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16日目 太陽の様な性格
しおりを挟む「もしかして、暗い場所が苦手なんですか?」
なるべく緊張をほぐす様に優しい口調で声をかける。今だに手から伝わる震えは止まることを知らないかのように、継続的に微小ながら確実に揺れていた。先ほどよりも身体を触れ合わせるかのように接近してくる。髪の毛は僕の頬をなで、加えて耳元を震わせる息が更に鼓動を打つ速度を早くする。同時に上半身で感じられる熱もどんどん暖かくなってくる。
「——嫌い」
可愛い。いや、それ以外の言葉をこの瞬間、僕と同じ立場にあった男性なら浮かぶはずがないだろう。震える彼女を命をかけてでも守ってやりたいとすら願ってしまうほどだ。
「だ、大丈夫ですよ。恐らく一時的な不具合でしょう。もう少ししたら予備電源も入って明かりも戻るはずです。でも、一応ここを管理している業者の方とあの非常用ボタンを通して話した方が僕はいいと思うんですが」
「まだ・・・、ダメ。あと少し」
「は、はい・・・」
やはり僕の要求は却下されてしまった。それもそうか。僕も中学校の修学旅行でお化け屋敷に無理矢理連れて行かれた時、友達の手を死んでも離さなかったけ。怖いものに対面した時、それが逃げられる立場になかったら、誰かにすがることしかできないことを僕は身を持って体感していたじゃないか。それを、僕は二度も離れようとするなんて。男として失格だな。
「何か、別の話をしましょうか」
「話?」
「生徒会長ってすごい立場ですよね。何かと大変な時もあるんじゃないですか?」
「大変——ね。本当に、昔から人の上に立つ役割をこなしてきたけど、今のこの会長という立場が一番身に堪えるかもね。毎日がしんどいわ」
彼女の放つ弱気な言葉。エレベーター内の暗闇が彼女の普段なら装っている太陽のような一面を隠してしまったのかもしれない。そう思いながら僕は彼女の言葉に耳を傾けるのであった。
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