きずあと

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きずあと

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「別に今日俺を無視したことも報告なくピアスを開けたことも全然怒ってないよ。ただ会いたくなったから呼び出しただけ!  本当に怒ってはないよ」

はい、死。

ラグの上で正座してる俺を革張りソファに腰かけて見下ろしてくる誉くんの目は軽く冷えてて、俺の全臓器が極寒の中にいる時みたくガッタガタ震えてる。

君が会いたいだけで俺を呼び出したことは今まで一度たりともないし、本当に怒ってない人はわざわざ怒ってないよ~なんて申告しないんだよ!!!!!
声に出さずに叫んで実際は両手膝の上で握って涙目。うぇっうえっ…こあいよお………。


識くんは命令に背いたり逆らったりすればキレるんだけど、誉くんは特殊でいつキレるのか全く予測が出来ないからこれまた難。前に誉くんがキレた時は確か二年前、高一の時。

詳細に言うとローターを一つケツに入れて過ごして、っつー奇人らしいというか思春期らしいというか。なんだっけか。
詳しく言うと当時付き合ってた他校の女の子がWiFiでスマホと繋げられるローターを着けたいやら何やらお願いしてきたらしくて、まずはその実験体として俺が当然のよーに被験者に任命されたんだよね。

統一して言えることは常軌を逸した発想の元、強制的に入れられて登校させられたときで。本題は会長サマと食堂で昼食摂ってる時に突然電源が入ってお察しの通り。


まーね、別に突然性器に触れられても気持ちいいとか思わないのと一緒で声は微塵もあげなかった。んだけども、動揺で肘がコップに当たって水が少量こぼれちゃった誉くんおこおこ!  ガチで意味わかんなかった。理不尽王?

…今思えばだけどその日は若干不機嫌で八つ当たりしたかっただけだと思うけどね。それにしたってだけども。
食堂以降は一回も電源は入らないまま放課後になって呼び出された先で『いいからローターを前立腺の位置に調整して。早く』としか言ってくれないし謝ろうにも俺は微塵も悪くないし何を謝ればいいのか。


でも普段はわりかし態度や口調は優しい誉くんがブチギレてるのが怖くって、怯えて従えば大人しく座ってることを強制されての前立腺のみローター当て地獄が気付けば開始されてた。

他への刺激も一切無しで、前立腺のみを数時間徹底的に虐げられながら放置された極苦記憶。
それに服を着たままでなんて大変迷惑なオプションも追加でね。…しかもその後に識くんが帰ってきて鼻で笑われるしよォ!!

もちろん俺は数回死んだと思うし翌日まで余韻が残ってさらに死んだ。よろけた際に会長サマにお腹に手を当てて抱きとめられて俺はチリになった。


…そんなキレたら何しでかすかわからない誉くんが実は一番怖かったりするんだけど、いま俺の前に居るのはおこぷん誉くん。
さっきから冷や汗が止まんない。真夏日にだってここまで汗流れないだろうよ。


「今回も悪いのは誰?」
「俺です…」

今日はちょっと心当たりあるょ……。
間も開けず答えればニマリ。

「そうだよ、悪いのは尋。じゃあココ来て」

優しく叩いて導いたのは自分の足の間。
断る選択肢なんてもんは当然ながら俺なんぞに存在してないけど、せめてもの小さな抵抗としてパンダクッションを両手に誉くんに背を預けるように座れば耳の後ろでこもった笑いが落とされた。

…やーーーっぱり素直に対面で座れば良かったかなあ……!!!
ちょっぴりかなり結構マキモド石が欲しいくらい後悔していると、意外にも誉くんは横に置いていたリモコンを手にしてテレビの電源を入れた。…テレビ?


「一緒に映画見よう!」
「え………映画…?」
「電気消して」

穏やかな声に不安が薄れながらテーブルの上のリモコンを手に取って証明を落とした。
遮断カーテンで締め切ってほの暗い部屋の中、青白いテレビの光が俺らを照らす。脳天には風船みたいにハテナがふよふよ。

映画……なんで急に映画?  だって数秒前まで明らかに不機嫌なかった…っておおおおしかもゾンビ映画かよ!!!
数ある映画のうち雑な選択で選ばれたのはこちら、評価4.5のゾンビ映画。もうサムネからしてエグいことに違いないじゃん面白そ。

代わりに俺は今日一人でお風呂入れないし夢に出るだろうけどネ……。


早速さっきまでの恐怖を忘れて少しわくわくしながらテレビと向き合うと、一本。

細くて長い、骨ばった誉くんの指がゆっくりと微塵の膨らみもない胸元に突然伸びてきた。そして間も開けずに背後から抱き締められるような形で肩に置かれた顎。

首の横に触れるパーマがかった髪にぞわぞわとくすぐったく思うよりも左手が俺の腹を緩く抱いてきて、そこでパチンと一瞬で集中力が途切れた。


ちょっと考えさせてほしい。俺は静かに頭の中で両手でTの形を作った。
な…んなんだろうこれは一体。何プレイって言うの。コイツまさか映画見ながらするつもり?  ゾンビ映画だよ流れてんの?  まあじで?
冗談も程々にしてくれと冷や汗を垂らせばする、と中心の周りを爪先が一撫でして。

いや…いやいや「初っ端から主人公ゾンビになってんの新鮮だねー」とか緩く言われたって君の指のせいで俺なんも見れてないよ。

でも指が止まる気配はないし周りをすりすり触れてるだけ。手遊び程度にいじられんなら大丈夫かな…?  うん、大丈夫か。乳首でアーンなんてAV女優でも何でもないから言わないし。
……ならいっか、と俺はもう一度画面に目を向けた。


途端にかり、と陥没した左の乳頭上を滑るように優しくひっかかれてぞわわっと毛が逆立った気がした。てか逆立った。
それを初めに連続的にかり、かり、って服の上で滑るようなひっかきが繰り返されてもーー~本気でやめていただきたい!!  こんな早々にフラグ回収するなんて思ってなかったんだけど。それにちょうど俺さ、ちゃんと映画見ようとしてたじゃんか。

ネチネチ不満を口の中でたれ述べながら声は我慢できてても、体が少しづつ前のめりになっていって。意図せず指に自分の胸を押し付けるような格好になっちゃった死ぬ。

心の中で殺してくれ、誰か俺を殺してくれ!  とか叫んでも現実の俺は固くお口チャック状態。対して強くない力でも、お腹をベルトするみたいに腕が回ってるから離れらんない。
縋るところがなくって、その腕に悩んだ末に両手を添えるように掴んだ間も絶え間なく動く爪先。

ひたすらゆったりとして、苦しくない緩やかな刺激に眠気にも似た感じを覚えて目の前が溶けてきそうになる。嘘、一分も経ってないのに半分堕ちてるかもしれない。
これだから優しいのは嫌いなんだよね俺!  すぐ流されそうになっちゃう。なんたってアホ!


