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夏
終業式
しおりを挟む定期考査が終わり、なんとか赤点を免れた。
そして来るは。
「おーいメガネくん。夏休みの予定教えてよ」
にったり嗤う佐山。
誰が教えるか。
誰がなんと言おうと、俺たちは明日から夏休みです。
ーーーーー
ーーー
「テストも終わったし、終業式も終わったー」
「終業式の間寝てただろお前」
「そっちこそあくびしまくってたじゃん」
「2人とも眠そうだったよ」
いつも通りの放課後。
ホームルームが終わると同時に生徒たちは我先にと帰宅する者、部活へ向かうもの。そして俺たちのように、教室で話し込む者。
佐山と篠原、そして俺。
ホームルームが終わり篠原と俺の席に寄ってきた佐山。そして周りの女子も、騒がしくなる。
早々に教室を出て部活に向かった俺の隣の男子の椅子を、我が物顔で使い始める佐山は相変わらず眠そうだ。
ミルクティー色のふわふわした髪の毛は、緑色のヘアピンで留められてデコが丸見えだ。
「お腹空いたー帰り道なんか食べようよ」
「あ、俺甘いもの食べたい」
「えーまた?焼肉とかガツっと食べようよ」
「焼肉いいな、どうせ匂いついても明日から休みだし」
「春希はガツっとした相変わらず好きだね」
相変わらず正反対な2人だ。
どう見てもガツっと食べるのはお前だろうと思う篠原は、甘いものに目がない甘党だし。どう見てもカフェでお茶しそうな佐山は、焼肉やジャンクフードが好きな甘いものが苦手な奴。
どっちもよく食べることに変わり無いけども。
まあ男子高校生なんてそんなものか。
「じゃあ焼肉で決まりな」
「また夏休みの予定決めよっか。春希もそれでいいでしょ?」
「やった焼肉!食べまくろー飲みまくろー」
スキップでもし始めそうに機嫌が良くなった佐山。
篠原も今日は焼肉でいいらしい。
俺たちが行くのは、いつものチェーン店の焼肉屋。もちろん食べ放題、飲み放題。
「メガネくん、夏休みも僕らと遊ぶんだよー?さっさと課題終わらしといてよね」
ま、無理だろうけど。
余計な一言と共に歩き出した佐山。
無理ってなんだ、やってやるさ。
佐山に遅れて俺と篠原も歩き出す。
ミルクティー色のふわふわな髪の毛をぐしゃぐしゃに撫で回し、佐山の文句を聞きながら、俺たちは高校を後にした。
明日から始まる夏休みへの期待を胸に。
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