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アルゴーの集落編 〜クーリエ 30歳?〜
X-66話 あなたもまだまだ子供
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それからしばらくの間、俺とユウシは言葉を交わすことはなかった。そのまま、口も聞かぬまま俺は、ユウシの肩に支えられ覚束無い足取りでこの場所を後にする。帰り際、俺はユウシが残した言葉が気になり、去りゆく研究所を見つめた。
「これが・・・ユウシが見えていた現実なのか」
後ろに広がるのは、最先端の技術を詰め込んだ電子機器や、多くの実験記録が縦に積み上げられた光景とは程遠い。ただ、何もない空間。いや、所々に焦げの跡が見られるので、焼け野原と化した空間と言った方が正しいのかもしれない。
「もう、何も話さなくていいから。とりあえず、ここを出よう。僕も、この場所には長く居たくないんだ」
そう呟くユウシの表情は、暗く沈む。まるで、この世の終わりを予見しているかのように。それを見るだけで、俺はこれ以上、このことに関して深く聞けなくなってしまう。
「ここが・・・始まりの場所だったんだな。ユウシの天恵の実験も、火事も」
ユウシはその問いに対して、何か意見を述べることはなかった。だが、何も返答をしないという、返事を俺に返す。沈黙という肯定。それより先の道のりは、二人して一言も発さずに、帰路についた。野営地に戻った時、コルルに死ぬほど心配していたと伝えられた上で、それをも上回る勢いで再び叱責を喰らってしまう。
「なんで、クーリエさんはいつも——!!!!」
「申し訳ありません・・・・」
いい歳をした大人が、正座を強要された上に、年下の女性からガミガミと叱られるという奇妙な光景を、再びこの場所でお披露目してしまった。しかし、今回は一人で怒られているのではない。何と、もう一人コルルの怒りの矛先が向いた人物がいるのだ。
「な・・なんで、僕まで!!」
「ユウシ君!! 文句があるのなら、私の目を見てそれこそ、論理的に話しなさい!!」
この前はいなかったユウシすらも、俺と同じ体勢のまま、上から説教を食らっているのだ。この前は一人で心細かったし、情けないという気持ちが強かった。だけど、今はどうだ。二人になった瞬間、何かのスイッチが変わったかのように、心の傷は一気に解消されていた。
「僕は、コルル。君に頼まれて、彼を助けに行ったんだぞ!! それなのに、なんで僕までこんな大衆の面前で怒られているんだよ!!!」
「うるさい! 男の子なんだから、みっともなく叫ばないで!! そもそも、あなただったら、クーリエさんが今回みたいな行動を取るって分かっていたんじゃないの? それなのに、ミスミス彼を一人で行動させたから怒られてるのよ!!」
「む、無茶苦茶だよ」
「諦めるんだ、ユウシ。今は、彼女の怒りを受け止めるんだ・・・」
小さくユウシに伝えると、彼もそれで納得したようだ。そこから、何も小言を挟むことなく、彼女の怒りが収まるのをひたすらに待ち続けるのであった。
「懐かしいわね・・・。ユウシ君がこんなに怒られている姿を見るのは、何年ぶりかしら?」
気がつけば、三人の周りにできていた人だかり。各々が、それぞれの心情を露わにした表情を浮かべている。その中の一人。薄く汚れが目立つ、白いT-シャツに身を包んだ女性の声が聞こえてきた。自然と周りの人の目は、その声の方向に向けられる。もちろん、三人も含めてだ。
「おばさん・・・あまり恥ずかしいことは言わないでおくれよ」
「良いじゃない。怒られないことは、時として悲しいことなのよ? それを、恥ずかしがっているところを見ると、あなたはまだまだ子供ね」
「これが・・・ユウシが見えていた現実なのか」
後ろに広がるのは、最先端の技術を詰め込んだ電子機器や、多くの実験記録が縦に積み上げられた光景とは程遠い。ただ、何もない空間。いや、所々に焦げの跡が見られるので、焼け野原と化した空間と言った方が正しいのかもしれない。
「もう、何も話さなくていいから。とりあえず、ここを出よう。僕も、この場所には長く居たくないんだ」
そう呟くユウシの表情は、暗く沈む。まるで、この世の終わりを予見しているかのように。それを見るだけで、俺はこれ以上、このことに関して深く聞けなくなってしまう。
「ここが・・・始まりの場所だったんだな。ユウシの天恵の実験も、火事も」
ユウシはその問いに対して、何か意見を述べることはなかった。だが、何も返答をしないという、返事を俺に返す。沈黙という肯定。それより先の道のりは、二人して一言も発さずに、帰路についた。野営地に戻った時、コルルに死ぬほど心配していたと伝えられた上で、それをも上回る勢いで再び叱責を喰らってしまう。
「なんで、クーリエさんはいつも——!!!!」
「申し訳ありません・・・・」
いい歳をした大人が、正座を強要された上に、年下の女性からガミガミと叱られるという奇妙な光景を、再びこの場所でお披露目してしまった。しかし、今回は一人で怒られているのではない。何と、もう一人コルルの怒りの矛先が向いた人物がいるのだ。
「な・・なんで、僕まで!!」
「ユウシ君!! 文句があるのなら、私の目を見てそれこそ、論理的に話しなさい!!」
この前はいなかったユウシすらも、俺と同じ体勢のまま、上から説教を食らっているのだ。この前は一人で心細かったし、情けないという気持ちが強かった。だけど、今はどうだ。二人になった瞬間、何かのスイッチが変わったかのように、心の傷は一気に解消されていた。
「僕は、コルル。君に頼まれて、彼を助けに行ったんだぞ!! それなのに、なんで僕までこんな大衆の面前で怒られているんだよ!!!」
「うるさい! 男の子なんだから、みっともなく叫ばないで!! そもそも、あなただったら、クーリエさんが今回みたいな行動を取るって分かっていたんじゃないの? それなのに、ミスミス彼を一人で行動させたから怒られてるのよ!!」
「む、無茶苦茶だよ」
「諦めるんだ、ユウシ。今は、彼女の怒りを受け止めるんだ・・・」
小さくユウシに伝えると、彼もそれで納得したようだ。そこから、何も小言を挟むことなく、彼女の怒りが収まるのをひたすらに待ち続けるのであった。
「懐かしいわね・・・。ユウシ君がこんなに怒られている姿を見るのは、何年ぶりかしら?」
気がつけば、三人の周りにできていた人だかり。各々が、それぞれの心情を露わにした表情を浮かべている。その中の一人。薄く汚れが目立つ、白いT-シャツに身を包んだ女性の声が聞こえてきた。自然と周りの人の目は、その声の方向に向けられる。もちろん、三人も含めてだ。
「おばさん・・・あまり恥ずかしいことは言わないでおくれよ」
「良いじゃない。怒られないことは、時として悲しいことなのよ? それを、恥ずかしがっているところを見ると、あなたはまだまだ子供ね」
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