「あれ、何してんの尋?  映画一緒に見ようって言ってるじゃん。ちゃんと映画見てよ」
「ぁ……ご、ごめん」

かなり前かがみになってた肩を強制的に後ろに倒されて、誉くんの胸に背中をピッタリと預けさせられて呼吸が楽になった。

でもそれより、声色的に意地悪とかじゃなくてほんとにそう思ってそうで手遊びやめてくれっかなって期待したのもつかの間。
今度は綺麗に陥没してる割れ目ちょうどに爪を立てられた。お前マジでさァ……!!!

ふにふにな感触を遊ぶように押しては離して。中に埋まってる先っぽにTシャツ越しに爪が当たる度にうなじがざわついた。


耳元では誉くんの笑い声や「そっち行ったら…あーほら!」「韓国のゾンビ映画やっぱ質高いね。おもろ」やらのマイペースな独り言が右から左に抜けてく。

フリじゃなくて映画に集中してるくせに的確にいじってくんのなんでなの。遊び人ってみんなこうなのかな。
鍵盤見なくてもピアノ弾けるのと同じみたいな…あーーー、あーーあーーやめてほしい。かなりやめてほしい。痛くないギリギリでぐりぐりすんのやめて誉くん…。

だけども当然声に出してないから伝わんないよねって。
ほんのり顔を出してきた先っぽがまたひっかかれ始めた。ゆっくりなのは変わらないけどさっきよりは少し早めに。

服越しにいじられて擦られて出てきちゃった先は当然敏感だってのに誉くんは容赦なく触れてくる。
ただひっかかれてるだけなのに何故に気持ちいいのか…その謎を解明するため、我々調査隊はアマゾンの奥地へと向かった。


…真面目に誉くんてば俺の乳首なんか触って何が楽しいんだろ。反応?  それともそこにあるから触ってるだけかな。そうだろうな~~~~。

とろけてきた脳で堕ちきらないようにホコリよりどうでもいい話題を片隅においてると、いつの間にか小さく空いてた口からよだれが垂れそうになってて。俺は慌てて居眠りの時のような状態からハッと目を覚ました。


「…っふ、」

ら、割れ目の中に引っ込めるように爪の先で強く押し潰されて、条件反射にお腹に回ってる誉くんの腕に添えてた手で咄嗟に止めちゃった。
腹がきゅううっと柔く締まんのと反対に顔から血の気が見る見るうちに引いてく。

普段なら俺がイったりイきかけたりしたらすぐ気付いてからかってくる誉くんは黙ったままで、それが余計に俺の血の気を引かせた。そんで思っていた通り「…なに止めてんの」とか言う若干不機嫌な言葉に責められて咽び声がもはや胃から出かけた。うえっえ…。

「抵抗しちゃだめだっていつも言ってんのに学習能力無いね」

つん、と爪の先で先っぽを叱るように軽く押して。また当たり前に再開されたかりかりに心無い謝罪を言いかけた開きかけた口を閉じた。てか閉じらされた。
優しくいくせに優しくなくて、俺にとっては痛いことよりも残酷極まりないんだけども。流石だよ意地悪大魔神の誉くん、よくわかってんね。わかってなくていいよ!!!


顔を横に向ければ誉くんはまた映画を観てる。カッコイイね、俺は泣いちゃいそうだよ。
泣きそう、だけど。泣いちゃったら高確率で更になじられんのは学習済みだから俺は何とか涙腺を引きしめて耐えた。

でも、あのね。しかも緩くイきかけた後だから余韻も微妙に続いてるせいで余計にキツいんだよ。ほんの少しだけ顔を出してる先端のみを上手くゆっくりずーーー…っと。

……こうやって左だけいじられて腫れちゃったりしないかな。大きさバラバラになるとかやだよ。てかさっきから誉くん、俺が優しくひっかかれてるだけでつま先程度の甘イき続けてんの気付いてんのかな。


「もう、微妙に動くのやめて」
「は…っ、」
「だから動かないで尋」
「ご、め…」

たしなめるようにデコピンをされて首がぐっと後ろに倒れて、誉くんの肩に後頭部を乗せてしまえばまたデコピンをされた。散々優しくしてくれてたのに急に強めのデコピンに耐えろってのが難儀な話なのに。

軽くムカついても弾かれる度に体が奥の方から震えて、後頭部を誉くんの肩に預けながら胸を逸らしちゃえば「なあに、もっと触ってアピール?」勘違いした誉くんに人差し指と親指でぐりぐりすり潰される始末。


「…ね、さっきからきゅんきゅん甘イキしてるよね。男子高校生なのにまだ陥没してる乳首よしよしされてイッてるの?」
「っ…゛…、」
「尋の乳首って他の子と違ってどれだけいじっても柔らかいままなの不思議。ちゃんと感じてるのにね」

囁きながら俺の腹に回していた腕を外して、反らしたお腹をゆっくり撫でながら先っぽを指の腹で摩られて。一際大きくぎゅううっとお腹に力が入ると、手のひら越しに伝わったのか「どこもかしこも敏感すぎ」笑いの混じった声で呟かれて首筋に口先と鼻先を近付けられた。

それがけっこーくすぐったくて、声をこらえるように俺はすぐ横の首筋に顔を埋めた。深く香ったのは識くんとは違ってキャラメルみたいな甘めの匂い。


…九十八が食べたいって言ってたのってこーゆうことかな、美味しそうな匂いで食べたいって。
思うと、ちょっと悪戯心と反逆心って言うのかな。そんなのがふっと湧いて出ちゃって。
あ、と軽く口を開けて、仕返しのように最小限の力で歯を立てれば誉くんは動きを止めた。

優しいのってさ、俺やっぱ一番嫌いなんだよね。嫌すぎて砂吐きそう。1ミクロンも1ナノメートルも好きじゃないし痛いのよりも我慢できない。
なんか、なんか骨が痒くなる。からガチめに優しくなんかしないでほしい。
アまってまって、だからって痛くしてほしいわけでも激しくされたいってわけでもないんだけどね。触れ方に甘さのある優しい感じが得意じゃなさすぎるってだけ。
だから、怖いけど。


「ほ、誉くん…、嫌い」

重たく大きく音を立てる心音に負けないぐらい、俺は恐怖に目を瞑って揺れる声を少し張った。どっかに痛いことがくることを覚悟して。
なんて、誉くんには今まで散々なじられたことはあるけど暴力らしい暴力は振られたことはないんだけども。

緊張したまま数秒経って、数十秒経って。それでも鈍い痛みは今回も降りかかってこない。
代わりに体を誉くんの膝の上から退かされた。
俺からしたら思ってもないラッキーだけど普段のコイツからしてそれだけで済むはずがない。きっと今に何かしらの最悪が…!


