記憶の中の君へ

ミンク

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第2章  In my student days

3,during high school(3)

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 (さすがにまずいよな…)

 降り始めた雨が窓を濡らし、そう言えば梅雨入りしたんだっけ…と朝見たニュースを思い出した

「加賀くん!授業ちゃんと聞いてますか?」

 今年新採用になったばかりの山吹愛が、窓の外を見ていた大河に教壇から注意をする
 それに合わせるように、ヒソヒソと話す女子生徒達の声が教室内に響きだした
 大河は山吹の方に体の向きを直すと

「スイマセンデシタ。山吹センセ」

 と言ってニコッと笑いかけた
 面白く無さそうな顔をしていた山吹の顔は、一瞬でピンク色に染まり満面の笑顔に変わった

「あの…体調が悪いとかじゃなきゃいいの。そうならいつでも先生に言ってね、ねっ」

 先程の口調とはうって代わり、両手を体の前で組んで大河に熱視線を送っている

「なにあのおんなー」
「大河に媚びてんじゃねーよ」

 小さく響いていた女子生徒達の声は今度はハッキリと聞こえた

 自分の顔面の使い方は小さい時から習得している
 有効活用しない手はない

 大河は今度は前に向き直し目を閉じた
 山吹と女子生徒が小競り合いを始めたけれど、それどころではない

 (まずいよな…とうとう素股までしちゃった)

 4月に大河の興味本位から深月とずり合いをした
 里美の一件から立たなくなってしまって、セフレも全部切ったのに男である深月に激しく欲情し勃起した

 (女の子は駄目なのに男で立つってどーなの)

 その日はお互い話すこともなく別れたが、その後も深月は普通に接してくる
 以来、深月と遊ぶときは我慢が効かずついつい手を出してしまって、段々行為自体もエスカレートしてきた

 毎回今日は何もしないと誓って会うが、誓いが守られた日は今のところない

 (や、でもあれは深月も悪いよな。抵抗もしないし。やっぱり男だしエロい事に興味があるんかね)

 大河はおとといの深月を思い出した

 帰り道雨に濡れ、大河の家に着いた時には二人共ずぶ濡れ状態だった
 下着までビショビショに濡れてしまったので、タオルと着替えのスウェットを深月に渡し、シャワーを浴びて着替えるように指示した

 自分は上半身裸になり下はパンツのままで体をタオルで軽く拭いた
 深月の後にシャワーを浴びる予定だったが、濡れたタオルを手に持っているのも嫌なので、籠に入れようと脱衣所のドアを開けるとシャワーを終えた深月と対面した

「体暖まったよ。ありがとう」

 サイズの合わない白いスウェットの上着だけを着た深月は、シャワーを浴びたことで顔が上気し濡れた髪が顔にかかり、色気を纏っている
 俺は下半身に血が集まっていくのを感じたがなんとかその場は耐えた
 そんな俺を知ってか知らずか深月は、自分には大きいスウェットを右手でたくしあげて言った

「服貸してくれてありがとう。ズボンは大きくてずり落ちちゃうから上だけ借りるね」
 
 大河の視線は一つの部分に集中した
 たくしあげた上着の裾から、深月のピンク色のかわいいペニスがちょこんと顔をだしていた

 もうそこからは自分を止められず、深月を押し倒し脱衣所でずり合いをした
 達した後に力の入らなくなった深月を抱えて寝室のベッドに仰向きに寝かせ、太ももを借りて素股までしてしまった

 (立たないどころか、女とやるより興奮しちゃってるじゃん…)

 思い出していると、股間が固くなってきたので

「センセー。やっぱり保健室に行きます」

 と言って、まだ女同士で小競り合いをしている教室を後にした

ーーー

「久しぶりね。元気だった?」

 目の前には3ヶ月振りに会う里美がいる
 大河は少しふっくらとした里美の姿に安堵した

「元気だよ。里美さんはどう?」

「元気になりつつはあるかな」

 大河は里美と連絡先の交換をした後、ちょくちょくLINEのやり取りをしていた
 兄と別れた里美に自分をアプローチするつもりは無く、単純に心配だった
 初めはLINEの返信も遅く言葉も少なくて心配な状態だったが、最近はラリーも続くようになり里美の方から放課後にお茶しませんか?とお誘いがあり放課後にカフェで落ち合った

 (こうして会ってみると、やっぱり里美さんを好きだと思う)

 今は仕事を辞めて家でゆっくりしているという里美は飼っている猫の話や、好きで集めている紅茶の話を穏やかにしてくれた

「コーヒーより紅茶の方が好きなんだ?」

「うん、そうね。コーヒーだと胃が痛くなっちゃうの」

 そこまで話して里美は慌てた

「あ!この前は皆でコーヒー飲んだね。あの時はそれどころじゃなくて……最後にグィーと飲んだでしょ。家に帰ってから胃薬飲んだの。ふふっ」

 久しぶりに見る里美の笑顔に大河も顔が綻んだ

「今度は紅茶の専門店に行かない?美味しいところを知っているの。今日は来れなくて残念だったけど、深月くんも一緒に」

 深月は来れなかった訳ではない
 今日大河と里美が二人で会っていることも知らない
 深月には、今日は用事があるから一緒に遊べないと前もって話してある

 自分が里美と二人きりで会いたかった

 里美は腕を伸ばして、少し長い大河の前髪に触れ脇に流した

「ふふっ…やっぱりそうね。昔は兄弟であんまり似てないと思っていたけど、パーツが少し違うだけで良く似てる」

 里美は嬉しそうに大河の後ろにある龍河の面影を見ていた

「………里美さん、そろそろ帰ろうか。疲れたでしょ」

「そうね…疲れたのかもしれない」

 里美は大河の髪から手を離すと「最期の一口」と言って紅茶を飲みほした

ーーー

 再会を約束して大河と里美はカフェの前で別れた
 駅への道を歩きながら大河は深月に電話をかけた
 着信が鳴るものの深月は出ない
 一旦呼び出しを切って携帯を持ったまま歩きだす

 (あの人は俺なんて見ていない。まだ兄貴に捕らわれたままなんだ)

 駅に着くと、ちょうどホームに電車が来ていた
 中に乗り込むとブルルと携帯が鳴り、見ると深月だった

 (兄貴を忘れるには時間がかかるとは思っていた。まさか、俺を兄貴の代用品のように見るとは思わなかった)

 里美を想う気持ちと裏切られたような気持ちが交わり、怒りで体が震えた

 電車から降り、家への道を歩きながら深月に電話をかけ直した
 プルル…と3回音がした後、深月は電話に出た

「もしもし、大河?」

「深月、今どこにいる?」

「参考書を見に駅前の本屋にいる。さっきは電話出れなくてごめん」

「おれ、後5分で家に着くから来て」

「……用事はもう終わったの?今からだと30分はかかるし、まだ参考書選んでる途中なんだ。明日じゃだめか?」

「いいから、今から来て、すぐに」

 深月の意見など通さないとばかりに語気を強めて言った

「…わかった。じゃあ、後で」

 大河はその返事を聞くやいなや、すぐに通話を切った

 家に着いた大河はリビングに行き、ブレザーを脱いで制服のネクタイを外した

 深月をメチャクチャに犯してやりたい気分だった

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