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Bizarre Youth
18話
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クロードは両腕をそれぞれ左右に伸ばして窓枠に手を掴むと地を蹴って後ろに下がり、助走をつけて腕を元に戻しながらドロップキックを放つ。判断が遅れたマギウスはそれに直撃し踏ん張りが効かなかったのか一気に建物内から外に出ていく。ドロップキックを行ったクロードも飛び出る。
しかしマギウスはクロードの脚を掴み地面に向けて投げる。一瞬にしてアスファルトの道路が一部陥没し、粉塵が巻き起こる。そして落下しながら腕を固く、鋭利な刃物のような状態に変えて叩き付けた。だがその手に伝わった感触は人間のものではなく、クッキーのような脆さであった。
それもそのハズ、マギウスが当てたのはクロードが叩き付けられた地点のアスファルト。そこに居るはずのクロードはそこに居なかった。
「What?!」
そんなマギウスの真正面から、粉塵によって遮られて見えづらいが何かが目にも止まらぬ速さで迫っていた。それに気付いたのも束の間、顔面に何か硬いものが衝突しマギウスの身体を一回転させて地面に臥せさせた。
クロードはマギウスが叩き付けた瞬間、軟化して衝撃をアスファルトに全て殺させていた。粉塵の中アスファルトの一部を持ってその場から離れて回避し、向かい側の電柱に左腕を伸ばして掴まり、腕を戻していく勢いでそれを叩きつけたのだ。
「I'll give it back!」
電柱に未だしがみつき臥したマギウスは起き上がって怒り心頭の様子でクロードを睨みつけるが、当のクロードはマギウスが起き上がった途端に、両腕を伸ばしてスリングショットの要領で移動し、マギウスから離れていった。
「Where are you going to go?! I will never miss you!」
ドンッと音を立て、アスファルトの地面をまたも陥没させながらクロードを追いかけた。クロードは変幻自在に屋根や電柱などに掴まり腕を戻す際の勢いで移動し、マギウスはその身体能力と全身の硬さに物を言わせて障害物となるものを蹴散らしながら追いかけている。
クロードは追いかけるマギウスをチラリと見た後、すぐに視線を戻して進行方向を変えながら逃げていく。だがこれは単に逃げ続けているのではない。考えあっての逃げである。その理由として、先程チラリと後ろを確認したさいに遠くに見慣れたジープが走っていたからだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
マギウスからマキナを取り戻す前、クロードとディムがまだ廃洋館の中で作戦を練っていた時であった。ディムと大方の作戦を確認しているところで、そのディムがあることを頼んだ。
「Claude, it may be MAKINA or EX. Guide him up to a certain place if you make it parasitic.」
「Where?」
「Guide me to the laboratory that created MAKINA and EX. There is an independent power generation system, and if you restore the power there is a win.」
「Okay. But how do you get it back before that?」
「Use a taser gun. I also want a synergetic effect, so I will prepare a large amount of water.」
「Isn't it enough for a taser gun?」
「It is just in case. Even if he avoids the water, it will be a foundation to get him off guard.」
「I see. ……How much water do you actually need?」
「It requires Thirty-six liters in total.」
「……It's decided all night.」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
(Do not be uneasy, believe in myself. Now he is not aware that I am being induced. If Dim has already departed, I should earn time later in the laboratory!)
