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第2章 新天地
55話
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「トゥハチェンスキがやられたようだ」
1941年11月7日。
リューイ・ルーカスとの直接対決でミハウェル・トゥハチェンスキは敗北した。
その事実を無線機から伝えられたエレーナは取り乱すこともなく大きくため息を吐いた。
「撤退、です」
エレーナは震えた声でそう答えた。
「また、負けちゃったかぁ」
丘から戦況を見下ろしながらエレーナはそう呟いた。
二度目のリューイ・ルーカスとの直接対決も敗北。
これで二連敗だ。
「次は勝たなきゃ」
エレーナはそう呟いて、足元の搭乗員に視線を向けた。
「ちょっと、私に付き合ってくれますか?」
その問いに、配下の搭乗員たちは大きく溜息を吐いた。
彼らの反応を見てエレーナは肩をびくりと震わせた。
「副大隊長は自己評価が低すぎますよ。俺たちは冥土までお供致しますよ」
その返答を聞いてエレーナは目を見開いた。
「ありがとう」
彼女はそう絞り出すと後退していく味方とは逆らうように前進を命じた。
「敵の戦車が降りてきます!!」
エレーナを迎撃したのはクラウス大尉率いる第2中隊であった。
右翼にいた彼らは第1中隊と第3中隊が後退した後も、歩兵がドロホヴァに突入するのを支援していた。
「何両だ?!」
クラウス大尉の問いに兵たちは「1両です! 爆速でこちらに!!」と叫ぶ。
その言葉を聞いてクラウス大尉は舌打ちをした。
「食い止めろ!!」
彼らの後方には無防備な歩兵部隊が市街地へと突入している真っ最中だ。
ここに突入されればたった1両であろうと大混乱を起こすに違いない。
「何としても死守するんだ!」
クラウス大尉は砲塔から身を乗り出すと鼻を鳴らした。
戦場の独特なにおい。
目の前にいる敵の戦車は鬼気迫る勢いでこちらにまっすぐ向かってくる。
双眼鏡で見やれば砲塔からは紅い髪をなびかせた少女が身を乗り出しているではないか。
「くそったれ! 旅団長の同類かよ!」
彼女の姿を見て、クラウス大尉は侮らなかった。
むしろ、自らの尊敬する旅団長と同レベルであると仮定した。
「ミハウェル……待っててね。今行くよ」
エレーナは小さく呟くと「撃て」と鋭く射撃を命じる。
全速力で前進しながら放たれた砲弾は見事、敵の戦車を貫く。
「邪魔」
エレーナは目を黄金色に輝かせてそう呟いた。
すぐさま次弾を装填した操縦手が「装填完了!」と声を上げるとエレーナは「ありがとう」と微笑む。
「右20度、敵の4号戦車」
「了解。右20度の敵戦車」
「撃て」
エレーナは淡々と命令を下していく。
すぐさま放たれたその砲弾はまたもや敵の戦車を貫いた。
「ここじゃない……あっ!」
エレーナはそう声を上げると目を見開いて左を向いた。
「転進! 左15度!」
「そっちには湖しかありませんよ?!」
操縦手の声にエレーナは笑った。
「あそこにミハウェルがいる!」
「神の、お導きがあらんことを」
そのころ、カミラ王女達はドロホヴァへと向かっていた。
彼女たちの名前は334連隊改め独立近衛戦車大隊。
ソ連兵たちからはカミラ騎士団と呼ばれるようになった。
「また、神ですかい」
「敬虔な信徒が今、苦境に立っていますわ」
ジャスパーの言葉にエレーナはそう言って笑った。
彼女が駆る戦車はアメリカ製の最新鋭戦車であった。
M4シャーマン。
第2次世界大戦において欧州、極東で活躍したアメリカ軍の主力戦車。
その試作型が彼女たちに配備されていた。