だなんて、そんな警戒も杞憂も杞憂みたいで。
誉くんの手は俺の頭を鷲掴みできるほど大きくって、もちろん比例するように指先もすごく長いんだけど…そんな指が髪の間に入ってくると何やら軽く撫でてから誉くんは自室に入ってった。

ん?
頭上にたった一つ大きな疑問を浮かべてると、今度は小さな小箱を持ったまま洗面所へ。ジャーーと水の流れる音にしばらくして無音。
帰ってきた誉くんは笑顔で救急箱の黒バージョンみたいな箱を持ってた。それから。


「ズボンもパンツも下ろして!」
「ん!?」

そう言い放った。
???  なーーーーに言ってんの?  ズボン、パンツ、下ろして?  は?  え?  不幸中の幸いにもシャツとパーカーのおかげで大事なところは余裕を持って隠せるっても突然なに…。

薄い茶目に無言で見られて俺は大人しくズボンと下着にばいばいした。グッドラック……!

「うんうん、尋はいい子だねー。素直でいい子で偉いね!」
「いい子て…」

ニッコニコ誉くんはわざとらしく至って普通の男子高校生にはあんまし使わない素直、いい子、偉い、を強調して俺の肩を押した。
映画は停止していなかったから流れ続けてるけど、そっちは全く気にしてない様子で黒い箱からある物を取り出した。

取り出されたのは冷や汗の滲むほど見覚えのあるソレ。

使い捨てのチューブ式潤滑ゼリーみたいな物を見た俺は今すぐスライディング土下座かまして逃げ出したくなった。


「あっあの誉くん、お、おお俺が悪かったから!」
「四つん這いなって。塗り込んであげる」

有無も言わさず微笑まれて、ぐ、と喉が詰まった。これはきっともう何を言っても撤回させてくれないやつ。

っ…だ…、…大丈夫だよ俺!!  あんな、あんな媚薬だとか何とかはいっつもフインキに流されちゃって熱くなっちゃってただけ!!  ただの温感、疼くのなんて思い込みだから!!

必死に自分を説得しながらも四つん這いになると、当然の如くシャツとパーカーの裾を軽く捲られ。それからぐいっと斜め上に引っ張るように尻たぶを持ち上げられた。

慣れているとは言え…慣れてないけど慣れているとは言え、恥ずかしいことこの上ないことに変わりはないんだよ。喉の奥もうなじも顔全体も熱くて涙腺も焼き切れそうです。

……それにきっともう知られちゃったと思うけども。


「ふっ、はは。尋ってばエッチだね、今回も自分でローションも入れて準備してきてたの?」

ナカを深く覗くように親指を少し入れ、軽く解けた穴の縁に引っ掛けられた。
空気に触れたナカがひんやりとするのと反対に顔に熱が溜まりに溜まって、握った手のひらに汗が滲む。

もう、ね。1周、5週ぐらい回って鼻血が出ないかだけがひたすら心配だよ。鼻血出してもやめてくれないから軽く殺人現場と化すからさ。

てか識くんと違って誉くんは俺が準備してくることをよくいじってくるから酷いと思う。呼び出しのときに用意の合図があったら一応準備しとけよ、だなんて言ったの君らだよね!  痛い思いするかもなんて脅してきたのら君だよねこのやろう!


「でも今は邪魔だから掻き出すね」
「ぇあ、…っ…」

うぐぐが、とのたうち回りたくなってると前触れもなく義務的に解かしたナカに指が、中指が一本内壁を割って入ってきた。

邪魔だから掻き出すね。その言葉のまま受け取ればローションを減らすだけのように聞こえるけど、実際は容赦なくしこりを抉られてんの何故。
やすりもかけられて丸く整えられた爪がソコを潰す度、じわ、とベタつくような脂汗が額に滲んだ。


「うわ、やっぱ出さずに軽くイかせたあとは具合いいね。オナホみたい………んは、締め付けないよう頑張ってるんだろうけど普通に俺の指締め付けてるよ」

ぎゅううう。初っ端から前立腺を可哀想なほどに狙って優しく圧されて胃と喉の奥が震えた。
いつまで経っても慣れない初めの違和感と、久しぶりに触れられたのもあって唇を引き結んで小刻みに震えることしか出来ない。足、めっちゃつりそう。

しこりのもう少し奥の方に指を入れて、避けれないソコをわざと潰して縁まで引いて。ナカから垂れてくるローションをティッシュで拭かれる。

その一連を繰り返される度になりふり構わずにやめて、って今すぐに逃げだしたいけど俺にそんな勇気は残念ながらない。
……あったとしても、そんなことをすれば現状が悪化するのは目に見えてるから目を瞑って腰を動かさないようにする他ないけどね。
俺的には腰に集中すると口がおろそかになって声が出ちゃうのやなんだけど!!

ぐちゅ。ぐゅ。ぐぐ。空気を含んだ水音が聞こえる度にあんだけ足を固めたのに腰が引きそうになる。しにそう。これだから痛いだけの暴力でも、気が遠のく快感でも、そのどっちでもない意識が残りながら優しくされんのが一番ムリ苦手なんだよ……。


「腰引かないの偉いねー。でもさ、前立腺優しく掠めてるだけでナカ締め付けすぎ。…処女じゃないのにね?」
「…、…っ…、…ん」
「ふふ、声ちっちゃいけど返事できていい子だね。そろそろ塗り込んであげようか」

ぬ、と指が難なく出てって、奥がさらに疼く前にチューブの先を当てられると液体を一気に押し出された。抑えのために左太ももを掴んでる手のひらの熱が随分と熱く感じる。

そのどっちに反応してんのかは知らないし知りたくもないけど、意志とは勝手に液を飲むようにうねるナカは俺と似てアホだ。その粘液はお前を苦しめるだけなんだよバカ!!!  お利口にしなさい!!  ハウス!!


「、ッ゛は」

無駄に長い中指で浅いとこに触れられてただけで切羽詰まってたのに、指の付け根が触れるほど入れられて奥の方を、こす、って、軟膏を塗るみたいに撫でてきて汗がまた滲む。

どー…したって今日はこんなに触れてくんだろうな。
俺が優しいのが特に一番やだって知っちゃった?  ムリ。ムリムリ。やだって、やめて。奥こすこすしないでよ、撫でんな。
いつもは女の子に使う前に~だとか言って媚薬だかのなんちゃらを飲ませたりして、自分は触れずにおもちゃとか使って経過見て放置することが多いのに。距離は近くってもたまに首とか頬に触れてきたりする程度なのに。誉くん自身が温感とかのやつを塗り込んでくるのだって、こういうのとか、触れてくるのは、たまにだけで。

てか、そう、そもそもたかが中指一本。
たかがナカに塗り込まれてるだけ。
たかが、たかが!


