42 / 42
42日目 林間学校。でも、問題点が・・・
しおりを挟む
「私は何も知らない・・あれ、龍馬君じゃん。こんなところで何してるの? ってか、存在感薄いね~。職員室にいることに気がついていなかったよ」
「え!? こんなに大きな声でツッコミを入れたのに??」
「それ、世間的には小さい声の部類に入るんじゃないかな・・?」
グサっ!!
僕のガラスのハートは最も容易く射抜かれたようだ。ヒビが入ったとかそう言ったレベルの話ではない。すでに、バリバリだ。破片が散らばり、体内の血管に忍び込んでしまったかもしれない。どこか、心臓が痛いような気がしてきた。これ、もはや病気なんじゃないか?
「くだらないことを言って、私たちのクラスの男子学級代表を傷つけないでもらえますか?」
「そうだぞ、芳佳!! 彼は、学年に一人しか男子なんだ!! デリケートに扱わないといけないんだ!! 声が小さいくらいなんだ!!! 気にすることじゃないだろ??」
「うぅ・・。二人して責めなくても~!!」
集中砲火を喰らい、瞳に煌めくものをかすかに浮かばせる宮本さん。それは、すでに亀裂が入ったダムそのもの。あと、一押し誰かが背中を押せば、決壊することは容易に想像がついた。
「宮本さんって、もしかして僕以上に心が弱いの?」
「グサっ!!! ウェ~ん!!!! 龍馬君にひどいこと言われた~!!!!!」
「え!!?? 僕が悪いの???」
どうやら、後押しをしてしまったのは僕のようだ。彼女の目に溜まっていた雫は、一線となって頬を伝って床にへと落ちていく。流石に、そこから連続して涙が溢れることはなかったが、それでも僕の頭をパニックにさせるには十分すぎた。
「北村君・・・。それは、ダメです」
「お前、もうちょい気使おうぜ?」
二人の冷たい視線が突如として、僕に降り注ぐ。逃れることのできないそれは、必用に僕にまとわりつく。僕が逸らしてもそらしてもついてまわり、袋小路に追い詰められてしまったみたいだ。
「あの・・僕も泣いていいですか?」
「ダメ」
「それは、いかんだろ」
男だからという理由だろうか。僕は泣くことも許されないみたいだ。
「そんなことはどうでも良くてですね、宮本先生。坂本さんに、私たちが呼ばれているって聞いたんですよ?」
「だから、知らんと言うてるじゃないか。要件は聞いていないんか?」
「確か、近くに迫った親睦を深めるための林間学校の件だと聞きましたが」
あぁ、と頭を項垂れる宮本先生。何か都合の悪いことでもあるのだろうか。先程までの饒舌が嘘のように、急に言葉を濁らせながら話し始める。
「先生、どうかしたんですか?」
堪らず尋ねた僕の問いにも、上の空の空返事しか返してこない。
「あいつ・・・。どこでそんな情報を仕入れたんだか・・・」
「何かあるんですか? その林間学校に・・?」
「林間学校自体は例年行われているんだ。その点では何も問題はない。だがな・・・」
「今年は、何か問題でもあるの。お父さん?」
家族を学校に持ち込むなと怒っていたはずの宮本さんが、そう言葉を漏らす。そこにもツッコむことのない先生。何か異変が起きていることは疑うこともなかった。
「今年!! 例外が一つ起きているだろ!? それが、問題点にもなり得て、解決策にもなり得る可能性があるから、教員の間で賛否両論中なんだよ・・・」
「例外・・・??」
そう漏らしたのは僕だけだったみたいだ。他の二人は何のことか納得がいっていると言わんばかりの顔。それと同時に、暗い表情を浮かべている。
「え?? みんな何のことか分かっているの・・?」
「北村君」、「お前」、「龍馬君」
「「「のことだよ!!!!!」」」
「あぁ~!!!」
ここが職員室だと到底思えない。だって、こんな賑やかな職員室があっていいはずがないからだ。でも、紛れもなくそこは教員が集う場所であった。
「え!? こんなに大きな声でツッコミを入れたのに??」
「それ、世間的には小さい声の部類に入るんじゃないかな・・?」
グサっ!!