「さしずめ、米英の友好の証といったところですわね」
カミラ王女は背後に続く戦車を見てそう呟いた。
アメリカはいまだに参戦を渋っている。
だが、軍部の中にいた反ドイツ派の人間がこの試作戦車を送ってきた。
「ソ連の戦車なんか乗ってられませんわ」
王女はそう忌々しげに言った。
ソ連軍の戦車は居住性が極端に悪い。
「でも、本国の戦車は微妙ですからなぁ」
ジャスパーはそう言って彼女のつぶやきを補足した。
「待っていなさい、リューイ・ルーカス」
「前方に戦車が!!」
クラウス大尉たちの迎撃を間一髪で潜り抜け、林を抜けた先にあったのは焦げはてた戦車の残骸だった。
それを見た操縦手が声を上げると同時にエレーナは砲塔から身を乗り出した。
「ミハウェル!!」
エレーナはそう叫んだ。
残骸のすぐそばで戦車を停めさせるとエレーナは砲塔から飛び降りた。
「ミハウェル!! どこ?!」
彼女はこの戦車がトゥハチェンスキのものであると察していた。
「エレー……ナ」
エレーナの声に呼応するようにうめき声が返ってきた。
慌てて、声がしたほうに駆け寄ると、そこには全身にやけどを負ったトゥハチェンスキが残骸に背中を預けて倒れていた。
「ミハウェル! 大丈夫?! いま、今助けるから──」
「もう、いい」
トゥハチェンスキは絞り出すように言った。
「胸のポケットを……」
彼の言葉に応じるように「う、うん」と小さく答えると彼の胸のポケットに手を伸ばした。
中に指をナバスとチャリンと金属の当たる音がした。
「ネックレス………?」
エレーナがそう呟くとトゥハチェンスキはほんの少し頬を動かした。
「今まで、ありがとうな。エレーナ」
はっきりと、トゥハチェンスキはそう言った。
直後、トゥハチェンスキの息が荒くなる。
「ミハウェル! 諦めないで!」
エレーナはそう言ってトゥハチェンスキに右手を握った。
それに、トゥハチェンスキは何も答えなかった。
「ねぇ! 私にもっと色々教えてよ! 街に連れてってよ!!」
エレーナはトゥハチェンスキの前にひざまずくと声を上げた。
「ねぇ!」
何も答えないトゥハチェンスキにエレーナは焦れた。
トゥハチェンスキは小さく唇を動かす。
何か言葉を発しようとしているようだ。
「なに? どうしたの?!」
エレーナはそう言って耳をトゥハチェンスキの口元に寄せた。
「エレーナ……。愛してる」
トゥハチェンスキはそう言い残して、絶命した。
残された少女は何度も彼の名前を呼ぶ。
だが、それに答えが返ってくることはなかった。
受け入れたくない現実を突きつけられたエレーナは泣き叫んだ。
そんな彼女を現実に引き戻したのはカミラ王女だった。
「すべての元凶は、あの野良犬ですわ」
無線機から響いた声に、エレーナはハッとした。
憎い。
ただひたすらに憎かった。
トゥハチェンスキを失った悲しみが急速に怨嗟に染め上げられていった。
「リューイ・ルーカス……。許さない」
エレーナはそう呟くと、立ち上がった。
去り際、トゥハチェンスキの外套から中佐の肩章と襟章を外して胸ポケットに仕舞うと、その場を去っていった。
「後退してくるソ連軍の精鋭戦車大隊を吸収しますわ」
無線機を置いたカミラ王女はジャスパーに命じた。
前線で何が起きているのか、彼女は知っていた。
「神に愛された青年が死んでしまったのは惜しいのだけれどね」
カミラ王女はそう吐き捨てる。
ミハウェル・トゥハチェンスキ、彼は神に愛されていた。
「誰なんです、その青年とやらは」
ジャスパーに問いに王女は微笑んだ。
「ミハウェル・トゥハチェンスキ。神以外に唯一、野良犬を殺す術をもった男ですわ」