『It's the place where I and my brother were born. However, the power station there has lost some functions and it is hard to start.』
「Why do you know that?」
『Though it was temporary, it was parasitic on Magius, and the information at that time has been confirmed in various ways.』
「So where is the good place to succeed in the operation?」
『If you do not order Magius to the power plant, chances of success are low.』
「It is an ugly accident. Dim said that too.」
マギウスが追いかけ、クロードが逃げる。そんなイタチごっこが続く中クロードの目に林の群生地らしき場所が目に見えた。
「Over ther──woops?!」
『The guy is already catching up with us! Somehow away from Magius!』
マギウスが追い付きつつあり、クロードに対して鋭利な状態となった腕を振るうも、ギリギリのところで当たらずには済んだ。だがこれ以上時間をかけていけば真っ先にやられる。
すぐにマキナの助言のもと辺りを見回して何かないか探し始める。するとクロードの左前方に、僅か20mの場所にビルに取り付けられた貯水タンクがあった。素早くそちらへと進行方向を変えて貯水タンクに迫る。
マギウスはビル屋上に到着し、貯水タンクに迫りつつあるクロードに腕を振るった。しかしまたもクロードに避けられ、貯水タンクの鉄骨を切断することになった。
その分離された貯水タンクをクロードは片手で空中へと飛ばし、ビルの一部に掴まり腕を伸ばしながら貯水タンクよりも上へと移動する。空いているもう片方の手をタンクに添えて、伸ばしていた腕を元に戻していく。
勢いのついたそのタンクは質量も相まって殺傷するには十分な威力が生まれている。マギウスは全身を硬化させてその一撃に耐えるも水浸しになり、一時的に視界が塞がれた。
その一瞬でクロードはマギウスから離れていくものの、当のマギウスは絶対に逃がさないと執念で追いかけている。だがこれでいい。ある一定の距離を保ちつつ、あの研究所まで連れていけば良いのだから。
そうしてクロードはその研究所があると聴いた林の中へと突き進んでいく。木々が生い茂るために掴まる場所が多い。腕を伸ばしてブランコでスイングする時のように勢いをつけ、上空へと避難していく。
そうしてクロードは林の中にある建造物に目がいく。あれが研究所だと確信し急いで敷地内へと入っていく。地面を転がり勢いを殺し、素早く臨戦態勢を整え辺りを見渡す。姿は見えなかったが、近づいてくるその異常なまでに速い足音は聞こえていた。
「All you have to do is stop until Dim comes! Stay with me until the end, MAKINA!」
『Of course I'm going!』
その足音が近付いてくる、あともう少しすればマギウスはクロードに追いつくだろう。だがこの場所でマギウスを足止めすれば、ディムが来て発電システムを起動すれば、勝機はある。
クロードはその足音の方へと走り出し、木々に両腕を伸ばして上空へと飛び立つ。そしてお互いが視界に入ったところで、クロードは別の木々に両腕を伸ばしてスリングショットのように自分を射出する。
「OAAAA!」
「!」
その両足でのキックをマギウスは両腕でガードさせて防ぐ。地面がガリガリと音を立てて削れながら後ろに下がるが、踏ん張りを効かせて止まったあとクロードの片足を掴み研究所方面へと投げた。
クロードの体は入口にあるフェンスを巻き込んでいきながら吹き飛んでいくものの、その勢いが止まると少し苦しげな様子で立ち上がる。が、マギウスはそんなクロードに追い打ちをかけるように腹部を殴り、所内へと飛ばしていく。
先程もそうだが、上手く軟化が使えずモロにくらったせいで苦しんでいる。1番奥のショーケースの並ぶ部屋に入ったクロードは、何とか自身で立とうとした。
その前にマギウスがその部屋へと入ると、懐かしげな様子を見せて辺りを見回す。
「It’s very nostalgic here. I guess I was invited to you.」
マギウスはクロードへと近付き、クロードの頭を掴み目線を合わせる。その笑みはとても不気味なものであった。
「Checkmate. Your plan is also until now!」
マギウスがクロードに鋭利な状態の腕を振るおうとしたその瞬間、この研究所の灯りが着きはじめ室内が明るくなっていくではないか。
「What is this?!」
そう言った途端、背中に何かが刺さったかと思いきや体の自由が効かなくなり膝を付いた。何かと思い後ろを見ると、そこにはショットガンタイプのテーザーガンを構えているディムの姿が居た。
「Your lose, Magius・Edia!」
クロードがマギウスの体にしがみつくと、その体を持ち上げて壁を突き抜けながら何処かへと運ばれていく。しかしマギウスはこの壁の先の場所を知っていた。
