プラーナ

カイロ

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始まり

投げつける猿「スローエイプ」(後編)

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目的地の山に到達した。人が入れないように入り口のところに立入禁止の看板が置いてあった。

「よし、お前達配置につけ。」と言うと、リューイを先頭にリサさん、野村さん、ジーア、僕、という順番に縦一列に並んだ。

「よし、行こうか。リューイ分かっているな?」

「分かってる、もうとっくに能力を使ってる。」そう言うと僕達は山に入っていった。

数時間ぐらい歩いただろうか、いまだに猿と遭遇しない。

「おかしい、猿一匹も見当たらないなんて。」と言った矢先、一匹の猿が現れた。

「…!皆、警戒体制に入れ、攻撃する素振りを見せたら即戦闘開始だ。」

猿が手で石を拾う仕草を見せた瞬間、野村さんが持っていた銃で猿を撃ち抜いた。

「やったか?」

「…!なにか来る!」リサさんがそう言った瞬間、野村さんが撃ち抜かれた。

「野村さん!」

「大丈夫だ…急所に当たらなくて済んだが…すまない油断した。」

野村さんは最後尾の僕のところに来て手当てをし始めた。僕も手伝うが出血が酷い。

そうこうしている間に猿の群れがきて、一斉に騒ぎ始めた。

あまりのうるささにリサが耳を抑え始める。

「どうしたんですか!?リサさん!」

「リサは普通の人よりも耳がいいからな!」ジーアが言う。

そうすると猿の群れが一斉にリサに飛びかかってきた。

ジーアとリューイが猿達の対処にあったっていたとき、今度はジーアの足に命中した。

「ジーア!大丈夫ですか!?」と声をかける。

「大丈夫!俺に構わずノムラを治してくれ!」ジーアは猿達の対処を続ける。

「分かりました!」

ある程度の猿が死ぬと、群れは木に登っていく。

「リサさん!今行きますからじっとしていてください!」僕はリサさんを野村さんのところに運んだ。

所々に傷などがあり、酷い有り様になっていた。

「クソ!どこにいやがんだ!クソ猿!」リューイが叫ぶ。

「リューイ!俺は木にいる猿を撃っていくから!クソ猿を見つけるんだ!」

「あぁ!分かってる!」

僕は傷の手当ての最中にある疑問を考えていた。

(おかしい、なぜ仲間の猿たちを犠牲にしながら攻撃をする?異能種の猿は地面に降りて石を拾い、木に登ってから攻撃し、位置がバレない様に木を縦横無尽に移動すればいいだけのはず…そうしないということは欠点がある!それに繋がる欠点が!)

「…!ジーア!近くに猿の群れが寄ってきています!気をつけて!」

「クソ!」ジーアに猿の群れが襲いかかる。リューイが気づき対処にあたる。

(このタイミングだ!どこかにいるはず!)僕は辺りを見渡す。

すると三時の方向から猿が遅れて木から降りて、石を拾い始めた。僕はとっさにリューイに声をかける。

「リューイ!気をつけて!3時の方向で猿が石を拾っています!」

「…!あいつか!待ちやがれ!」

猿は気づかれたと思ったのか、木を登っていった。

「待って!まずはジーアの身の安全を確保するのが先決です!」

「チッ…分かってる!」

またある程度猿が死ぬと、群れは木に登っていく。

(さっきの猿が異能種なのか?いや囮の可能性もある…予想だけど、欠点は足が踏ん張れる場所じゃないと発動出来ないのか?…本当にそれであっているのか?…でもこのままだといずれは全滅する…賭けるしかない!)

「野村さんすみません。リサさんをお願いします。」

「…何か考えがあるんだな?」

「はい…」

「…分かった。」野村さんは何も聞かずに承諾した。

「…!ありがとうございます。」そう言ってジーアに近寄った。

「ジーア!試したいことがあります!」僕は作戦を伝えた。

「でも、それだとお前が危ないんじゃないか?」

「これしかないんです、まだ僕は猿にとっては未知数の存在、これを逃したら勝機はありません!」

「…分かった…信じてるぜ心也!」

「よし…いきます!」と言いうと僕は心を落ち着かせ能力を発動し、近くの猿が登っている木を思いっきり殴ると、木がたわみ、猿たちが木から落ちていった。

「オイ!お前!何やってがる!」

「リューイ!」

「…チッ意味わかんねぇよ!」

それを連続で何回かやっていると、猿の群れは心也に襲いかかる。

心也は群れを振り切りながら木を殴っていく。

(さぁ…出てこい!心也が命張ってんだ!ぜってぇ見逃さねぇ!)

ジーアが対処にあたりながら、心也が言っていた猿を探していると、目当ての猿がいた。

(いた!…お前が与えたチャンス無駄にしないぜ心也!俺の指ははずさねぇ!!)

弾かれた指は目当ての猿の脳天に当たったが、猿も最後の力を振り絞り、石を投げてきた。

だが、銃火器並みのスピードは無い。囮の猿だ。

「なに!?どこに…!?」ジーアが心也を見ると、木を殴らずどこかに向かっていた。

リューイも心也の方向に向かう。

(あれは!野球の投球フォーム!間違ねぇあいつが、クソ猿だ!)リューイが気づいたときには心也が猿に正面で向かっていた。

「クソ!あのバカ野郎!正面で向かいやがって!」リューイが咄嗟に駆けつける。

(クソ!もう踏み込む途中だ!間に合わねぇ!!)

それでも心也は止まらない。

「心也!!!」リューイが叫ぶ。

そして猿が石を投げた瞬間、心也は高くジャンプした。

落下すると同時に猿の頭を殴ると、頭が地面に深くめり込み絶命した。

そして心也は能力を解除し、少しふらつきながらリューイにもたれかかった。

「ハア…ハア…やりました…」心也は達成感に満ち溢れた顔をしていた。

「オイ…お前イカれてるだろ…ったく無茶し過ぎだ。」

「えぇ…そうですね。」

「チッ…ムカつくぜぇ…」

あの猿が死ぬと猿の群れが消えていった。どうやらボス猿らしい。

すぐに麓に行き。野村さんとリサさんをミュイに手当てしてもらった。

手当てした後、野村さんが話しかけてきた。

「今回は君に助けられてしまったな…すまない。」

「いえこちらこそすみませんでした。…自分の勝手な考えで行動してしまって…。」

「勝手じゃないじゃないか?俺がちゃんと許可したからな、君は何ひとつ謝る必要はない。」

「…あの…この仕事を僕にもやらせてもらえないでしょうか?」

「えっ?もちろん構わないけど…いいのかい?危険な仕事だよ?」

「確かに今回危ない仕事だと分かりました。…でも楽しかったんです。今までで一番生きてる感じがしたから…。」

「君は変わっているね…分かった。君をメンバーに加入するよ。」

「…!ありがとうございます。」

場面は変わって綾野宅。

「今日も遅いわね、昼には帰ってくるっていったんだけど。」

「やあ~あなたは綾野真子さんですか?」全身黒ずくめの服装をした気持ち悪い笑いの仮面をした人が目の前にいた。

「えっ?誰!?」

「ふふふ…そんなことはどうだっていい、あなたの望みを叶えにきました。」

綾野の頭に仮面の者の手が触れる。

「なにぃ!?やめて!キャッ!!!」

綾野はその場で気を失う。

「これであなたは叶うでしょう。ふふふ…」
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