「野良犬は、殿下でも殺せないんですかい」
彼の問いに王女はうなった。
そして儚げに微笑むと口を開いた。
「無理、ですわ」
「戦車大隊は集合! すぐさま再編を!」
私はドロホヴァ郊外でそう叫んだ。
視線の先には次々と市街地に突入していく歩兵たち。
彼らを見て、私は勝利を確信した。
市街地戦を入念に訓練、研究させた歩兵部隊が突入すれば勝利は間違いない。
「後方司令部に伝達! 『ワレ突入に成功』!」
矢継ぎ早に命令を出す私の横に一両の戦車が横付けしてきた。
「旅団長! 戦車1両に突破されました」
血相を変えて報告してきたのはクラウス大尉であった。
その言葉を聞いて私は首を傾げた。
彼の中隊がいたほうから戦車が抜けてきたという情報も、歩兵部隊が襲撃されたという報告も上がっていない。
「どこに向かったの?」
私の問いにクラウス大尉は「東の、湖のある方向へ……」と答えた。
その言葉を聞いて相手の小隊が分かった。
「相手の車長は紅色の髪を伸ばした少女かしら」
「あ、はい」
私の言葉を聞いてクラウス大尉は意外そうに答えた。
「知っているんですか?」
その問いに私は小さく微笑んだ。
「私をとらえた女性将校よ」
そう言うと、遠くを見つめた。
彼女なら、きっとトゥハチェンスキの元にたどり着けただろう。
「で、あの子に襲われて損害は出たんでしょう?」
私の問いに、クラウス大尉は表情を曇らせた。
「2両がやられました……」
その言葉を聞いて「そう、後で誰の車両か報告をキチンと上げなさい」と答えると、終結する大隊を眺めた。
「大方は成功。かな」
近づいてきたリマイナはそう言って笑った。
「えぇ、トゥハチェンスキも死んだわ。もう、これで勝ちよ」
私はそう言って微笑む。
リマイナはそれに同意するように頷く。
私は両手を神にささげるようにして祈った。
「神のご加護があらんことを」
神は、何も答えなかった。
1941年11月7日。
リューイ・ルーカスとの直接対決でミハウェル・トゥハチェンスキは敗北した。
その事実を無線機から伝えられたエレーナは取り乱すこともなく大きくため息を吐いた。
「撤退、です」
エレーナは震えた声でそう答えた。
「また、負けちゃったかぁ」
丘から戦況を見下ろしながらエレーナはそう呟いた。
二度目のリューイ・ルーカスとの直接対決も敗北。
これで二連敗だ。
「次は勝たなきゃ」
エレーナはそう呟いて、足元の搭乗員に視線を向けた。
「ちょっと、私に付き合ってくれますか?」
その問いに、配下の搭乗員たちは大きく溜息を吐いた。
彼らの反応を見てエレーナは肩をびくりと震わせた。
「副大隊長は自己評価が低すぎますよ。俺たちは冥土までお供致しますよ」
その返答を聞いてエレーナは目を見開いた。
「ありがとう」
彼女はそう絞り出すと後退していく味方とは逆らうように前進を命じた。
「敵の戦車が降りてきます!!」
エレーナを迎撃したのはクラウス大尉率いる第2中隊であった。
右翼にいた彼らは第1中隊と第3中隊が後退した後も、歩兵がドロホヴァに突入するのを支援していた。
「何両だ?!」
クラウス大尉の問いに兵たちは「1両です! 爆速でこちらに!!」と叫ぶ。
その言葉を聞いてクラウス大尉は舌打ちをした。
「食い止めろ!!」
彼らの後方には無防備な歩兵部隊が市街地へと突入している真っ最中だ。
ここに突入されればたった1両であろうと大混乱を起こすに違いない。
「何としても死守するんだ!」
クラウス大尉は砲塔から身を乗り出すと鼻を鳴らした。
戦場の独特なにおい。
目の前にいる敵の戦車は鬼気迫る勢いでこちらにまっすぐ向かってくる。