やめろと言おうとした、だが口までも上手く動かない。体が、自分の中にいる人工寄生生命体が言うことをきかない。そうして抵抗も出来ないまま、6枚目の壁を破壊した先の場所でクロードはマギウスの腕を掴みながら投げた。
その先にあるのは、稼働しているこの施設の発電所。マギウスの体がその発電所に突っ込むと、暴走した電気エネルギーが近くにいたマギウスへと流れ込んでいく。
「GAAAAAAAAAAAA!」
「AAAAAA!」
『Claude!』
クロードもその電気エネルギーを受けている。そのため2人の体からそれぞれ人工寄生生命体が逃げ出そうとしていたが、マキナはその本能に抗おうとしていた。もう絶対に離れはしないと決意を抱いて、本能に抗っていた。
そうしてマギウスの体から液体のようなものが出始めると、すぐにクロードは腕を元に戻しマギウスを連れて発電所から離れる。新たに壁を壊し一定まで離れると、マギウスの体から溢れたその液体は行き先を変えるようにクロードへと侵入していく。
残ったマギウスは痛々しいほどに痩せ細っていて、見るに堪えない姿をしていた。
「It's over…… it's all.」
しかしマギウスはクロードの脚を掴み地面に向けて投げる。一瞬にしてアスファルトの道路が一部陥没し、粉塵が巻き起こる。そして落下しながら腕を固く、鋭利な刃物のような状態に変えて叩き付けた。だがその手に伝わった感触は人間のものではなく、クッキーのような脆さであった。
それもそのハズ、マギウスが当てたのはクロードが叩き付けられた地点のアスファルト。そこに居るはずのクロードはそこに居なかった。
「What?!」
そんなマギウスの真正面から、粉塵によって遮られて見えづらいが何かが目にも止まらぬ速さで迫っていた。それに気付いたのも束の間、顔面に何か硬いものが衝突しマギウスの身体を一回転させて地面に臥せさせた。
クロードはマギウスが叩き付けた瞬間、軟化して衝撃をアスファルトに全て殺させていた。粉塵の中アスファルトの一部を持ってその場から離れて回避し、向かい側の電柱に左腕を伸ばして掴まり、腕を戻していく勢いでそれを叩きつけたのだ。
「I'll give it back!」
電柱に未だしがみつき臥したマギウスは起き上がって怒り心頭の様子でクロードを睨みつけるが、当のクロードはマギウスが起き上がった途端に、両腕を伸ばしてスリングショットの要領で移動し、マギウスから離れていった。
「Where are you going to go?! I will never miss you!」
ドンッと音を立て、アスファルトの地面をまたも陥没させながらクロードを追いかけた。クロードは変幻自在に屋根や電柱などに掴まり腕を戻す際の勢いで移動し、マギウスはその身体能力と全身の硬さに物を言わせて障害物となるものを蹴散らしながら追いかけている。
クロードは追いかけるマギウスをチラリと見た後、すぐに視線を戻して進行方向を変えながら逃げていく。だがこれは単に逃げ続けているのではない。考えあっての逃げである。その理由として、先程チラリと後ろを確認したさいに遠くに見慣れたジープが走っていたからだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
マギウスからマキナを取り戻す前、クロードとディムがまだ廃洋館の中で作戦を練っていた時であった。ディムと大方の作戦を確認しているところで、そのディムがあることを頼んだ。
「Claude, it may be MAKINA or EX. Guide him up to a certain place if you make it parasitic.」
「Where?」
「Guide me to the laboratory that created MAKINA and EX. There is an independent power generation system, and if you restore the power there is a win.」
「Okay. But how do you get it back before that?」
「Use a taser gun. I also want a synergetic effect, so I will prepare a large amount of water.」
「Isn't it enough for a taser gun?」
「It is just in case. Even if he avoids the water, it will be a foundation to get him off guard.」
「I see. ……How much water do you actually need?」
「It requires Thirty-six liters in total.」
「……It's decided all night.」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
(Do not be uneasy, believe in myself. Now he is not aware that I am being induced. If Dim has already departed, I should earn time later in the laboratory!)
