が入っているのであろうが、見た目は「俺」そのものだった。
俺は黙って「新堂薫」の席に着いた。
チャイムが鳴り、先生がやってくる。
淡々と授業が進められる。
誰も「新堂薫」と「佐々木昇」の中身が入れ替わっているとは気付いていない。
休み時間もこれまでの毎日と同じ。
佐々木昇は中井達と雑談して終わってしまう。
俺が「佐々木昇」に声を掛けるタイミングがなかなか訪れなかった…
「新堂さん。」
不意に「佐々木昇」の方から声を掛けられた。
「放課後にちょっと付き合ってもらえないか?」
それだけ言って離れてしまった。
俺はまともに返事すらできていないのに…
「薫♪やったじゃない。佐々木君の方から声を掛けてくれたじゃん♪」
「がんばれ♪」
近くに女子達から声を掛けられた。
(何を「頑張る」んだ?)
誰もいない離れの空き教室にいた。
「あたしってこんな風に見えるんだ♪」
俺は「俺」の顔を見上げる形になっていた。
「ど、どういう事か説明してくれないか?どうやったら元に戻る?」
「薫は元に戻りたいのかい?」
「新堂はお前だろ!!」
「鏡は見たでしょ?あなたが新堂薫だって解ってるでしょ?」
「俺は佐々木昇だ!!」
「じゃあ教えてあげる。あなたが薫という女の子だってコト♪」
そう言って「俺」の顔を近付けてきた…
唇が塞がれた。
ドクリ!!
心臓が大きく音を立てた。
しっかりと抱き締められる。
膝ががくがくして立ってられないのに、彼に抱き止められている。
そう…こんな風に抱き締められたかった…
(って、コレは俺の記憶じゃない!!)
否定はしてみても、俺自身は多幸感に満たされてしまっている。
無意識のうちに俺の腕は彼の首に巻き付いていた。
違いの舌が唇を割って絡み合う。
唾液が混ぜ合わさってゆく…
「佐々木君…」
一時、唇が離れて俺はそう言っていた。
「大好き♪」
それは「俺」の言葉ではないが、身体に刻まれた想いがそう言わせていた。
(そう…やっと言えた♪)
身体に刻まれた記憶が溢れだす。
自分自身の存在が溶け込んでゆく。
そして、七夕の夜の願い事を思い出していた。
目の前には彼の笑顔があった。
(この笑顔はいつまでもアタシのもの…)
(いつまでもあの人の笑顔を見ていられますように♪)
夜空は街の灯に照らされ、星などはほとんど見えない。
ましてや天の川などプラネタリウムでしか見た事がない。
七夕の伝説も色褪せてしまっている…
キラリ…
(流れ星?)
輝きが夜空を過ぎっていった。
(願いが叶うと良いね♪)
しばらく星の少ない夜空を眺めたあと…
私は眠りに就いていた。
(朝?)
ベッドの上で目が覚めた。
(何処?)
そこが自分の部屋でないことは即に解った。
そう、ここは自部の部屋ではない。
(誰の?)
花柄のカーテンと白いレースが窓に掛かっている。
ベッドの布団も花柄でピンク色をしている。
傍らにはいくつかのぬいぐるみが置かれている。
(女の子の部屋みたい…)
鴨居に服が掛かっていた。
同じ学校の女子の制服のように見える。
(何で俺が女子の部屋に?)
起き上がる。
着ているのもまたピンク色のパジャマだ。
そして、その胸の辺りが膨らんでいるのが判った。
(俺の意識がこの部屋の娘の中にある…ということか?)
机の上に鏡が立て掛けてあった。
その鏡を覗き込む…
(新堂?)
その顔は同じクラスの新堂薫だった、
(何で?)
新堂とはあまり話しをした記憶がない。
もし、このまま俺が新堂のフリをしなければならないとなったら…
ピピピピッ!!
机の上電話が鳴っていた。
『おはよう カ・オ・リ♪ 気分はどう?』
聞こえてきたのは若い男の声だった。
『て言うか、まだ理解できてないのかもね? アタシと入れ替わってるって。』
「入れ替わってる?」
そう発した「俺」の声は完全に女の子の声だった。
『そう。今はあなたが新堂薫で、あたしが佐々木昇だってこと♪』
「どう…して?」
『今は説明している時間がないわ。あなたも早く支度しないと遅刻しちゃうわよ。詳しくは学校でね♪』
電話は切れた。
そして…
「薫ぃ、起きてる?」
彼女の母親の声がした。
俺はなんとか女子の制服を着て学校に向かった。
その席には「俺」がいた。
チラリと俺を見ただけで、親友の中井との雑談を続けていた。
その内には新堂薫が入っているのであろうが、見た目は「俺」そのものだった。
俺は黙って「新堂薫」の席に着いた。
チャイムが鳴り、先生がやってくる。
淡々と授業が進められる。
誰も「新堂薫」と「佐々木昇」の中身が入れ替わっているとは気付いていない。
休み時間もこれまでの毎日と同じ。
佐々木昇は中井達と雑談して終わってしまう。
俺が「佐々木昇」に声を掛けるタイミングがなかなか訪れなかった…
「新堂さん。」
不意に「佐々木昇」の方から声を掛けられた。
「放課後にちょっと付き合ってもらえないか?」
それだけ言って離れてしまった。
俺はまともに返事すらできていないのに…
「薫♪やったじゃない。佐々木君の方から声を掛けてくれたじゃん♪」
「がんばれ♪」
近くに女子達から声を掛けられた。
(何を「頑張る」んだ?)
誰もいない離れの空き教室にいた。
「あたしってこんな風に見えるんだ♪」
俺は「俺」の顔を見上げる形になっていた。
「ど、どういう事か説明してくれないか?どうやったら元に戻る?」
「薫は元に戻りたいのかい?」
「新堂はお前だろ!!」
「鏡は見たでしょ?あなたが新堂薫だって解ってるでしょ?」
「俺は佐々木昇だ!!」
「じゃあ教えてあげる。あなたが薫という女の子だってコト♪」
そう言って「俺」の顔を近付けてきた…
唇が塞がれた。
ドクリ!!
心臓が大きく音を立てた。
しっかりと抱き締められる。
膝ががくがくして立ってられないのに、彼に抱き止められている。
そう…こんな風に抱き締められたかった…
(って、コレは俺の記憶じゃない!!)
否定はしてみても、俺自身は多幸感に満たされてしまっている。
無意識のうちに俺の腕は彼の首に巻き付いていた。
違いの舌が唇を割って絡み合う。
唾液が混ぜ合わさってゆく…
「佐々木君…」
一時、唇が離れて俺はそう言っていた。
「大好き♪」
それは「俺」の言葉ではないが、身体に刻まれた想いがそう言わせていた。
(そう…やっと言えた♪)
身体に刻まれた記憶が溢れだす。
自分自身の存在が溶け込んでゆく。
そして、七夕の夜の願い事を思い出していた。
目の前には彼の笑顔があった。
(この笑顔はいつまでもアタシのもの…)
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