冷徹王子と身代わりの妃

ミンク

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第1章 魔犬

4.結婚パーティー

婚姻衣装とはうって変わり、結婚パーティーの衣装は煌びやかなものだった。
足元まである長衣は、目の覚めるような青のサテン生地で作られており、裾には白い雪の結晶の刺繍がいくつも入れられている。雪の結晶のあちらこちらに白や青の小さな宝石が散りばめられ、ユウトが動く度にキラキラと光が反射して輝く。
同じ生地で作られた青いベールの裾にも結晶の技術は余すことなく施され、今回はご丁寧にもフェイスベールまでついている

「僕、目しか見えて無いんだけど…怪しくない?」
「何言ってるんですかぁ、とっても素敵ですよ!リオルド王子の横に立つのですからこれくらい目立っておかないと!」
「そっか。それは一理あるかな」

不安だったけど、メイが言うならそうなのかもしれない。
リオルドがどんな服を着るのかは知らないが、何を着ていてもキラキラしていそうな気がする
これくらい攻めていかないと俺の存在は気づかれないのだろう。

「準備も出来たし、さぁ、行きましょう!」

勢い良くメイがドアを開けると、準備を終えたリオルドが腕を組み壁に寄りかかって待っていた。

「あらら…リオルド様。お待たせいたしました?」
「大分な」
「あちゃー」

ーーーメイってすごいな。リオルドにもタメ口なんだ…。
ユウトは妃教育期間が短かったので時折男言葉が出てしまう。王族の前ではなるべく話さないことで何とかごまかそうと決めている。
話している二人を見ていたユウトはあることに気がついた。
あれ?リオルドの衣装俺とお揃いじゃないか?

リオルドは同じ青のサテンで作られた正装姿だった
燕尾服の裾に控えめに雪の結晶の刺繍が入っているが、パンツには特に刺繍は見当たらないようだ。
誰から見ても一目瞭然でペアルックなのが気恥ずかしい
絹のように美しい金髪を後ろで一つに纏め、両耳にはシルバーのチェーンピアスをつけている。
パーティー会場についたなら皆の視線をたちまち奪ってしまうだろう

「じゃあ、リオルド様。ユウト様のエスコートお願いしますね!」

二人はメイに部屋から追い出されてパーティーが開かれる広間まで連れだって歩いた。
といっても、ユウトは広間の場所なんて知りもしないので、リオルドの後ろを黙って黙々と付いていくだけだ。
気遣いがないのか足の長さが違うのか、リオルドは歩くスピードが速い、こちらは長いローブを纏っているようなもので転ばないように必死に歩く。
「おい」
廊下をズンズンと遠慮なしに進んでいたリオルドが足を止め振り返った。
「はぁ…はぁ…はい、なんでしょう…はぁ」
「部屋の鍵を渡すから手を出せ」
「鍵…はぁ…はぁ…はい」

ユウトは呼吸を整えながら右手を前に差し出した。
「チッ。左だ」

ーーー最初から言えよ。鍵ってバングルのやつだろ。どっちの手でもいいよ!

「はぁ、左手を」

文句を言うことも出来ずユウトは大人しく今度は左手を差し出した。
リオルドはユウトの手をグイッと引っ張ると左手の薬指に指輪を嵌めた。
指輪は一度大きく広がると七色に光りながら回転し始めた。
回転している間に魔法の術式が幾つも浮かび上がっては宙に消えていく。
術式が出なくなったと思ったら、指輪は光を無くし回転しながらユウトの指にピタリと収まった。
「魔道具だ。すごい…きれい」
初めて見る魔道具の仕様にユウトはいたく感動した。
「ふっ。無くさないようにするんだな、まぁもう外れないけど」

ーーー今、笑った?珍しいこともあるもんだ。…それよりこの指輪外れないだって?
ユウトは試しに指輪を外そうと試みた。見た目には普通に付いている指輪なのに、押しても引いてもピクリとも動かない。
なんで...?俺もみんなと一緒のバングルが良かった
指輪を外したいけれど、リオルドが後ろも見ずにズンズン進んでいくので、ユウトはまた転ばないように小走りで付いていった。


パーティー会場は人々の熱気もあって蒸し暑かった
ユウトが着込みすぎているからかもしれない
今のユウトは人から見れば目しか出ていない状態だ
妃としてどうかと思うし、どう考えても怪しすぎる。

