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第三話 仲良くなりました
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「セァァ!!」
「ウォォ!!」
「ハァァ!!」
闘技場に響く生徒達の声。
今は生徒達が一番集まる時間帯。授業終わりの時間だ。前の世界で言えば放課後だろう。
その中には当然カケル達のペアもいる。
「そうそう。そんな感じ♪。体に技が馴染むの早いね!普通の人は一週間とか掛かるのに」
「そ、そうなんですか。それはどうも」
カケルは照れるように頬を人差し指で掻くと、反対の手で持っていた木刀を地面に向けて下ろした。
技が体に馴染むのが早い理由は、カケルは朝毎日剣の鍛錬をしているからだ。
それしかカケルが強くなる方法は無かったからだ。
カケルは朝が明けない時刻からトレーニングが始まる。まずは適当に周りをランニング。その後軽く体操をした後、石の剣で型の素振りをした。コレを毎朝欠かさずにやっているのだ。
普通の人はやらないことを、カケルはしているのだ。と言うより、しなければ強くならないからだ。なぜなら魔力が一般民クラスだからだ。魔力が無い分、武術でしかカバーできないのだ。
「よし。二人とも剣の技は完璧ね。大会まであんまり時間が無いから細かい所までは言えないからごめんね」
ミア先輩は可愛く手を合わせごめんねのポーズをとる。
“か、可愛い”と心の中で思った。こんな人が僕のことを好きだなんて、なんか夢を見ているようだな。この前の一件があってか知らないが、妙に周りがざわついてる。
こちらを見る視線は殆どが妬みと、殺気の視線だ。クラスでは学園のアイドルのセレスさんと最近仲良くして貰ってるのに加え、二年生ではそこそこモテるミア先輩。天然キャラで周りを穏やかな空気にするアイさん。周りから見れば「雑魚のくせにハーレムなんか築きあがって」と思い、妬むのは当然であろう。
「今日はここまでにしましょ。二人ともしっかり休んでね」
気付けば既に、日が暮れていた。
二人は直ぐさま学園から飛び出すように帰っていった。
外は前の世界の言葉で言えば、洋風の街並みだ。
大体の建物が煉瓦作りで、カケルがいつも通る道には夜になると露店が建ち並んでいる。
「へぇー。ここ夜になると露店が並んでいるんだー。いつもは日が暮れない内に帰っているから、分からなかったな。たまには日が暮れて帰るのも良いかもな」
とカケルは呟いた。
まあ確かに綺麗だ。なんせココはデートスポットでもあるからだ。
カケルが家に着くまで、およそ5~6組のカップルとすれ違う程人気なのだ。
ちなみにカケルの家は通の脇道にある小さな一軒家だ。なのであんまり声は届かないので落ち着いて暮らせるのだ。
家に帰ると中ではお世話係のミーニァさんがいた。
「では私はこれで失礼します」
彼女が家から出ようとしたところを、カケルが引き止めた。
「あの、ミーニァさん。良かったら僕とお話ししませんか?」
すると彼女はこちらを振り向き、こくりと頷いた。どうやらOKだそうだ。
「ミーニァさんはいつもどんな生活をしてるんですか?」
戸惑って考えた結果がコレだ。カケルは初対面なのに失敗したと少し焦った。
「寝て、起きて、食べて、仕事しての繰り返しをしています」
ああーやっぱり失敗してしまった。こんな事よりもっと良い話題があっただろ。この馬鹿ぁ。
カケルが後悔していると、ミーニァさんから喋ってくれた。
「どうせ、あなたも心の中では私のことを亜人と差別しているんでしょ。私のことを聞いて馬鹿にするつもりだったんでしょ」
ミーニァさんの声はとても冷たく、カケルの心に言葉が突き刺さった。
「さ、差別?なんで僕がミーニァさんを差別しなければいけないのですか?」
確かに、学園でも亜人の生徒には皆馬鹿にしているように見えたが、そんな事が起きているとは知らなかったのだ。
“どの世界に行っても差別はあるんだな”馬鹿みたいだよと心で思った。
「と、とぼけないでください。嘘なんかついてないで本当の事を言ってみたらどうです?」
「僕は差別なんかしないよ。それにミーニァさん可愛いですから。ていうか、亜人を見られるなんて滅多に無いことだから、逆に嬉しいよ」
アニメや、ラノベに出ていた人たちが、今目の前にいるとか興奮するに決まってる。
「可愛いなど...。じゃあ、どこら辺が可愛いんですか?」
「え?全部。全部が可愛いよ。獣耳もとっても良い。てかなんで差別するんだろ。こんなに可愛いのになぁ~。勿体ないな」
すると、ミーニァさんの目尻に涙が浮かんだ。
「え?ええ!?僕なんか泣かせる事言いましたか?ごめんなさい。」
カケルは慌てた様子で謝ると、クスクスと笑いだした。
「すみません。あまりにも嬉しくてつい。誰にもこんな事言われたことが無かったので」
「そうなんですか。てっきり、なにかまずい事を言ったかと思ったけど、良かったです」
ミーニァさんは涙を拭うと笑いながら、こう言った。
「私の名前はミーニァ・ウレフと言います。あなたとは良い関係になれそうです」
こちらこそ宜しくお願いしますと言う。
この後少し雑談をしてミーニァさんを王女様の屋敷まで送り届けますと言ったが、「学園でお疲れにでしょうから大丈夫です」と断られてしまった。
カケルは用意してくれたご飯、風呂を済ませベットの中に入った。
「あー仲良くなれて良かったなー。明日からはなるべく一緒にいると言っていたからな~。楽しみだな。よし。明日も頑張るぞ!」