そう言い聞かせてどのくらい経ったかわからないけど体感は一時間、実際は五分くらい。ちゅ、と濡れそぼった音を小さく立ててナカを蹂躙してた指が抜けてった。

…やっと、終わった。
瞬けば溜まってた涙が零れて、気付けばパンダクッションを潰しまくってた。
顔がむちゃっと歪んでてめっちゃ可哀想だよ……俺がやったんだけど。


「よし、丁寧に塗り込んであげたよ。こっち向いてお礼は?」
「…ぁ……い、がと……?」
「ふは、なに。あいがとって」

思ってた以上に思考と一緒に呂律も回んなくなってたみたいで、でろでろな滑舌を笑われて「終わったからもういいよ」そう、太ももにかけてあった下着とズボンを上げられた。

数秒唖然としながら濡れた手を洗うためにまた洗面所に向かう背を眺めて、俺はハッと言葉の意味を理解していそいそと制服を整えた。


マジかマジか、勝手にピアス開けたことや嫌いって言っちゃったこともあって覚悟してたけど…こ、これで解放してくれんの?  あとは経過見るだけかな?

けど待て待て早計は良くないよ、そんなわけが……いや、もしかして誉くんてばようやく俺に飽きてくれた!?

キラキラとした僅かな希望を前につまりこれで今日は帰、とそこで俺は気付いた。
制服もパーカーもしっかりと気直して、誉くんが洗面所から帰ってきてから俺は気付いてしまった。


「ていうか映画観るのにお菓子とか飲み物ないから買ってきてよ!」

よろしく、と一万円札を渡された。ガチで言ってんのかと見上げても笑いを一つ返され、心底わからないように小首を傾げられるだけだった。

時間が長引くほど不利になるのは明らか。誉くんの目はガチ。
下を見下ろし、ぴくりとも立ち上がっていない利口なソレを確認してから俺は「………イッテキマス」とガラステーブルの上に放ったらかしてた面を着け、一万円札を受け取って部屋を出た。


えーーーーー。
…そゆことだね。
あの脳内ポップコーンくんは媚薬を奥までたっぷり塗り込ませた俺を部屋の外に出させようって魂胆だったらしい。

俺が何が本気で嫌なのかわかっていらっしゃる!!!  じくじく熱を持つなバカ穴!!!  俺は!!!  清楚な!!!  健全な!!!  生徒会書記!!!


「ふっ、…ぅうう……ひどすぎる………」

万が一のために普段は開きっぱなしのパーカーのチャックを半分まで上げて、一万円札を握り締め、徐々に熱くなってきてる後ろはなるべく意識しないように大股で歩いてぐっと唇を引き結んで堪えた。

それからキチンと平然を保ちながらコンビニで片っ端から選びもせずにお菓子やアイスやらジュースを買って、俺はそわそわ落ち着きがないまま素数を延々と数えながら誉くんの部屋に戻った。

気を抜けばお腹を意識しちゃいそうでしゃがみ込みたくて。そんな中でパシリ任務を完遂して、誰にも勘づかれることも鉢合わせることもなく生還できた俺はもう誇っていいと思う。
誇っていいの?  ……いや、偉いよ俺!  すごい!  カッコイイ!


…ま、そんなカッコイイ俺はまーた誉くんの足の間に戻って遊ばれてるんだけどね。
親指と中指でつまんで逃げ場のない先端をかりかり。たまに手が疲れるのか飽きたのか割れ目にめがけて人差し指の第一関節で潰したり、シャツに触れるか触れないかの位置で触れてきたり緩急つけて。

多分帰ってきてから10分以上遊ばれてると、思う。映画も時間見れてないからわかんないけど。
ただ、ただずっと気持ちいい。お腹の奥も触ってなくてもきもちーし、なんか頭の中もふわふわで気持ちい。たまに首に触れる髪がくすぐったいけど、ぬるま湯に浸かってるときみたいで眠たくなってくる。お腹は、あっついけど。


「次はなんの映画見よっかなー…ん、チョコいる?」
「、ぅ、ん……」

両利きの誉くんは緩慢な動きで12個に分けられたミルクチョコを一つ取って、首を垂れがちな俺の口元にふにゅっと当ててきた。
ううん、って断ったと思ってたんだけど上手く言葉に出来てなかったらしい。

仕方なく口を開けると甘いチョコが入ってきて、全部口の中に入れきってから離れた誉くんの指を追うとチョコが少しだけついてた。チョコが、ちょこっと。んふ。
なんとなく綺麗にしてあげようと思って。


「あぇ…?」

ぺろりと舌先で親指と人差し指の腹を舐めたら、数秒の時間差で角張った指が優しく口内に割って入ってきた。

そのまま指は抜けることなく口の中をゆっくりと撫でて、歯の列を奥歯から順に確かめるようになぞるともう一本指を増やして舌を挟まれる。
まとまらない思考でも戸惑いが出てきて背後を見やれば、ゆるりと微笑まれて喉奥に二本指を押し入れられた。


「ん、ぇ」

少しえづいても指は抜かれないまま喉奥付近の舌を擦るように遊んで、段々と喉の方から粘り気のある音が聞こえてきて。

その音にまたお腹が一段とじんわり熱くなれば映画のエンドロールが流れ、誉くんはテレビの電源をふつりと落とすと「ねえ尋」と甘えるように厭に猫なで声で話しかけてきた。
こんなときは、大抵なんかお願いされるとき。
チョコは俺の体温でもう形をなくして口の中に留まってる。

「このとろとろな口の中でご奉仕してよ」

こくん、と溶けきったチョコを飲み込んだ。



ソファの下。ふわふわな絨毯に座らされて目の前には久しぶりにご対面する半立ち誉くん2号。

ちょっとずつ冷静さを取り戻してきた頭でも、マージで凶器だな…って軽く引くぐらいデカい。
中学の頃はこの凶器よりも数cmこじんまりしてとはいえ、こんなのを受け入れてた女の子たちも今も受け入れてる女の子たちもほんとガチめに凄いと思う。もはや尊敬の域。男としては尊敬したくないけども。

…うん、言うなら識くんも同じぐらいデカいんだけどね。会長サマとかもさ。何なんだろ、イケメンはあそこの長さとの相関性があんのかな?  そーゆうジンクス?
俺だって並より大きいと思うし、これでも元々はサイズに自信はあったけど……格上見ちゃうと自信喪失もしちゃうって話だよね。

ちょっと気落ちしつつそろりそろり両手を伸ばして根元に触れれば、脈打つ感覚が手のひらから伝わってくる。
正しく男でも憧れちゃうようなブツだねこれ!  小学生たちが声を大にして発したり書いてるちんちんと全然比べもんになんない。

もうこれちんちんじゃなくてちんちんサマって敬わなきゃなんないレベルに達してるよ。なに言ってんの俺。
……や…、ほんと相変わらずでけー………。


この女の子鳴かせなちんこくんをそつなくごほーし出来っかなという緊張は悟られないように顔を近づけて、俺は元々落としきっていなかった腰を余裕をもって浮かせた。

そして気付く。手持ち無沙汰に触られてた胸が微妙にシャツに擦れてこりゃ辛いなってことをな!  ぉぁぁっ最っ悪すぎる!  こんなとこに予期せぬ罠!  でもだからって頼むから下着履かせてなんて言える空気でもない。
仕方なく我慢することに決めて裏筋にむにゅっと軽く唇を当てた。