リオルドは会場に入るとユウトを横に携え結婚の挨拶をした。
「皆様、私達の為にお集まり頂いて有り難うございます。私、リオルド・カナーディルとユウト・マグドーは本日結婚致しました。まだまだ未熟な二人ですが1日でも長く共にいれるよう精進致すつもりです。今日は皆様の為に宴を用意致しました。どうぞお楽しみください」

パチパチ聞こえる盛大な拍手の中に「おめでとう!」という声や「リオルド様ぁ…」「なんでなんで」という声、女達の啜り泣く声まで紛れて聞こえてくる

ーーーなんだかなぁ。どうせ身代わり妃なんだから気にすること無いのに。
ユウトの胸は何故かモヤモヤした。

海外から来た来賓や主要貴族達に一通り挨拶を終えるとユウトは急に放り出された。
「俺は忙しい。コイツと居ろ」
そう言ってユウトの元に連れてこられたのは、婚姻式で見かけた騎士だった。

茶色の髪に茶色の瞳をした騎士はユウトに向かって敬礼をした
「クロードと申します。今日はユウト様の警備を賜りました。宜しくお願いします」
胸には星の付いた勲章を3つぶら下げている
「勲章…すごいですね、どちらの隊に?」
クロードはニコッと笑った
「私は近衛隊に属しておりまして王家の警備が主たる任務です。…が、あちらこちらに連れていかれてリオルドの行くところには全部顔を出していますね」
「呼び捨て…なんですね」
「ああ!幼馴染みなんです。私自身は子爵家の次男坊ですが…昔からの付き合いなのであまり気にしないですね」

ーーーリオルドにはこんな友人もいるのか
いつも無表情で誰とも馴れ合いをしない。リオルドにはそんなイメージを抱いていたから意外だった。

「私もユウト様とは一度お話したいと思っていたんです。喉も乾いたでしょう?お飲み物を持ってきますね」
プツプツと泡の上がるシャンパンを持ってきたクロードにエスコートされて、ユウトは椅子に座った。
「その衣装暑くないんですか?」
「いや、めちゃくちゃ暑いです。さっきから喉カラカラで」
「ああ、じゃあ是非飲んでください」
ユウトは渡されたシャンパンをゴクリと飲んだ
「乾いた喉に染み渡ります」
「あはは、それは良かった。早く気づけば良かったですね」
「いえ、持ってきていただいただけで有り難いです。」

クロードはとても話しやすい。見目もいいし爽やかだ。リオルドとは違った意味でさぞ女達にモテるだろう。
こんな出会い方で無ければ良い友達になれていただろうに残念だ。

「同席して宜しいですか?」

クロードと談笑していると、クルクルした金髪の大きな青い瞳をした青年がユウト達に話しかけてきた。

「あ…っと…」
クロードが言い淀んでいる。
ユウトはこの青年を知らないけれど、顔見知りなのだろうか?
「リオルド様とユウト様に結婚のお祝いを言いたくて」

ーーーなるほど。特別めでたくも無いし、リオルドに言って貰えればそれでいいのだが。まぁ、そうも行かないだろう。

「どうぞ、おかけください」
「有り難うございます。ところで、クロード君は席を外して貰えるかな?」
青年は席に腰をかけるなりそう言った。
「申し訳ございません。本日はリオルド王子の命によりユウト様に付いております」
「リオルドの?じゃあ、仕方ないね。君の同席を許すよ」
「有り難うございます。」
「でも黙ってて。僕は侯爵家、君は子爵家だから。わかるよね?」
「はぁ…はい。」

ユウトはこの青年を席に座らせたのは失敗だったのかも知れないと早くも後悔していた。
青年はユウトの前に座り、テーブルに肘をついて前で指を組むと不躾に言い放った
「そんな服着てさ、暑くないの?アンタ浮いてるよ」
暑いし浮いてるのも気づいてる。でもこれしか無いんだから仕方ないだろう
首元まで出かかった言葉を何とか飲み込んで言葉を返す。
「正直、暑いですね。はは」
「笑ってんじゃねーよ。僕はね、キーン・ロッドランド。アンタ知らないだろう?社交界に1回も出てこなかったもんな!」

ーーーキーン・ロッドランド。ロッドランド侯爵家か、あぁそうか、キーンが本来のリオルドの結婚相手だったのか。
ユウトが考え事をしている間にもキーンはマシンガンのように話し続ける。

