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17日目 光が戻る一室

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その姿勢から一体どれだけの時間が流れただろう。5分?いや10分? 暗闇が体内時計を狂わせており、正確な時間は分からない。だが、一向に待っても続くことのない彼女からの言葉に僕は胸をチグハグさせながらじっと待つことしかできなかった。もし、僕が仮に夜のホストのように女性と話すことを得意とし、悩み事を上手く話の流れから導き出せるような人間だったら。そんな願いを心の中で何度も繰り返すのであったが・・・僕はコミュ障なのだ!!

重度——ではないと思うが。だが、それは避けられない事実だ。できれば一人でずっと生きていきたいとさえ願っているほどなのだ。本来なら、こんな状況に置かれてペラペラと会話できる類の人間ではない、じっと黙ってしまうのだが、今回は張り切って結構喋ったのだが、それがいけなかったのだろうか。ここまで黙られると精神的にくるものもある。

僕の心の動揺とエレベーターの内部が連動したのだろうか。一度、ガタンとこの狭い空間が震えたと思うと、チカチカと何度か光源が点滅し、やがていつものような光と明るさがこの一室を満たしていく。

「まぶし——!」

 暗闇に慣れていた目にとってはその光はあまりに酷で、しばらくの間まともに目を開けることはできなかった。目を閉じていてもそれを貫いて感じる眩しい光。瞼の裏が赤く染め上げられ、まるで目が炎で焼かれているのかと錯覚してしまうほどだ。

ゆっくりと恐る恐る目を開けるとそこには光に包まれるエレベーターがあった。どうやら目的の階にも到着しているようで今まで閉ざされていた扉も今では全開放されている。よかった、これで降りることができそうだ。

 だが、依然として僕の手を包む柔らかな温もりは離れてくれる気配は不思議なほど感じられなかった。彼女は暗闇が怖いと言って手を握っていたので光が取り戻された今は特にこの状態を継続させる理由はないはずだが。。。あれか、まだ、目が光に慣れていないんだろう。

「あ、あの。光も元に戻ってエレベーターついたみたいですよって——まじか」

 振り返るとそこには整った寝息を立てる——眠っている生徒会長がそこにはいたのだ。
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