ほとんど無臭だけどほんのりと香るのは普段誉くんが使ってる嗅ぎなれたボディーソープの匂い。

数ヶ月に一回程度の行為は一方的だったり稀に好奇心に任せたエグいことも試されるけど、意外にも風呂入ったりのエチケットはちゃんとしてくれてんだよね。

考えながら浮き出た血管を伝うようにちょっぴり舐めながら唇を動かして、てっぺん。先っちょにちゅうっと吸い付いて舌を這わせると後頭部に大きな手が回って髪に指を通して撫でられた。

それに単純な俺は一気に気分が良くなっちゃって。息苦しくなんのは確定だけど、ぱくり。持ち前の大きな口と奥行きを活かして飲み込んでいけば最奥に先が触れた。


俺の口を持ってしても三分の一、二ぐらいしか飲み込めないから残りは手で何とかするしかないね。
とかプロっぽく思ってみても、舐めながら手も上手に動かすほどのテクは持ってないから今はこっちに集中しとこ。

口内で微妙に反応する熱の塊を柔くもぐもぐ食んで、舌でカリの段差をなぞったり、浮き出た血管を辿るように舐めたり吸ったり。

こんな感じで誠心誠意込めて色々と俺なりのご奉仕してんだけど、さっきから誉くんの息子くんは反応はあっても本人からの反応は今のところ何一つない。
俺の後頭部撫でてくれてた手もいつの間にやら止まってるし。


うーむむ…気持ちくないのかな。先走りも出てるし上手くはなくてもド下手ではないと思うんだけど……と鈴口に唇を置きながら上目で見て、驚いた。

常に緩く上がってる口角は一文字に結ばれて、細めた瞼の奥に明らかな情欲をちらつかせながら俺を見下ろしてたから。あとわずかに紅潮してる。
…おっととぉ……?

気を抜けばニマ~っと意地悪く上がりそうになる口の端をとどめ、俺はまた喉奥まで飲み込んだ。
そして意図してきゅうきゅう喉奥を締め付ければ後頭部に回っていた指先が微動する。

無意識に動いちゃったであろうその動きに俺はもう内心ニパニパ!  たまには俺が優位に立ってもバチは当たんないと思うんだよね!  何ならいつもは強制的に受け身の俺だって、高等テクニックで誉くんをアンアン言わせちゃうことだって………。


「ん゛、っ゛!!  …ッぇ…っ、…ぅ、゛ぐ…」

考えを見透かされたように突然後頭部に添えられてた手に力強く押さえつけられて、限界まで喉奥に入れていたはずの肉棒が更に奥深くにハマった。反射で締まる喉と突然のことに脳内ハテナだらけ。

「調子乗んな」
「ッ、…っ゛、ん……ぅ゛…ー!」

ば、ばれてた…!  低く呟かれた威圧的な言葉。驚きと恐怖できゅっと喉を締めれば激しさはなくても、片手で頭を押さえつけられてぐりぐり喉奥に遠慮なく鈴口を擦り付けられた。

息苦しさに涙が滲んで、絶え間なくえづく喉の動きでも気持ちいらしい誉くんは力を緩めることなく押し付け続けてくる。
がぽがぽだかごぽごぽかわかんないけど耳に慣れない音と一緒に喉奥を突かれんのはだいぶキツイ。…キツイ。
上顎が浮き出た血管のデコボコに擦られてんのも、ある意味さ。

そんで最終的に身勝手に口内を突いてきた誉くんは俺の頭を一際固定すると、喉奥にぴったりハメて熱い液体を飛び散らせた。俺じゃなかったら窒息しちゃうから女の子にしちゃだめだよ誉くん。
てか。

…んまずぅ……。顔を歪めて出されたもんを全部飲みきって顎を引くと、糸を薄く張りながら肉棒がゆったり出てった。


「ゴホッゴホッ、!!  げほっ、ッ!!」

出しきって、自分でもわかるほど顔をしかめて数回咳き込んでる中。
凶器をしまった誉くんは切り替えて軽やかに笑うと「気持ちよかったよ、ありがと。次は尋のこと気持ちよくしてあげんね!」と、口直しのためかまたチョコを俺の口に放り込んで口許を緩めた。

うん????

「え……?  …ぇ、や、…俺は大丈、」
「早くおいで。熟れたナカ褒めてあげるから」

俺の言葉なんぞ端から聞いてないとでも言うよう遮った彼は、満面の笑みでニッコリと笑った。


…それから拒否権なく早々にドギースタイルを余儀なくされた俺は頭はクッションに擦って、腰は上げての尊厳も何もない体制で冷たいローションを詰められたナカを普段より懇切丁寧に暴かれて。暴かれていて。現在進行形で。

副会長サマ、やっぱりあとで俺の頭トンカチでぶっ放して!!  な気持ち以外なんもない。虚無になろう。虚無。宇宙の神秘について考えよっかな。

「は、………っ、…ッ…」
「うんうん。どんだけ暴れたって気持ちいいの逃せないね、気持ちいね。いーっぱい前立腺褒めてあげよっか、よく頑張りましたって」

この……なんてーの。形容し難いんだけど、恥ずかしいし気持ちいいし恥ずかしいしで脳の奥が痺れてお腹が、臓器が浮いてる気分になって、うなじも背中もずっとザワザワしてるし視界もずっと安定してないんだよね。
しかもこの体制だと胸が少し浮いて先が軽く擦れる位置にあってさ。そう。

それなのにゴムをまとった二本指は媚薬をあますことなく塗りこまれた前立腺を容赦なく挟んで左右に揺らしながら押し込んだり、平にするように少しづつ指圧して潰してきたり。

わかりやすく膨らんだしこりを剥がすような仕草でこりこり、ってかごりごりスローペースで引っ掻かれたりもして、目を潰しそうなほど強く瞑っても抱き枕にすがりついてもまだ残る違和感と気持ちよさが紛れない。
だけど、きっと、もうすぐだめだ。だって、違和感が減っててって気持ちいいが何をしてたって倍増してんだもん。

小胆も何もそんな刺激を与えられて勝手に腰が揺れたって指の位置は少しだってズレないし、今は空いた左手で太ももと腰を大きく掴まれてもう揺らすことも出来ない。
それがかれこれ、多分、まだ全然時間なんか経ってないんだけど息がマトモに吸えてない。


「っ、ふ、…、……うう、う゛」

こんなんじゃほんとにいつも言われてる犬みたいで嫌だ。やだ、って、足の先を丸めてことさら肩と顔を伏せて唸っても、指は緩慢でねっとりした意地悪な動きでにぢにぢ執着的に徹底的に虐め抜いてくる。

傍から見ればしこりをいい子いい子するみたいに丁寧に捏ね回されてるんだけど、かえって逃げ場がどこにもないから暴れだしたくなくるほど苦痛。
もー~……えぐえぐ泣いてる俺が惨めったらしくてありゃしないし、なけなしの自尊心がまた削られてっちゃう。

それでも何とか浅い呼吸を繰り返しながら耐えて。…耐えてても、ふと油断したときに前触れもなく、ぐりゅって乱暴気味に潰され、イきそうになるとまた優しい触れ方に戻るDV行為がされるもんだからムカつく。
おかげで意図的に気持ちよさがつもってく甘イキをさせられてんだよね。ふつーにDV過ぎるよ。恋人じゃないけど!


