伝説の高校生

ジーコ

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1年1学期〜基礎実習編〜

1.入試

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 星山学園能力科では学生生活3年間で3つ能力を身につける。本学科の定員は90名。入試は中学のカリキュラムの中から出題される筆記試験。倍率は例年30倍程度であった。本科を修了したものには国家試験、能力使用免許試験の受験資格を与えられる。 能力使用免許は権力者の象徴であった。世の中の支配位に立つ著名人やセレブリティの多くはこの能力を持つ。
 貧乏家庭に育った俺は、将来、親に楽をさせてやりたいと思い本科を受験した。現役時代は、なかず飛ばずで撃沈した。
 親を楽させるためにしていた受験だが、気付けば浪人をし、親に迷惑をかけていた。そもそも親はこの受験を快く思っていなかった。「どうせ受かりもしないのに」と憎まれ口をたたかれることもあった。
 罪滅ぼしと、時折、アルバイトをし、睡眠時間を削り勉強した。バイトのない日は15時間ぶっ通しで勉強した。
 辛い日々ではあったがその生活を維持しながら、無事、受験を迎えた。本年度の倍率は45倍。能力科人気の波により倍率は例年を大きく上回っていた。その倍率が俺を不安にさせたが、みんな状況は同じだと言い聞かせて、冷静を保つようにした。
 試験は難しくはなかった。しかし、合格するには正答率91%以上が必要と聞く。ミスをしてはいけない状況が胸を苦しくさせた。
 入試は2日間合計時間18時間の長丁場で行われた。心身ともに疲れ切った。
 最後の問題を回答しペンを置いたときの達成感は凄まじかった。合格どうこうよりこの辛い日々から開放されることが嬉しかった。頑張りはしたが、正直合格は難しいと思っていた。親には今回落ちたら公立高校に行きかつアルバイトを続けることを約束していた。俺自身もそうなるんだろうなと思ってた。
 合格発表当日。学園のホームページに合格番号の載る13時にパソコンの前で待っていた。13時になると何度も更新ボタンを押すが、なかなか合格発表の画面には行かなかった。
 13時3分ころにやっと画面が変わった。自分の番号はすぐ目に入った。
 「ああ、受かったぞ。おいおい。受かってるぞ」
 ふと横に目をやると、隣で一緒に合格発表を見ていた母が嬉し泣きしていた。
 それを見て俺も泣いた。嬉し泣きって素敵なんだなと思うことができた。
 改めて受かったことが現実なんだと実感した。
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