「あんた、クリスに似てるって触れ込みだったけど全然似てないな。目鼻立ちは似てるよ、けどそのじゃ縁起が悪いや」
「はぁ…」
「マグドー侯爵家はアンタをあまり外に出さなかったってね。特に王家の集まりには絶対に連れてこなかった。アンタみたいな縁起が悪いのがいたら、クリスの縁談が無くなっちまうもんな」
「そうですね…」

リオルドとの結婚が無くなったのが余程悔しいのか、結婚パーティーだというのにユウトに当たり散らしてくる。
俺はリオルドに何の思い入れも無いけれど、彼は本気で好きだったのだろう。言ってる内容も事実だし、それで気が済むなら彼の話を聞いていよう。
ユウトはまたシャンパンをゴクリゴクリと飲んだ。

「アンタさぁ、人の話聞いてる?」
「聞いてます」
「大体アンタさ、マグドー家から出てどこの馬の骨とも分からない男とかけおちした女の息子だろう?クリスとだって兄弟じゃない、従兄弟だ。よく堂々とマグドーを名乗れるよね」

ーーーこれは結構堪えた。事実だけど、事実だけに。

「キーン様、さすがにちょっと…」見かねたクロードが止めに入るがキーンの勢いは止まらない。
「今回のリオルドとの結婚だって、クリスの身代わりだろう?惨めなもんだな!」
「キーン様、本当にちょっと。声もかなり大きいですし…」
「子爵家風情がうるさいよ!」

この頃になると周りの貴族達もユウトのテーブルで何かトラブルが起きていることに気付き始めた。
「ユウト様に絡んでいるのは、ロッドランド家だわ」
「リオルド王子との婚約が駄目になったから…」
「良くないことだけど、可哀想でしたわ」

ーーーそんな事は知らない、俺だって身代わりだ。
別に愛されて望まれた訳じゃない。

ユウトは残っていたシャンパンを一気に全部飲み干した。

「なんの騒ぎだ」

その場を納めたのはリオルドと連れだって現れたクリスだった。

「キーン、その話はとうに終わったはずだ。違ったか?」
「リオルド、僕はね。ユウト様にお祝いを言っていただけなんだ。そんな怖い目をしないでおくれ」

クリスはキーンには目もくれずユウトに駆け寄った
「ねぇ、ユウト酔ってるね?お部屋に帰ろう?」
ーーー確かに、酔っている。このシャンパンの度数が高いのか、頭がクラクラしてきた。
「ほら、支えて上げるから一緒に行こう?」
クリスの大きな目がユウトを心配そうに覗き込んだ。
大好きなクリス。
でも、今は何となく一緒に居たくない
「クロードに送って貰う。うん、そうする。クロードいいかな?」
クロードは驚いたがすぐに「勿論です。お送り致します」と返事をした。
結局、キーンとリオルド達を残したままユウトはクロードにおんぶされて会場を後にした。

コンコン
扉をノックすると中からメイが鍵を開けてくれた。

「あら、ユウト様寝ちゃったのね。ご苦労様」
クロードはユウトをおぶったまま困った顔をした。
「キーン様に捕まっちゃって、色々。可哀想だったよ」
「キーン様、来てたんだ。あの人も困ったもんよね。明日はユウト様の好物でも出そうかしら…。あ、こっちに運んで」

メイは続き部屋にクロードを案内するとユウトをベッドに下ろして貰った

「クロード有り難う。ユウト様には今日はこのまま休んで貰って、朝に着替えをしていただくわ」
「そうだな。疲れただろうし、それがいい」

二人はユウトの部屋から出て扉を閉めた。

「なぁ、ユウト様をおぶって会場を出る時、リオルドと目があったんだけど、すごい目で俺を睨んでた」
「……私もね、最近感じるのよ。当初と話が変わって来てるんじゃないかって。今新しい生地を20本取り寄せてペアルックを外注に頼んでるところよ」

二人は目を見合わせて頷いた
「もう少し様子を見よう」
意見が合致した二人はリオルドの部屋を出て鍵をかけた。
「いざとなったらあのお方に報告しないとね」
「それはそれで怖いんだよ」
「だよね」
思い違いでありますように。
二人は家に帰ると精霊レノディアに祈りを捧げた。


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