38 / 175
新規任務準備編
34.群青魔道騎士団団長
しおりを挟む言われた通り、薬は馬車の中で飲んだ。味は、何というか、薄い葡萄水でも飲んでいるようだった。おいしくない。これで本当に匂いが変わるのだろうか。自分で脇の匂いを嗅いだりしてみたが、全くわからなかった。
本部は寮からは馬車で20分程度の距離にある。馬車の窓の外を眺めながら私は時間を過ごした。ここのところ、1人で行動することはなかったから、少し晴れ晴れとしたような、寂しいような気分だ。
御者は外部の者で、群青騎士の生態については知らない者らしい。バレるようなことはするつもりはないが、少し気を引き締めた。この辺りは貴族街で、歩いている者はほぼいない。大きな道を馬車や騎乗した者ばかりが行き交っている。
しばらくすると、群青魔道騎士団の本部の建物が見えてきた。シンボルカラーの群青色のタイルが一部使われた建物と、その周囲をぐるりと壁が覆っている。門の両側に立った門兵が、私が乗る馬車の進行を止めることなく門を開いた。
建物自体の色合いは灰色に群青と少し派手だが、中は意外に質素な造りになっている。考えてみれば、群青騎士は寮に住んでいるし、訓練所も併設している。ここでは完全に書類業務だけなのだろう。
私も何度か手続きで来たことはあるが、報告書も郵送していて、最近はくることはなかった。
「一輪隊所属の、クンツ・リンデンベルガーだ。報告書を出しに来た」
「それであれば、中にどうぞ」
玄関で馬車を降りて、そこに立っていた兵士に告げれば、すぐに中に通された。群青騎士は魔力の登録をしているので、本部の出入りは特に問題が起こることはない。
受付まで向かって、もう一度声をかける。すると、やたら腰の低い中年の男が私に駆け寄ってきた。
群青色の服を着ているが、騎士服とは形が違う。事務方の人間なのだろう。うっすらと感じる魔力で、その男が貴族だということが察せられた。
「ああ、すみませんわざわざ届けていただいて!申し訳ないのですが、オノフリオ・ゲーアハルト団長がお待ちになってます。こちらの会議室へどうぞ」
「団長が?……わかった。頼む」
バルタザールとエリーアス様が私に薬を飲ませたことといい、少しだけ不穏な空気を感じてしまい、手に力が入る。だが、努めて表面上は何事もないようにふるまった。男に案内されて、建物の奥へと進む。……この辺りはあまり入った記憶がない。
「こちらです」
「案内ありがとう」
男に礼をいい、私はすぐにドアをノックした。一拍置いて、「一輪隊所属の、クンツ・リンデンベルガーです」と声をかける。すぐさま入るように声が返ってきた。
「失礼します」
入室し、まっすぐ団長の前に向かうと、左手を胸に当てて敬礼をする。
この部屋には初めて入った。バルタザールの寮監室より広いし、どれもこれも重厚で品が良さそうに見える。執務机と、それとは別に2対のソファーとローテーブルの応接セット、壁際には本がぎっしりと詰まった本棚がある。執務机もバルタザールのものより大きかった。
それはこれを使用する団長が巨漢だからかもしれない。私を優に超える2m弱程度の身長に、ぱつぱつの胸板。しっかりと止められた詰襟。騎士服が窮屈そうに見える。その胸にはいくつもの勲章が輝いていて、違和感に囚われた。通常業務で勲章をつけることなど、まずありえない。誰か来客があったのだろうか。
あと、ちらりと目の端に入ったソファーにぐったりと倒れた2人の男も気になる。が、それを口にできる立場ではない。
「久しいな、リンデンベルガー」
「ご無沙汰しております」
「まあ楽にしたまえ」
目じりと口元に皺を刻みながら、にこやかに笑みを浮かべるゲーアハルト団長に、私は両手を後ろに回し、姿勢をピンと伸ばして立った。後ろ手に持ったままの報告書を渡す相手は、おそらく団長だろう。
いつどのタイミングで……と悩んでいると、背後から「リンデンベルガー?!」と大きな声が上がった。……振り返ってよいだろうか?そわっと視線だけで団長に問いかけると、苦笑しながらゆっくりと頷かれた。
「はい。なにか」
振り返ると、ソファーに倒れていた男の1人が、立ち上がって私に詰め寄ってきた。身長は私より低い。目の下に隈を作った人相の悪い、がりがりの……ああいや、ほっそりとした若い男で、私も何度か顔を合わせている。副団長の1人、ドマニリア・ランド様だ。
「クンツ・リンデンベルガーって、お前、どうして四聖隊に来なかった!」
「一輪隊に、配属になりましたので……?」
「後から変更するよう通達したはずだ!」
そんな話は聞いていない。え、私は四聖隊に編隊されるのか?……もしかして、呼ばれたのはその話か?