そんな極悪非道もいいところな触り方を休むことなく続けられれば、いよいよとナカが薄らと痙攣してきて限界が近いことがわかった。
このことは誉くんにも伝わっているはずなのに、意思と反して締まるナカをかき分ける指の動きは止まらない。

内壁を少し乱暴めに割って、弄ってくる二本指に甘えるみたいにちゅうちゅうまとわりつくナカに脳が熱くなるけど、今は誉くんを、止めないと。


「ま…って、…少しだけ、おねがい、誉っ、くん……っ…ッ!」
「ほーら、指だけでイくとかチョロすぎだよ尋。甘えてないでもっと頑張って?」

そこで、優しく丁寧に指の腹だけで擦ってた誉くんは前立腺に指先を突き立ててきた。急な緩急に一瞬呼吸が止まって。咄嗟に腰を引かせればずる、と左膝が下にズレて腰が落ちた。

「っ、…、……゛、」
「だから大人しくしとけば良かったのに」

喉と下半身が驚きで震えながら顔をソファに押し付け、ぐうぅっと両手と足先に力を入れればシャツの内側が濡れる感覚。

自重で深くえぐる形になった指先はその状態のまま。数ヶ月ぶりに与えられた刺激と絶頂に不規則に激しく引き攣るナカが、誉くんの指に被さったゴムを引っ張るほど締め付ける。
締めれば締めるほど自分を追い込むことはわかってても動いちゃって。腰も早く上げないと辛さが膨らんでくのもわかってるのに、力が入んなくって。

ソファに押し付けてた顔だけをどうにか少し上げれば、は、と喉が息苦しげに空気を吐いた。
額から伏せたまつ毛に伝って汗がソファに落ちて。それでもやっぱし指は止まってくんないし、何ならまだ強制的にお腹を気持ちよくさせられてる。


「おれ、っイ゛…ッた、から、ちょっと……、っは…、まって、あ、むり、むり、やだ、癖っ、イき、癖ついちゃ…゛…ッ!!」
「はは、おもしろ」

止めようと力なく背後に伸ばした左腕を掴まれて、後ろで悪魔が笑いながらナカを。前立腺を休ませることなく潰して引っかいてとひっちゃかめっちゃかになぶってきて軽くパニック状態。
酸欠で脳みそが浮いてて、開きっぱなしの口からは俺の変な声が出てる。呼吸だってちゃんと出来てない、のに、こんな縋るみたいな声が勝手に出てきちゃって。お願いだから、誰でもいいからこの聞いてらんない声帯を切ってほしい。


「ふ…っ、……ふー…、…は、……あ゛…、…ッ、゛……っ」
「逃げようとしないで。そんなことしても乳首が擦れるだけで…あっ、尋ってば自褒してるんだ!  気持ちいことそんなに好きなんだねー」
「すきっ、じゃ……ッな、゛…っっ…!」

反発しようとすれば指先に圧をかけたまま揺すられ、最後まで言う前にお腹が細かく収縮して黙りこくった。
頭がかくっと下がったけど左腕を持ち上げられてるせいで不自然な位置で止まって、肌が栗立ってきゅ~っとした浅めの中イキ。

しかも、その最中にもしこりはこそがれてて話す余裕はないし、前か後ろかどっちで達してるのかも何が何だかもわかんない。ただ、まさにぐちゃぐちゃに遊ばれてるってのは理解してて。
………し、ぬ。

完全にイキ癖がついちゃってもーなにされてもイッてるのに的確に弱いところに触れたり、前立腺だけじゃなくてナカの側面を沿うように撫でたりで永遠と追い打ちをかけてくる長い指がうっとうしい。なんか腹立ってきた。
だってもう。これ、これ。ほんっとしぬ。って。気持ちいいとかそんなんじゃなくてもう別ベクトルの暴力に近いじゃん。
全然、優しくなんかなかった。優しいのが無理って思ってたけどやっぱむり。全部ムリ。気持ちいいの暴力で目の前飛んでる。


「んー…ちょっと、腰上げるね」

口を引き結んで。視界を弾かせて。せめて声とか締め付けぐらいは意識して抑えてると、指は入れたまま振り向かせるようにひっくり返されて両足を曲げて押し付けられた。
膝裏を片手の腕で固定するみたいな恥ずかしい格好で、両膝越しに必然的にゆるい笑いの誉くんと対面状態。
…だけど俺はどっちにも対して意識が向かなくて、それよりも燃えるような奥の熱がだんだんと気になって仕方ない。

当然いじってほしいなんて思ってはないんだけど、ズキズキしてて。じっとしてられないぐらい落ち着かなくて。どうにかしたくって。


だから裾でほぼ指が隠れてる両手を使ってお腹に置いてやり過ごそーとしたら、ナカでのエグい動きが振動として手のひらに伝わってきて大間違いだった。

余計に奥がじゅって熱くなったし「っん」て、キモすぎる女々しい声出たし指を締め付けたしで、やり過ごすどころか悪い方に向かっちゃって耳とか首とか顔どころか目の奥も一瞬でもっと熱くなった。
なんだって俺ってこんなに考えなしなんだろ、ちゃんと考えたらわかったことなのに。お腹に手を置くよりも他になんかあったでしょ。ばかだ、あほ。ばか。


「自業自得で顔真っ赤にして泣いちゃうとか…。ほんと尋ってば女の子より面白い反応してくれるね」

楽しそうな声の後にやっっと指が引き抜かれて、そこでようやく待ち望んでた解放に突っ張ってた力が少しだけほころんだ。

…まあ素直に喜ぶことなんか出来ないけどね。
抜かれたあとも勘違いしてゆるゆる動き続けるナカも、燃えるように熱くってきっと赤くなってそうな奥も痺れてて辛い。散々弄られまくった前立腺も最後まで放置された奥もくるしい。おかげで呼吸もままなら、な。


「ぇ、ぅっ…… ッ?、あ゛っ、ぇ??  、っ…?、?」

膝裏を押さえてた手は俺の太ももを掴んで開かせて。散々塗りこまれて遊ばれて柔らかくなった敏感な粘膜に、突然難なく押し入ってきた人肌。
ピンポイントで前立腺をにぢゅっとへこむぐらい押し潰された拍子にわけもわからず中でイッて、困惑をいっぱいに視線を下ろすと、突き立てられた三本の。