双眼鏡で見やれば砲塔からは紅い髪をなびかせた少女が身を乗り出しているではないか。
「くそったれ! 旅団長の同類かよ!」
彼女の姿を見て、クラウス大尉は侮らなかった。
むしろ、自らの尊敬する旅団長と同レベルであると仮定した。
「ミハウェル……待っててね。今行くよ」
エレーナは小さく呟くと「撃て」と鋭く射撃を命じる。
全速力で前進しながら放たれた砲弾は見事、敵の戦車を貫く。
「邪魔」
エレーナは目を黄金色に輝かせてそう呟いた。
すぐさま次弾を装填した操縦手が「装填完了!」と声を上げるとエレーナは「ありがとう」と微笑む。
「右20度、敵の4号戦車」
「了解。右20度の敵戦車」
「撃て」
エレーナは淡々と命令を下していく。
すぐさま放たれたその砲弾はまたもや敵の戦車を貫いた。
「ここじゃない……あっ!」
エレーナはそう声を上げると目を見開いて左を向いた。
「転進! 左15度!」
「そっちには湖しかありませんよ?!」
操縦手の声にエレーナは笑った。
「あそこにミハウェルがいる!」
「神の、お導きがあらんことを」
そのころ、カミラ王女達はドロホヴァへと向かっていた。
彼女たちの名前は334連隊改め独立近衛戦車大隊。
ソ連兵たちからはカミラ騎士団と呼ばれるようになった。
「また、神ですかい」
「敬虔な信徒が今、苦境に立っていますわ」
ジャスパーの言葉にエレーナはそう言って笑った。
彼女が駆る戦車はアメリカ製の最新鋭戦車であった。
M4シャーマン。
第2次世界大戦において欧州、極東で活躍したアメリカ軍の主力戦車。
その試作型が彼女たちに配備されていた。
「さしずめ、米英の友好の証といったところですわね」
カミラ王女は背後に続く戦車を見てそう呟いた。
アメリカはいまだに参戦を渋っている。
だが、軍部の中にいた反ドイツ派の人間がこの試作戦車を送ってきた。
「ソ連の戦車なんか乗ってられませんわ」
王女はそう忌々しげに言った。
ソ連軍の戦車は居住性が極端に悪い。
「でも、本国の戦車は微妙ですからなぁ」
ジャスパーはそう言って彼女のつぶやきを補足した。
「待っていなさい、リューイ・ルーカス」
「前方に戦車が!!」
クラウス大尉たちの迎撃を間一髪で潜り抜け、林を抜けた先にあったのは焦げはてた戦車の残骸だった。
それを見た操縦手が声を上げると同時にエレーナは砲塔から身を乗り出した。
「ミハウェル!!」
エレーナはそう叫んだ。
残骸のすぐそばで戦車を停めさせるとエレーナは砲塔から飛び降りた。
「ミハウェル!! どこ?!」
彼女はこの戦車がトゥハチェンスキのものであると察していた。
「エレー……ナ」
エレーナの声に呼応するようにうめき声が返ってきた。
慌てて、声がしたほうに駆け寄ると、そこには全身にやけどを負ったトゥハチェンスキが残骸に背中を預けて倒れていた。
「ミハウェル! 大丈夫?! いま、今助けるから──」
「もう、いい」
トゥハチェンスキは絞り出すように言った。
「胸のポケットを……」
彼の言葉に応じるように「う、うん」と小さく答えると彼の胸のポケットに手を伸ばした。
中に指をナバスとチャリンと金属の当たる音がした。
「ネックレス………?」
エレーナがそう呟くとトゥハチェンスキはほんの少し頬を動かした。
「今まで、ありがとうな。エレーナ」
はっきりと、トゥハチェンスキはそう言った。
直後、トゥハチェンスキの息が荒くなる。
「ミハウェル! 諦めないで!」
エレーナはそう言ってトゥハチェンスキに右手を握った。
それに、トゥハチェンスキは何も答えなかった。
「ねぇ! 私にもっと色々教えてよ! 街に連れてってよ!!」