そう気合いを入れると直ぐさま深い眠りについた。
「ウォォ!!」
「ハァァ!!」
闘技場に響く生徒達の声。
今は生徒達が一番集まる時間帯。授業終わりの時間だ。前の世界で言えば放課後だろう。
その中には当然カケル達のペアもいる。
「そうそう。そんな感じ♪。体に技が馴染むの早いね!普通の人は一週間とか掛かるのに」
「そ、そうなんですか。それはどうも」
カケルは照れるように頬を人差し指で掻くと、反対の手で持っていた木刀を地面に向けて下ろした。
技が体に馴染むのが早い理由は、カケルは朝毎日剣の鍛錬をしているからだ。
それしかカケルが強くなる方法は無かったからだ。
カケルは朝が明けない時刻からトレーニングが始まる。まずは適当に周りをランニング。その後軽く体操をした後、石の剣で型の素振りをした。コレを毎朝欠かさずにやっているのだ。
普通の人はやらないことを、カケルはしているのだ。と言うより、しなければ強くならないからだ。なぜなら魔力が一般民クラスだからだ。魔力が無い分、武術でしかカバーできないのだ。
「よし。二人とも剣の技は完璧ね。大会まであんまり時間が無いから細かい所までは言えないからごめんね」
ミア先輩は可愛く手を合わせごめんねのポーズをとる。
“か、可愛い”と心の中で思った。こんな人が僕のことを好きだなんて、なんか夢を見ているようだな。この前の一件があってか知らないが、妙に周りがざわついてる。
こちらを見る視線は殆どが妬みと、殺気の視線だ。クラスでは学園のアイドルのセレスさんと最近仲良くして貰ってるのに加え、二年生ではそこそこモテるミア先輩。天然キャラで周りを穏やかな空気にするアイさん。周りから見れば「雑魚のくせにハーレムなんか築きあがって」と思い、妬むのは当然であろう。
「今日はここまでにしましょ。二人ともしっかり休んでね」
気付けば既に、日が暮れていた。
二人は直ぐさま学園から飛び出すように帰っていった。
外は前の世界の言葉で言えば、洋風の街並みだ。
大体の建物が煉瓦作りで、カケルがいつも通る道には夜になると露店が建ち並んでいる。
「へぇー。ここ夜になると露店が並んでいるんだー。いつもは日が暮れない内に帰っているから、分からなかったな。たまには日が暮れて帰るのも良いかもな」
とカケルは呟いた。
まあ確かに綺麗だ。なんせココはデートスポットでもあるからだ。
カケルが家に着くまで、およそ5~6組のカップルとすれ違う程人気なのだ。
ちなみにカケルの家は通の脇道にある小さな一軒家だ。なのであんまり声は届かないので落ち着いて暮らせるのだ。
家に帰ると中ではお世話係のミーニァさんがいた。
「では私はこれで失礼します」
彼女が家から出ようとしたところを、カケルが引き止めた。
「あの、ミーニァさん。良かったら僕とお話ししませんか?」
すると彼女はこちらを振り向き、こくりと頷いた。どうやらOKだそうだ。
「ミーニァさんはいつもどんな生活をしてるんですか?」
戸惑って考えた結果がコレだ。カケルは初対面なのに失敗したと少し焦った。
「寝て、起きて、食べて、仕事しての繰り返しをしています」
ああーやっぱり失敗してしまった。こんな事よりもっと良い話題があっただろ。この馬鹿ぁ。
カケルが後悔していると、ミーニァさんから喋ってくれた。
「どうせ、あなたも心の中では私のことを亜人と差別しているんでしょ。私のことを聞いて馬鹿にするつもりだったんでしょ」
ミーニァさんの声はとても冷たく、カケルの心に言葉が突き刺さった。
「さ、差別?なんで僕がミーニァさんを差別しなければいけないのですか?」
確かに、学園でも亜人の生徒には皆馬鹿にしているように見えたが、そんな事が起きているとは知らなかったのだ。
“どの世界に行っても差別はあるんだな”馬鹿みたいだよと心で思った。
「と、とぼけないでください。嘘なんかついてないで本当の事を言ってみたらどうです?」
「僕は差別なんかしないよ。それにミーニァさん可愛いですから。ていうか、亜人を見られるなんて滅多に無いことだから、逆に嬉しいよ」
アニメや、ラノベに出ていた人たちが、今目の前にいるとか興奮するに決まってる。
「可愛いなど...。じゃあ、どこら辺が可愛いんですか?」
「え?全部。全部が可愛いよ。獣耳もとっても良い。てかなんで差別するんだろ。こんなに可愛いのになぁ~。勿体ないな」
すると、ミーニァさんの目尻に涙が浮かんだ。
「え?ええ!?僕なんか泣かせる事言いましたか?ごめんなさい。」
カケルは慌てた様子で謝ると、クスクスと笑いだした。
「すみません。あまりにも嬉しくてつい。誰にもこんな事言われたことが無かったので」
「そうなんですか。てっきり、なにかまずい事を言ったかと思ったけど、良かったです」
ミーニァさんは涙を拭うと笑いながら、こう言った。
「私の名前はミーニァ・ウレフと言います。あなたとは良い関係になれそうです」
こちらこそ宜しくお願いしますと言う。
この後少し雑談をしてミーニァさんを王女様の屋敷まで送り届けますと言ったが、「学園でお疲れにでしょうから大丈夫です」と断られてしまった。
カケルは用意してくれたご飯、風呂を済ませベットの中に入った。
「あー仲良くなれて良かったなー。明日からはなるべく一緒にいると言っていたからな~。楽しみだな。よし。明日も頑張るぞ!」
そう気合いを入れると直ぐさま深い眠りについた。
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