「もう終わったって油断したでしょ?  だからこーんな簡単にイッちゃうんだよ。それともゴム無しのほうが好き?」
「ぅ…そ、む、むりッ、い、一回とまっ……は、…はっ、おね、が…ぁっ……ッく、…イ、ゆ゛ッっ…ーー~ー……゛」
「気持ちいいのは分かったから暴れようとしないで。前立腺押し潰して揺らしてあげるから」
「ッッっ…、そ、ぇ゛ッ、……!  それ強ぃ゛か、あ…っ!!」
「黙ってイッとけって」

ぐうぅぅぅ…と指紋が付いちゃいそうなぐらいすり潰されて、立て続けにぐちょぐちょにこねくり回されれば足が不自然にガクガク揺れておしっことも精液とも違う潮が溢れ出た。

シャツはビシャ濡れで透けてるし誉くんの手も、ソファも濡れちゃったし。ナカは余韻で角張った指の爪と肉の段差さえ感じれそうなほど締めて。
それらがどれだけ感じてんのかって可視化されてるみたいで。
ただただひたすらに恥ずかしくって、誉くんの胸を押し返してた手と自分のシャツを掴んでた手を離して腕で顔を覆った。


したら都合がいいとでも言うようにでんぐり返しの途中みたいにされて、誉くんがさらに引っ付いてくると次は尾骨側に指の腹を沿わせながら三本指が奥に入ってきた。

そこは、ずっとふやけるぐらい熱くて疼いてた奥付近。
期待するみたいにひくん、きゅうって震えてるけど、違う。ちがくて、全然その反対で絶対に触れないでほしい。
心臓の音が大きすぎて視界まで揺れててさ。触れられたら、きっとダメになるから。もう既にダメになってんだけどこれ以上は頭おかしくなる。

そんな俺の思いは言うまでもなく伝わることはなくて、ベルトの金属部分が何度か顔を覆った手やら腕に当たりながら。
奥の方に指先が戯れ程度にカスった。


「ッ゛ひ…っッ…、……?、!」
「奥側あっつ……ねえ、指あったかくて気持ちいいよ。自分で触ってみる?」
「っし、ない…ッ!  や゛めて…っ、やめっ、へッ…゛…ぅッ゛…!!」
「やめないよ。え、それより尋ってもしかしてまだ一人でオナれないの?」

まじで?  わざとらしく驚いた腑抜けた声のまま奥手前の内壁をぢゅこぢゅこ抜かれて、止めようときゅんきゅん吸いつくナカのせいで余計に指の存在を知らしめられて喉がきゅうっと鳴った。
丸い指先で引っかくようにされた時には足が不安定に宙をガクついて、足先がちょっとだけ朽葉色の髪を掠ったりもして。
散り散りになってた思考でも確かに感じた恐怖にさらに指に吸いちゃって、それですら達しかけたのは秘密にしたい。
…笑ってたから、たぶん、きっとバレちゃってるけど。


「はは、ベチャベチャだねー」

手前を。あと一歩で痒いところに手が届く手前を絶妙な位置でキープされたまま丁寧に暴かれ、顔もお腹もあますことなく全部汚くなったぐらいで上げられてた俺の腰がやっと下ろされた。

だけど小休止さえもないまま、中途半端に突っかかってた下着とズボンを落として今度はお腹側を指の腹ですりすり。なぶられてぷっくりしたそこを慰めるみたいに、謝るように触れられて。
その後にわかりやすい膨らみのその少し上をくん、と曲げた指先で引っかけられると、声を我慢した喉奥が不自然に詰まって暴れだしそうになった。

だけどされるがままに背もたれにかけられた左足を戻す隙もないし、足の先まで突っ張って腰を逸らしてる中でお腹だけに力が入ってる。情報処理が全然できない。もうどこが変なのかあやふや。
クッション下に落としたし、また誉くんの手を濡らした。けど、そんなのはどうだっていいみたいで。


「うん、この体制の方が尋の顔がよく見える!」
「見な゛ぃ、……イ゛、ぅっ…ん、ぐ……っッ゛…~ーー…!!  いい加減っ…め、でッ!  やめ、…ッも、やめろ、っで、ぁッ゛…!」
「柔くてふわとろなのに痙攣すっご。さっきからずっとイキまくってんのしんどいね?  もっとイッていいよ」

だっ、から、しんどいんだってば…!!!
腕の下に隠された俺の顔を覗きつつ、三本の指がバラバラに前立腺を押し揉んで。お腹を逸らして無我夢中に顔を腕で覆えば、太ももに置かれてた左手がシャツの上を滑るように触れてきた。
そんで、そのまんま胸の方まで上ってきて。

そこにある気持ちよさを知ってるから。散々さっきまで弄られていたから。心臓が早鐘になって、こわくて、もう耐えられなくて視界がぐにゃっとした。


「ぅ゛、ッ………う゛……っ、え、…ぐすっ、…ほま、れく…っ……」
「なあに尋、どうかした?」

がんばって誠意を示そうと、絶頂の反動で言うことを上手く聞かない腕を顔から退けた。
左手で割れ目の中をかりかりしながら右手で第二関節ぐらいまでナカに入れてかき乱してる誉くんを、誉くんの目をなんとか見て、俺は声を大きくし過ぎないように。荒い息を必死になだめながら鼻をすすった。

「ごぇ、なっ…、…ふ、…ー…、ご、っんなしゃっ゛…全部っ、ごえ、ッ……! 
…っ、ツ゛、!!」
「全部ってなにがー?  何に対して尋は謝ってるの。ちゃんと言葉にして言って」
「無、視し…゛て…、っき、…!  …きら、いっ、で、……ぴあ、すゅ゛っ、…ごめ、え゛ぅッ…っ…」
「えー…でもまだ奥の方触ってあげれてないんだよね。もう終わりでいいの?  もう終わりがいい?」

笑えるぐらいおかしな声をもう出したくなくて、何度も首を縦に振れば「そっかあ」納得した声が耳を撫でた。
それに倣うように指の動きが止まって、シャツの上から退いた左手が俺の右前髪をさらりとよけた。

「右腕の包帯痛そうだね。傷痕、増えちゃうかな?」

晒された額に残った傷痕の下を一撫でしてから俺の涙を適当に拭き取って「どうでもいいけど」なんて笑って。
止まってからも引き攣ってた内壁に三本指のつけ根が縁につくほどぴったり収めてきた。


「…へ…ぁ゛ッ、………っゅッ゛、……ぃ、イ゛っ、?  、!!」
「止まんない手マン気持ちいね~、よしよし。女の子とは違ったぷにゅぷにゅな感触で俺も楽しいよ」

ガクン、と大きく腰が跳ねたかと思えば目の前が点滅して。
衝撃で呼吸が止まってるのに無遠慮な指は奥の方をこねるように揉み込んできて、反射で腰が上に逃げればお腹に手のひらを置かれ、ぐっ、と動けないように圧をかけられた。
も、ほんとのほんとにそれはダメで。お腹からぞ、ぞぞって這いずるみたいになんかきちゃって。