心臓が嫌な音を立てる。命令なら聞かざるを得ない。でも、可能なら、今の一輪隊にいたい。あの寮で暮らしたい。
その思いを口にする前に、ソファーの方から否定する声が飛んだ。
「それはバルタザールから、理由有りで却下されてた」
「あん?!聞いてねえぞ俺は!」
「言ったら怒るだろうから、こっちで了承しておいた」
「ちゃんと言えよルカリオ!」
ランド様は忙しなくソファーに戻ると、ぐったりとソファーに沈み込んでいた、もう一人の男の首を掴んで、ぐらぐらと揺らした。
ルカリオ・マルツィオ様もランド様と同じく、副団長だった。この方も、目の下には真っ黒に隈がある。たれ目で温和な笑みが特徴的な、中肉中背の中年男性だ。この2人は、ゲーアハルト団長の懐刀とも呼べる人物だった。
団長に、2人の副団長。普段はよほどのことがない限り、この方々が揃うことはない。それぞれ本当に忙しい方だと聞いている。私がこの場にいていいか戸惑うほどだ。
「リンデンベルガー、報告書を見せてもらえるか?」
「っ失礼しました。こちらです」
あまりの2人のやり取りに思わず呆然としてしまった。慌てて団長にもってきていた報告書を差し出す。封筒から出し、中を読み始めた。私の背後で言い争うソファーの2人も気になるが、私は団長の様子を伺った。私が読むよりも早く書類に目を通すと、団長は「ドマニ」とランド様を呼ばれた。
「エリーがあちこち突いていた理由が、ここにあるぞ。読め」
「はぁああああ???あいっつ!!俺に報告もなしに、好き勝手しやがって!!」
足を踏み鳴らしながら近づいてきたランド様は、私を追い越して、団長の机にあろうことか尻半分乗せながら手を差し出した。それを咎めることなく、団長は報告書を差し出す。読んでいるかわからないほどの速さで、ぱらぱらと書類を捲り、ランド様は盛大に顔をしかめた。
「なんだこりゃ。散々子供返せって言ってたが……これがあの、いけ好かねえ野郎の抗議内容かよ。はっ、くだんねー。お前幼女なのか?」
「いえ。違います」
幼女かどうかで聞かれれば、回答はすぐにできる。私は成人男子だ。
「違うよな。リンデンベルガーだもんな。四聖隊のやつと目元が似てる。で、どうする。向こうは正式ルートでの抗議だ」
私の否定に、うんうんと頷いたランド様は、団長を見やった。やはり、抗議が入っていたのか。ランド様の言葉に、団長は悠然と笑って見せた。
「どうもしない。しかし、エリーの悪戯には困ったものだ。君を渡さないように、とまあうちの優秀な副団長が、2人でこうして頭を抱えるぐらいには、全ての物事をかき回してしまった。不思議と、つじつまが合うようにはなってるんだが……それでもまあ、王宮にバレて大目玉だ。書類の改ざんが多くてなあ。エリーはしばらく本部に詰めて、事情説明してもらわにゃならん。やることだらけだ。……獣群連邦の外交官殿には、最終的には諦めてもらう。元々リンデンベルガーの騎士は、他国に渡すわけにはいかない存在だ。<防壁>は、我が国を守るためにいる。そうだな」
「はい。その通りです」
リンデンベルガーは盾である。それは群青騎士でも変わらない。一番に優先して守るべきは自国民だ。ゆっくりと頷くと、団長は引き出しから一枚の紙を取り出してサインをし、丸印を押した。そしてそれを差し出される。
「そこで、クンツ・リンデンベルガー。貴殿に群青騎士として、獣群連邦への潜入捜査を命ずる」
その言葉に、一瞬耳鳴りがした気がした。思わず団長を見つめる。団長はぎしりと椅子の背もたれに寄り掛かりながら、手を組んだ。
「実は我が国とかの国との間では、長年にわたる懸念事項があってな。獣群連邦からの幼子の『輸入』が後を絶たない。その見返りに、我が国でも、作成が極端に制限されている、大型魔具の輸出が確認されている。そのルートを潰したい。幸いに、リンデンベルガーは試薬を飲めば、彼らには幼女に見えるのだろう?」
「つまり……私に、幼女になりきれ、と?」
「そうだ」
重々しく頷かれたが、待ってほしい。どう考えても、私に幼女は難しいのではないか。幼女の振る舞いなど知らない。幼少のころから、剣しか握って来なかった。
「は……まてまてまて!フリオ!その話、俺は聞いてねえぞ!リンデンベルガーを外に出すのは反対だ!だってこいつらは!」
声を上げたランド様が両手で机を叩いたが、団長は気にも留めなかった。まっすぐこちらを見ている。
「外交官殿はリンデンベルガーを、誘拐された子供として引き取るつもりのようだ。彼は普段から身寄りのない子供を引き取って、国運営の孤児院に入れている。彼自身は仕事熱心な上、こちらに籍を置いているから、怪しい動きは見られない。が、その孤児院で、ひっそりと子供が、姿を消すらしい。その消えた子供の行方を捜すのが今回の任務だ。突き止めるだけでいい。残りはこちらでやろう」