僕のガラスのハートは最も容易く射抜かれたようだ。ヒビが入ったとかそう言ったレベルの話ではない。すでに、バリバリだ。破片が散らばり、体内の血管に忍び込んでしまったかもしれない。どこか、心臓が痛いような気がしてきた。これ、もはや病気なんじゃないか?
「くだらないことを言って、私たちのクラスの男子学級代表を傷つけないでもらえますか?」
「そうだぞ、芳佳!! 彼は、学年に一人しか男子なんだ!! デリケートに扱わないといけないんだ!! 声が小さいくらいなんだ!!! 気にすることじゃないだろ??」
「うぅ・・。二人して責めなくても~!!」
集中砲火を喰らい、瞳に煌めくものをかすかに浮かばせる宮本さん。それは、すでに亀裂が入ったダムそのもの。あと、一押し誰かが背中を押せば、決壊することは容易に想像がついた。
「宮本さんって、もしかして僕以上に心が弱いの?」
「グサっ!!! ウェ~ん!!!! 龍馬君にひどいこと言われた~!!!!!」
「え!!?? 僕が悪いの???」
どうやら、後押しをしてしまったのは僕のようだ。彼女の目に溜まっていた雫は、一線となって頬を伝って床にへと落ちていく。流石に、そこから連続して涙が溢れることはなかったが、それでも僕の頭をパニックにさせるには十分すぎた。
「北村君・・・。それは、ダメです」
「お前、もうちょい気使おうぜ?」
二人の冷たい視線が突如として、僕に降り注ぐ。逃れることのできないそれは、必用に僕にまとわりつく。僕が逸らしてもそらしてもついてまわり、袋小路に追い詰められてしまったみたいだ。
「あの・・僕も泣いていいですか?」
「ダメ」
「それは、いかんだろ」
男だからという理由だろうか。僕は泣くことも許されないみたいだ。
「そんなことはどうでも良くてですね、宮本先生。坂本さんに、私たちが呼ばれているって聞いたんですよ?」
「だから、知らんと言うてるじゃないか。要件は聞いていないんか?」
「確か、近くに迫った親睦を深めるための林間学校の件だと聞きましたが」
あぁ、と頭を項垂れる宮本先生。何か都合の悪いことでもあるのだろうか。先程までの饒舌が嘘のように、急に言葉を濁らせながら話し始める。
「先生、どうかしたんですか?」
堪らず尋ねた僕の問いにも、上の空の空返事しか返してこない。
「あいつ・・・。どこでそんな情報を仕入れたんだか・・・」
「何かあるんですか? その林間学校に・・?」
「林間学校自体は例年行われているんだ。その点では何も問題はない。だがな・・・」
「今年は、何か問題でもあるの。お父さん?」
家族を学校に持ち込むなと怒っていたはずの宮本さんが、そう言葉を漏らす。そこにもツッコむことのない先生。何か異変が起きていることは疑うこともなかった。
「今年!! 例外が一つ起きているだろ!? それが、問題点にもなり得て、解決策にもなり得る可能性があるから、教員の間で賛否両論中なんだよ・・・」
「例外・・・??」
そう漏らしたのは僕だけだったみたいだ。他の二人は何のことか納得がいっていると言わんばかりの顔。それと同時に、暗い表情を浮かべている。
「え?? みんな何のことか分かっているの・・?」
「北村君」、「お前」、「龍馬君」
「「「のことだよ!!!!!」」」
「あぁ~!!!」
ここが職員室だと到底思えない。だって、こんな賑やかな職員室があっていいはずがないからだ。でも、紛れもなくそこは教員が集う場所であった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
43
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
更新速度が落ちてもいいのでもう少し1話の文章を長くしてほしいです。
halcaさん、貴重なご意見ありがとうございます。
実の所、1話あたりの読みやすい文字数というものを探していた段階でありまして、徐々に文字数を増やしていこうか、と悩んでいる時期でありました。
ですが、そのようなありがたい意見をいただきまして、次話から徐々に文字数の方を増やしていきたいと思います。
ありがとうございました!
退会済ユーザのコメントです
ありがとうございます!