魔法学園最弱の俺が英雄に

結城 もみじ

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第十話 遂に……

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 セレス、クレアは試合を観戦(分析)するために観客席に向かった。
 観客席行くと、そこには拍手や祝福の声を上げる一般の人がいた。

 基本生徒と一般客は席が別れていない。
 理由としては、隣に対戦相手などがいると気が散ったり、試合を見ながら作戦を変えたり出来ないからと色々とあるらしい。
 前々年度までは別れていたが、生徒達が騒ぎを起こしたため一般客も一緒しろと学園長が決めたそうだ。

 セレス達は周りを見渡して、空いてる席を探した。
 セレスは二席空いてる席を指さし、クレアにそこで良い?と聞いた。セレスが何故確認を取ったかと言うと、空いていた席の隣には男一人、女一人のペアが座っていたからだ。

 「うん。別にどこでも良いよ!」

 クレアは案外隣が生徒とかは、心底どうでも良かったらしい。
 あそこに座ってるって事はまだ一試合もしてないってことだから、今更作戦とかを聞かれても試合を見たらバレるからね。コレがどうでも良かった訳だ。

 空いてる席まで階段を下り、席に座った。丁度空いていた席が端っこだったので見ている人の妨げにはならなかった。
 生徒側にセレス。階段側にクレアの順番で座っている。

 セレスは少し前屈み横目で隣の席に座っている生徒を見た。
 するとセレスは、あ!と声に出し、その声は隣にいた生徒にも聞こたようでセレスのことを見た。

 「あれ?セレスさん試合お疲れ様です」

 セレスの方を見て喋った人物はカケルだった。
 カケルは何でここに?って表情をしていた。その顔はセレスから見たら可愛く見えていた。
 カケルの声に気付いたのか隣にいた女の方もセレス達を見た。

 「あら?クレアじゃない。偶然ね。そういえばさっきの試合流石だったね」

 カケルの隣にいたのはペアを組んでいるミアだ。どうやらミアとクレアは中がとっても良いらしく、休みの日は出掛けたり、家に遊びに行くぐらい仲が良いのだ。親友と言っても過言ではない。
 ミアが次に目を向けたのがセレスだ。

 「あなたがセレスちゃんね。クレアからいつも話を聞いていたから知っていたけど、こんなにコンビネージョンが上手いとは思わなかったよ」

 ミアは賞賛とともに驚きの表情をしていた。
 確かにペアを組んでまだ半年も経っていないのに、あんな動きは今まで誰も出来なかったものだからミアどころか、他のペアも驚いていた。

 「有難うございます。先輩から褒められるなんて嬉しいです」

 セレスは座りながら角度が浅い礼をした。

 「ね?言ったでしょ?私の一年は凄いって!動きの飲み込みの速さには私も驚いたよ。次の試合では、二つの作戦で戦うつもりだからね。それにしてもミアも面白い相手を選んだもんだねぇ~」

 クレアはニヤニヤしながらカケルの方を見た。
 その瞳からは、疑問と面白さの気持ちが入り混じっているようにカケルには思えた。
 カケルは少し肩を縮めると、ミアが声は本気で。でも目は明るく言い放った。

 「何よー。私がこの子を選んだ理由がアホみたいに言って~。私は本気で選んだのよこの子を!。確かに今は最弱だけど私が見た限りではグングン伸びるよ。この子は」

 ミアはクレアのペアのセレスに負けないよ、と言ってるかのように思えた言葉だった。

 「へぇーそうなんだー。ミアが選んだならそうなのかもね。カケル君!ミアの期待に応えてあげてね。応援しているから」

 クレアはミアをジト目で見つめた後、カケルの方を向いて明るく応援してあげた。

 その後はこの四人で試合を観戦する事になった。
 クレア、ミアは試合を一緒に分析をし、自分たちならこんな動きをするといったシュミレーションを頭でやっていた。カケル、セレスは簡単な分析しか出来なかったが、お互いに気が付いたことを教え合うことで、ミア達には及ばないがそこそこ出来ていた。

 見ていた試合が終わると、ミアがカケルの肩に手置き試合が行われる所を見据えながら腰を上げた。

 「カケル次の試合が終わったら、私たちの試合だから準備に行くよ」

 「はい!」

 カケルも立ち上がり、クレアとセレスに軽く行ってきますと言うと観客席を後にした。廊下でアイと会った。ここを通ると知ってたから人目に付かない廊下を選んだのだろう。「頑張ってね!」と一言だけだったが、今の二人にはそれだけで十二分だった。ミアは「ええ」と返事をし、カケルは「有難うございます」と言葉を返した。

 準備室は二つあり、一つはカケルペアが居る部屋。もう一つには対戦相手のヴォルルフペアが準備している。
 準備室には試合に使う石剣。自分たちが使う皮で作られた手袋も。緊張を解すためにあるのか分からないがお菓子も用意されていた。

 ミアは作戦の最終確認し始めた。

 「カケル?もう一度確認をするけど無理はしない程度に戦うこと。魔法は絶対に強化魔法を使うこと。そうしないと簡単にやられてしまうからね。ヴォルルフの対応はカケル。私はゼクスの対応をする。恐らく相手は私を潰しに来るから足止めお願いね。後はカケルが思うように動いて良いよ。」

 それに対してカケルはうんうんと頷きながら聞いていた。
 少しでもミア先輩の手助けにならないと、ここにいる意味も選んでくれた意味もなくなってしまう。ここは無理をしてでも勝たないと。これがカケルの心中の気持ちだった。

 「なら試合までゆっくり休んで気持ちを落ち着かせておいて」

 「はい。分かりました」

 こんなに緊張しているのはいつぶりだろう。高校受験の時の面接以来かな?いやでも今はそれ以上に緊張しているか。やばい手の震えと汗が止まらねぇー。そりゃそうか今まで誰かと戦った経験もないしなぁー。あ!でも受ける側なら結構あったな。あの時はやばかったな確か。上手く思い出せないけど。

 カケルは昔の事を思い出していた。
 当時の記憶が上手く思い出せないのは、やっぱり嫌な思いでだらけだったかただろう。
 そんなことを思い出していると部屋の扉が開いた。
 このほこりっぽい部屋から新鮮な空気が入り込んでくる。
 カケルには開くまでの時間がとっても長く感じた。

 「次の試合の方入場お願いします」

 教師が二人に声を掛けた。

 「では行こうか!」

 「はい!」

 ミア、カケルは長く感じる廊下を歩み、入口に近づく程眩い太陽の光が二人を迎えてくれる。
 入口を抜けると、今まで居た場所では感じられなかった熱気を感じられた。

               遂に始まったのだ戦いが!
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