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アルゴーの集落編 〜クーリエ 30歳?〜

X-30話 俺、もしかして・・・?

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 こっぴどく怒られてしまった。それも人前でだ。俺って、コルルよりも年上だよなって何度頭の中で考えたか、その数はもはや数回なんてものではない。博士とその命を奪おうとしていた青年をあわや俺が殺してしまいそうになる、という惨事を引き起こしてしまいそうになり、コルルに助けを求めたまではいい。

問題はそのあとだ。コルルが瞬く間に俺のところまで駆け寄ると、瞬時にしてこの現場でどのようなことが行われたのか。その大凡おおよそを掴むと、まず何をしたか。

パシィィン!!!

 ビンタだ。それも静寂な集落において高音で響き渡ったそれは、痛いといった次元ではなかった。まさに、顔が首から離れて飛んでいってしまったのではないかと疑ってしまうほどの威力を冗談ではなく本当に誇っていた。そして、思いっきり叩いた後、彼女は身体をピクリとも動かさない二人を生存者を集めている野営地に運んでいったのだった。

ちなみに、俺はコルルにそこまで連れていってもらえなかった。彼女は二人を運んだ後、颯爽と再び俺の前に現れ、野営地の存在を告げると、そのまま自分一人だけ天恵を使って一人野営地に戻っていった。

再び戻ってくることを期待して俺はしばらくの間その場に座り込んでいた。これも冗談ではなく、本当に座り込んでいた。腰より下が岩のように動かないようにその場でじっとして彼女の登場を待った。

 だが、途中で俺は重要なことに気づいてしまったのだ。それは、火を操っていた青年がいなくなったことにより消火された集落を無感情のまま眺めていた時。ふと、電撃が俺の身体に襲いかかったような衝撃と共にその考えは煌めいた。

「もしかして、俺・・・。?」

 岩だと思い込んでいた下半身が嘘のように軽くなるのを覚える。そして、すっとその場から立ち上がると教えられた野営地に向けて歩き出すのであった。

それから約1時間。俺は煙が燻る森の中を歩き続けた。代わり映えのない景色にうんざりしながらも、歩いて歩いてそしてまた歩いた。時に立ち止まることもあったが、その大半の時間を歩行に費やした。気づけば辺りも炎による光ではなく、上空から注がれる陽光で森全体が赤く色づいている。

だが、俺は、。目的地に辿り着くこともなくずっと歩いていた。

そう、俺は気づいてしまった。この歳になって、俺は——
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