しかもそこで指先を鉤みたいに折り曲げて奥をこちゅこちゅ、優しく甘やかされちゃって、お腹もなでなでされて…へんな、変なイキ方をした。
頭ふわふわってしてぎゅ~って、くるくる回ってるみたいな。


「は、っぁ゛………ふ、…ん、は、…っはー…゛っ、…は、……へ、っぅ…゛ッ、」

急に脳いっぱいに多幸感がじんわり染みるように広がって、口ん中もなんか甘くなって自然と口元がゆるんで勝手に笑いが出た。

お腹の中のうずいて痒いところくちゅくちゅされんの気持ちい。やさしくしてくれる手が、あったかくて嬉しい。
額か目元か顔の横かも曖昧な位置に放ってた手をもったり動かして、お腹の上にある手に添えた。

気分はとろとろしてて、なんか視界もとろとろしてる。なんだっけ、たしか、ちょっと酔っちゃった時と似てる気いする。お酒のお菓子食べちゃった時みたいな。俺の目玉、とけちゃったかな。


「………大勢が尋のこんな姿を知らないって思うと笑えてくるなあ」

夢心地にぽやぽやしてたら涙で滲んだ視界の、ちょっと奥の方にあった誉くんの顔が少し前のめりになって「てか飛んじゃった?」って話しかけてきた。

でも今は気持ちいこととか汗で張り付いた髪がなんか不快かなってことしかわかんなくって。
よくわからないまま笑ったら、奥側の側面をぞりゅぞりゅ擦られていくつものしゃぼん玉が弾けたみたいになった。

「ぎゅ、゛っ……ん…、くっ……ほあぇ、く、ふっ……、ん゛…へッ、…」
「ほーんと少し優しくされて甘やかされちゃえばすぐ堕ちちゃうよね、尋。そんなんだから付け込まれちゃうって言うのに」

馬鹿だなあ、って、水の中で聞こえるみたいな笑い声が聞こえて。応えるようにまた笑った。俺は、どうしたって馬鹿だから。



「…───いっで!!」

ハ、と自然と目が覚める前に頬に走った鋭い痛みに俺は飛び起きた。
な、なに??  寝起き一番にほっぺ痛……寝起き?

「おはよ、起きた?」
「ほ…まれ、くん!?  お、おおはよ!!  …って俺ズボンも下着も履いてないじゃん!  しかもさむっ」

驚きで頬に片手を当てて軽く放心してた俺の目の前には一糸の乱れもない誉くんと、はたいた位置で宙に止まった汚れ一つない手。
その指先がちょっとふやけてるのを見て、そういえばいじくり倒されたことを即思い出した。

さてその思い出したことを踏まえて。いや、ただのクズ男に沼っちゃった系セフレ目線のおはよ、起きた?  は要らないし第一声にそうじゃねーでしょ。
春だとしてもこんな格好して一応生徒会書記を務めてる俺が風邪引いたらどうすんのさ!
ま、言って特別困ることもないし風邪なんかここ数年引いてないけどね。風の子!

……自分でノリツッコミしといて現実にしょんぼりしかけると、謎に普段よりご機嫌そうな笑顔に俺はいやな気配を感じ取った。


「ピアス似合ってるよ。これで識と同じ位置に開いたね!」
「え、識くんと?  ………!!!!??」

二の次に告げられた言葉に識くんは両耳に一つずつ空いてたはずで、俺は片方だけ…と考えて察しのいい以下略な俺はバッと右耳に手を当てて絶句した。

触れたのはふにふにな耳たぶ。だけじゃなくて硬い鉄の感触。イコールちょっと意識飛ばしてたらセカンドピアス誉くんに奪われてた件。

片方だけは不格好だから少ししたら右も開けようとは考えてたけどね!!  だからって…って、ぁ……い、意識したら右耳が少し熱持って痛くなってきたしお腹も何も無いのにざわざわしてるの気付いちゃった。
…ぇ、えー……最悪だなこれ。最悪だ。

冷静にピアス開けられたことよりもお腹事情に絶望を感じれば「とろとろにさせて前後不覚になったら訊きたいことあったのに…尋ってば先に気をやっちゃってさ」ところりと不満げになった誉くんは唇を尖らせた。
その思考が真っ先に変だってコイツ気づいてないの?


「ま、いいや。直接訊くけど今日なにかあった?  ずいぶん顔色悪かったけど。傷、痛む?」

傷。包帯の巻かれた右腕じゃなくて、右側の前髪をはけた指先がそこに永遠に居座る傷痕を掠めるように撫でた。
それがどうにも。それが、くすぐったくて、むず痒くて、生傷に爪を立てて抉られてるみたいに痛かった。
一瞬にして鋭い熱さがぶり返して死んじゃいそう。死ねないし死にたくないし絶対死にやしないんだけどさ。


「いや、別に、なんもない」
「ほんとう?  嘘はついてない?」
「うん、なんにもないよ」
「…へえ。そっか、わかったよ」

耳たぶよりも額の痛みとお腹の火照り。誉くんの顔が見れなくって何となく明かりのついた部屋を見渡して時計を見れば、体感よりも時計の針がいくつか進んでた。

ええーと、結局昼下がり過ぎぐらいに来たはずだから思ってたより長い間ここでほにゃららってたらしい。なんて不純……!


それもこれも誉くんの中学生並のえっち脳と唐突さが変わってないからだよ。
切実にもうそろそろ俺で試したり遊んだりすんの止めにしてほしいね。いい加減飽きてほしいよ本気で。

…それにしたってこのパターンあれな気がする。明日はお腹に触れられたらダメなやつな気がするのは気のせいかな。
紛らわそうとしてたけどずっと触れられてる感覚してるし、全身が熱っぽく敏感肌になっちゃってんのわかって軽率に鬱。


「それじゃ、服はベチョベチョで着て帰れないだろうから俺のタンスから適当に取って。風呂入ったら識が帰ってくる前にソファの片付けよろしくね!」
「慈悲の欠片もない…!」

二パ、と柴犬みたいに茶目っ気に笑った誉くんに思わぐっと声を上げた。君ってばほんとに最高だよ誉くん。
是ーーー非とも機会があれば同じ経験させてやりたいもんだね。この大変さを身に染みさせたい。

後片付けなんてお手の物だし、奇跡的に汚れなかったズボンと下着はいいとして。だいぶ汚れたシャツもパーカーも明日の分くらいの替えはあるからまあいいとして、お腹。お腹のこのじくじくだけはよくない。

大変なんだよこーなっちゃった時の翌日がさァ!!!!!


そんな俺の思慮どーりに翌日は昼頃から落ち着いてはきたけど…ごにょごにょ。
なんなら自分の部屋に戻る前からだし、もっと言うとお風呂に入ってナカのローションやらを無心で片してる時からうずうずじくじく、していてね。
脳みそ多分数回は爆発したと思う。怒りです。

…………てなわけでうん。
人のことは無視したり軽率に嫌いとか言っちゃいけないってことだね!  はい新たなる教訓。

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