エレーナはトゥハチェンスキの前にひざまずくと声を上げた。
「ねぇ!」
何も答えないトゥハチェンスキにエレーナは焦れた。
トゥハチェンスキは小さく唇を動かす。
何か言葉を発しようとしているようだ。
「なに? どうしたの?!」
エレーナはそう言って耳をトゥハチェンスキの口元に寄せた。
「エレーナ……。愛してる」
トゥハチェンスキはそう言い残して、絶命した。
残された少女は何度も彼の名前を呼ぶ。
だが、それに答えが返ってくることはなかった。
受け入れたくない現実を突きつけられたエレーナは泣き叫んだ。
そんな彼女を現実に引き戻したのはカミラ王女だった。
「すべての元凶は、あの野良犬ですわ」
無線機から響いた声に、エレーナはハッとした。
憎い。
ただひたすらに憎かった。
トゥハチェンスキを失った悲しみが急速に怨嗟に染め上げられていった。
「リューイ・ルーカス……。許さない」
エレーナはそう呟くと、立ち上がった。
去り際、トゥハチェンスキの外套から中佐の肩章と襟章を外して胸ポケットに仕舞うと、その場を去っていった。
「後退してくるソ連軍の精鋭戦車大隊を吸収しますわ」
無線機を置いたカミラ王女はジャスパーに命じた。
前線で何が起きているのか、彼女は知っていた。
「神に愛された青年が死んでしまったのは惜しいのだけれどね」
カミラ王女はそう吐き捨てる。
ミハウェル・トゥハチェンスキ、彼は神に愛されていた。
「誰なんです、その青年とやらは」
ジャスパーに問いに王女は微笑んだ。
「ミハウェル・トゥハチェンスキ。神以外に唯一、野良犬を殺す術をもった男ですわ」
「野良犬は、殿下でも殺せないんですかい」
彼の問いに王女はうなった。
そして儚げに微笑むと口を開いた。
「無理、ですわ」
「戦車大隊は集合! すぐさま再編を!」
私はドロホヴァ郊外でそう叫んだ。
視線の先には次々と市街地に突入していく歩兵たち。
彼らを見て、私は勝利を確信した。
市街地戦を入念に訓練、研究させた歩兵部隊が突入すれば勝利は間違いない。
「後方司令部に伝達! 『ワレ突入に成功』!」
矢継ぎ早に命令を出す私の横に一両の戦車が横付けしてきた。
「旅団長! 戦車1両に突破されました」
血相を変えて報告してきたのはクラウス大尉であった。
その言葉を聞いて私は首を傾げた。
彼の中隊がいたほうから戦車が抜けてきたという情報も、歩兵部隊が襲撃されたという報告も上がっていない。
「どこに向かったの?」
私の問いにクラウス大尉は「東の、湖のある方向へ……」と答えた。
その言葉を聞いて相手の小隊が分かった。
「相手の車長は紅色の髪を伸ばした少女かしら」
「あ、はい」
私の言葉を聞いてクラウス大尉は意外そうに答えた。
「知っているんですか?」
その問いに私は小さく微笑んだ。
「私をとらえた女性将校よ」
そう言うと、遠くを見つめた。
彼女なら、きっとトゥハチェンスキの元にたどり着けただろう。
「で、あの子に襲われて損害は出たんでしょう?」
私の問いに、クラウス大尉は表情を曇らせた。
「2両がやられました……」
その言葉を聞いて「そう、後で誰の車両か報告をキチンと上げなさい」と答えると、終結する大隊を眺めた。
「大方は成功。かな」
近づいてきたリマイナはそう言って笑った。
「えぇ、トゥハチェンスキも死んだわ。もう、これで勝ちよ」
私はそう言って微笑む。
リマイナはそれに同意するように頷く。
私は両手を神にささげるようにして祈った。
「神のご加護があらんことを」
神は、何も答えなかった。
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