「任務、ですか」
「そうだ」
にんむ。任務か。
「はっ。拝命いたします」
胸に手を当てて敬礼する。私はリンデンベルガーの騎士だ。任務というからには、引き受けない理由はない。
団長から命令書を受け取り、さっと読んだ後にその命令書に魔力を通す。すると目の前で霞のように命令書が消えていった。これも魔具の一種で、任務中は見ようと思えば、いつでも呼び出せる。
「いやあ良かった!ここ一週間ぐらい、うるさかった外交官殿が静かになり、魔具の輸出経路が判明すれば万々歳だ。……あ、君、バッドステータスついてるぜ。俺が消しておいてあげよう!」
背後から近づいてきたマルツィオ様に、肩を抱きながら叩かれる。ふわり、と緑の光の粒が舞った。バットステータスは味覚を失うというものだったはずだが、それが戻るということは、匂いも元に戻ったのだろうか。自分では少しもわからない。
「それから、これは必要だろ。終わったら、飲んで抜け出してくるといい」
そう言って手渡されたのは、先ほど私が飲んだ、一口サイズの液体の入った小瓶だった。それをぎゅっと握り、息を吐く。……エリーアス様、全部知られているらしいぞ。
「あの、今回の件はエリーアス様は悪くないのです。私が、依頼したことで、すべての責任は私にあります。あまりあの方を責めないでいただきたい、です」
「責任という言葉は、自分で責任が取れるようになってから、口にするべきだ。事実はどうであれ、上司は部下の分も責任を取るものでな。私も含めて、の話だがな。いや、ここまで胃が痛いのは久々だ。少し、エリーはやりすぎた」
苦笑を浮かべたゲーアハルト団長は、引き締まった腹筋を撫でた。苦々しい表情を浮かべたままのランド様は、がりがりと頭を掻く。
「……はあああ、ほんっとエリーアスの野郎、なんだって俺になんも……ちっ、決まっちまったもんはしゃあねえ。こいつの飯はどうする。エリーアスみてえに現地調達は出来ねえぞ。魅了も忘却も使えねえ」
「ああそれなら、彼は獣人の専用奴隷がいたから、彼を後で送ろう。人族の入国は結構厳しいからね、あの国」
副団長2人が、私のことで話をしている。それをどこか遠くに感じた。……ユストゥス。私はあいつがどうしてこの国に、エリーアス様の専用奴隷になったのか、知らない。ベッカーと旧知ということしか知らない。こんなことがきっかけで国に戻れても嬉しいのだろうか。わからない。でも断った方が、あいつに危険はないはずだ。
「大丈夫です。私も現地調達します」
そう声をかけると、2人の副団長はぴたりと止まった。
「無理だろうリンデンベルガー。お前たちはそこまで器用じゃねえだろうが」
「一応潜入捜査だ。怪しまれるわけにはいかないぜ」
すぐさま言い返されてしまう。良い言い訳が浮かばなくて、私は肩を落とした。
「面倒なことに、本日も外交官殿がこちらに来ている。名目上、引き渡しに時間がかかっているといったが、随分とまあ鼻息あらくてな。今日そのまま向こう側に引き渡すぞ」
マルツィオ様のその言葉に、私は一度目を閉じた。小さく息を吐いて目を開けると軽く頷く。薬を握った手が震えていることは、気にしないようにした。
着替えと必要なものは別の部屋に用意した、とマルツィオ様に退出を促された。団長に一礼して、踵を返すと「リンデンベルガー」とランド様に声をかけられる。足を止めた私の肩を、ランド様が強く叩いた。
「はい」
「この任務は、普段俺たちが戦ってる討伐や戦場とは違う。無理に命を使うんじゃねえ。わかったな」
「わかりました。必要な時に使います」
私の答えに、ランド様は舌打ちしたが、それ以上は何も言わず、私がマルツィオ様と一緒に部屋を出るのを見送った。
36
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!
MEIKO
BL
本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。
僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!
「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」
知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!
だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?
※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる