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46)ネスティング
「梓、大丈夫だよ。これで俺たち番になれるんだ」
清武の声は低く、囁くようだった。甘い香りに包まれた暗闇の中で、清武の体は焦がれるように熱くなっていた。
待ちに待った、梓の発情期。彼は、この瞬間を心待ちにしていた。
「きよ……きよむ……ダメ……」
震える声が梓から漏れる。
その中に恐怖と欲望が入り混じり、清武の理性を試す。
梓の声は、清武をますます焦らせ、欲をかき立てた。
「待って……清武……まだ待って」
梓は本能的に恐れを感じていた。触れられることへの恐怖、そしてどこかで願っていることが混在する。
今、触れてほしいのはただ一人。
梓の中でその思いが強くなる。
梓は、猫のように荒い息を吐き、警戒する。
「大丈夫、梓。怖くないよ」
清武はその恐れを少しでも和らげようと、ゆっくりと、しかし確実に近づいていく。
あと数センチ。
その距離が、二人の心を一層引き寄せる。
「清武くん。やめなさい」
その声が響くと、清武は急に立ち止まった。
背後から岼屋が、静かにその手を止めた。
「なんですか、岼屋さん。今、邪魔しないでくださいよ」
清武は怒りを感じながらも、岼屋の冷静さに対抗しきれず、強く言い返す。
「あいにく、ここは私たちが借りている部屋よ」
岼屋は一歩も引かず、冷徹に答える。
「じゃあ、今すぐ空き部屋を頼みます」
清武は、岼屋の言葉に全く耳を貸さず、部屋を変えてでも梓と番になることに固執していた。
「待ちなさい。ちゃんと見なさい」
岼屋の命令が清武を止める。
「これを見て、あなたの番になってくれるのかしら?」
岼屋が指さした先、梓がベッドに寝転がり、周りに散らばった衣服を集めているのが見える。
それは、番になりたい相手の香りを集める、オメガの本能的なネスティング行為だった。
梓は和司の衣服を集め、彼の香りに包まれながら、自分の巣を作っていた。
「……だから何ですか?」
清武はその意味が分からない。全身に感じる梓の甘い香り、それが理性を揺さぶり、冷静でいられなくなっていた。
「あなただって、気づいてるんでしょ」
岼屋の言葉は鋭い。清武はその言葉を理解しているが、認めたくなかった。
「うるさいな!だったら、なんだっていうんだ!」
清武は、怒りをぶつけるしかなかった。
梓の香りで心が乱れ、冷静に話すことすらできなくなっている。
「あんたなんかに何がわかるんだ!」
その言葉に岼屋は何も言い返さず、ただ冷ややかに清武を見守る。
「カズ、大丈夫?」
その時、和司がゆっくりと部屋に足を踏み入れた。
目に涙を浮かべ、額には汗が滲んでいる。その姿に、誰もが一瞬息を呑んだ。
「正直、無理かもしれないな」
和司は苦しそうに言う。
その声は、明らかに理性が限界に達していることを示していた。
岼屋はその様子を見て、決断を下す。
和司を梓の元に送ること。それが最も自然な選択だと。
「梓……」
和司は、切なさを滲ませた声で梓を呼んだ。
名前を、村上ではなく、下の名で呼んだその一言が、二人を繋ぐ運命の糸を引き寄せた。
その瞬間、和司は完全にその場の支配者となり、梓を自分のものにすることを決意する。
「岼屋……すまない」
和司は静かに謝るが、その瞳にはもう後戻りできない決意があった。
「いいのよ、それで」
岼屋はただ優しく微笑み、二人の決断を受け入れた。
「何、二人で決めてんだよ!何考えてんだ!」
清武は絶叫し、激しく暴れ出しそうになる。しかし、その声は岼屋の冷徹さに封じ込められる。
「清武くん。こっちに来なさい」
岼屋の冷静な声に、清武は動けなくなった。
その制止を受け入れ、強制的に部屋から引き離されていく。
「すまない、岼屋……。俺は、自分の気持ちには逆らえないみたいだ」
和司の言葉は、もう迷いを含まない。自分の心に従い、梓との運命に従う決意を語った。
「あとは頼む」
和司はその一言を残し、梓の元へと歩み寄る。
「やめろ!離せ!梓!梓っ!」
清武の叫びが響き渡るが、岼屋の冷徹な判断がそれを抑え込み、清武は力強く押し出されていった。
清武の怒声が廊下に響くが、和司にはそれが聞こえないかのように、ただ梓に歩み寄る。
その先には、二人だけの運命が待っていた。
清武の声は低く、囁くようだった。甘い香りに包まれた暗闇の中で、清武の体は焦がれるように熱くなっていた。
待ちに待った、梓の発情期。彼は、この瞬間を心待ちにしていた。
「きよ……きよむ……ダメ……」
震える声が梓から漏れる。
その中に恐怖と欲望が入り混じり、清武の理性を試す。
梓の声は、清武をますます焦らせ、欲をかき立てた。
「待って……清武……まだ待って」
梓は本能的に恐れを感じていた。触れられることへの恐怖、そしてどこかで願っていることが混在する。
今、触れてほしいのはただ一人。
梓の中でその思いが強くなる。
梓は、猫のように荒い息を吐き、警戒する。
「大丈夫、梓。怖くないよ」
清武はその恐れを少しでも和らげようと、ゆっくりと、しかし確実に近づいていく。
あと数センチ。
その距離が、二人の心を一層引き寄せる。
「清武くん。やめなさい」
その声が響くと、清武は急に立ち止まった。
背後から岼屋が、静かにその手を止めた。
「なんですか、岼屋さん。今、邪魔しないでくださいよ」
清武は怒りを感じながらも、岼屋の冷静さに対抗しきれず、強く言い返す。
「あいにく、ここは私たちが借りている部屋よ」
岼屋は一歩も引かず、冷徹に答える。
「じゃあ、今すぐ空き部屋を頼みます」
清武は、岼屋の言葉に全く耳を貸さず、部屋を変えてでも梓と番になることに固執していた。
「待ちなさい。ちゃんと見なさい」
岼屋の命令が清武を止める。
「これを見て、あなたの番になってくれるのかしら?」
岼屋が指さした先、梓がベッドに寝転がり、周りに散らばった衣服を集めているのが見える。
それは、番になりたい相手の香りを集める、オメガの本能的なネスティング行為だった。
梓は和司の衣服を集め、彼の香りに包まれながら、自分の巣を作っていた。
「……だから何ですか?」
清武はその意味が分からない。全身に感じる梓の甘い香り、それが理性を揺さぶり、冷静でいられなくなっていた。
「あなただって、気づいてるんでしょ」
岼屋の言葉は鋭い。清武はその言葉を理解しているが、認めたくなかった。
「うるさいな!だったら、なんだっていうんだ!」
清武は、怒りをぶつけるしかなかった。
梓の香りで心が乱れ、冷静に話すことすらできなくなっている。
「あんたなんかに何がわかるんだ!」
その言葉に岼屋は何も言い返さず、ただ冷ややかに清武を見守る。
「カズ、大丈夫?」
その時、和司がゆっくりと部屋に足を踏み入れた。
目に涙を浮かべ、額には汗が滲んでいる。その姿に、誰もが一瞬息を呑んだ。
「正直、無理かもしれないな」
和司は苦しそうに言う。
その声は、明らかに理性が限界に達していることを示していた。
岼屋はその様子を見て、決断を下す。
和司を梓の元に送ること。それが最も自然な選択だと。
「梓……」
和司は、切なさを滲ませた声で梓を呼んだ。
名前を、村上ではなく、下の名で呼んだその一言が、二人を繋ぐ運命の糸を引き寄せた。
その瞬間、和司は完全にその場の支配者となり、梓を自分のものにすることを決意する。
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「いいのよ、それで」
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その先には、二人だけの運命が待っていた。
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