『It's the place where I and my brother were born. However, the power station there has lost some functions and it is hard to start.』
「Why do you know that?」
『Though it was temporary, it was parasitic on Magius, and the information at that time has been confirmed in various ways.』
「So where is the good place to succeed in the operation?」
『If you do not order Magius to the power plant, chances of success are low.』
「It is an ugly accident. Dim said that too.」
マギウスが追いかけ、クロードが逃げる。そんなイタチごっこが続く中クロードの目に林の群生地らしき場所が目に見えた。
「Over ther──woops?!」
『The guy is already catching up with us! Somehow away from Magius!』
マギウスが追い付きつつあり、クロードに対して鋭利な状態となった腕を振るうも、ギリギリのところで当たらずには済んだ。だがこれ以上時間をかけていけば真っ先にやられる。
すぐにマキナの助言のもと辺りを見回して何かないか探し始める。するとクロードの左前方に、僅か20mの場所にビルに取り付けられた貯水タンクがあった。素早くそちらへと進行方向を変えて貯水タンクに迫る。
マギウスはビル屋上に到着し、貯水タンクに迫りつつあるクロードに腕を振るった。しかしまたもクロードに避けられ、貯水タンクの鉄骨を切断することになった。
その分離された貯水タンクをクロードは片手で空中へと飛ばし、ビルの一部に掴まり腕を伸ばしながら貯水タンクよりも上へと移動する。空いているもう片方の手をタンクに添えて、伸ばしていた腕を元に戻していく。
勢いのついたそのタンクは質量も相まって殺傷するには十分な威力が生まれている。マギウスは全身を硬化させてその一撃に耐えるも水浸しになり、一時的に視界が塞がれた。
その一瞬でクロードはマギウスから離れていくものの、当のマギウスは絶対に逃がさないと執念で追いかけている。だがこれでいい。ある一定の距離を保ちつつ、あの研究所まで連れていけば良いのだから。
そうしてクロードはその研究所があると聴いた林の中へと突き進んでいく。木々が生い茂るために掴まる場所が多い。腕を伸ばしてブランコでスイングする時のように勢いをつけ、上空へと避難していく。
そうしてクロードは林の中にある建造物に目がいく。あれが研究所だと確信し急いで敷地内へと入っていく。地面を転がり勢いを殺し、素早く臨戦態勢を整え辺りを見渡す。姿は見えなかったが、近づいてくるその異常なまでに速い足音は聞こえていた。
「All you have to do is stop until Dim comes! Stay with me until the end, MAKINA!」
『Of course I'm going!』
その足音が近付いてくる、あともう少しすればマギウスはクロードに追いつくだろう。だがこの場所でマギウスを足止めすれば、ディムが来て発電システムを起動すれば、勝機はある。
クロードはその足音の方へと走り出し、木々に両腕を伸ばして上空へと飛び立つ。そしてお互いが視界に入ったところで、クロードは別の木々に両腕を伸ばしてスリングショットのように自分を射出する。
「OAAAA!」
「!」
その両足でのキックをマギウスは両腕でガードさせて防ぐ。地面がガリガリと音を立てて削れながら後ろに下がるが、踏ん張りを効かせて止まったあとクロードの片足を掴み研究所方面へと投げた。
クロードの体は入口にあるフェンスを巻き込んでいきながら吹き飛んでいくものの、その勢いが止まると少し苦しげな様子で立ち上がる。が、マギウスはそんなクロードに追い打ちをかけるように腹部を殴り、所内へと飛ばしていく。
先程もそうだが、上手く軟化が使えずモロにくらったせいで苦しんでいる。1番奥のショーケースの並ぶ部屋に入ったクロードは、何とか自身で立とうとした。
その前にマギウスがその部屋へと入ると、懐かしげな様子を見せて辺りを見回す。
「It’s very nostalgic here. I guess I was invited to you.」
マギウスはクロードへと近付き、クロードの頭を掴み目線を合わせる。その笑みはとても不気味なものであった。
「Checkmate. Your plan is also until now!」
マギウスがクロードに鋭利な状態の腕を振るおうとしたその瞬間、この研究所の灯りが着きはじめ室内が明るくなっていくではないか。
「What is this?!」
そう言った途端、背中に何かが刺さったかと思いきや体の自由が効かなくなり膝を付いた。何かと思い後ろを見ると、そこにはショットガンタイプのテーザーガンを構えているディムの姿が居た。
「Your lose, Magius・Edia!」
クロードがマギウスの体にしがみつくと、その体を持ち上げて壁を突き抜けながら何処かへと運ばれていく。しかしマギウスはこの壁の先の場所を知っていた。
やめろと言おうとした、だが口までも上手く動かない。体が、自分の中にいる人工寄生生命体が言うことをきかない。そうして抵抗も出来ないまま、6枚目の壁を破壊した先の場所でクロードはマギウスの腕を掴みながら投げた。
その先にあるのは、稼働しているこの施設の発電所。マギウスの体がその発電所に突っ込むと、暴走した電気エネルギーが近くにいたマギウスへと流れ込んでいく。
「GAAAAAAAAAAAA!」
「AAAAAA!」
『Claude!』
クロードもその電気エネルギーを受けている。そのため2人の体からそれぞれ人工寄生生命体が逃げ出そうとしていたが、マキナはその本能に抗おうとしていた。もう絶対に離れはしないと決意を抱いて、本能に抗っていた。
そうしてマギウスの体から液体のようなものが出始めると、すぐにクロードは腕を元に戻しマギウスを連れて発電所から離れる。新たに壁を壊し一定まで離れると、マギウスの体から溢れたその液体は行き先を変えるようにクロードへと侵入していく。
残ったマギウスは痛々しいほどに痩せ細っていて、見るに堪えない姿をしていた。
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